古田会計事務所

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今週の考える言葉「時間」

考える言葉

時間

   「光陰矢の如し」という格言は、小さい頃からの教訓である。何度となく耳にし、その都度頷いては納得し、心を引き締めていたような気がする。
 
   だが、その経験を活かし、その後の日々において、充実した“時間”の使い方を常にやり続けてきたかというと、自信がない。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」って、ことだろう。“時間”の浪費癖ってやつは、いったん身についてしまうと始末に負えない、厄介なものである・・・。
 
   しかし、この格言の価値を真に理解し、人生の早い時期に、自分自身の信念とすることができたら、充実した人生が約束されるに相違ない。
 
   「人生とは、“時間”との戦いである」という言葉がある。“時間”は、その人の向き合い方によって、友にも敵にもなる。“時間”を良き協力者として頼るにはどうしたらいいのか?
 
   小生の場合、“時間”との向き合い方について改めて体系的に学ばせてもらったのは、P・F・ドラッカーの「自己管理による目標管理」からである。この考え方は、「IG式目標管理システム」として構築し、自らの習い性となるよう、日々やり続けることを義務付けている。
 
   成果をあげる人たちは、「“時間”が最大の制約であり、最も希少な資源であること」を知っている。その“時間”を良き友とするためには何をなすべきか、先ずは「汝の時間を知れ!」という。
 
   “時間”がどのように使われているのか?時間をマネジメントすることの基本は、「“時間”を記録し、整理し、まとめる」という三段階のプロセスであり、極めてシンプルな考え方である。
 
   ① “時間”を記録し、“時間”の使い方を診断する。(記録と分類)
   ② 仕事を整理する。(廃棄、任せる)
   ③ 空いた“時間”をまとめる(時間のマトリックス、優先順位)
 
   以上のように、“時間”をマネジメントすることは、仕事の成果にとって極めて重要である。さらに加えて重要なことは、「人の“時間”を無駄にしていないか?」を、つねに心がけておく必要がある。
 
   IGグループも次世代へ繋ぐ時期にきている。改めて、“時間”との戦いが気になるところである。
 
   まさに、「光陰矢の如し」である。月日がたつのはあっという間である。だからこそ、時間を大事にしたいと思う。
 

今週の考える言葉「M&A国際会議」

考える言葉

M&A国際会議

   この時期の恒例で、楽しみの一つである“M&A国際会議”(日本M&A協会主催)へ今年も参加(3月18~25日)。
 
   この催しは、1994年の上海を皮切りに、世界の経済的主要都市を舞台として毎年行われており、今年が第23回目の開催になるという。開催の趣旨は、日本M&A協会の理事会員となっている職業会計人一人ひとりにグローバルな視点やセンスを養ってもらい、日々の仕事に役立ててもらうことにある。
 
   さて、今年の舞台は「サンフランシスコ&シリコンバレー!」 観光としてのイメージというよりは、事業家として一度は訪れてみたい地域だったのでホント嬉しい。参加者の数は、430名を超えて、過去最高だったそうだ。(ホントにご苦労様!)
 
   さて、シリコンバレーといえば、この半世紀における「時代の進化」に最も貢献をしてきた地域であり、イノベーションの聖地である。サンフランシスコから車で一時間ほど南に位置するサンタクララ・パロアルト・サンノゼ地区の通称。スタンフォード大学があり、Apple、Intel、Google、Twitter、FacebookなどIT企業の本社が多数立ち並ぶ地域である。
 
   一日目のパネルディスカッションでは、シリコンバレーで活躍する日本人起業家たちの話を聞くことができた。
 
   シリコンバレーの何が凄いのか・・・?
 
   「自分たちが世界を変えられると信じている」「絶妙な目標設定能力がある」「非常識に寛大である」「トップが決めたことをやり抜く力」「失敗を恐れない文化」「リスクに対する考え方」「世の中の課題と向き合う」「技術とビジネスをつなげる仕組み」「人とのつながりが根っこにある、人脈の重要性」「スピード感を大事にする」「天気が良い」「テーマは変わり続けること」「ハックする」等々のキーワードが飛び出してきた。
 
   面白いと思ったのは、一旦17時で仕事を切り上げて、家庭サービスの時間を持つ。急ぐ仕事があれば21時以降に戻ってきて、また仕事をするという。家と職場が隣接していると、そんな時間の切り分けができる。再考すべき妙案である。
 
   その日の総括をされた千本倖生先生の挨拶。「自分もシリコンバレーとは縁が深い方が、日本企業はシリコンバレーに負けない力を十分に持っている!戦える!」 また、シリコンバレーで起業しているパネリストの人たちに一言アドバイス、「やっていることが小さ過ぎる!もっと世界に通用するようなスケールを目指せ」と、さすが一時代をつくった人の迫力だ。
 
   イノベーションの聖地!その空気を吸ったので英気を十分に養えた気分である。

今週の考える言葉「ハワイ雑感」

考える言葉

ハワイ雑感

   ハワイへ向かう機中での瞑想・・・。
 
   「あなたは立ち止まってバラのかおりを嗅いだのはいつのことだろうか。長い間、足を止めて、日没という魔法を見たのはいつのことだろうか。あなたは日ごろ、まわりの世界の素晴らしさをどれだけ気づいているだろうか」という本の一節に出逢い、ハッとさせられた。
 
   考えるに、バラが咲いている庭先や日没の鮮やかな夕日を目にしているにもかかわらず、足を止めることを久しくしていない自分に気づかされる・・・。幸い、自然豊かなハワイ島で3日間を過ごす。ゴルフ三昧を決め込んでいたが、ゆったりとした気分で、自然を満喫しながらプレーを楽しもうと心に決めた。
 
   朝一のプレー、幸いなことに天気上々・・・。空気が澄んでいて、遠くにマウナ・ケア(4,205m)やマウナ・ロア(4,169m)の頂上を拝むことができて、ラッキー!普段だったら、「おォ、見えている!」で終わるのであるが、今回は違う・・・。暫し、立ち止まり、祈りを込めて見入った。
 
   朝日が橙色に空を染める風景、コースの途中で見られる白い花の群生、芝の上をちょこちょこと跳ねている小鳥たち、ゆったりと歩いているヤギたち、海岸際のコースに打ち寄せてくる白い波、また波・・・。
 
   滅多に行かないビーチにまで足を延ばし、孫たちと砂遊び。波打ち際に防波堤をつくり、お城をつくるが、すぐに波にさらわれてしまう。何度も何度も夢中になって作り直す無邪気さ・・・。残念ながら、期待していた日没の魔法は、途中で雲に隠れてしまったが、夕日が染める一直線の海の色も素晴らしい。
 
   何度も来ているハワイ島だが、本の一節との出逢いのお陰で、違った意味でのリフレッシュを楽しむことができた。
 
   その後、オワフ島(ホノルル空港)へ飛び、ゴルフ場へ直行。終了後、ワイキキへ戻るのに1時間ほどのドライブだが、途中の山の中腹には住宅地が密集しており、高層マンションもけっこう立ち並んでいる。年々、ワイキキ郊外へと住宅地事情は広がっているようで、郊外からワイキキへ流れ込む朝のラッシュは、半端ではないそうだ。
 
   俗化が進むワイキキ周辺では、自然に親しむという感じは難しいが、ホテルのベランダから見る海はきれいだ。ただ、気になったのは空の色・・・。ハワイ島からのボグ(火山灰)の影響らしい。
 
   「立ち止まって、周囲の景色をじっとみる・・・」そんな気付きをもらっただけで、今までと違う時間の過ごし方ができるようになったと思う。やはり、旅はすばらしい・・・。
 

今週の考える言葉「働きがい」

考える言葉

働きがい

   人間の成長にとって、“働きがい”はいつも課題の中心となる。
 
   「人間は、仕事を通して成長する」という言葉があるが、もっと厳密にいうと、「人間は、“働きがい”のある仕事に出逢ったときに飛躍的に成長する」と考えた方がいい。
 
   だから、仕事を選ぶとき、「“働きがい”のある仕事なのか、どうか?」は大切な判断基準とすべきだと思う。
では、“働きがい”を見出し、高めるためにはどうしたらいいのだろうか?これに関しては、ドラッカーの次の言葉が響く。
 
   「“働きがい”を与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、➁フィードバック情報、③継続学習が不可欠である」
 
   仕事に対する責任こそが、“働きがい”の源泉だという。つまり、自らの責任を果たすことが“働きがい”を生み、動機づけの要因になるのだという。
 
   「“働きがい”の源泉は他に求めるものではなく、自覚だ」という・・・。このドラッカーの考え方は、主体性を確立したいという成長欲求を持っている者にとって肝に銘じておくべきことだと思う。
 
   さて、仕事を遂行するレベルには次の4段階(成長のプロセス)があると思う。
 
   (1) 指示に従って正確かつ迅速に処理できるか
            (素直さ、感謝、基礎力)
   (2) 自らの段取りで仕事ができるか
            (責任観、職域拡大、目標管理)
   (3) 仕事に対しての問題発見能力があるか
            (問題意識、指導力、自己革新)
   (4) 仕事に対しての問題解決能力があるか
            (使命観、マネジメント力、リーダーシップ)
 
   仕事の各段階において、どのような責任を期待されるのか?その責任を全うするために何をなすべきかをしっかりと考え、目標設定する。その目標へのチャレンジこそが、“働きがい”の向上へとつながるのである。(「責任」~「働きがい」~「成長」)
 
   以上、“働きがい”とは本人の自覚以外の何ものでもないことが明確になったと思う。
 
   また、次の3 点を心掛けて仕事をすることによって、“働きがい”は確実に高まると確信する。
 
   ① 甘い現状認識を捨てる
   ② 手段ではなく、目的から考える
   ③ 主体的なキャリア形成プランを立てる
 
   マネジメントにおける人材育成の基本は、育てるのではなく、育つ環境を整えることにある。“働きがい”が育まれる環境をつくりたいと思う。
 

今週の考える言葉「スモールサン」

考える言葉

スモールサン

   IG会計グループ主催の『IG新春セミナー』が、開催された(2月15日、ホテルニュー長崎にて)。おかげさまで200名を超える参加者があり、セミナー会場は勿論、懇親会も大盛況であった。
  
   第一部は、小生が昨年出版した書籍の内容をベースに『“未来からの逆算”が会社を変える!~勝敗の行方は戦う前に決している』というテーマで、「目標を定め、行動することの重要性」について、話をさせて頂いた。
 
   第二部は、みなさんご存知の山口義行氏(立教大経済学部教授、スモールサン主宰)をゲストとしてお招きし、『中小企業における知的戦略経営』というテーマで、素晴らしい講演を頂いた。
 
   同教授は、時代環境の激変の中でいろいろな経営課題を抱えている中小企業を支援する目的で、“スモールサン”という「知的サポートネットワーク」を主宰されておられ、知行合一を実践されている。“スモールサン”とは、中小企業(small business)のSmallとサポートネットワーク(support network)のSUNをとっての略称。中小企業一つひとつが「小さな太陽」になってほしいという意味をこめての命名だという。
 
   山口先生の講演内容で、印象に残った点を少し紹介したい。
 
   日本における人口減少の問題は社会システム上も大きな課題となっているが、中小企業経営者にとっても、それが要因で3つの大きな壁(①市場の壁、②地域の壁、③人手の壁)となって立ちはだかっているという。
 
   そして、これらの壁(課題)と向き合い、乗り越えるためには何が必要とされるのか?そのために今、次の3つの力が経営者に求められているという。
 
   ① 読む力(時代の潮流を見極める)
   ② 問う力(自らの存在の意義と価値を常に問う)
   ③ つなぐ力(連携、衆知を集めることによって、個の限界を
                        全体の限界にしない)
 
   この3つの力に関しては、自己革新にとって必要不可欠な力であり、全く同感である。つねに心がけて磨きをかけ、高めていきたいと思う。
 
   また、スマホやコンビニを例にとり、「発展とは、一部にすることである」(ヘーゲルの弁証法)という言葉を紹介して頂いたが、これも得心!低次元においては対立あるいは別物であるものが、次元を高める(発展)ことによって統合されるという・・・。さらに、隣接異業種への挑戦も、イノベーション思考として面白いと感じた。
 
   新しい成長戦略が描けず、赤字に苦しんでいる多くの中小企業経営者にとって、たいへん示唆に富んだ講演だったと思う。
 

今週の考える言葉「生産性」

考える言葉

生産性
   最近、“生産性”という言葉をよく耳にする。
 
   昨年9月にスタートした『働き方改革実現会議』(第3次安倍内閣で設置)でも、テーマとして「賃金引上げと労働“生産性”の向上」が取り上げられており、「日本の低い労働“生産性”」が話題となっている。
 
   また、先月に帝国ホテルで開催された『全国経営者大会』でも、多くの有識者が日本の“生産性”の問題を取り上げていたが、概して論調はやはり労働“生産性”の低さを指摘する内容であった。書店でも、売れ筋コーナーに“生産性”に関する書籍が並べてあり、目につく・・・。
 
   言うまでもなく、話題の背景にあるのは、日本において急速に進んでいる構造的な社会問題である少子高齢化である。恐らく、未来に行けば行くほど、地方や中小企業において人手不足がより深刻化するのは想像に難くない。
 
   少子化を解消するためには、育児中の女性が働きやすい環境を整える必要があるし、働き盛りの社員が介護離職を余儀なくされるという事態もよく耳にする身近な問題である。
 
   さて、“生産性”とは「アウトプット(得られた成果)」÷「インプット(投入した資源)」の比率として計算される。「働き方」という視点からいうと、「インプット」を「時間」と考えてもよいだろう。“生産性”の向上とは、短い時間でより大きな成果をあげるための創意工夫だと考えていいだろう。
 
   企業における“生産性”向上の重要性をいち早く唱えたのは、P・F・ドラッカーであろう。氏は、環境の変化に伴い、生産性の課題が機械や道具といった手法の問題(=効率化)だけでなく、働く人間の姿勢の問題(=効果性)へと発展していることを指摘し、生産性向上の視点として、次のような考え方を示唆している。
 
   ① 成果の定義(仕事の目的を問う)
   ② 分析(必要な作業、資源、ツールの洗い出し)
   ③ 体系化(相互関係性や段取りの構築)
 
   この考え方をベースにして「仮説~実践~検証」の経営サイクルを廻し、目標管理を徹底することによって、継続学習の場をつくり“生産性”向上の勝ちパターンをつくり上げていけば、“生産性”を意識した職場環境が生まれるであろう。
 
   生産的な職場環境が生まれると、人間関係が良好となり、様々なライフスタイルにあった仕事のスタイルが受け入れ易くなり、当然ながら多様な人材が集う場が構築されるのでないかと考える。
 

今週の考える言葉「自問自答」

考える言葉

自問自答

   “自問自答”とは、「自分で問いかけ、自分で答えること」である。これは深い思考力あるいは考え抜く力を養うために、極めて有効な手段である。
 
   先週末(2月3~4日)、『NBM(第16期③)』を終えたばかりである。『NBM』とは、NN構想の会主催の『新ビジネスモデル(NewBusinessModel)研究会』の略称。2003年に、会の活動の一環としてスタートしたが、お陰様で好評のうちにロングランを続けている。
 
   『NBM』の特徴は、ぜんぶで6単元のシリーズ物(2か月にいっぺん、一泊二日の合宿形式)であるが、それぞれのテーマごとの教材はすべて質問形式になっており、2時間程度の導入講義はあるが、グループ討議を中心に運営されているところにある。
 
   さらに、質問の内容は、「ハウツー(どうすれば)」ではなく、基本的に「なぜ(=Why)?」を中心に考えてもらうように心掛けて準備してある。つまり、物事の本質を捉えて考える訓練をする場でありたいと思っている。
 
   参加者の心得として一番大事なことは、用意されている質問のすべてを自分の問題として捉え、先ずは“自問自答”してみることである。人間って不思議なもので、質問を投げかけられると、それに対して自然と考えるようになっている。
 
   本田圭佑サッカー選手の名言の一つに、「くどいほどの“自問自答”をするしかない!」というのがあるそうだ。「大丈夫か?」「準備はできているのか?」など、くどいほど何度も自分に言い聞かせるのだそうだ。その理由は、自らの気の弛みを未然に防ぐためだという・・・。やはり、超一流の人間はどこか違う。
 
   また、グループ学習の良いところは、意見交換を通して衆知を集めることができるところに妙味がある。お互いの思考性の違いに気づくことによって、切磋琢磨できれば最高である。
 
   経営においても、“自問自答”するときは二つの視点が大事だと思う。つまり、目的と手段である。先ずは、「Why?」や「What?」を自問することによって目的を明確にし、その上で「How?」を問い、具体的な手段を選択する。
 
   パラダイムシフトの時代は、時代を支配している価値観(物の考え方)が崩壊し、全体力(国家あるいは業界などの秩序)が低下するところに特徴がある。つまり、個々の独創性が問われる時代であるといえよう。自らの地頭をしっかりと鍛えるしかない。
 
   IGグループでは、仕事に関わるとき、「何のために(目的)」を必ず問うように心掛け、習慣化しようとしている。そこらから創意工夫のアイデアが生まれるからである。
 
   “自問自答”を習慣化し、考え抜く力を養いたいと思う。
 

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