古田会計事務所

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今週の考える言葉「機会損失」

考える言葉

機会損失

   “機会損失”(opportunity cost)とは、平たくいうと「儲け損ない」のことである。つまり、もっと多く儲けられるチャンスがあるのに、それに気づかずに失ってしまった利益のことである。
 
   ある飲食店のオーナーの話・・・。コロナ禍で、お店への客足が鈍り、売上が激減したという。しょうがないと諦めていたが、ある日、ある事に気づいたという。それは何かというと、出前の注文が増えているという。
 
   そこで、出前の受注体制に注力をそそぎ、様々な手を打ったら、業績が上向いてきて、そのうち来店客も戻りつつあると・・・。
 
   ちょっとした変化に気づくのと、気づかないとで、“機会損失”は防げるものなんだと思った。コロナ禍という異常事態の中だけでなく、意外と日常的に“機会損失”が生じていることがないだろうか・・・。
 
   通常の場合、“機会損失”が生じるケースとして、次のようなことが指摘されている。
① 在庫切れ
② 店舗のオペレーションによるもの(クレジットカードが使えないなど)
③ 生産体制によるもの
④ 営業活動によるもの
⑤ 内部の連係ミス
⑥ 役割分担によるもの
 
   なぜ、このようなケースが生じてしまうのであろうか?
 
   一言でいうと、「売る側の怠慢」ということになるのだが、日常的な怠慢と革新的な怠慢がある。
 
   まず、日常的な怠慢とは、“機会損失”防止のためのルーチン・ワークを怠ってしまったことによるものだ。やるべきことが明確なのにサボっている。いわゆる、気の緩みである。個人的なレベルなのか、組織全体の体質なのか、検討する必要があるだろう。
 
   もう一つは、革新的な怠慢。それは、環境の変化に適応できなくなっているのに、従来の考え方、やり方を変えようとしない怠慢である。この対策には、イノベーションのリスクが生じる。それなりの覚悟が必要だろう。
 
   あるセミナーで、こんな話があった。「“機会損失”とは、儲かるチャンスがあるも関わらず、損をしたってこと。だとすれば、対応次第では未来の利益がそこにあるということでもある」と。視点を変えると、そこには常にチャンスがある。