古田会計事務所

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今週の考える言葉「ホトトギスの歌」

考える言葉

ホトトギスの歌

   『トップの教養』(倉山満 著)という本の中に、面白い解説があったので紹介したい。
 
   我が国の戦国時代の「三英傑」といえば、誰もが織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の名を挙げるであろう。
 
   この「三英傑」の歌として、有名な”ホトトギスの歌”がある。
 
   「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」(信長)
 
   「鳴かぬなら 鳴かせてみよう ホトトギス」(秀吉)
 
   「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」(家康)
 
   このなかで一人だけ天才がいるという。「それは誰か?」というのが著者の問いかけである。答えを想像してみよう・・・。
 
   天才の定義を「無から有をひねりだす人」だとした上での答えであるが、信長や家康ではなく、答えは秀吉であるという。
 
   何故かというと、「殺す」は決心、「待つ」は根性があれば、誰でもできる。それに対して、「鳴かせる」は工夫、イノベーションが必要だからだという。
 
   “ホトトギスの歌”といえば、「三英傑」の性格やタイプを知る手掛かりとなる歌だということで学び、そう納得してたのだが、この著者は「誰が天才か?」という視点から”ホトトギスの歌”を捉え、彼らがなし得た業績を検証した。そして、トップ経営者として最も真似すべき人物は誰かを言及している。
 
   真似すべきでない筆頭は、天才である秀吉。秀吉は、次から次へと人が思いつかないことを思いついて、リスクを潜り抜け、出世街道を驀進した人である。それは天才だからなせる業・・・。余人に真似ることができないことだ。
 
   次に、家康である。家康は「待つ」「忍」の代名詞のような武将で、それは才能がなくてもできるかもしれないが、その代わり並外れた精神力が要求される。現に、お家を守るために、妻も息子も殺している。これも真似るのは難しい。
 
   そして、織田信長こそトップに立つ人が学ぶにふさわしい人物であると紹介している。
 
   何故かというと、信長という人は、①真の意味でのマキャベリストで、常識を積み重ね、物事を合理的に取り入れていること。そして、②現実主義者で、現状を把握したうえで最適解を探し、課題を打開するやり方をとっていること。③さらに素晴らしいのは志の高さだ。信長は34歳のとき、尾張57万石に美濃54万石を合わせて、111万石の所領を得ていた。いまでいう「1000億円の財産を築いたIT社長」のような状況であった。にも拘らず、「天下布武」の志を掲げ、安穏な生活を捨てて戦った。これが魅力の所以であると・・・。
 
   さて、あなたならだれを真似る?
 

今週の考える言葉「異次元」

考える言葉

異次元

   ある本を読んでいて、”異次元”という言葉に魅かれた。なぜ魅かれたかというと、今のコロナ・パンデミック(世界的流行)は私たち人類にパラダイムシフトの必然性を示唆しているのではないかと思っていたからだ。
 
   「過去の延長線上に未来はあり得ない!」と・・・。つまり、存続・発展していくためには、パラダイム(価値観)そのものを根本からみなおし、自らの意思であるべき姿を明確に描くべきだと・・・。
 
   そのために必要な発想が”異次元”ではないだろうか。”異次元”とは、「① 次元の異なる世界。② 通常とは全く異なる考え方、それに基づく大胆な施策」とある。
 
   パラダイムシフトの”異次元”的発想を具体的にいうと、「分離思考」から「統合思考」へと次元を変えるということであろう。(『経営人間学講座』・竹内日祥上人)
 
   まず、ここでいう「分離思考」の分離とは、「主観と客観を分離する」という意味であり、「自他分離思考」という。つまり、「他人と自分とは違う」と自分と他者を分けて考える思考である。その結果、物事を二項対立的に捉え、どうしても自分本位な考え方に陥ってしまう欠陥がある。
 
   一方、「統合思考」は、「出逢った相手は自分である」という考え方で、「自分と他人は一つの人格を共有しており、分離することができない存在である」という思考であり、「自他非分離の思考」という。その結果、物事を二項共存的に捉えることができるので、
 
   相手本位の思考と行動がとれるようになる。
 
   20世紀は科学万能の時代であったと言われているが、その科学の発達を根本的に支えたのが要素還元主義という考え方で、分離思考的な時代の価値観を培う元となった。その結果、様々な功罪をつくり、今がある。
 
   その反省を踏まえて、21世紀となり、すでに20年が経つ。その21世紀は思想・価値観の時代であると言われている。勿論、その時の思想価値観とは、分離ではなく「統合の思想・価値観」である。
 
   IG会計グループは、中期ビジョンとして「Breakthrough 10」を掲げているが、その実現のためには”異次元”的成長(低次元から高次元)が大きな課題となる。つまり、「統合の価値観」を組織の全員で共有できるかどうかに懸かっているといえよう。
 
   当面の課題として、次の3つに徹底的にチャレンジしたい。
 
① 自分本位から相手本位(顧客満足度)へ
 
② 現在本位から先行本位(未来思考)へ
 
③ 順境本位から逆境本位(成長思考)へ
 

今週の考える言葉「自分の翼」

考える言葉

自分の翼

   IG合宿(月末・月初)を終えたばかりである。第3四半期の締めの月でもあったので、今までの進捗管理を徹底して検証し、残り3か月をどう戦うのか、各部門・各人にしっかりと考えてもらった。
 
   コロナ禍で何かと制約の多い日々、できない事への「言い訳」も多々あると思うが、そんな時だからこそ「主体性」や「自主性」が問われる。つまり、”自分の翼”で「自由に羽ばたこう!」という強い意志を持った人々が必要とされるのだと思う。
 
   ジョン・C・マクスウェルの著書の中に、「”自分の翼”で飛べる人」について、その特徴について次のように述べてあった。要は「自分から行動を起こし、最後までやり通すこと」ができる強い意志を持った、主体性のある人のことだ。
 
   その本によると、人間には次の4つのタイプがあるという。
 
① 人から言われなくても、正しいことができる人
 
② 人から言われれば、正しいことができる人
 
③ 人から何回も言われれば、正しいことができる人
 
④ 人から何回言われても、正しいことができない人
 
   もちろん、「”自分の翼”で飛べる人」とは、①のタイプの人のことである。
 
   そして、何よりも大切なことは、「千里の道も一歩から」というが、直ちに行動に移す勇気だという。
 
   「賢者はすぐに実行し、愚か者は先送りする」という。愚図から脱却し、「自分の翼で飛べる人」になるためには、どうしたらいいのだろうか?
 
① まずは、「やる!」と決意すること
② 言い訳をせず、「失敗」から学ぶこと
③ 成果をイメージし、「セルフ・モチベーション」を高めること
④ 目標を明確にし、「有言実行」すること
⑤ 実行可能な「道筋」を立てること
⑥ 時間を決めて取りかかること
⑦ そして、スタートを切ること
 
   創業の当初から、互いの強みを活かし合うような仕組み(パートナーシップ制など)を頭の中で描き、やってきたつもりだ。ただ、どんな組織構造をつくったとしても、それらを構成する個人の資質(価値観や能力)が重要な課題となる。
 
   まず問われなければならないのは、「”自分の翼”で飛べる人」、つまり「主体性」の確立ではないだろうか・・・。
 

今週の考える言葉「選択」

考える言葉

選択

   コロナで延び延びになっていた『IG後継者育成塾(第6期⑩)』を、ズーム開催ではあるが、9月25~26日の二日間で行うことができた。さすが若手経営者、ズーム対応も慣れたものである。
   今回のテーマは、「なぜ経営計画を立てるのか」であったが、コロナ対策が必要なこの時期において、実にタイミングのいい内容だったと思う。
 
   経営計画とは、企業における「未来設計図」といわれている。つまり、「自社の未来をどう形づくるか」という、未来に対する自らの“選択”だといえよう。
 
   最近はだいぶ少なくなったが、「経営計画をつくったら、うちの会社は変わるのか?良くなるのか?」という、その効果・効用を聞かれることが多かった。勿論、小生の答えは「イエス!」である。
 
   なぜなら、経営の目的と目標を明確に描き、自らの意思で会社の未来を“選択”したのだから、前向きなエネルギーが力強い行動を生み、思い通りの成果につながるのは当然の帰結だといえる。
   経営者によって、抱えている問題や課題は様々であるが、経営計画をつくることによって得られる利点・効果に対して、次のような感想を頂くことが多い。
 
 ①自社の進路・方向性が明確になった(信念)
 ②ムダな行動がなくなり、効率的になった(生産性)
 ③自社の強み・弱みが明確になった(ドメインの選択)
 ④自社の外部環境を把握できるようになった(変化への対応力)
 ⑤社員のモチベーションが上がった(一体感)
 ⑥金融機関をはじめ外部からの評価が向上した(信用力)
 
   抱えていた、様々な悩みや不安が解消されて、前向きな気持ちで経営が出来るようになることに違いはないようだ。
 
   「人生は“選択”の連続である」とよく言われる。“選択”とは、何かを選ぶと同時にそれ以外のものを捨てるという行為でもある。ゆえに、常にリスクが伴う。しかし、勇気を奮って“選択”することによって、頭の中のモヤモヤが解消され、スッキリする。
 
   日本経済は、バブル崩壊後、「失われた10年」「失われた20年」などと言われながらも、明確な未来を描けないで、もう30年近くが過ぎようとしている。今回のコロナ・パンデミックは、そんな我々の背中を押してくれているのかも知れない。
 
   100年に一度あるかないかの出来事・・・。千載一遇のチャンスと捉え、自らの意思で会社の未来を“選択”しようと思う。(ぜひ、「将軍の日」へ!)
 

今週の考える言葉「ファイナンス思考」

考える言葉

ファイナンス思考

   「今のご時世、PLよりもBSを重視した思考が大切だ」と、ずっと前から折に触れて語ってきたことである。
 
   なぜなら、PL(損益計算書)重視だと、過去の結果にとらわれて、目先の売上や利益を稼ぎ出すことを目的として、短絡的な思考に陥ってしまう・・・。
 
   その点、BS(貸借対照表)重視だと、現時点における会社の財政状態(保有する経営資源)が把握でき、どこをどのように改善・改革すれば、安全性がより高まり、企業価値を高めていけるかと、未来志向的な発想が生まれてくるからだ。
 
   友人からの送呈だが、『ファイナンス思考』(朝倉祐介 著)は、上記のことを、実に論理的に体系化された良書である。少し、紹介をしたい。
 
   ◉ まず、“ファイナンス思考”とは何か?
「会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方」と定義している。
つまり、その目的は企業価値を高めることであり、そのためには長期的な視点に立った逆算的、戦略的な思考であるべきだとしている。
 
   ◉ 要するに、“ファイナンス思考”の特徴は、次の三点にある。
①価値志向(将来にわたって生み出すキャッシュフローの総量)
②長期思考(長期、未来志向、自発的)
③戦略志向(経営のアプローチが戦略的、逆算型)
 
   ◉ そして、“ファイナンス思考”は、企業価値を最大化するために、次の4つの活動を行う。(ファイナンスの4つの側面)
①外部からの資金調達
②資金の創出
③資産の最適配分
④ステークホルダー・コミュニケーション
 
   このように考えると、経営のプロセスはまさにお金の流れ(調達~運用~配分)であることが良くわかる。
 
   “ファイナンス思考”は、『稲盛和夫の実学(会計と経営)』(稲盛和夫 著)の中に、「会計がわからんで経営ができるのか」という名言があるが、その言葉を思い出させる内容であった。
   会計は決して後追いの仕事ではない。経営者とともに、未来を創造していくための羅針盤、“未来会計の普及”を使命としたいと改めて意を強くした次第である。
 

今週の考える言葉「積小為大」

考える言葉

積小為大

 
   “積小為大”(せきしょういだい)とは、江戸時代の農政家・思想家である「二宮尊徳」の言葉である。
 
   その原文は、「小を積めば、則ち大と為る」(『報徳記』)。
 
   「小さい事が積み重なって大きな事になる。だから、大きな事を成し遂げようと思うなら、小さい事をおろそかにしてはいけない」という意味である。
 
   よくセミナーなどで他社の成功事例を学んで、手っ取り早く儲けてやろうと意気込んで真似してみるが、上手くいかない・・・。そのうまくいかない理由の一つに、“積小為大”の教えがあるのではないだろうか。
 
   思い出してみると、小さい頃から、“積小為大”的なアドバイスをいろんな先輩諸氏から頂き、励ましてもらってきたような気がする。「焦らんでもいいぞ・・・。いまの自分にできること、やれることがあるだろう。どんな小さいことでもいいから、それをやり続けろ。そのうち、何を為すべきか見えてくるから・・・」「くよくよ悩んでいてもしょうがないな・・・」と、素直に先輩の言うことを聴いてやり続けていると、いろんなアイデアも自然と出てきたり、周りからの助言があったりして大きな成果につながっていったことが思い出される。
 
   思うに、税理士になるきっかけもそうだった・・・。大学3年の冬頃、将来のことを決めかねてブラブラしてたら、下宿の先輩から「どうせ、暇なんだろうから簿記検定でも受けてみたら・・・」といわれて、テキストをもらい、勉強をやり始めたのが税理士試験を受けるきっかけとなって、今がある。
 
   そんなこんなで、今や“積小為大”という言葉は、小生の座右の銘の一つでもある。
 
   “積小為大”とは、以上のような意味合いの言葉であるが、“積小為大”から次の3つの事を肝に銘じるように心掛けている。
 
   ①小さいことをおろそかにしないこと
   ②継続は力であること
   ③何ごとも焦りは禁物であること
 
   コロナ・ショックのインパクトが、今までの世の中の常識を変えようとしている。そんな中、「コロナ後の経営はどうあるべきか?」と問われることが多い。
 
   基本的に、「経営は環境適応業」である。どんな状況になろうと日々の出来事、それに適応していくしかない・・・。老荘思想にも「千里の道も一歩から」とある。こんなときこそ、“積小為大”という二宮尊徳の思想を心掛けたいと思う。
 

今週の考える言葉「財務諸表」

考える言葉

財務諸表

   「まさか・・・」の時代である。
 
   「VUCA(ブーカ)」という言葉をよく目にするようになったが、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」、「Complexity(複雑性)」、「Ambiguity(曖昧性)」という4つの単語の頭文字からとった略語であり、「先が全く読めない不安定、不透明な環境」を言い表しているという。
 
   そのような状況下において、経営者が先ず為すべきことは「自社の実態を明確に把握すること」であろう。
 
   そこで、企業の経営状況を、客観的に数値で把握するために必要なのが”財務諸表”である。”財務諸表”のうち、特に重要なのが「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」「キャッシュフロー計算書(CF)」で、これらを「財務三表」という。
 
   私たち職業会計人は、「決算書は情報の宝庫である」と呼んでいるが、数年分の”財務諸表”をお預かりして、財務分析させてもらうと、そこの会社の経営状況を概ね捉えることができる。なぜなら、プロとして、その勘どころたるや、承知しているからだ。
 
   企業の実態を把握するためには、”財務諸表”のどんな点から優先的にチェックして分析していくべきか、その心得がはっきりしているからだ。
 
   小生は、次の3つの優先順位を意識している。
 
① 安全性
まずは「貸借対照表」から「安全性」をチェックする。つまり、「当面は倒産する心配がないかどうか」である。「流動比率=流動資産÷流動負債」や「自己資本比率=純資産÷総資産」などを用いて、確認する。
 
② 収益性
それから「損益計算書」から「収益性」をチェックする。「十分な利益を稼ぎ出しているか」である。「売上高営業利益率」「自己資本利益率(ROE)」「総資産利益率(ROA)」などを用いて、確認する。
 
③ 将来性
そして、「キャッシュフロー計算書」を見て、「将来性」をチェックする。「将来性」を探るポイントは二つある。一つは「十分な営業キャッシュフローを稼いでいるか」、もう一つは「未来への投資を十分にしているか」を確認することだ。
 
   以上、3つの視点から経営状況を把握し、財務的なバランスのとれた経営を心掛けたいと思う。また、定量分析だけに偏らず、定性分析のチェックも怠らないように留意したいと思う。
 

今週の考える言葉「在宅勤務」

考える言葉

在宅勤務

   テレワーク(telework)とは、「tele=離れた場所とwork=働く」を合わせた造語で、職場から離れた場所で働く勤務形態をいう。その一つとして、”在宅勤務”が何かと話題になっている。
 
   “在宅勤務”という雇用のあり方は以前からあったが、コロナの影響で急に注目を浴び、かなり広がりつつある。そして、IT化の環境の中で”在宅勤務”が定着し、働き方の常識になるのではないという声さえある。そんな中、賛否両論の意見が飛び交っているようだ。
 
   賛成者は、次のようなメリットを指摘している。
 
   まずは、通勤時間がなくなること。これは最も大きなメリットで、その時間を有効活用できれば、仕事の効率化やモチベーションを高めることとなる。
 
邪魔がなく、業務へ集中でき、生産性が高まる。
 
育児や介護と両立しやすくなる。
 
勤務地に制限がなくなる。
 
仕事の時間を自由に決められる、人間関係の煩わしさがなくなるなど・・・。
 
   反対者は、次のようなデメリットを指摘している。
 
仕事とプライベートの切り替えができない
 
孤独を感じやすくコミュニケーションが難しい
 
正当な評価が受けにくい
 
自己管理ができない人は難しい
 
   ざっと、”在宅勤務”には、以上のようなメリット・デメリットが挙げられる。
 
   そこで”在宅勤務”のメリットを生かしつつ、生産性をあげるためには、次のような創意工夫が必要となる。
 
家の労働環境を整えておく
 
タスク管理ツールを用意しておく
 
細かく勤怠や進捗状況を報告する
 
スケジュールを決める
 
   小生は、テレワーク(telework)の賛成派である。但し、自己管理が徹底してできる人(主体性があり、かつモラリストであること)が前提である。
 
   将来、”在宅勤務”を普通に選択できような組織文化をつくるために、IG式目標管理を徹底して行い、相互に信頼し合えるような人間関係を構築していきたいと考えている。真のプロフェッショナル集団であるならば、当然のことだと思うのだが・・・。
 

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