古田会計事務所

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今週の考える言葉「学後の実践」

考える言葉

学後の実践

   先週(9~10日)、IG会計グループの事務所見学会が開催された。
 
   去る6月に続き、今年二回目の開催であったが、全国各地から20数名の会計人の参加者があり、有意義な情報交流ができた二日間であった。
 
   この見学会の趣旨は、弊社が事業化に成功している未来会計というドメインに対して、どのような考え方で取り組み、実践してきたのか、そのノウハウを学ぶことに一義的な目的がある。
 
   「人間は考える葦である」という、パスカルの言葉を借りるまでもなく、人間は知的好奇心に満ちた動物である。ゆえに、学ぶことに関して誰もが貪欲である。ましてや、知的サービス業である職業会計人にとっては尚更であるといえよう。
 
   真の課題は、その学んだ先にある。
 
   そこで、最終講の挨拶の時に必ず話すのが“学後の実践”の大切さである。学んだことをいかに実践し、仕事に活かし、成果に結びついていくか…。
 
   そのためには、「自らが学び、得たものは何か?そして、自分にどんな変化があったのだろうか?さらに今後、自らがなすべき最も大きな課題は何だろうか?」と自問自答してみることである。
 
   もう随分も前になるが、あるセミナーで「会計人の方は、皆さん、本当に学ぶことが好きですね…。受講料が高くてもよく参加されますよね。でも、ちゃんと元は取れていますか?」と、何気に話されていた講師がいた。
 
   学習したという自己満足で終わっていないか…。何のために学習をしているのか…。
 
   ハッとさせられると同時に、それ以来、セミナーに参加する時は必ず「学ぶ目的は何か?学んだことを誰に伝えたいと思っているのか?」を、事前に明確にすることを心がけるようにした。そして、セミナーから戻った翌日には、その内容を伝えたい顧問先の社長に電話をして、「昨日いい話を聞いてきたので、少し時間を取れませんか?」と、アポを取るようになった。
 
   この事は、それを伝えた社長からも喜ばれたし、何よりも自分自身の学習能力を高める結果になったと思う。つまり、“学後の実践”の効果は想像していた以上の大きかったと思う。
 
   「新ビジネスモデル(NBM)」研究会(第22期)が先月終えたばかりであるが、第23期が12月からスタートする。奮って参加し、「未来会計」を全国の中小企業に普及し、日本経済の活性化に貢献しましょう。
 

今週の考える言葉「本領」

考える言葉

本領

    “本領”発揮という言葉をよく使うが、“本領”とは「本来の持ち前」という意味である。つまり、その人の本来持っているもの、特にもともと備えている優れた才能や特質という意味を表す言葉である。
 
   “本領”の語源は、もともとは中世、鎌倉時代の、御家人の領地のことを言っていたそうで、鎌倉幕府の成立以前から代々伝えられた私領のことを“本領”と言っていたのが由来であり、その人がもともと持っている優れた才能や特性という意味で使われている。
 
   コロナが2019年12月初旬に武漢で流行りだしてから丸3年、4年目に入る。いろいろな意味で、移動に制約があったひと頃からすると移動にさほど制約がなくなり、今年はいろいろな催し物も再開されるようになった…。
 
   IG会計グループで、毎月2回定期開催している『将軍の日』もいつも満席の状態が続いている状況である。そろそろ、コロナ後の経営状況が気になりだした経営者が多いのだろう。
コロナ禍で失われた雇用や需要は、どこまで回復できるのであろうか…。
 
   かつての「7.23長崎大水害」のときもそうであったが、被害あるいは復旧の最中にあるときには、みんな境遇は一緒なので、お互いに慰め、励まし合って、笑顔も出ていたが、問題は復旧後の回復期に出てくるものだ。
 
   災害前のもとの状態に戻れる人もあれば、そうでない人もある。それは、企業においても同じである。つまり、“本領”を発揮できる人(企業)とそうでない人が出てくるのだ。
 
   その差は、どこから出てくるのだろうか?
 
   それは、仕事や人生に対しての普段からの取り組む姿勢の問題ではないだろうか。受動的か、能動的か…。
 
   能動的に仕事をし、生きている人は、常に“本領”を発揮することを意識しているのだと思う。
 
   英語でいうと、「Show your true potential」となる。ポテンシャルとは、人が備えている「潜在能力」や「将来の可能性」のことだ。
 
   人は誰もが、「ポテンシャル」を持った存在だという。つまり、“本領”を発揮できるのだという。異常時とは、まさに自らの“本領”に気づき、それを発揮する千載一遇のチャンスだといえよう。そう心得たい!
 

考える言葉「想像力」

考える言葉

想像力

   「今の時代って、“想像力”が大切ですよね…」とある人がつぶやいていた。
 
   “想像力”とは、「自身が経験していないことや未来のこと、現実には存在しないことを、頭の中で思い描く力」のことである。
 
   今や「VUAC時代」とも言われるように、世の中の複雑さや多様性が増し、将来予測が困難な状態にある。つまり、企業経営者にとって大切な「先見の明」を発揮しにくい時代だと言える。
 
   そこで大切なのが、“想像力”の発揮なのだという。そこで、“想像力”について少し考えてみたい。
 
   まず、“想像力”が豊かな人ってどんな人だろう。その特徴をいくつか掲げてみたい。
 
① 気が利く(気配りができて、先回りの行動ができる)
② リスクマネジメントが上手い(危機察知能力が高い)
③ 仕事が速い(先々のことを予測し、優先順位づけが上手い)
 
   以上のように、“想像力”は、人間関係を良くしたり、仕事をスムーズに進めたりするうえで、非常に大事な能力であるといえよう。
 
   では、その“想像力”を鍛えるためには、どうしたらいいのだろうか。そのためには、次の5つの方法を、日頃から心がけてみたいと思う。
 
① 「人」に興味を持つ
 対人関係において“想像力”が乏しい人は「他人」への興味が薄いのが原因であることが多い。まずは何らかの関心を持つことから始めよう。
② 様々な領域の情報にアンテナを張る
 何かしらの「取っ掛かり」となる知識や想像を広げていく上での知識が必要である。
③ 仮説を立てる習慣をつける
 「想像癖」を身につけるには、日常で物事を考える際に仮説思考をしてみるといい。
④ 反対の立場を考えてみる
 “想像力”が豊かな人は、多角的な視点で物事を考えることができる人である。視点の数を増やすために、「反対の立場の人の意見」に耳を傾けてみよう。
⑤ 多様な価値観に触れる
 
   自分とは異なる他人の価値観に関心をもち、触れてみるといいだろう。
 
   IG会計グループが毎月、開催している『将軍の日』は企業経営に大切な“想像力”を鍛える絶好の機会ではないだろうか。社長だけでなく、ヤル気のある幹部・社員と一緒に参加し、“想像力”を磨く機会にされてはどうだろうか…。
 

今週の考える言葉「Plan」

考える言葉

Plan

   IG会計グループの会計年度は、いよいよ“第4四半期”(10~12月)に突入した。
 
   弊社にとって、今年もいよいよ、最終四半期を迎えたことになる。
 
   この時期は一年間の仕上げをする時期であるが、同時に次年度に向けて仕込みにかかる時期でもある。
 
   弊社では、「年間目標は上半期で達成するくらいの心意気で取り組もう」をモットーとしている。第3四半期(7~9月)は予備期間であり、第4四半期は次年度の“Plan”を練り、仕込みをする時期でもあると、心している。
 
   先週末(28~29日)の2日間は、「次年度・行動計画書」作成のための頭づくりをするための日とした。
 
   毎回のことであるが、初日スタートでは必ず、“Plan(計画)”は「誰のために、何のために」作成するのかをしっかり考えるために時間を持つようにしている。
 
   例えば、経営計画を作るメリットとして、次のようなことが考えられる。
 
 ① 自社の目指す先が明確になる
 ② 効率かつ効果的な経営が可能となる
 ③ 自社の実力を知ることができる
 ④ 自社の外部環境を把握できる
 ⑤ 社員のモチベーションが上がる
 ⑥ 金融機関をはじめ、外部の評価が向上する
 
   IGグループでは、月末・月初の二日間を「考える一日」と称して、この二日間は基本的には、日常的な業務をせず、じっくりと物事の本質を捉え、考えるための時間をつくれるように心掛けている。
 
   今進行中の「中期五ヵ年計画」(R2~6年)は、『Break through 10』を中期ヴィジョンに掲げ、やってきたのであるが、いよいよ次年度がその最終年度となる。
 
   その意味でも、次年度は大きな節目となる一年になるに違いない。
 
   21世紀入ってから20数年が経つ…。21世紀はパラダイムシフトの時代である、と言われて第一四半期が過ぎようとしている。
 
   バウンダリーレスによる多様化が進む世界環境、少子高齢化・人口減少が進む日本の環境、地球の温暖化現象、食料危機やエネルギー問題などグローバルな視野で変化と向き合っていく必要がある。こうしたマクロ的な視野も需要だが、事業承継問題などミクロ的な視野も見逃せない…。
 
   自らの意思を明確にする未来設計図としての“Plan”は一層重要となる。
 

今週の考える言葉「いい会社」

考える言葉

いい会社

   去る9月15~16日に開催された『IG後継者育成塾(第7期第11講)』は、「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズの著者としても有名な坂本光司先生をお招きして、『経営者としての心得』というテーマで、じっくり講義をして頂いた。
 
   坂本先生は、「人を大切にし、幸せにする経営」こそが真のマネジメントの原理・原則であるという考えに立ち、「五方良し経営(①社員と家族、②取引先と家族、③顧客、④地域住民、⑤株主)」を持論として説かれている。
 
   当会場で、皆に配布した『「新たな資本主義」のマネジメント入門』(坂本光司 著)に次のようなくだりがあるので紹介したい。
 
   「利潤の追求は、マネジメントの目的・使命ではない。経営目的を正しく果たすための手段であり、またその結果に過ぎない」と述べ、さらに「利益は、高ければ高いほどいいのではない。あえていえば、次のような企業は、けっして“いい会社”とは思えない」と述べられている。自己チェックしてみよう。
 
   「高収益でありながら、
 ① 早期退職者を日常的に募っている企業
 ② 社員に長時間残業を強いている企業
 ③ 社員の有給休暇取得率が低い企業 
 ④ 社員に適正な賃金・ボーナスを支払っていない企業
 ⑤ 協力企業に理不尽な取引を強要している企業
 ⑥ 仕入先、協力企業に対し手形支払いをしている企業
 ⑦ 障がい者雇用に尽力していない企業
 ⑧ 高齢者雇用に尽力していない企業
 ⑨ 社員や家族への福利厚生が不十分な企業
 ⑩ 非正規社員比率が高い企業
 ⑪ 社会貢献・地域貢献活動が不十分な企業
 ⑫ 転職的離職率が高い企業
 ⑬ 社員に十分な成長機会を提供していない企業
 ⑭ 育児休業取得率が低い企業
 ⑮ さらなるノルマを平気で課している企業
 ⑯ 労働時間が長い企業
 ⑰ 職場環境が劣悪な企業」
 
   以上の一つの項目でも該当すれば、けっして“いい会社”だと胸を張れない…。
 

今週の考える言葉「ムードメーカー」

考える言葉

ムードメーカー

   自分の職場に、あるいは自分の身近なところに“ムードメーカー”的な存在の人はいるだろうか。
 
   小さい頃、草野球にハマっていた時期があるが、チームがピンチに陥ったとき、必ず「ドンマイ!ドンマイ!」と大声を出す“ムードメーカー”がいた。その一声で、不安が消え去り、「よっしゃ!」という気持ちになったものだ。
 
   “ムードメーカー”は、職場にとって非常に大切な存在である。特に、チャレンジ性に満ちた成長期の組織には、大切な存在だと思う…。
 
   今ふと思ったのだが、忘却の彼方にあった“ムードメーカー”なる言葉が頭をよぎったのは何故だろう?いつまでも、「コロナ、コロナ」と言ってはいられない状況にきているという危機感からだ。何とか、この倦怠感から脱却したいという思いが、“ムードメーカー”の出現を期待したからだと思う。
 
   “ムードメーカー”とは、「その場の雰囲気を盛り上げる人」のことを言うのだが、ムードメーカーになる“7つの心得”があるという。
 
 ① 平等に明るく接する
 ② ポジティブになる
 ③ ユーモア
 ④ 話題が豊富
 ⑤ 空気を読む
 ⑥ 声は大きく
 ⑦ めげない
 
   どうだろう…?これらの心得の中には、経験や努力によって身につける専門的な技術や知識などは入っていない。それこそ、心一つの置きようで、誰でもできるのではないだろうか。
 
   しかも、“ムードメーカー”になるには「ネアカ人間」である必要はない。「気がきく人間」でありさえすればいいのだ。つまり、多少意識して、「ムードメーカーになる“7つの心得”」を演じられる人であればいいのだ。
 
   それから、ちょっと気になって「ドンマイ」を調べてみたら、和製英語の「ドンマイ」とは意味が異なり、「Don’t mind」は「私は気にしませんよ」という意味らしい。
 
   相手を励ます意味で使っている「ドンマイ」は、英語では、「Shake it off!(気にしないで!)」「Forget about it(そんな事忘れなよ)」「It‘s ok(大丈夫)」「Never mind(気にしないで)」らしい……。
 

今週の考える言葉「学ぶ心」

考える言葉

学ぶ心

   『NN構想の会・第23回全国大会』(9月7~8日)を無事に終えることができた。2019年以来、4年ぶりに、本来の姿での開催である。
 
   その間、2020年は中止、21年と22年はオンラインでの開催だったが、もうすっかりNN大会の馴染みと会場となった『ホテル椿山荘東京』で、みんなが集まっての大会はやはり一味違う趣を感じることができた。
 
   今大会のテーマは、『セルフマネジメントの徹底~健全な判断力を磨こう』である。アフターコロナという経済環境下で、今後の経営の舵取りや仕事への取り組み方を考えたとき、『セルフマネジメント』という考え方が一つのキーワードになると確信し、テーマとして掲げた。
 
   第一日目の最初は、基調講演。
 
   『「ソニー再生」変革のモチベーショナル・リーダーシップ』と題して、平井一夫氏が「リーダーシップの要諦は、IQよりもEQを高めることだ」という持論をベースに、経営者としてのモノの考え方、価値観の重要性を説き、MVV(Misstion、Vision、Value)の共有ができているか、そのためには現場に足を運び、コミュニケーションを大事にしたいと語ってくれた。
 
   そのあと、パネルディスカッション第1部「未来会計の実践とJa‐BIGインフラの使命とは」、第2部「セルフマネジメントの要諦」と続いた。
 
   それぞれ、パネリストは会員や支持団体の方々から選出され、職業会計人の社会的な使命や業界のあるべき姿について大変有意義な議論が展開され、聴き応えがあったと思う。
 
   そして、大会一日目の最後は「情報交流パーティー」。4年ぶりの企画であったが、お酒を飲み交わし、談笑する姿には空白の期間を感じさせることなく、盛り上がっていたと思う。
 
   大会二日目は、分科会。
 
   NNの支持団体が協力し合い、それぞれのテーマを掲げ、4会場で7つのテーマで分科会が開かれた。同時開催なので、すべてを聴くことができなかったが、支持団体の思いが伝わったのか、いずれも大変好評だったようだ。
 
   教える側も学ぶ側も、会計業界を良くして、より社会貢献したいと思いは一つ。共創のためのNN(ネットワークのネットワーク)、そのステージをより充実したものに進化させていき、未来への礎を創っていける会計業界にしたいと思う。
 
   そのためにも、“学ぶ心”を大事にし、持ち続けたいと改めで感じた2日間であった。
 

今週の考える言葉「見切り」

考える言葉

見切り

   ビジネスの要諦は“見切り”にある…」 以前に、ある書物で読んだことを思い出した。
 
   “見切り”とは、これまで注ぎ込んできた資金や時間、あるいはこれから手にするだろう利益の一切を捨て去ることである。
 
   仕事ができる人とは、そのあたりの見極め方が実にうまく、どんなに儲かっていた仕事であっても、継続することに危惧を感じたなら迷わず“見切る”こと、そのあたりの結論を出すのが実に早く、うまい人である。
 
   相場の格言の一つで、「見切り千両、損切り万両」という言葉がある。含み損を抱えた株式などに対して、損失の少ないうちに“見切り”をつけることは千両の価値があり、損失を拡大させないために、ある程度の損を覚悟で売買することには万両の価値があるという例えである。
 
   そんなことは、分かっているはずなのに、なかなか“見切り”をつけることができず、ズルズルと引きずってしまう…、人間の性である。そんな経験は誰もが一度や二度はしているのではないだろうか。
 
   優れた人材ほど、“見切り”が早いというが、その理由として3つ挙げられる。
 
 ① 変化を恐れていないこと(革新性)
 ② 先を見て行動していること(先見性)
 ③ 危機感を持って過していること(健全性)
 
   先日のIG全体会議でも話したことであるが、日本という国はバブル崩壊後、「失われた30年」という歳月を無為に過ごしてきたと言われている。
 
   日本経済は、なぜ停滞をし続けてきたのか?
 
   一言でいうと、「豊かさの弊害:チャレンジできない環境」になってしまっていたと指摘する評論家が多い。
 
   日本の21世紀は、20世紀の遺産を食い潰している時代だと指摘する人が多い。バブルが崩壊して30年。以前ほどの2桁成長は望めないとして、日本のGDPは中国に抜かれはしたものの世界第3位…。
 
   だが、日本の経済力に昔ほど魅力を感じないのは私だけでないと思う。
 
   少子高齢化、低成長に伴う賃金水準の低調、エネルギー価格の不安定、経常収支の悪化など気になることが多い。
 
   「変わるしかない!」のに変わり切れない日本。そんな日本にとって、コロナは救いのための劇薬。過去に“見切り”をつけることこそが、大きなチャンスである、と考える。
 

考える言葉「潤滑油」

考える言葉

潤滑油

   新入社員が入社し半年近くが経つ。また、学生は夏休み期間でもあり、インターン制度による数名のインターン学生を受け入れており、職場環境にもいつもと違う雰囲気がある。教える人と教えてもらう人…。
 
   仕事の経験あるなしにかかわらず、誰でも必ずできることが一つある。それが挨拶である。
 
   昔から「すべての仕事は挨拶に始まり、挨拶に終る」という言葉があり、社会人になってからだけではなく、学生の頃から部活などでも先輩諸氏からよく言われたものである。
 
   そして、挨拶には次のような効果があると思う。
 
 ① 大きな声で挨拶すると気持ちが良くなる
 ② 挨拶すると笑顔の機会が増える 
 ③ 相手への印象が良くなり、人間関係も良くなる
 ④ 挨拶によってコミュニケーションが始まる
 
   以上のような効果を考えるとき、挨拶の仕方についてもしっかりとした心得を持っておくべきだろう。
 
   以前に、ある本で読んだことであるが、「挨拶の基本ルール5原則」として次のようなことが書いてあったので、心がけている。
 
 ① 相手に聞こえる声で、はっきり、大きく
 ② 相手の目を見て
 ③ 心を込めて 
 ④ 笑顔と会釈をプラスして
 ⑤ 相手によって、態度を変えない
 
   以上のことは、誰にでも少し意識すればできることであろう。
 
   コロナが発症して5年目になるが、今年に入って少しずつ会合の機会が増えてきたが、「挨拶の基本ルール5原則」を心得ている人は気持ちがいいし、場を和ませてくれる。
 
   IG会計グループでは、創業当初に、挨拶訓練を得意とする経営コンサルタントとの出逢いもあり、朝礼時にみんなで大きな声で唱和をしている。やり続けているうちに、本来の目的を忘れてしまい、形骸化が生じることがよくある。
 
   挨拶には、上記に掲げるような効果があることを念頭に置き、心を込めてやり続けたいと思う。挨拶は、人間関係の“潤滑油”でもある。
 

今週の考える言葉「自得」

考える言葉

自得

   書棚の整理をしているうちに、以前に購入した本を再読することが習慣化してしまったようだ。
 
   毎月、数冊は買っていたのに今年に入って一冊も買っていないことに気がついた。コロナのおかげもあり、読書量が増えたにもかかわらずだ…。また、再読するといろいろと気づかされることも多い。
 
   最近、『道をひらく』(松下幸之助 著)を読み直した時のことであるが、“自得”という言葉に注意がひかれた。
 
   「自主独立の信念を持つため」には、「“自得”する」ことの重要性を説いている節がある。「獅子はわが子をわざと谷底につきおとす。きびしい仕打ちである。だがその厳しさの中で、はじめて自立を会得する。他に依存せず、みずの力で歩むことの大事さを、みずからの身体でさとる。つまり“自得”するのである」と。
 
   “自得”といえば、「自業自得」という熟語を思い出し、あまり印象が良くない感じがしたので、辞書を引いてみた。
 
 ① 自分の力で悟ること
 ② 自分自身で満足し、安んじること。うぬぼれること。
 ③ 自分の身に報いを受けること。「自業自得」
 
   つまり、「他に依存せず、みずからの力で歩むことの大事さを、みずからの身体でさとる、つまり“自得”する」ことである。
 
   そこで気になり、「自業自得」も調べてみると、「自分がしたおこないの報いを受ける」という意味である。
 
   「自業自得」といえば、「身から出た錆」と同じで、「自分のした悪いおこないによって、自分自身が苦しむ」という意味で使うことが多いが、本来は、悪い場面だけでなく良い意味でも使える、柔軟性のある言葉だという。
 
   仏教では、良いも悪いも関係なく、すべての運命が「自業自得」だと教えられているという。つまり、「自分のおこないが自分の運命を生む」という意味だ。これだと、とても合点がいく話だ。
 
   幸之助氏は、「“自得”するには、きびしさと勇気がいる」と述べている。
 
   激動する世の中である。経営の舵取りも、決して容易ではない環境である。それゆえに、「“自得”へのきびしい日々を覚悟しよう!」と助言してくれている。
 
   “自得”…。言葉一つひとつの意味をしっかりと捉えるようにしたいと思う。