古田会計事務所

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今週の考える言葉「環境」

考える言葉

環境

   “環境”と価値観の関係性について考えてみたい。
 
   価値観とは、「思考の枠組み」のことである。人間には、人それぞれの価値観がある。十人十色、まさにその通り・・・。面白いことに、価値観は人そのものに備わっているだけではなく、時代には時代の、地域には地域の価値観があるのだという。だから、同じ日本人でありながら、江戸時代に生きていた日本人と、現代を生きている日本人では、同じ日本人でありながら、かなり考え方というか常識が違う・・・。また、九州と東北では、やはり違う。
 
   なぜ、そうなのだろうか?もちろんそれは、生まれ育った“環境”が違うからである。つまり、人はみな、“環境”からの影響を受けて生きている。そして、その出逢った“環境”によって身につけた価値観を自分の物差しとして、物事を判断し、選択しながら生きている・・・。
 
   人間は、歳を重ねる度に、様々な“環境”との出逢いを体験する。だとすると、「自分が信じている今の価値観は、いつどこで、どんな出逢いの影響を受けて、身につけたものだろうか?」「今の自分に最もインパクトを与えた要因は何だったのだろうか?」しかし、改めて聞かれると答えに窮するのではないだろうか。
 
   人生には節目がある・・・。進学、就職(転職)、結婚(離婚)等など。そんな人生の転機となる体験やそのプロセスの中で、どんな影響を受けて、私たちの価値観は形成されてきたのだろうか。また、多くの読書やセミナー等の勉強会、絵画や音楽の鑑賞、宗教等との出逢いも価値観の形成に大きな影響を与えているように思える。
 
   このように様々な“環境”との出逢いをベースに、今の価値観が形成されてきたのであろう・・・。ただ、私の場合は、仕事という“環境”からの影響が一番大きいという確信がある。その影響力は今でも大きく、今なお日々、価値観の成長を実感している。
 
   仕事とは、「仕」も「事」も「仕える」と読む。そこに、仕事の意味がある。今や死語に近いが、「滅私奉公」という言葉がある。昔は、働く者の倫理・道徳として広く語られ、価値観の形成に強い影響を持っていたようだ。仕事の本質を捉えた言葉だと思う。
 
   仕事を与えてくれる“環境”に貢献するためには、“環境”が求めているもの、需要をしっかり掴むことが重要だ。自らの価値観に捉われずに、“環境”の声に耳を傾けてみよう。“環境”が真に求めているもの、その変化などが聞こえてきそうな気がする。
 
   ビジネスの成功は、“環境”から必要とされている仕事を開発した者によって、享受されるものだ。元々、“環境”から授けられた価値観、環境の進化に貢献できてこそ、その成長も約束されるものだと考える。
 

今週の考える言葉「行動」

考える言葉

行動

   「人間は一本の葦であり、自然のうちでもっとも弱いものにすぎない。しかし、それは考える葦である」(『パンセ』パスカル著)。
 
   あまりにも有名な、パスカル(1623-1662)の言葉である。宇宙という広大無辺な自然の中で、ほんの一点にすぎない存在・・・。だが人間は思考によって、宇宙を包み込める存在でもある。
 
   創業の当初、経営者に参加して頂いて、『葦の会』という勉強会を主催していたことを思い出す。経営者は考える人であり、つねに考え抜いて経営の舵取りをすべきであるという趣旨であったと思うが・・・。また、“考える言葉”シリーズも、その流れから生まれたネーミングである。
  
   昨日のIG幹部会で、思考と“行動”について次のような話をしたことを反芻している。
  
   「私たちは、つねに思考して、“行動”することを旨としている。しかし昔から言行一致あるいは知行合一の大切さが繰り返し言われているように、思考と“行動”を合致させることはそれほど難しい・・・。そんなとき、どうすればいいのだろうか?」
 
   何故か?考えるに、私たちは自らの思考を思うように自己管理できないのではないか。「こうしようと決めた矢先に、他にもっといいやり方が・・・」と迷いが生じ、望むように考えることができないのである。
 
   人間は、また感情の生き物である。喜怒哀楽という感情は、思考ではコントロールできないものである。哀しいときに、なぜ哀しいのか?考えても、哀しさから抜け出すことはできない・・・。気分が落ち込んだ時に、いろいろ考えても堂々巡りをするだけで解決の糸口さえ見いだせない時がある。
 
    世にいう優れた経営者って、思考と“行動”のスイッチの切り替えがうまい人ではないかと、ふと思う。
 
   松下幸之助さんの「やってみなはれ!」という言葉は有名である。いろんな解釈はあると思うが、要するに“行動”には必ず結果が伴う。やってみて初めて分かることだってたくさんあるという事だろう・・・。それに、思考と違って、“行動”は一歩踏み出せば思い通りになるものである。
 
   チェンジ・オブ・エアという言葉があるが、海外に出ると開放的な気分になって、日常のしがらみがスッーと消えてしまい、大胆な発想が浮かび、いくら考えてもまとまらなかったことが見事に整理できた経験って、誰にでもあると思う。
 
   先送りするぐらいだったら、まず“行動”をしてみよう!“行動”すれば、必ず結果が出る。そこからまた思考してもいいのではないだろうか。
 

今週の考える言葉「目利き」

考える言葉

目利き

   「世に伯楽有り、然る後に千里の馬有り。千里の馬は常に有れども、伯楽は常に有らず」 (韓愈「雑説」)という諺がある…。簡単に解説すると、「千里を走る名馬がいたとしても、それを見抜く人(伯楽)と出逢わなければ、駄馬のままで終わってしまう」ということであろう。
 
   日本の企業の99.7%は中小企業である。今その7割が新たな成長戦略を描くことができずに、赤字で苦しんでいるという。かつて、業績がよく、税金対策に苦慮していた多くの中小企業経営者を知っている者にとって、にわかには信じがたい状況である。
 
   バブル経済が崩壊して25年は経つ…。確かに、様々な要因があって経済環境は激変した。しかし、日本の中小企業を取り巻く社会的インフラの質は、諸外国のそれと比較しても見劣りしているわけでもなく、むしろ優位性は高いのではないだろうか…。では、なぜ停滞からの脱却ができないのか?
 
   伯楽とは、“目利き”のことである。ひょっとしたら、現在の中小企業がもつ事業性の高さを正しく評価できる“目利き”がいないのではないか・・・。
 
   昨年、金融庁が公表した「金融行政方針」(森信親長官)は、その辺を意識してのことだろう、「地銀が担保や保証ではなく、取引先の事業内容や将来性を見極めるように求めている」、いわゆる「事業性評価」である。(「捨てられる銀行」講談社)
 
   かつては、銀行には外回りの人たちがいて、中小企業の現場に赴き、いろいろなヒヤリングをしながら、決算書等では知ることができない社長の価値観や将来への思いを聞きながら、その企業における事業の将来性を“目利き”していたように記憶している。そんな銀行が少なくなったという。
 
   小生は、中小企業の経営者そのものが“目利き”であるべきだと思う。
 
   業界ごとに儲かる仕組みがあって、走るべきレールが敷かれていた頃は、能力や経験さえ積めば、それでも成果は出せたのかも知れないが、今は違う。独自性を発揮できない企業は淘汰されてしまう時代である。
 
   “目利き”とは、二つの思考性が問われるのではないだろうか。一つは、普遍性。物事の本質を見極める真贋力…。その人の価値観(物差し)のレベルである。
 
   もう一つは、洞察性。経営環境の変化や時流を読み取り、自らの強みを発揮できるドメインを見極め、進むべき進路、つまり戦略の指針・方向性を見定めていく思考力だといえよう。
 
   日本の経営資源は、いまでも、他国と比較しても決して見劣りしないどころか、優位性があると考える。問われるは、トップリーダーの“目利き”であると…。
 

今週の考える言葉「歴史は動く」

考える言葉

歴史は動く

   NBMとは、「我々会計人は社会的インフラである!」という自覚のもと、その役割を担うために何をなすべきか・・・。激変する時代のニーズに適応し、自己変革するために何をなすべきかを研究し、実践可能な新しいビジネスモデルの習得を目的とした学習組織である。
 
   税理士業界は、戦後のシャウプ勧告に基づいた自主申告納税制度の社会的インフラの担い手として役割を全うし、60 年以上もの間発展してきた・・・。その制度会計というパラダイムから脱却し、マーケットインの発想で会計人の仕事を捉えなおしたらどうなるのであろうか・・・。
 
   日本の企業の99.7%は中小企業である。その7 割が新たな成長戦略を描くことができずに、赤字で苦しんでいるという。もし、我々会計人が企業の成長戦略を描くお手伝いができて、赤字を黒字に転換する役割を担うことができたら、こんな素晴らしい仕事はないのではないだろうか?
 
   IG会計グループでは、20 年以上も前から、私たち会計人の強みである会計という専門知識を、単に税務署へ申告するためのものではなく、経営者の意思決定をサポートするための会計として捉えて、実践を積み上げてきた歴史がある。
 
   そのサービスの領域を未来会計と称し、その領域を深耕するためのビジネスモデルをMAS監査と呼んでいる。
 
   2 年前、その推進・普及のために設立したコンサルティングファームがJa‐BIGである。(全国の有志・50 会計事務所が共同出資をし、未来会計を事業化することによって、中小企業の存続と発展をサポートすることを目的としているネットワーク型の組織である)。
 
   “歴史は動く!”、目的を持った日々の活動が歴史をつくる・・・。そのために必要なのが「学後の実践」である。
 
   NBMで習得した知識を、現場で実践する。それによって業界の景色が変わる。
 
   「会計事務所は過去を語る所ではなく、未来を語る所である。すなわち、会計人は“未来人”である」、そう受け止められたとき、“歴史は動く”のであろう。
 
   未来会計を提案することによって、「御社の未来を担いたい!」「赤字は必ず解消できる!」とコミットしたい。ぜひ、ご相談を!
 

「月刊実務経営ニュース」様に掲載されました!

その他お知らせ

株式会社 ミロク情報サービス様の「月間実務経営ニュース 8月号」に大西会計グループが紹介されました!
 
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内容につきましてはコチラよりご覧頂けます。
(※ミロク情報サービス様のサイトへつながります)
 
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是非、一度当グループの取り組みをご覧ください!

今週の考える言葉「体験」

考える言葉

体験

   私たち人間は、いろんな“体験”を積み重ねながら成長する。“体験”は、その意味において、成長に欠かせないものである。
 
   だが、“体験”がそのままその人の成長へつながるとは思えない。なぜなら、多くの“体験”を重ねたからと言って、他の人よりも成長できているとは言えないし、同じ場にいて同じ“体験”をしていながら、その“体験”を活かして成長する人もいればそうでない人もいるからだ。
 
   では、“体験”を自らの成長につなげる人とそうでない人との差は、何から生まれるのであろうか?
 
   一言でいうと、その“体験”に対して、深く検証できているかどうかである。いくら“体験”をしても、その後に深く思考することをしなければ消化不良を起こすだけで、血肉にはならない・・・。つまり、その人の価値観の形成に何ら役に立っていないのである。
 
   企業で行う目標管理も同じである。「あるべき姿」を描き、「現状」との差を捉え、その差を埋めるために何をなすべきか、目標を設定する。つまり、「仮説(Plan)~実践(Do)~検証(See)」の経営サイクルを導入したとしても、うまく機能しているところもあれば、そうでないところもある。
 
   やはり、“体験”のあとの検証が拙いのである。
 
   どんなに時間をかけて立派な経営計画を立てたとしても、その仮説の実行可能性の検証がなされてない限り、実践でつまずく。仮に実践ができたとしても、そのプロセスの記録がなく、検証できなければ、次の仮説へのフィードバックができず、経営サイクルが機能しなくなるのである。
 
   つまり、“体験”から何も学べず、何も身につかないのである。
 
   まして今や、過去と未来が繋がっていない時代である。単に、テクニカル的な成功“体験”だと、未来の失敗の原因となる。むしろ、捨てなければならない・・・。ここでいう、捨てるとは「次元を変えて活かす」という意味で捉えてみたい。
 
   つまり、“体験”の枝葉末節的な要素(ハウツー的な知識や経験のレベル)ではなく、本質的なものの見方や考え方といった要素(自己の人生の目的そのものに影響を与えるような思考のレベル)で捉えられるような思考である。
 
   自らの“体験”を通して、自らに問うべきは「この“体験”は、自らの価値観にどのような変化をもたらすのであろうか?」である。
価値観とは、自分自身の生き様である。それがまわりの人々の生き方にどんな影響を与えてきたのだろうか?それは、“体験”によって進化したのだろうか・・・?
 

「Ja-BIG Journal」様に掲載されました!

その他お知らせ

Ja-BIGネットワーク様の「Ja-BIGジャーナル2016年夏号」に大西会計グループが取り上げられました!
 
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当グループ会社である「㈱シー・エス・マネジメント」を中心に、会計事務所との関わりや取り組み、所長の「中小企業の存続と発展をサポートしていく」という”熱い想い”をお届け致します!
 
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当事務所にて配布致しておりますので、是非手にとってご覧ください!

 

今週の考える言葉「自分事」

考える言葉

自分事

   「日本の課題先進地から」というテーマで、鈴木直道氏(北海道夕張市長、35 歳)へのインタビュー記事が掲載されていた。(朝日新聞7 月23 日付)
 
   10 年前に財政破綻した夕張市は炭鉱で栄えた町・・・。最盛期の1960 年に12 万弱いた人口は、いま8 千人台。高齢化率は49%(ちなみに国は26.7%)だそうだ。驚かされる数字であるが、まさに日本の課題を先取りした「先進地」なのである。
 
   人口減少は、確実に公費負担増かつサービス減につながる。「行政サービスは空気のように、そこにあるのが当たり前。濃度が薄くなると突然苦しくなり、存在がなくなると生命の維持すら難しくなる」という。他人事として捉えず、「自分たちのお金という、コスト意識持ってもらうこと・・・」、つまり“自分事”という意識を持ってもらうところから始めるしかないという。
 
   “自分事”とは、当事者意識と置き換えてもいいと思うが、つい最近のIG活動でテーマとしてあがった「主体性」として、その意味を考えたほうが、より意味合いが深くなるような気がする。
 
   何事にも、“自分事”として関わるためには「主体性」をもつ必要がある。つまり、自分自身の存在の意義と価値が明確にできているがどうか。さらにその上で、共有すべき場に対する貢献と責任ある行動であろう。
 
   日本の課題先進地として、夕張市・・・。人口減少問題は、日本のあらゆる地方における共通の課題であり、共通の未来である。すでに、人手不足の問題でいえば、多くの中小企業が課題先進地となっている。
 
   こんな状況で、将来性のない業種や魅力のない企業に若い人材が寄ってこないのは、当然の帰結である。しかし、これを環境や他人のせいにしていても、何の解決にもならない。ましてや、先送りすればするほど事態は悪化する。やはり、“自分事”として主体性を発揮するしか、根本解決の糸口は見出せないのではないかと思う。
 
   では、優秀な人材が集う、魅力ある場はどうすればできるのであろうか?
 
   それは、根本において、レベルの高い関係性をできるかどうかだと考える。つまり、職場に集うメンバーの一人ひとり(=部分)が、夢や志(=全体)を共有し、誰もがその実現への貢献意欲を持っており、互いの信頼関係のベースとしているような関係性である。良好な人間関係は、つねに生産的である。ゆえに、人は働き甲斐を感じるのであろう。
 
   無関心で居られたとしても、無関係で居られないのが、世の中である。何事においても、“自分事”として課題に向き合う習慣を身につけていきたいと思う。
 

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