古田会計事務所

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今週の考える言葉「水」

考える言葉


   「上善如水(上善は、水の如し)」は、老子の教えである。老子は、“水”に最上の生き方を感じとったようである。
 
   「水善く万物を利して争わず。衆人の悪む所に処る。故に道に近し」(老子)。“水”はあらゆるものに分け隔てなく恵みをもたらし、他と争って傷つけたりしない。また、“水”は高いところから低いところへ流れ、低いところに留まろうとする謙虚さがある・・・。
 
   老子には「無為自然」という有名な言葉もあるが、“水”のようにしなやかで、謙虚さがあれば、他と争わなくても生きていける、そんな生き方を理想としたのであろう。
 
   豊臣秀吉の軍師としても有名な、黒田官兵衛(如水)も“水”に生き方を学んだ一人である。「水五訓」として、次のような教えを残している。
 
   一、自ら活動して他を動かしむるは水なり
   一、障害にあい激しくその勢力を百倍にし得るは水なり
   一、常に己の進路を求めて止まざるは水なり
   一、自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
   一、洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰(あられ)と化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう)たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり。
 
   ① 率先垂範、② 精神力の強さ、③ 向上心の大きさ、④ 器・度量の大きさ、⑤臨機応変な柔軟性・・・。いずれを取っても、経営者にとって欠くことができない大切な資質である。
 
   もうだいぶ前の話だが、ある人から、「水五訓(ごくん)」は「水五訓(ゴックン)」と覚えたらよいと、教えてもらったことがある。そうすると、水を飲むたびに思い出すことができるので、その考えが習慣化できるというのだ。(さすが、機智に富んだ人は、発想がユニークだ)。
 
   考えてみると、“水”だけではない。私たちは自然の中から様々なことを学び、恩恵を受けている。創作活動をしている人たちは、芸術にしても、何らかのツールなどにしても、自然からインスプレーションを得て、デザイン化し、形にしている。
 
   都会と田舎の二極化が進む中、田舎の優位性はなんといっても自然環境の豊かさであろう。老後の人生を田舎で過ごし、自然と共生できるようなライフ・スタイルを身につけることができたら、どんなに創造的な余生を迎えることができるだろうか・・・。
 
   ずっと温め続けている『農業城下町構想』は、まさに、晴耕雨読の人生、自然との共生から学ぶ、豊かな生き方ではないだろうか。
 

今週の考える言葉「IG合宿」

考える言葉

IG合宿

   先週(31 日~2 日)、恒例の“IG合宿”を行った。
 
   宿泊施設は、昨年と同じ、国立諫早青少年自然の家。多良山系の五家原岳(1057.3m)中腹に位置しているために、少し肌寒い感じであるが、気持ちが引き締まって、ちょうど良い・・・。
 
   合宿の目的は、本来、次年度・行動計画書(2019 年度)の作成にある。つまり、各部門や個人ごとに、次年度一年間でなすべき成果を目標化し、具体的な実行プランのたたき台をつくってもらうのが主たる目的である。
 
   作成の手順は次の通り。
 
   (1) 次年度IG基本方針の確認(小生が説明する)
   (2) (1)に基づいての各部門・分社の行動指針の確認(各部門長が説明)
   (3) 下記目標に対して、部門ごとに討議し、計画を立てる。
 
   ① 売上計画、② MAS監査推進計画、③ 組織計画、④ 業務改善計画、⑤研修計画、⑥ 個別企画書の作成、⑦ 個人目標(能力、業務改善、考え方・習慣)。
 
   以上が、毎年のパターンである。
 
   但し今回は、次年度がIG会計グループの35 周年であること、また中期ビジョンである「Next Innovation:次なる革新」の最終年度(2015~2019 年)であるなどの事情で、少し趣向を凝らして、パネルディスカッションなどをやりながら、合宿の3 日間を過ごしてみた。
 
   最近、思うことがある。創業して34 年間の歴史を刻んで、来年一つの節目として35周年を迎える。傍からみて、IGらしさを感じてもらえているようだ。ただ、思うに、創業者である小生の生き様がIG理念として確立され、浸透し、IGの組織風土を創ってきたという一面が強いような気がする。つまり、IG=創業者である岩永というイメージ・・・。
 
   では、IG組織を構成する40 数名の個性や主体性は、どんな存在として生きているのであろうか?IG=40 数名だといえるのか?
 
   組織そのものは、目的ではなく、手段である。事業や仕事を通して、世のために貢献するための手段であり、またその組織を構成するメンバーの個性や主体性を発揮するための手段であると考える。
 
   「組織は戦略に従う」という言葉があるように、組織の存続・発展性は、組織を構成するメンバーの個性的価値、彼らがそれを以ていかに組織に参加し、その影響を受け、さらに影響を与えるかという働き(=主体性)にかかっているような気がする。
 
   次年度の課題は、そのあたりにありそうな気がする。
 

11月の税務カレンダー

税務カレンダー


 
尚、11月16日(金)・17日(土)は合宿となっておりますので臨時休業とさせて頂きます。

今週の考える言葉「事業機会」

考える言葉

事業機会

   先だっての日本M&A協会理事総会(札幌)のとき、開会挨拶で『21 世紀はパラダイムシフトの時代である。故に、激しく成長していなければ激しく落ち込む時代だ』(京大・中西輝政教授)の言葉を紹介したら、何人かの人から共感の言葉を頂いた。
 
   パラダイムとは、思考の枠組み(=価値観)のことだ。パラダイムシフトが起きると、過去の延長線上に未来が描けなくなるのである。その一つの要因として言われているのが、グローバル化である。
 
   その特徴は、バウンダリーレスといわれ、あらゆる境界が融けていく時代である。つまり、経済的にいうと世界の市場が一つになる。競争が激しくなると同時に、ビッグ・チャンス到来の時期でもあるのだ。
 
   札幌から東京へ向かう飛行機のなかで、何気に日経新聞を読んでいると、次のような記事が目に入った。
 
   『インド格安ホテル、日本へ』・・・インド発の新興格安ホテル運営会社OYO(オヨ)が2018 年度内にも日本進出。
 
   OYOの創業者でCEOのリテッシュ・アガルワル(24 歳)は、個人経営で品質がまちまちの低価格ホテルのチェーン化の“事業機会”を見出し、19 歳で起業したという。13年の創業から2 年で、客室数でインド最大手になり、中国では昨年10 月に進出し、10 か月でトップ10 入り。現在の客室数は全世界で27 万室であるが、四半期の増加数が14 万室だそうで、20 年末までには世界最大手のマリオットを追い抜くのではないかといわれている。
 
   成長の最大要因は、既存施設FC化。詳細の説明は省くが、AIやスマホのアプリなどの技術を活用し、次のような改善を可能して、安定した高稼働率と低コストで高収益を確保するビジネスモデルをつくって、既存施設FC化に成功したという。
 
   ① 宿泊需給データを常時分析し、稼働率の最大化を図る。
   ② ホテル運営に必要な機能をスマホのアプリにして、経営の効率化を図る。
   ③ 客室設備や清潔度をブランドごとに標準化し、従業員教育を徹底する。
   ④ 一定の品質で割安で泊まれる仕組みをつくり、リピーター率を高める。
   ⑤ 安定した高稼働率と低コストで高収益を確保できるため追加投資ができる。
 
   彼の凄いところは、AI等の最新技術を使いこなすところにもあるが、徹底したマーケットイン(相手の立場、困りごと)の発想のあると思う。日本への進出も、「東京五輪に向けてホテルを展開し、日本のホテル不足解消に少しでも貢献したい」と話す。
 
   “事業機会”は、自分都合では掴めない。他者への貢献が主眼となる。
 

今週の考える言葉「M&A理事総会」

考える言葉

M&A理事総会

   先週(10月19日)、第7回日本M&A協会理事総会が札幌で開催された。好天に恵まれ、日中はもちろんのこと、二次会で繰り出した夜のすすきのもさほど寒さを感じることなく、楽しむことができた。
 
   さて、記念講演は先ず、スキージャンプ選手の葛西紀明氏登場。「夢は、努力でかなえる」というテーマで、40分ほどの話であったが、アスリード界のレジェンドと呼ばれるだけあって、努力の大切さを語る言葉に説得力がある・・・。
 
   スキージャンプは、一言でいうと、恐怖心との戦いだという。滑走時のスピード(約120km前後)やジャンプ台の高さ(東京タワーの展望台から見た景色と同じ)だ。失敗でもしたら、命の保証はないという恐怖心だ。
 
   この恐怖心に打ち勝ち、夢を叶えるためなら、徹底して”努力”するしかない。心身ともに鍛え上げ、無心になれるかどうか・・・、つまり目の前の自然環境と自らを一体化できるまで努力をし続けることだ。(努力とは、自己を超越すること!)
 
   もう一つ感じたのは、ひたむきな努力を続けている人を周囲の人たちは放っておけないのだと思う。努力によってその人の持つオーラが磨かれるのだろう。共感・共鳴してくれる協力者が夢の実現を支えてくれるのだと思う。(二部で講演してくれた、土屋ホームの創業者・土屋公三氏もその一人である)
 
   様々な偉業を成し遂げたレジェンド葛西氏は、努力の副次的な効用も分かっているのだろう。だから、謙虚で、明るさがある。講演中の笑顔にも感謝の気持ちが溢れているような気がした。
 
   次に登場された土屋公三氏は、77歳と思えないほど元気である。「生き方改革~人生で金メダルをとる方法」というテーマで講演・・・。
 
   氏は、「3KM」という目標管理システムを開発した人でも有名である。個人のいきがい、家族の幸せ、会社の繁栄を融和させ、それぞれの発展・成功を勝ち得ていく考え方である。
 
   オリンピックの金メダルが一人なので大変だが、人生の金メダルは誰でも取れるものだ。まさに、「心一つの置きどころ」(中村天風)で、全員がゴールドメダリストになれる。そのためには、「理(哲学)から入り、技におぼれてはならない」という。
 
   大変な勉強家で、話をしていても、歳を感じさせず、元気。つねに、人間学を学び続ける姿勢が素晴らしい。明るく、謙虚で、爽やかさを感じた・・・。
 
   基調講演の外、地元・先生方からM&Aの事例発表もあり、あっという間の理事総会であった。その後の懇親会・二次会でも会話が弾んで盛り上がっていた。
 

今週の考える言葉「杞憂」

考える言葉

杞憂

   “杞憂”とは、取り越し苦労のこと。昔、中国の古典で教わったとき、「天が崩れ落ちることを心配して、夜も眠れないなんて、世の中には変な人間がいるんだな・・・」と思い、ずっと印象に残っていた言葉だ。
 
   “杞憂”とまではいかないが、案外、心配性の人が多いような気がする。仕事において、何か新しいことへチャレンジしようとするとき、失敗を恐れてのことか、一歩を踏み出しきれないで、現状に踏みとどまっている人が多い・・・。
 
   何かにつけて、消極的で、やらないことへの言い訳に終始している。まだやってもいないのに、失敗を先に考えるというのは、マイナス的な思考である。こうしたムダ骨の思考は、ある種の“杞憂”であろう。
 
   IGグループでは、「目標管理」のもと、各部署・各人ごとのなすべき、改善改革は、具体的な目標として掲げているにも関わらず、過去を悔やみ、未来を心配して、いたずらに時間を消化してしまっているものがいる。
 
   現代人は、ストレスによる心身症を患っている人が多いと聞く。ストレスは、“杞憂”の原因となるので要注意だ。次の点を自己チェックしてみよう。
 
   ① 行動に一貫性がなくなり、気分に左右される。
   ② 何かとイライラして、怒りっぽくなる。
   ③ 仕事に対する持久力がなく、中途半端にする。
   ④ 食欲不振、頭痛、不眠。
   ⑤ 神経過敏で、恐怖や不安を感じ、緊張しすぎる。
   ⑥ 集中力が低下し、仕事に専念できない。
   ⑦ 何事にも消極的になる。
 
   これらは、ストレスによる心身症の初期的症状らしい。
 
   数か月前に、定期診断をしてもらったが、数字的には完璧だという。ただ、慢性的な肩凝りが気になると話をしたら、「仕事のし過ぎでストレスが溜まっているのではないか」と指摘。
 
   忙しくはあるが、楽しんでやっているので、ストレスがないと思ったが、精神的というよりも、肉体的な疲れでストレスが溜まるのだそうだ。だから、しっかりと睡眠をとり、規則的な生活を心掛けないとダメだそうだ。
 
   しかし、病は気からという。肩凝りは慢性的で、職業病だろうとあきらめていた節がある。要するに、肩凝りを治すという積極的な意志力が働いてなかったようだ。
 
   幸い、“杞憂”に陥る暇がないが、心身のメンテは心掛けたいと思う。
 

今週の考える言葉「算段」

考える言葉

算段

   長崎では、「おくんち」(10月7~9日)を過ぎると急に暑さが和らぎ、秋の気配が漂い始める。
 
   この時期、IG会計グループでは第4四半期に入り、今年度目標に対しての追い込み時期であると同時に、「次年度・基本方針」を決めて、次年度に対する仕込みをする時期でもある。小生が、10月中旬までに「次年度・基本方針」を幹部会で発表をする。それを受けて、各幹部はそれぞれが率いる分社・部門の「行動指針」を決めて、「次年度・行動計画書」の作成合宿(2泊3日)に備える・・・。
 
   今年は年初から、以前に購入していた『孫子』に関する書物を何冊も再読しているせいか、計画を立てること、すなわち”算段”の重要性を改めて嚙みしみている次第である。
 
   「勝兵は先ず勝ちて而(しか)る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む」(第四 軍形篇)。
 
   (勝つ方は勝つ見通しをつけておいて戦いを始めるが、負ける方は戦いを始めて勝機、勝ち目をさがす)
 
   「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」(第一 計篇)。
 
   (事前に、情報とデータから理論的に勝算の有無を解明し、勝算が多ければ勝ち、少なければ敗れる)
 
   経営においても然りである。業績の良くない会社は、具体的な目標がなく、無計画である。つまり、確かな”算段”をしていないのである。赤字企業の9割方以上は、事前の”算段”さえすれば、すぐに黒字転換できると確信している。
 
   さて、IG会計グループは、来年35周年を迎える。まさに、転換期である。創業の原点に立ち返って、抜本的な”算段”を断行しなければならないと感じている。そのために先ず、何を為すべきか?
 
   35年も経つと、組織風土が定着化し、その空気を吸っているメンバーは、良くも悪くもIGイムズ化(集団化、組織化)していないだろうか・・・。主体性を失い、没個性化が進むと、互いの切磋琢磨がなくなり、結果として組織の進化も止まり、衰退化していく恐れがある。
 
   そこで、今回の「次年度・行動計画書」作成合宿は、メンバー各人に焦点を当て、徹底して自己を見つめ直す合宿にしたいと考えている。「①自己成長のために何を為したか?②組織のために何を為したか?③世のために何を為したか?」
 
   自らに問う!先ずは、徹底して自己の”算段”をしてみたいと思う。
 

今週の考える言葉「問題意識」

考える言葉

問題意識

   同じ職場環境で日々の仕事をしているのに、一年も経たないうちに、仕事の覚えが早く、著しく成長する人と、そうでない人がいる。
 
   その差はどこから生じるのだろうか・・・?人を採用し、育成する立場にある者にとっては、つねに悩ましい問題であると同時に、興味深い課題でもある。
 
   随分前に読んだ本の一節に、次のようなことが書かれていた。
 
   「問題を持たない人は何も発見できない。平生何かに精神を集中していると意外な発見をする。ここに人生、事業、学問の秘訣がある」(安岡正篤)。
 
   つまり、常日頃の“問題意識”の差、その積み上げが、人の成長力の差となっているということであろう。さほどの“問題意識”も持たず、指示されるままに、自分の頭を使わずに、手だけを動かしていたのでは、脳も錆びついてしまうものだ。
 
   向上心をもって前向きに問題を探し、自らの創意工夫をしながら、日々の仕事に取り組んでいると、脳は活性化し、性能を増すものである。日曜・祭日などにノンビリし過ぎてしまうと、調子が出るのに時間がかかったという経験は、誰もがあるだろう。
 
   やはり、自己成長を促したければ、つねに“問題意識”をもって、問題から逃げないような習慣を身につける必要があるだろう。では、その“問題意識”は、どうすれば養うことができるのだろうか・・・。
 
   ① 目的を確認すること(手段の目的化という罠に陥らない)。
   ② 向上心をもって努力をし続けること(慢心や傲慢。上には上がいる!)。
   ③ 自己正当化しないこと(謙虚さ、素直さ)。
   ④ 難しいことにチャレンジすること(リスクはチャンス)。
   ⑤ 世のため、人のために尽くすこと(利他心)。
   ⑥ 失敗を恐れず、やってみること。
   ⑦ 身近に素晴らしいライバルを探すこと。
 
   他にもいろいろとありそうだが、自分にとって、しっくりといく課題を絞り込んで、真摯に取り組んでみることだと思う。「山中の賊は破るは易く、心中の賊は破るは難し」(『陽明全書』)を以前に習ったことがある。
 
   王陽明は、上記のような表現で、自分を律することの難しさを指摘している。つまり、「人生最大の敵は、自分の心である」ということだ。日々慢心することなく、心中の賊を破るべく、修養することが大事。経営とは、つねに問題と向き合う姿勢である。
 
   “問題意識”を磨けるように、向上心をもって仕事に専念したい。
 

今週の考える言葉「未来会計」

考える言葉

未来会計

   時代の転換期においては、必ず古いものが捨て去られて、新しいものが生まれてくる。新旧交代という新陳代謝は、避けがたい自然の摂理(the low of nature)である。
 
   今私たちが生きている21 世紀という時代は、パラダイムシフトの時代だといわれ、様々な変化がどのような業界においても生じ、あらゆる常識やルールを創造的破壊へと導いている。
 
   さて、先週の“考える言葉”シリーズの続きになるのだが、NN大会の「基調講演」の内容について紹介をしたい。
 
   今回の基調講演のテーマは、「会計で世の中を変える!~未来会計事業化の重要性」で、講師は澤邉紀生・京都大学教授(もう数年も前から、NN大会には出演して頂いたり、いろんな助言を頂戴して頂いたりしている・・・)。
 
   同教授は、「自分の研究は世の中に役立っているのだろうか?」という疑問から臨床会計学を提唱された方で、まさに今回のテーマそのものである。
 
   会計には、大きく二つの領域がある。一つは、財務会計と呼ばれるもので、企業活動の結果を整理して、ステークホルダーに報告をすることを旨とする領域で、報告会計あるいは制度会計とも呼ばれているものだ。(一般に普及しているもの)
 
   もう一つは、管理会計と呼ばれるもので、経営者の意思決定に役に立つ会計情報を体系化したものである。京セラの稲盛さんがいう、「会計が分からないで、経営ができるのか」は、まさに管理会計の重要性を指摘されたのだと思う。
 
   日本の中小企業の数は、1990 年代のピーク時(約500 万社)からすると、3 割減だといわれている。その7 割弱は赤字であり、さらに127 万社が後継者未定という問題を抱えているのだ。
 
   同教授は、中小企業経営者の特徴を次のように指摘している。「中小企業の経営者は、直感力に優れ、直感的に行動する人が多い、上手くいっているときはいいが、上手くいかないと軌道修正が難しい・・・」と。
 
   そこで、経営と会計を結びつけることができる管理会計を熟知した会計人が、助言者・コーチ役を果たすことができれば、「会計で世の中を変える!」ことができるというのが、同教授の主張である。全く同感である!
 
   IG会計グループでは、それを未来会計(=MAS監査)と称し、20 数年前からサービス展開をしているが、約9 割近くの顧客が黒字である。
 
   澤邉教授と共に、「会計で世の中を変える!」という気概で仕事に挑みたい。
 

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