古田会計事務所

〒640-8392 和歌山市中之島303-14 OK.OFFICE

お気軽にお電話ください

TEL.073-474-2212

今週の考える言葉「自粛」

考える言葉

自粛

   “自粛”・・・・・。最近、よく耳にする言葉である。
 
   コロナ禍での3密(密閉、密集、密接)回避が、人々の新たな習慣になりつつあるのだろうか?いろいろなところで、”自粛”の声が聞こえてくる。小生も、2月初旬に東京へ行って以来、行けずじまい。すでに4ヶ月以上も”自粛”が続いている状態である。
 
   “自粛”とは、「みずからの意思で、あることをするのを控えること」(類語大辞典)をいう。要するに、自らの行いや態度を慎むことである。
まだまだコロナ感染自体も予断を許さない状況であるが、コロナによる”自粛”で最も影響を強く受けるのは、第一に経済活動である。多くの新聞・雑誌等で「大型倒産・失業時代」の到来という見出しが目につく。
 
   地元長崎でも、外出の”自粛”はもちろんだが、訪日外国人客(インバウンド)も激減し、観光事業や飲食関係での売り上げの落込みが厳しい。コロナ対策資金の調達による補助金の申請や制度融資などの手続きでバタバタしているが、財務的な体力がない企業においては、どこまで持ち堪えられるか、予断が許せない状況である。
 
   今回のように、外部環境要因で売上激減の事態に陥ったとき、財務的に頼りになるのは「バランスシート(B/S)」の状態であろう。企業の安全性が一目で分かる決算書類である。
 
   しかしながら、中小企業では安全性に余裕があるところが少ない。つまり、「内部留保」が薄く、しかも「手元流動性」の平均は1・9ヶ月(手元のお金が年商に対して約2ヶ月分しかないという意味)。つまり、何の問題もない会社でも、2か月間売上がない状態が続くと資金ショートしてしまうのである。
 
   一方、経済活動の”自粛”で改めて気づかされたのは「働き方」である。一般企業においても、在宅勤務や時間差出勤そしてリモートワークなどで、今までの仕事のスタイルを積極的に見直し始めている会社が出てきているという。
 
   不思議なものだ・・・。当然と思っていた日常通勤が必ずしもベストのワーク・スタイルではないのではないかと、思えるようになってきた。職場環境を共有するという従来のやり方もそれなりの意味があると思うが、一方に毎日そうであるべきかという気もしてきた人も多くいるのではないだろうか・・・。
 
   某政治家の言葉ではないが、「民度の高い日本人」であれば、各人の”自粛”を前提とした多様な仕事のスタイルがあっていいのではないだろうか・・・。
 

今週の考える言葉「機会」

考える言葉

機会

   「”機会”は、変化と共に現れる」という。
 
   コロナウイルスが世界中を席巻し、今までの生活様式や価値観まで変えようとしている。その意味において、今はまさに”機会”到来の時といえよう。私たち企業人は、その変化をいち早く認識し、事業”機会”を発見することの重要性を常に問われている。
 
   ピーター・F・ドラッカーは、氏の著書である『創造する経営者』の中で次のように述べている。「”機会”をもたない企業は生き残ることができない。そして潜在的な”機会”の発見に努めない企業はその存続を運に任せることになる」と・・・。
 
   そして、事業の”機会”を発見するためのヒントとして、次の7つの根源となる領域を示唆している。
 
① 予期せぬもの(予期せぬ成功あるいは失敗)
② ギャップの存在(理想と現実のギャップ)
③ ニーズの発見(プロセス・労働・知識などのニーズ)
④ 産業構造の変化(産業や市場の構造)
⑤ 人口構造の変化
⑥ 認識の変化(価値観や文化の変化)
⑦ 新しい知識の出現(研究開発等の成果)
 
   確かに、変化の激しい今日的な環境においては、あらゆるところに”機会”が存在しているといっても過言ではないだろう。
 
   「変化=機会」だと考え、身の周りに起こっている「変化あるいは”機会”」を意識的に捉えるためにも、それらを検討するミーティングを定期的に開くなどして、仕組化するのも面白いかも知れない・・・。きっと、多くの気づきを共有できるに違いない。さらに、”機会”を事業として成功させるには、チャレンジするしかない。だが、成功確率は3割いけば上々だという。そこで、ドラッカーは次の2点を指摘している。
 
① まず、廃棄せよ
非生産的なものや陳腐化したものを廃棄し、経営資源を”機会”に集中することが大事であること。
 
② 小規模に、何度も、素早くテストする
「仮説~実践~検証」をまめに繰り返し、フィードバック機能を働かせること。
 
   「ピンチはチャンス!」という。不透明な時代だからこそ、あらゆる”機会”を捉え、自らの手で未来を創造する気概を培いたいと思う。
 

今週の考える言葉「成果」

考える言葉

成果

   コロナ抑制対策といえども、仕事に従事・専念することができず、かなり経済的な支障が出ているという。
 
   観光関連や飲食店においては、売上が半減あるいはゼロに等しいという。ミクロ的な状況においての打撃はもちろんのこと、国内外を問わず市場のシュリンクが激しく、マクロ経済の立て直しは、人類の大きな共有すべき今後の課題となるだろう・・・。
 
   そこで、経済の基盤をなす勤労(働くこと)、仕事の本質である“成果”について考えてみたい。
 
   さて、ドラッカーの出番である。
 
   ドラッカーの説くマネジメントとは、“成果”をあげるために思考し、行動することを体系化したものだと考えてよいだろう。
 
   私たちの仕事は、“成果”をあげるための手段である。つまり、仕事とは“成果”をあげるための行動であり、自分の仕事の“成果”を意識するところからマネジメントが始
まるのである。
 
   ドラッカーは、“成果”の源泉を大きく三つ示唆している。
 
① 外部(環境)・・・外の世界に目を向ける。社会へ価値を提供し、貢献することにおいてしか“成果”は生まれない。
 
② 機会(変化)・・・資源を問題ではなく、機会に投じるようにする。マーケティングとイノベーションのバランスが必要となる。
 
③ リーダーシップ(強み)・・・強みを知って、生かす。自らの価値観を明確にし、顧客からの信頼を高めるようにする。
 
   要するに大切なことは、自らの目標管理を行うときに、「自分の仕事の“成果”を意識すること」を徹底しているかどうか、である。
 
   ドラッカーの示唆してくれた三つの「“成果”の源泉」及び以前にも話したと思うが成果をあげるための「行動習慣」(時間管理の徹底、貢献に焦点、強みを生かす、集中するなど)等々について、常にチェックを怠らないことであろう・・・。
 
   つい最近であるが、ある人からこんな話があった。「コロナのおかげで、ここ数ヶ月まったく違う時間の使い方を経験させてもらった。しかし、本来やるべき仕事の“成果”はどこに消えたのだろうか、またその影響はどうなるのだろうか・・・」と。
 
   消えた時間の“成果”をいまさら考えてもしょうがないが、起こった現実が未来に及ぼす影響は見逃すわけにはいかないだろう。
 
   しっかりと穴埋めをして、仕事の“成果”をマネジメントしたいと考える。
 

今週の考える言葉「目標設定」

考える言葉

目標設定

   コロナショックの経済に及ぼす影響は、リーマンショック時を上回る規模になるであろうと予測されている・・・。
 
   「コロナ、大倒産・失業時代が来る」と多くの週刊誌等で書かれてある。すでに経営破綻に追い込まれた企業も、宿泊・ホテル関連のほか、飲食業やアパレル関連など、インバウンド需要や個人消費に支えられていた業種が多いという。
 
   コロナショックによる経済活動の縮小が、企業の倒産・廃業の一義的な要因であることは相違ないと思うが、従来から、中小企業の抱えている本質的な課題が、顕在化してきたことにあるのではないだろうか。
 
   その一つは、事業承継の問題である。
 
   今、全国の中小企業うち127万社が後継者未定だといわれているが、何とか踏みとどまってきた経営者のなかに、背中を押されたかのよう廃業へと心が傾いている人たちがいるという・・・。
 
   もう一つは、財務体質の問題である。
 
   中小企業には内部留保が少ないため、経営環境の変化への適応が難しい。しかも、手元流動性比率が1.9ヶ月しかなく、2~3か月間の売上がない状況が続くと資金ショートしてしまう・・・。つまり、「バランスシート劣化型」の倒産が懸念される。
 
   以上の二つの問題からしても、もっと経営の本質のところから再考し、なすべき課題は何かを明確にして、”目標設定”する必要があるだろう。上記二つの問題は、いずれも経営の本質にかかわってくる課題なので、小手先のテクニックで解決できるものではない。当然ながら、相当の時間を要するもので、中長期的な”目標設定”が必要となるものである。その意味においても、いつまでも決断を先送りにできない。
 
   では、どうすればいいのだろうか?
 
   先ずは早く、俎上に載せるところから始めるべきであろう。具体的には、IGグループで毎月開催している『中期5ヶ年計画策定セミナー(将軍の日)』に参加して、「5年後のあるべき姿」をじっくりと思い描くことから始めるのが、唯一最良の手段だと考える。
 
   現状分析を徹底して行い、あるべき姿を思い描く。その差を埋めるために何をなすべきか、一日で浮き彫りにされ、具体化する。それらの一つひとつを形にする。つまり、”目標設定”していくのである。「使命→成果→目標→貢献」という、なすべき経営課題が明確になってくる。
 
   アフターコロナを、ぜひ『将軍の日』で乗り越えていきたいと思う。
 

今週の考える言葉「must」

考える言葉

must

   “must”という英語は、中学の時に習った単語(助動詞)である。
 
   「・・・しなければならない」とか「・・・してはならない」といった義務・否定などの命令的な言葉として、その当時のインパクトの強さが、今なお、記憶に残っている。
 
   なぜ、その記憶を思い出したかというと、『実践するドラッカー(全5編)』の一節の次のような文章が紹介されていたからだ。
 
   『第一に身につけるべき習慣は、”なされるべきこと”を考えることである。何をしたいかではないことに留意してほしい』(『経営者の条件』p3)
 
   ドラッカーは、成果を上げる経営者の特徴として、次の8つのことを習慣化していると述べている。
 
① なされるべきことを考える、② 組織のことを考える、③ アクションプランをつくる、④ 意思決定を行う、⑤ コミュニケーションを行う、⑥ 機会に焦点を合わせる、⑦ 会議の生産性をあげる、⑧ 「私は」ではなく「われわれは」を考える。
 
    これらは、いずれも成果を上げるための大切な要件だと思うが、その第一の習慣化として、「なされるべきこと」を掲げている。
 
   『実践するドラッカー』の中では、第一の習慣化である「なされるべきこと」について、次のような解説を施している。
 
   「組織に属する知的労働者は、組織への貢献を通して社会的役割を果たすことが期待されている」として、成果をあげるための優先順位を「”must”~can~will」で考えるとしている。
 
   先ず「”must”=なされるべきこと」、次に「can=できること」、最後に「will=やりたいこと」を問うのだと・・・。
 
   どうだろう?この優先順位に関しては、いろいろな意見がありそうな気がする・・・。
 
   ドラッカーの考え方を紹介した著者の立場は、明確である。「組織人である以上は、組織の使命を無視して、自分のしたいことを優先させるのは本末転倒である」ということだ。
 
   それから、「must」を意識することで、自分に「できないこと」がはっきりしてきて成長の機会を得ることができる。そして、その繰り返しが自分自身と組織の成長につながるのだと・・・。
 
   さらに、自分と組織の「will=やりたいこと」が一致していけば、最高の成果を期待できるとしている。
 
   成果をあげる優先順位「”must”~can~will」について、考えてみたい。

今週の考える言葉「資金調達」

考える言葉

資金調達

   ご存じの方も多いと思うが、㈱インフォマート(東証一部上場)はフード業界を中心に「BtoBプラットフォーム(企業間電子商取引)」を提供し、その道において先駆的な役割を担っているインフラ企業である。
 
   もう5年ほど前から、他業界・海外市場への事業展開もしていきたいという意向があり、私どもJa‐BIG(会計人のネットワーク組織)との連携も深めつつあるところだ。
 
   ちょうどその頃、SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)が話題になり始めた頃で、個人や中小企業の立場からも関わりを持てることはないだろうかと気にかかっていたところであった。
 
   そこで、私たちおいても、このシステムを利用することによって、請求書の紙ベースによる受発注などが不要となり、ペーパーレス化が一気に進み、地球環境に優しい商習慣を根付かせることができると直感して、お付き合いをお願いした次第である。
 
   そしてこの度、インフォマートから、新たに”資金調達”に関する有難い提案を頂いたので、その内容を紹介したい。
 
   その内容とは、『電子請求書早払い』システムである。Web上で簡単に”資金調達”ができるサービスを始めるという。いわゆる、ファクタリングというもので、売掛債権を買い取ってもらうことで、決済日よりも早く現金化できる金融サービスである。発行した請求書が最短2営業日で資金化できるという。
 
   話によると、経済産業省が国の施策として売掛債権の利用促進をしていることもありファクタリングを利用する中小企業が年々増えてきているという。
 
   ファクタリングによる”資金調達”のポイントは次の通りである。
 ① 売掛金の早期現金化が可能となる
 ② 担保や保証人が不要である
 ③ 金融機関の与信枠外で資金調達ができる
 ④ 売掛債権の未回収リスクを解消できる
 
   などのメリットが考えられる。一方、一般の融資よりも手数料が割高に設定されていること、売掛債権の範囲内での”資金調達”しかできないというデメリットは当然ながら考えられる。緊急時の”資金調達”の手段として視野に入れておくと、経営の安定化に繋がると思う。この取引は、二者間ファクタリング(自社とファクタリング会社のみで取引)なので取引先に知れずに”資金調達”ができるので利用しやすいと考える。
 
   また、インフォマートの「BtoBプラットフォーム」は商品の売り買いも可能なので、ぜひ一度、覗いてみて頂きたい。
 

今週の考える言葉「三つの領域」

考える言葉

三つの領域

   毎日が、コロナ騒動である。最近は、”アフターコロナ”、要するに「コロナが終息したあとの世の中の環境はどうなるのだろうか?」という質問をよく受ける。確かに、気になることろである。
 
   「元の状態に戻るのだろうか、それとも・・・」 今でも厳しい中、何とか耐え忍んでいるのに、「これ以上不況が続くとしたら、本当に世の中はどうなるのだろうか?」という不安である。
 
   ドラッカーの著名な言葉の一つに「すでに起こった未来」というのがある。
 
   ドラッカーは「未来について言えることは、2つだけだ」として、「第一に未来は分からない、第二に未来は現在とは違う」と述べている。つまり、未来は今とは違う変化の果てであり、予測不能であるとしている。
 
   そこで、誰かが動かす未来を探るよりも、自ら未来を生み出すほうがずっと確実であるということだ。そして、その手法として「すでに起こった未来」という考え方を提案してくれたのであろう。
 
   予測するのではなく、すでに起こったことを観察すれば、それがもたらす未来が見えてくるはずだ。そこから、元に戻ることのない変化や重大な影響をもつことになる変化を見極めて、それらを自らの経営の成果へ生かすことを考えるべきであろう。
 
   さて、あらゆる組織は、持続的な成長をするために、”三つの領域”における成果を必要としている。
 
   (1) 「直接の成果」
第一は、すでに起こったことが売上や利益、顧客の数などにどのような影響を及ぼしたのか。そして、未来においてどの程度の影響をもたらすのであろうかを予見し、戦略や戦術の見直しをする。
 
   (2) 「人材の育成」
第二は、このピンチを、人材育成のチャンスと捉える。どうすれば、このピンチをチャンスに変えられるかを徹底して議論して、健全な危機管理ができるように衆知を集めて、組織プレーができる人材育成の土壌づくりの機会とする。
 
   (3) 価値への取り組み
第三は、一つには「顧客価値」であり、顧客が喜ぶ付加価値をいかに提供できるかという視点からの見直しだ。二つには「組織の価値観」への取り組みで、どうような土壌を形成していくかの視点が問われる。
 
   「自らの手で未来を創造する!」という覚悟だけは、自分の意思で決められる。
 

【手続き】持続化給付金手続きについて

その他お知らせ

持続化給付金の申請方法について、Web上での手続きの動画になっております。
 
【中小企業向け】

 
 
【個人事業主向け】

 
不明な場合は当事務所までご相談ください。
 
また、和歌山県内では、申請サポート会場が開設予定です。
詳細が分かり次第更新いたします。

1 27 28 29 30 31 59