古田会計事務所

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今週の考える言葉「SDGs」

考える言葉

SDGs

   “SDGs”(エスディージーズ)とは、「Sustainable Development Goals」という英語の頭文字を取った略称である。「持続可能な開発目標」と訳されている。
 “SDGs”は、2015年9月25日の第70回国連総会で採決された、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書の中にある。日本語では、外務省のホームページに掲載されている。
 
   “SDGs”が採択されてから5~6年経つのだが、コロナが蔓延したせいもあるのだろうか、“SDGs”に関心を持ち始め、研究している企業が増えているという。小生もその一人であるが・・・。
 
   アフターコロナ後、「時代環境はどう変わるのか?」「その結果、企業はどのような経営課題と向き合うことになるか?」などと、経営計画を策定するにあたっての要件を考えているうちに、“SDGs”の中にこそ、企業が取り組むべき課題、その答えがあるのではないかと確信したからだ。
 
   “SDGs”は、持続可能な世界のための「17の目標(ゴール)と169のターゲット」(外務省のホームページ参照のこと)からなっている。
 
   17の目標には、「こういうふうに行動し、こんな状態になりたい」という内容が書かれており、未来像を描いているという意味で、「ビジョン」である。そして、それを実現するために、具体的にどうしたらよいかという「行動目標」が169のターゲットだと考えてよいだろう。
 
   では、多くの経営者が“SDGs”に関心を示す理由は何だろうか?次の3つの魅力を感じているからであろう。
 
①新事業開発や既存事業の拡大につながりそうだ。
   (利益の原動力)
 
②新たな人材獲得のための武器になりそうだ。(若い世代の関心)
 
③コミュニケーションツールとして有効だ。
   (国際的な共通目標、「御旗」の効果)
 
   このように、企業の成長戦略を描くときに大変参考になるのだが、カギとなる考え方は「持続可能性(サステナビリティ)」であると考える。
 
   故に、“SDGs”に取り組もうとするとき、「自社の持続可能性を支える強みとは何か?」を、まず検討してみる必要がある。
 
   そしてその上で、「17の目標と169のターゲット」の中から、自社の強みを活かせるテーマを抽出するとよいだろう。つまり、あれもこれもではなく、「やること」と「やらないこと」をしっかりと検討し、選択することが大切だと思う。
 
   私たち人類が「共有すべき未来」のためにも、“SDGs”に深く関心を持ちたいと思う。
 

今週の考える言葉「経営戦略」

考える言葉

経営戦略

   「戦略性が問われる時代」だという。「ウィズコロナ」を生き抜き、「アフターコロナ」を生き延びるために、その方向性を見極めるための“経営戦略”をどう描くか、問われているのである。
 
   今回は、その“経営戦略”について考えてみたい。
 
   今や中小企業といえども、多角化展開をしているところが増えてきている。「アフターコロナ」の時代においては、その傾向がもっと高まっていくことであろう。その関係もあって、“経営戦略”は大きく次の二つに分けて考え、つくるべきであるという。
 
(1)全社戦略(Corporate‐Level Strategy)
(2)個別事業戦略(Business‐Level Strategy)
 
   ここでは先ず、(1)の全社戦略を重点的に考えてみよう。
 
   全社戦略(コーポレート・ストラテジー)とは、全社的視点で考える戦略であり、トップマネジメントである社長が中心となって取り組むべき戦略である。その取り組むべき内容として、次のような事が考えられる。
①全社としての事業ドメインの設定とマネジメント
②全社ビジョンの作成と徹底
③全社組織の設計と運営
④全社ガバナンスの仕組みの構築と実行
⑤全社人材マネジメント
⑥株主マネジメントと企業価値の向上
⑦事業ポートフォリオ・マネジメント、事業間の資源再配分、事業間のシナジー・マネジメント
 
   以上である。各項目共一つひとつ、踏み込んで検討すべき内容であるが、今回は全社戦略の骨子として紹介するに留めて置きたい。
 
   さて、もう一つ(2)の個別事業戦略についても少し触れておきたい。個別事業戦略を考える場合、次の4つのポイントに関して検討することになる。
①「顧客は誰か」(対象顧客の絞り込み)
②「提供価値は何か」(主要顧客に対してどのような価値を提供するのか)
③「競合は誰か」(競合他社を知ること)
④「自社の強みは何か」(競合他社に比べて、どのような優位性を構築するか)
 
   “経営戦略”は、全社戦略と個別事業戦略の違いを十分に認識した上で、相互のバランスを考慮しつつ、実行可能性を追求していかなければならないと思う。
 

今週の考える言葉「値上げ」

考える言葉

値上げ

   20年以上続いているデフレ不況下で予期せぬコロナ騒動・・・。コロナ後の経済環境はどうなるのであろうか、と懸念している経営者が多いと思う。
 
   一番の懸念材料は、景気の停滞・低迷状態の加速化で、さらにマーケットの二極化が進むのではないだろうか、ということである。つまり、上流層(高所得者や資産保有者層)と、下流層(低所得者層)にである。これは、国内の消費の大部分を占めていた中間層の下層化も意味することでもある。
 
   この社会構造の変化は、経営者にとって如何ともし難いことだ。問題は、この構造変化に対してどう対処するかである。
 
   一番やってはならないことは、社会のデフレ化現象に惑わされて、安易に低価格戦略(値下げ)に舵取りをすることだ。値下げというのは、利益を犠牲して売上をつくる行為である。目先に追われ、未来を損なう行為ともいえよう。
 
   では、どうしたらいいのだろうか? まずは、腹を決める!
 
   「正しい企業努力を行うためにも、“値上げ”をしよう」と・・・。値段を上げることこそ正しい企業努力だと考える。つまり、“値上げ”によって会社全体が儲かる体質に変わるのである。
①“値上げ”によって、高収益体質の変わり、社内に余裕が生まれる。
②客層が良くなる。(値段より信頼や安心での顧客)
③余裕が生まれ、さらに付加価値な情報を加えることができる。
④経営者に時間的余裕が生まれ、未来を創るための時間ができる。
 
   さらに知っておきたいことは、消費には次の「4つのタイプ」(動機づけ、判断基準)があるということを認識しておこう。
①「安いから買う」消費
②「高いから安心、信頼が置ける」消費
③「モノではなく、コトを買う」消費
④「自分らしさを買う」消費
 
   これらの「4つのタイプ」からも分かるように、今や消費者行動は「値段の安さ」だけで消費を決めていないということである。
値下げをするということは、自社の取り扱う商品・サービスに自信持っていない証拠だと思われても仕方がないと思う。
デフレ不況下の今こそ、“値上げ”に挑戦しよう。正しい企業努力をし、企業価値を高めるためにも、“値上げ”することを考えよう。
 

今週の考える言葉「競争優位」

考える言葉

競争優位

   今なお、出口がはっきりしないコロナ騒動であるが、コロナ後の時代環境の変化に対して様々な憶測や見解が飛び交うようになった。
 
   ”考える言葉”シリーズ(21‐20)のテーマとして取り上げた「レスの時代」もその一つである。
 
   それと、もう一つよく見聞するのは「差別化」である。
 
   要するに、強い者が生き延びて、弱い者は淘汰されるという競争社会の激化が明確になるのではないかという見解である。人口減少等で経済規模が縮小する中で、あらゆる業界において企業の統廃合が進むのは想像に難くないが、コロナ騒動がその流れを後押し、加速化するのではないかという・・・。
 
   言うまでもなく、いつの時代においても、経営とは戦いである。戦いである以上は、勝たなければ生存できないのは至極当然である。
 
   そこで改めて問うべきは、“競争優位”の源泉についてである。歴史的に捉えても、次の4つの要素が考えられる。
 
① 資本力(大量生産・販売力)
モノ不足の時代(1960~1980年代)、高度経済成長期は資本力がある企業が圧倒的に優位であった。
 
② マーケティング(顧客のニーズや課題への対応力)
80年代から経済が高度化し、顧客ニーズの多様化が進む。競争優位の源泉としてマーケティングの重要性が問われるようになった。
 
③ シーズやウォンツ(顧客の潜在ニーズを掘り起こす力)
2010年代、SNSなどの普及で、B2C市場でユーザーのシーズやウォンツを捉え、
自社の強みを活かせるかどうか。自社の強みに特化することが経営戦略上重要となる。
 
④ ブランド(企業としての信頼性)
そして「アフターコロナ」の2020年代、コロナウィルスという未知の体験をしたことにより、経済面やデザイン面だけでなく、環境面、衛生面、自分の価値観に合うかなど、多面的に物事を見るようになるだろう。
企業が社会的存在として信頼できるかどうかまで踏み込んで選ぶようになるだろう。それは企業としての信頼であり、ブランド力だといえよう。
 
   以上、“競争優位”の源泉について検討してみたが、特に企業としてのブランド(信頼性)を高めるための働きかけを常に心がけていくべきであろうと考える。
 

今週の考える言葉「対立」

考える言葉

対立

   十人十色というように、人それぞれの価値観がある。つまり、考え方や好みなど各人それぞれちがう。それゆえに、同じ職場環境で仕事をしていたとしても、意見の食い違いが生じ、“対立”してしまうことも多々ある。
 
   “対立”といえば、ついネガティブに捉えがちであるが、”考える言葉”シリーズ(21‐18)の中で紹介した書物、『未来を共創する経営チームをつくる』(鈴木義幸 著)では、「経営チーム」を進化させるために心得の一つに“対立”の重要性を説いてあった。
 
   なぜ、“対立”が組織の進化にとって重要となるのか?その点に著者の意見を踏まえながら、考えてみたい。
 
   まず、その著者は“対立”について次のように述べている。
 
   「より洗練されたチーム(組織)は、対立をクリエイティブなアウトプットを出す源として、しっかり位置づけ、活用しています」と。
 
   そして、チームにおける“対立”の捉え方を3段階に分けている。
 
   ①第一段階:むき出しのエゴ同士の“対立”
第一の段階の“対立”は、それぞれが自分のことを中心に考えていて、エゴが高まっている状態である。ここでは、“対立”は敵意を生み出すもので、創造を生むものにはならない。
 
   ②第二段階:“対立”はお互いの違い
第二の段階の“対立”は、お互いの意識が自分よりもチームに向かっている状態なので、意見の“対立”が起こっても、それはお互いの違いとして認識される。
 
   そして、お互いが相手との違いから、新しい視点を学び、その視点を自分の中に取り入れながら、アイデアをバージョンアップさせていくのである。
 
   第一段階目のときより、はるかに効果的な“対立”が起きているが、それは偶発的に起きるものであって、チームの中で意図的に起こされているものではない。
 
   ③第三段階:創造のために“対立”する
この段階になると、チームの中で、リーダーが意図して創造のために“対立”を起こすようになる。このようなチームでは、“対立”は創造のための手段として認識されている。だから、できる限り、視点の違いを場に出して、それを創造的に統合することで、お互いのアイデアをブラッシュアップしようとする。
 
   以上であるが、“対立”をこのよう視点から捉え直すことができれば、お互いに妙な遠慮をすることなく、真摯にぶつかり合っていけるのではないだろうか。
 
   “対立”を恐れず、一切手加減をせずに、本音でぶつかり合うIG文化をつくろう。
 

今週の考える言葉「プロの時代」

考える言葉

プロの時代

   前回の“考える言葉”シリーズ(21‐20)で、『レスの時代』について紹介した。
 
   その記載があった『コロナ後に生き残る会社 食える会社 稼げる働き方』(遠藤功 著)の著書の中に、もう一つ意義深い視点での内容があったので、それも紹介しておきたい。
 
   それは、「コロナ・ショックは、ビジネス社会における“プロの時代”の幕開けになる」という指摘だ。つまり、滅私奉公的なサラリーマンは淘汰され、高度専門性と市場性を兼ね備えた「“プロ”が活躍する時代」になるという・・・。
 
   「コロナ後の時代環境はどう変化していくのだろうか?」について、関心と同時に計りかねていた小生にとっては、示唆深く、有難いサゼッション(suggestion)である。
 
   このサゼッションの前提には、世界経済が大きく縮む・・・。恐らく、「70%エコノミー」が妥当だという予測がある。「縮んだ経済」の中で生き残るためには、企業も身を縮めるしかない。
 
   そのとき、「プロ」と「アマ」の差が歴然としてくるのだという。つまり、「プロ化するビジネス社会」とは、「人が生み出す価値には歴然とした差がある」という現実を認める社会のことである。
 
   それと、“プロの時代”が進むに連れて、日本における人材の流動化は、急速に高まっていくと予測される。つまり、終身雇用や年功序列的な慣行は大きく変わっていくだろう。著者は、“プロの時代”の幕開けの中で、プロとして勝ち残っていくためには次の5つのパラダイムシフト(発想転換)が不可欠であるという。
 
①「社内価値」ではなく、「市場価値」で勝負する
②「プロセス」ではなく、「結果」にこだわる
③「相対」ではなく、「絶対」を目指す
④「他律」ではなく、「自律」で行動する
⑤「アンコントローラブル」は捨て、「コントローラブル」に集中する
 
   以上である。世界経済が大きく縮む中で、著者が言いたかったことの一つは、職業や職種の視点からだけ見ていると、落とし穴にはまるということだ。大事なのは、どの職業であろうと、「その職業に従事する一人ひとりがプロなのか、アマなのか」ということである。
 
   自分は何の「プロ」なのか?何の「プロ」を目指すべきなのか?いまこそ、自らに問い直す必要があると考える。
 

今週の考える言葉「レスの時代」

考える言葉

レスの時代

 
   「コロナ後に世の中はどう変わっていくのだろうか?」ということを思考しているとき、出逢った本に『コロナ後に生き残る会社 食える会社 稼げる働き方』(遠藤功 著)がある。
 
   その著書の中に、「コロナ・ショックは“レスの時代”の幕開けである」という面白い内容が記載されていたので紹介をしたい。
 
   氏がいうには、コロナ・ショックは「福音(ふくいん)」だった・・・。なぜなら、結果として、「レス」という「新たな選択肢」を手に入れることができたからだという。
 
    コロナによって私たちは行動自粛を余儀なくされ、否が応でもオンライン化やリモートワークを進めざるを得ない状況に追い込まれた。
 
   しかし、それによって「ペーパーレス」「ハンコレス」はいうに及ばず、「通勤レス」「出張レス」「残業レス」「対面レス」「転勤レス」など、「レス」できるものが多いことに気づかされたのである。
 
   「選択肢」が増えるということは、豊かになることである。同時に、これからは「複数の選択肢」を賢く使い分けていく時代になるということだ。だが、ここには一つの問題が出てくる。それは、賢く使い分けができる人とそうでない人の間に格差が生じるということだ。
 
   著者はこの点について、次のように述べている。
 
   「ポストコロナは、高度専門性を備え、市場価値のあるプロが大活躍する時代になる」と。つまり、上司の言うことを聞き、まじめに働くだけのサラリーマンは淘汰されるか、極めて低い賃金で働かざるを得なくなるということだ。
 
   「スマートワーク」という言葉がある。どういう意味かというと、多様な働き方を採用し、生産性を上げ、効率的に働く「働き方」をいう。そして、それは「プロ」としてふさわしい新しい働き方である。
 
   「スマートワーク」、つまりプロとしての「働き方」を身につけるには、次の二つの視点で「働き方」を見直す必要があるという。
 
① 一つは、「生産性」をいかに高めるか。
② もう一つは、「創造性」をいかに高めるか。
 
   つまり、ムダを省き「効率よく働く」ことと、ユニークな発想と斬新なアイデアで「価値あるものを生み出す」ことはトレードオフではないということだ。
 
   “レスの時代”とは、不要なものを「レス」すると同時に、新たな価値を創出してこそ、真の意味での「プロの仕事」だと評価される時代だといえよう。
 

今週の考える言葉「実行力」

考える言葉

実行力

   先週末(5月14日)、『未来会計実践塾・第16回定例会』(Ja‐BIG主催)が開催された。
 
   本来であれば、研修会場(東京)に集まり、泊り込みで行うのだが、コロナ騒動の中、残念ながらオンラインでの開催となった。
 
   ㈱日本BIGネットワーク(通称:Ja‐BIG)は、未来会計の事業化(年商1億円以上)を達成することによって、会計業界の先駆的役割を担うと同時に、中小企業のゴーイングコンサーンを下支えする社会的インフラを構築しようという志をもって、全国の職業会計人が共同出資をして設立したコンサルティング・ファームである。
 
   2014年創業で、はや7年経つが、気になることが一つある。それは何かというと、会員間の格差である。つまり、未来会計を事業化するための成果を確実に積み上げているところと、そうでないところの格差である。
 
   その事業化のためのビジネスモデルは体系化され、それを学ぶ機会(基本コース、実践コース、定例会など)も均等化されているにも関わらず、成否の格差が生じてくる。主催者側としては、いつも頭を悩ます課題の一つである。
 
   格差の原因は、いろいろと考えられるが、最大の要因は学後の実践であろう。つまり、“実行力”の差である。
 
   勿論、専担者個人の“実行力”が問われるのは当然であるが、新しい事業を立ち上げようとするとき、むしろ、組織としての“実行力”の有無を問うべきであろうと考える。
 
   なぜならば、組織を構成するメンバーは、少なからず、組織風土の影響を受けるからである。では、「良い組織風土」とは、基本的に次のような特性を持っているといえよう。
①組織メンバーが進んで仕事をする環境がある。
②組織メンバーが互いに協力し合う環境がある。
③組織に問題が生じたとき、それをオープンにし、協力して解決する環境がある。
 
   特に、トップの仕事とは、上記のような環境を整えることに重きを置いて経営の舵取りをするように心がけるべきであろう。
 
   新規事業を立ち上げるということは、先を見て、未来に備えるということを意味している。トップのリーダーシップは勿論のことだが、組織全体としての取り組みが、その成果に大きな影響を及ぼすことは言うまでもない。
   組織の課題に対して、真摯に取り組む“実行力”があるか否か、そして成果が出るまでやり続ける“持続力”が問われるのだと考える。
 

今週の考える言葉「経営チーム」

考える言葉

経営チーム

   GWの間に読んだ本の中に、『未来を共創する“経営チーム”をつくる』(鈴木義幸 著)という著書がある。
 
   この著書の冒頭に、次のような内容のことが書いてある。
 
   『「会社は社長で決まる」というが、「会社は“経営チーム”で決まる」といったほうが、より現実にあっている』と。長いこと、エグゼクティブ・コーチングの仕事をしてきた著者の経験から所見であろう。
 
   多様化した時代環境の中で、「企業の舵取りをどうしたらよいのか?」という経営課題に直面し、組織のあり方についても、様々な研究がなされている。
 
   従来のピラミッド型の「階層型組織」(機械論的)における管理型経営では、時代の変化に適応できないとして、セルフマネジメントを前提とした「ティール組織」(生命体的)という新しい組織のあり方と同時に、自主的経営の重要性が言われるようになってきた。
 
   そのような背景のもと、組織の経営を携わる経営陣が“経営チーム”として機能することの重要性を提案している。
 
   著者は「チームとは何か?」について、次のように述べている。
 
   「チームとは、チームとしての目標“を持っていて、共創していて、そして気持ちがつながっている」
  
   つまり、① 達成すべき目標の共有化、② 共創によるシナジー効果、③ 価値(成果)への共感性。それらが、メンバーの共通認識としてあるか。では、“経営チーム”を進化させるために心得ておくべきことをまとめておきたい。
 
①対立(=お互いに違い)を活かすこと(創造のための対立)
②会議のバージョンアップ(良い会議とは何かを検討する)
③パーパス(=目的)の共有(社会的存在の意義を意識する)
④関係性へのチャレンジ(ルーチン化しないために、日々新たに!)
⑤「悪口」を他言しない(相手への不満は直接話す)
⑥外とつながること(新しい視点、意見を獲得する)
⑦フィードバックを受ける(外部の視点からフィードバックを得る)
⑧チームの理想について考える(最高のチームと何かを問い続けること)
 
   不測の事態が起こりうるご時世・・・。そんな中、継続的な右肩上がりを実現していくには、トップの独壇場という訳にはいかない。
一人ひとりの衆知を集めて、未来を共創する“経営チーム”をつくりたいと思う。
 

今週の考える言葉「心記」

考える言葉

心記

   『渋沢栄一の「生き方」を磨く』という書物の中で、「読書の真髄は“心記”にある」という一節に出逢う。
 
   渋沢栄一は、人生において、夢と成功を実現する最高の方法の一つとして「自分の血となり肉となる読書法」を習慣化させることの重要性を説いている。
 
   小生も小さい頃から、誰彼となく、「しっかりと本を読む習慣を身につけなさい」と教えられ、そう心がけて生きてきたと思う。
 
   読書といえば、いつも思い出すのが、学生の頃にスナックのカウンターで隣り合わせた人のことである。ある大手企業の研究所員だったと思うが、その当時読んだ書物の内容を話しているうちに読書論になった。
 
   「若いときの読書は、自分の血肉になるからしっかり読んでおいた方がいいよ」と助言された。そこで、「先輩、大人になってからの読書は血肉にはならないのですか?」と聞き返すと、「若いときほど血肉にはならないね・・・。でも、読書は他人を理解するためには必要だね」という返答があった。
 
   そのあと、意気投合して、下宿に招かれていったら、ビックリ。所狭しと、いろんなジャンルの書籍が並んであった。お薦めの本を何冊も借りて、読んで返しては又借りを繰り返す日々があった・・・。
 
   さて、渋沢栄一は、古人の読書法について、いろいろと紹介をしたうえで、「読書の真髄は“心記”にある」と喝破した。“心記”とは、「心に刻みつける」という意味だ。蓋し、名言だと思う。
 
   最近、ある人と話していると、「今、読んでいる本があって、もう10回以上読み返した」という。小生にも、座右の書、座右の銘なるものがあるが、そんなにも繰り返し、精読したことはない・・・。
 
   考えるに、“心記”となることを心掛けるとなれば、それくらい読み返すほどの執念というか、真摯さが必要ではないかと思った。
 
   確かに、以前に読んだ名著を読み返す機会がときどきあるが、その都度、新しい気づきに出逢うことが多い。その時の心境によって関心の個所も変わってくるのだろうが、読書の奥に深さを感じさせられる。
 
   読書法で、精読がよいか、多読がよいかという議論があるが、渋沢はどちらでもよいという。多読でも“心記”はあるだろうし、座右の書であれば当然、精読を心掛けるであろう。
 
   「読書三上、馬上、枕上、厠(し)上」(古人)という。かつ、“心記”を心得たい。
 

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