今週の考える言葉「システム思考」
考える言葉
システム思考
「17年度予算案 最大97兆円」~構造改革なき歳出増・アベノミクスに綻び・・・。日経新聞(12月23日付の一面)の見出しである。
「円安や超低金利の追い風に頼る短期主義(=目先の帳尻合わせ)で、大局的視野での構造改革がないまま、歳出だけを膨らませてしまったら、将来への不安は募るばかり・・・。長い目で次世代の安心を考えた構造改革へ取り組むべきだ」ということであろう。同感である。
抜本革新つまり、発想の転換をやらない限り、新たな成長戦略は描けない・・・。これは、国も企業も個人も同じである。
今、ある本の内容を思い出している。自らが帰属している業界の枠組み(システム)に捉われず、より大きな社会システムで起きている構造的な変化に目を向けて、自社の関わるべき役割をイメージしてみる。そうすると、今まで気づくことが出来なかった様々なアイデアが生まれてくるという・・・。
日本全体における構造的な変化といえば、人口減少と同時に進行している超高齢化社会、それに伴う社会保障費の膨張などが思い浮かぶ。人口減少は、消費市場だけでなく労働市場の縮小を伴う。中小企業の人手不足はもっと深刻さを増してくるであろう・・・。そこから生ずる社会的な問題にどう対処していくべきかを思考する。そこから、個々の業界や企業の成長戦略が見えてきそうな気がする。
「最強組織の法則」という著書のなかで、ピーター・センゲが提唱している“システム思考”は、まさに全体をみるための手法として有意義である。
“システム思考”とは、「部分は全体の目的の中で機能を担い、他の部分と相互に影響しあう」という原理に基づいた考え方であるといえよう。つまり、目的思考であり、全体的思考であり、関係性思考なのである。
例えば、超高齢社会の本質的な課題は、寝たきり老人が増えて、医療や介護の手間やコストはかかることだろう・・・。だとすれば、起きて、歩く元気な老人であれば何の問題もない。つまり、社会システムとして、健康寿命を延ばすためのアイデアや事業をみんなで考えるとよい。すると、元気な老人が働き手となり、人材不足が解消する。また、健康寿命サービスの消費者となる。企業の生産性は向上し、税収は増える。それを明るい未来のために投資すると、安心して子供を産んで、育てようとなる。人口が増えて、社会に活力が生まれる・・・。
一例だが、“システム思考”で構造的な問題を捉えて、良循環の社会システムを構築すると、素晴らしい未来がイメージできる。人間の考える力に、万歳!
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
今週の考える言葉「現状打破」
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現状打破
IG研修(幹部会の午前中に行っている価値観学習)で、発表担当者から“現状打破”というテーマで発表があり、その内容についてディスカッションを行った。
「人類の歴史において、変革のための最初の組織が企業だった。・・・意図した変化としてのイノベーションだけが富を生む」(P・F・ドラッカー)
それまでは、あらゆる人間集団と組織は、継続のためのもの。いまでも、変革のための組織は企業だけだという。ゆえに、企業はつねに“現状打破”を試み、イノベーションを行うことによって、新たな社会的価値の創造(富)に貢献し続けることを旨とすべきだと考える。
ここで一つ問題が生じる。ドラッカーも指摘しているが、「企業もまた、他の組織と同じように人から成る」ということである。そして、人間は習慣の動物であり、継続を必要とするからだ。そこで、「変革と継続のバランスが、マネジメントにとって変わることのない課題となる」という。
さて、“現状打破”という課題について考えよう・・・。
組織を構成するメンバーは、人である。そして、人は安定と継続を求めたがる。「今でも十分食えているではないか・・・。何も、自ら変化というリスクを背負うようなことをあえてしなくても・・・」 そんな無言の抵抗を感じたとき、どうしたらよいのか・・・。
「人はパンのみに生きるにあらず」という言葉がある。つまり、「目的・理想のために生きる。そして、生きるために食べる」のである。この目的・理想のために生きるというエネルギーこそが、“現状打破”への原動力となるのだ。
明日は必ず来る。そして明日は今日と違う」(ドラッカー)。現状維持はあり得ないのである。目的・理想を掲げ、つねに未来への働きかけを行っていなければ、どんな企業でも淘汰されてしまうのが、パラダイムシフトが起きている21世紀時代の特徴だといえよう。
“現状打破”の精神を培うには、大局観が必要だ。それは、目的思考であり、全体思考であり、関係性思考である。
自らが帰属する業種や産業というレベルの発想ではなく、社会システム(全体)における自社(部分)の役割という発想に立つと、現状に捉われない未来のあるべき姿が見えてきそうな気がする。
「変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである」(ドラッカー)という名言がある。
“現状打破”という自らの意思による変革こそ、継続のエネルギーである。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
今週の考える言葉「夫婦愛」
考える言葉
夫婦愛
前回の“考える言葉”シリーズで「こだわり婚」について取り上げたが、新郎新婦に対する祝いの言葉でふれた“夫婦愛”について、考えてみたい。
結婚して、新しい家庭を築き、人生を歩んでいくことになった二人に、先輩として餞(はなむけ)の言葉としてアドバイスをしたときの内容である。
人は、まずは「好きだ!」という感情を抱き、一緒になりたいと思い結婚を決意する。
しかし、「好き」という感情は移ろいやすいもの・・・。最初のうちは「あばたもえくぼ」というが、そのうち、「あばたはあばた」にしか見えなくなる。下手すると、お互いの粗ばかりが気になってしょうがないときだってある。
そのとき、大切なことは相手の中に「尊敬」できるものを見つけるという行為である。尊敬の念というものは、自分に足りない価値を相手の中に見出すことであるから、お互いに補い合うという気持ちが生まれるものだ。
ずいぶん前の『経営人間学講座』だったと思うが、「好き嫌いの感情だったら、近所の犬や猫にでもある。隣のポチが、誰それを尊敬しているなどという話は聞いたことがない」と。つまり、尊敬という念は動物レベルにはない、人間だけの特徴である。
つまり、「好き」という感情的なレベルの“夫婦愛”を「尊敬」という精神的なレベルにまで高める必要があるし、それができるからこそ人間なのである。尊敬とは、その人の生き様に対する共感ではないだろうか・・・?お互いの人生の目的を語り合う時間をもつと、尊敬レベルの“夫婦愛”が生まれるのではないだろうか。
そしてもっと大切なことは、「信頼」である。では、信頼とは何だろう?自分と相手を分けない、一つだと思えることだと思う。では、信頼の絆とはどのようにして生まれ、強まっていくのだろうか・・・。
夫婦になると、夫婦であるがゆえに避けられない(運命共同体)、共有すべき人生体験に遭遇する。それは身近でいうと子供のことであったりとか、両方の親・兄弟のことであったりとか、その他様々なしがらみ・・・。
その共有すべき夫婦としての体験を二人で受け止め、協力し合い、労わりながら乗り越えていくプロセスで、夫婦のとしての共通の価値観が培われていくものだ。そのときに、「夫婦は対である」という言葉が実感できる。それが、信頼の絆であり、究極の“夫婦愛”だといえるのではないか。
仕事にも同じことがいえる。相手ができないことを代わりにやってあげると「好感」をもたれる。自分でやれるように指導をしてあげると「尊敬」されるようになる。相談を受けたときに親身に受け止めると「信頼」が生まれる・・・。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
今週の考える言葉「こだわり婚」
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こだわり婚
最近の結婚式は、企画・演出力が凄い。
あたかも、芸能界のそれを観ているような感じだ。一生に一度の晴れ舞台、勧められれば、その気になってもおかしくない。(間違いなく、そうするだろう!)
職場結婚の若いカップルに招かれ、列席。挙式(約1時間)からはじまり、披露宴(2時間半)、そして二次会までセッティングされている。ベイサイドでロケーションが良く、若い世代にとって憧れの式場だという。
最近の結婚式の特徴の一つでもあるが、仲人を立てず、いきなり新郎のウエルカム・スピーチから始まり、主賓の挨拶、乾杯の音頭と続く。二人の馴れ初めや自己紹介や小さい頃からのエピソードなどは、会場の大きなスクリーンに流れている。会場までの並木道には、二人の小さい頃からの写真がたくさん飾ってあった。また、会場で流す動画やアルバムなどの編集など、二人のそれまでの人生がきれいに整理整頓されていて、記念になると思う。どれぐらいの時間とコストをかけて、企画・演出をしたのだろうと、職業柄、気になるところだ・・・。
ウエディングマーケットもご多聞に洩れず、成熟化し、独自性や多角化などの戦略をきちんと展開しないと厳しい状況にあるという。少子化等(非婚、未婚も含む)が進み、10年後には婚姻届出数は半分になると予測されているそうだ・・・。
「売上=来館数×成約率×単価」であるから、「来館数」が減少する以上、「成約率」と「単価」を上げるしかない。そこで活躍をするのが、専属プランナーである。カップルの要望を聞きながら独自の挙式を企画立案する仕事だ。つまり、“こだわり婚”に対する提案である。
以前に、某ハウスメーカーで自宅を建てたときのことを思い出した。営業マンに予算をいって、「その範囲内であれば建てたい」と話したら、予算通りの見積もりが出てきて、OK。問題は、その後である・・・。家の骨格ができて、外壁や内装に取り掛かるときに女性のコーディネーターを紹介される。そして、外壁で使う材料や内装の壁紙、キッチン・システム、照明器具やカーテンなどに対して、アドバイスを受ける。
結果、アドバイスを受ける度に数十万ほど単価があがり、予算が500万円ほど増えたのを思い出した(結果、満足しているのであるが・・・)。営業マンのコーディネーターに対する気遣いが尋常でなかったので、その理由を聞くと、「私たちの仕事は成約率を高めることだから、どうしても単価を下げてしまい、利益貢献できないのです・・・」と。
身内びいきでいうわけではないが、凄くいい結婚式だった。最初に届いた案内状からすべてに“こだわり婚”の成果が出ていたと思う。(永遠の幸せを!)
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
12月の税務カレンダー
今週の考える言葉「見切り」
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見切り
先週(25~26 日)、IG 後継者塾(第5 期②)を終えたばかりである。講師は、『最強の組織をつくる「5S」のススメ』の著者である戸敷進一先生。講義の中で、企業の生存率のデータがあったが、創業して数年も経たないうちに廃業に追い込まれる企業が意外に多いのに驚く・・・。
「“見切り”千両!」という言葉がある。相場世界での格言・・・。含み損状態にある株式などは、反転を期待して持ち続けるのではなく、手放して損切りをすべきだという教訓である。
経営でいうところの撤退の見極め、決断であろう。起業には将来を描く楽しさ、夢がある。だが、廃業の“見切り”となると、そう簡単ではない。元々、自分の意思で始めたことだし、それなりの勝算があったはず。失敗とは思いたくないし、利害関係者との調整や社員の生活、残される債務など・・・。苦しい中での後始末は、経験した本人でないと分からないものだと思う。
すでに会長職にある経営者の方とお話をする機会があるが、「現役の当時を振り返ると、いろんな事業を手掛けたが、失敗ばかりだった。10 に一つ成功できたかどうか・・・、だが、自慢じゃないが逃げ足だけは早かった」と。
つまり、“見切り”の決断である。起業は思い付きでもできるが、廃業や撤退はそう簡単なものではない。しかし、失敗から学ぶことは貴重だという。チャレンジに失敗は付きもの、「廉恥を重んじ、元気を振るう!」(三綱領)という精神で、体験を次に活かすことである。
“見切り”の哲学があるとすれば・・・。新規事業を始めるとき、成功のイメージを描くことは当然であるが、最悪の事態(撤退)を合わせて想定しておく必要があるという。
そうなったときの“見切り”の条件を、前もって決めておくこと肝要だ。
① 背負えるリスクを事前に計算しておくこと
(例えば、損失は1 億が限度)
② 前もって期限を決めておくこと
(3 年で見通しが立たなければ撤退)
③ できる限り他人に迷惑をかけないこと
(迷惑の許容範囲を見極める)
④ 未練を残さないこと
(日頃から全力を尽くしておく)
⑤ 見栄やプライドに縛られないこと
(自分の気持ちに正直であること)
⑦ ソフトランディングできる状態をつくること(軟着陸)
⑥ ケセラセラ(いい意味での開き直り)
“見切り”の先輩から教えて頂いた知恵である。もちろん、起業した以上はやり抜く覚悟は当然!その上での臨機応変さ・・・。無常の世の中である・・・。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
今週の考える言葉「勉強」
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勉強
学生の頃であるが、授業中に「君らは、“勉強”が好きか?」と数学担当の先生から問われたことを思い出した・・・。
その質問の意図に戸惑いつつ、曖昧に、無言のまま頷いていると、「好きな訳ないよな・・・。だってそうだろ?“勉強”って、“強いて勉める”と書くだろう?」「いいか、“勉強”は学生の本分だ!と心得よ!」「そうか・・・。“強いて勉める”か!」「学生である以上、好きだとか嫌いだとかの屁理屈をこねまわす前に、机に向かって“勉強”するしかない・・・」 妙に腑に落ちた瞬間だった。(その後、真摯にやり続けたかどうかは、疑わしいのだが・・・笑い)
そんな以前の事を、なぜ今頃になって思い出したかというと、「中期5ヵ年計画」を作成するときに、「5年後の“あるべき姿”をしっかり描いてから、その実現のために何を為すべきかを逆算しましょう!」という話をしたら、「“あるべき姿”というよりも“ありたい姿”のほうが自然体でいいのでは・・・?」という意見を頂いたからである。
「べき」なのか「したい」なのかの論議は、昔からずっと続いている問題である。「義務でやっていたのでは、モチベーションは持続しない。好きなことをやるからこそ、やり続けることができる」という意見である。確かに、一理ある主張だと思う。
だが、この意見にも反論がある。一つは、人間は飽きっぽい生き物である。好きなことだから持続性が保証されるとは限らない。もう一つは、企業はゲゼルシャフト(=目的集団)であるから、個々人の「したい」よりも組織の「べき」が優先されるという考え方である。
「べき」=義務で、「したい」=権利という図式で考える前に、「何のために」=目的という視点から考えるほうが、座りの良さを感じる。
目的を掲げ、起業をした以上、その目的を達成することへの社会的責任が伴う。「その責任を全うすることこそ、われわれ企業人としての本分である」と考え、「強いて勉める」ことこそが、仕事であろうと思う。
ある本を読んでいると、「目標を達成する人は必要か不必要かで判断するが、ダメな人は好き嫌いで判断している」とあった。要するに、自分の好き嫌いに捉われていたのでは、個人の限界を超越できないということであろう。
「仕事の本分は、世のため、人のために尽くすところにある」と考えると、「仕事の成果を上げるために必要か不必要かという判断軸が生まれる」という。顧客の視点で考えてこそ、プロフェッショナルなのである。
本分を全うできるように、“勉強”を心掛けたいと思う。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
今週の考える言葉「仕組み」
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仕組み
“仕組み”とは、物事の組み立て、構造、企てをいう。
何かを成し遂げようとするとき、モチベーション(ヤル気)の持続性が要求される。しかし、モチベーションというのは初動が一番高く、時間が経つにつれて逓減していく傾向がある。余程、意志の強い人であれば、別だと思うが・・・・・。つまり、属人性に左右されやすいのである。
そこで、成果が出るまでやり続けることができる“仕組み”をつくることを提案したい。
多くの優れたビジネスモデルは、儲かる“仕組み”の提案であり、その持続性が一段と優れているのである。
例えば、マネジメントでいうと「仮説(P)~実践(D)~検証(S)」の経営サイクルは「先見経営・先行管理」のベースをつくるための唯一素晴らしい“仕組み”だと考えている。ただ、この“仕組み”を使いこなし、自家薬籠中のものにするためには、それぞれの組織に馴染むように各自の創意工夫が必要となる。
「仮説」においては、その実行可能性の検証を見極める“仕組み”が必要となる。次の「実践」においては、実行のプロセスをきちんと記録し、検証できる状態を確保できるような“仕組み”がいる。そして、「検証」においてはフィードバック機能が働く“仕組み”が求められるという風に、である。
さらに、これら経営サイクルの“仕組み”を運用するプロセスに「目標管理システム」を導入すれば、主体的人材の育成が可能となる。(但し、これもその運用に創意工夫が求められる)
「未来会計」という経営者の意思決定をサポートする会計の体系は、まさにそれらの“仕組み”を構築するためのサービス体系だといえる。
モチベーションは属人的な要素が強いという問題があったが、“仕組み”も課題がある。それは、組織として“仕組み”を構築し、運用する以上、その“仕組み”を共有する人たちとの人間関係・コミュニケーションの良否に影響を受けざるを得なくなる。
つまり、組織内部の関係性をいかに良好にするか・・・。「協働行為としての体系である」という組織の本質を、どう意識づけするか。一つには、組織における目的の共有(理念の浸透)を徹底できるかどうか。さらに、その目的に対し、個々人の貢献意欲をいかにして引き出せるかどうか。
“仕組み”とは、何かを成し遂げるための手段である。それゆえに、組織リーダーは「何のために、何を成し遂げようとしているのか」という目的を、熱く語り続ける必要がある。それによって、“仕組み”は絶大な効用をもたらすことになる。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
今週の考える言葉「わしづかみ」
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わしづかみ
最近、書棚の整理をしながら、以前に読んだ本と再会し、再読することが多い。『歴史をつかむ技法』(山本博文 著)も、そうだ。表紙の帯にあるキャッチコピーが目を引く・・・。
『この一冊で「日本史の流れ」を“わしづかみ!”単なる「知識」を超えた「歴史的思考力」を鍛える』と、ある。
最近の歴史本ブームの背景には、「自分には歴史の素養がない」という欠損感があり、「学び直したい」という気持ちの表れが強いのだという。それは、私たちが学んできた歴史教科書が「最初に歴史を大きく俯瞰する部分がほとんどなく、いきなり原始時代の記述から始まっている」ということが、その原因だという。
要するに、知識偏重が過ぎて、その知識を活かすための思考法(「考え方」や「ものの見方」)が置き去りにされているのだろう。断片的な知識にとらわれ過ぎて、歴史の大きな流れを理解できていない・・・。流れを“わしづかみ”するという表現は、適切であるかどうかは別として、面白い!
先日、IGグループにおいて全体合宿(2 泊3 日)を行った。中期ヴィジョンの見直しがテーマだった。組織としての中期ヴィジョンは明確であり、『Next Innovation~次なる革新!』であり、もっと端的にいうと世代交代である。
今回、合宿に参加するメンバー一人ひとりに、『自らが理想とする事務所像』について事前アンケートを実施した目的は、まさに、組織全体を覆う、大きな意識の流れを“わしづかみ”したかったからだ。
つまり、全体の構成要員である一人ひとりが、どんな意識をもって仕事をしているのか、それは全体の大きな流れのなかに収まっているのかどうか、この時期に確認をしておきたかったからである。つまり、全体を“わしづかみ”し、意識の統合を図っておきたいと思ったからである。
経営とは、「組織としての戦い」であると同時に、「変化・環境との戦い」であるという。
歴史が時代の大きな流れのなかで動いているのであれば、その時代をつくる特有の価値観を“わしづかみ”しておくことも大切である。(著者は、「時代の観念」「時代の正義」と表現している)
全体をざっくりと捉えてから、部分との関係性を考える。これは、いつ何時においても大切な思考法であるが、とくに、今日のように環境の変化が激しい、自己変革の時代においては、重要な心得であるといえよう。
全体を俯瞰し、“わしづかみ”する。そんな一日を、心掛けてもちたいと思う。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」







