今週の感がる言葉「働き」
考える言葉
働き
人を評価するときの間違いの一つは、「動き」と「“働き”」を混同するところにある。
夜遅くまでの残業とか、休日出勤を「よく働いている」と評価するのは早計である。それがどんな成果につながっているのか抜きに評価できないという。
忙しく動き回っていれば働いている気になってしまう。しかし、これは悪しき習慣である。
成果をあげるには、古いものや報われないものを計画的に廃棄する必要があるとドラッカーは繰り返し主張している。
さらに、“働き”において成果を出すために重要なことは、自らの強みを認識できているかどうかである。なぜならば、何事かを成し遂げるのは強みだからである。
では、強みを正しく知るためにはどうしたらいいのか。ドラッカーが推奨するのは、フィードバック分析である。
例えば何かをすると決めた時、先ず期待する成果を書き留めておく。そして定期的に期待と結果を比較する。すると、次のような事が明確になってくる。
① 自分は何がうまくできるのか
② 自分の強みは何か
③ 自分にはどんな能力が欠けているのか
④ 自分は何を学ばなければならないか
こうして自分の強みを知ったら、それをさらに強化し、“働き”(仕事)に活かすように心がけることだ。
そして、組織としての“働き”という観点から考えると、協働行為の体系としての機能が求められる。つまり、組織を構成するメンバー一人ひとりがお互いの強みを生かし合うという風土を創ろうとする心がけである。
“働き”を通して、自らのキャリアを高めたいと願っている。それには、ドラッカーによると、次の3つを知ることが大事だという。
① 自らの強み(強みを知り、伸ばすこと)
② 自分の仕事のスタイル(仕事の得意不得意を知 る)
③ 自分の価値観(モノの考え方)
そして、自らの価値観を“働き”に活かそうとするならば、組織の価値観との間にズレがあっては自らの強みを発揮することはできない。
元来、働くの語源は、傍(はた)を楽(らく)にすることだという。“働き”、他人に貢献することによって、自らの成長機会を得ることになる。
自己の強みを活かし、世のため人のために尽くすことに専念したいと思う。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」