古田会計事務所

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今週の考える言葉「勢い」

考える言葉

勢い

   「計、利として以て聴かるれば、乃ち之が“勢い”を為して、以って外を佐く」
 
   「組織でも会社でも、勝ちを確信できる計画ができたら、体の芯から元気になって、“勢い”が出てくるものだ。その“勢い”に寄せられるように、大勢の支援者が現れる」
 
   先週に引き続き、今週も『孫子の兵法』を引用して考えてみたい。
 
   孫子曰く、組織も個人も“勢い”こそが命綱ということだ。
 
   確かに、“勢い”があるところに人は集まり、それを見てさらに多くの人たちが寄って来る光景はよく見かけるところだ……。
 
   では、その“勢い”はどこから出てくるのだろうか。
 
   小生の経験から、一言でいうと、将来に対する「計画」をつくること。
 
   孫子も言うように、「自分は必ず勝つ」という計画があるからこそ、「よし、やってやるぞ!」と体の芯から元気が湧き上がってきて、“勢い”がつく。
 
  創業以来ずっと、経営計画をつくるお手伝いをし、また多く方々にその価値を認識してもらうための様々な活動をしてきたのもそのためである。その活動の成果として、「将軍の日」の定着化、並びにMAS監査業務の事業化へつながっている。
 
   まず、思いきし、夢・志の高い“あるべき姿”(目標設定)を描いてみることだ。
 
   当然ながら、「あるべき姿-現状」の差(ギャップ)は大きいはずだ。そこで、その差(ギャップ)をどうしたら埋められるかが課題として浮かび上がってくる。
  
   でも、そのギャップの大きさに気を揉んだり、悲観したりすることはない。なぜなら、さらなる成長を遂げるために、乗り越えなければならない壁(課題)がはっきりしたということである。
 
   そこに全力を集中することによって、「自分は必ずやれる!」「よし、やるぞ!」と体の芯から元気が湧き上がり、“勢い”が生まれる。
 
   そして、間違いなく言えるのは、“勢い”のあるところには、大勢の支援者が集まってくること間違いない。それは誰だってそうだろう。いい仕事をしたければ、“勢い”のある人と組んでやりたいと思うのが人の常である。
 
   そこで、経営計画をつくるときの心構えだが、中途半端な描き方は絶対にしないことだ。それでは、かけた時間が無駄となる。
 
   まだ、“勢い”を感じる域まで到達していないとすれば、迷うことはない。再度すぐに、つくり直すことだ。
 
   孫子は、2500年も前に、「人生をなめてはいけない。出たとこ勝負は敗者の戦い方だ」と言い切っている。それはそのまま、未来会計の言い分である。
 
   中途半端にはしないことだ。“勢い”を確信できるまで、とことんやりたいものだ。
 

今週の考える言葉「孫子の五事」

考える言葉

孫子の五事

   「一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法」(孫子)。
 
   「人生計画」を考えるときは、五つの視点で自分が有利に戦える方法を設定する必要があるという。
 
   これを孫子は「五事」とし、「道・天・地・将・法」を挙げている。
 
   それぞれが何を意味するのか。「人生計画」の視点から考えてみよう。(『超訳 孫氏の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール』(田口佳史 著)を参照)
 
① 一つ目の「道」。
   これは、自分の将来をリアルにイメージすることを意味する。これができると、どんな行動をとっても、すべて一つの道を歩むが如しで、憂いや迷いがなくなる。困難なことも喜んで受け入れられて、気分爽快である。
 
② 二つ目は「天」、時代性をいう。
   時代の要請に応えるための計画を練ること。よく「時代の追い風が吹いた」という表現をするが、あれは「たまたま」ではない。時代が自分のやっていることの追い風になるように計画をしたからである。うまく利用できたのだ。
 
③ 三つ目は「地」、自分が活躍するフィールドである。
   どの分野で一流を目指すか。具体的には、自分の天性に合った分野、競争のないオンリーワンの分野、世界的な広がりが展望できる分野、自分の資質・能力を生かせる分野であることが望ましい。
 
④ 四つ目は「将」、必須能力をいう。
   上に立つ人とは、智謀があって、信頼され、部下思いで、勇気があって、部下にも自分にも厳しい、「智・信・仁・勇・厳」を備えている人をいう。つまり、目標を達成するために必要不可欠能力を備えていることだ。
 
⑤ 五つ目の「法」、己に克つことである。
   人生計画における「法」は自分自身を厳しく律することをいう。世の中には、目標達成を拒む甘い誘惑が満ちている。どんな誘惑であろうとも気を許さないことだ。
 
   目標達成を邪魔するものは、何が何でも排除する強い意思を持つ。それもまた「人生計画」の重要なポイントとなる。
 
   以上が、孫氏がいう、「人生計画」を立てるときに必要な五つの視点、「五事」の内容である。
 
   未来会計(経営者の意思決定をサポートするためのサービス業務)を事業化するベースとして経営計画の策定はそのベースとなる。孫子の兵法は、有難いことで、いつ読んでも大変有用な気づきを与えてくれる。
 

今週の考える言葉「危険信号」

考える言葉

危険信号

   懸念していた状況が現実化しているようだ。それは、コロナ収束につれて企業の倒産件数が増えるのではないかという懸念であった。
 
   東商リサーチによると、2023年度の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は、件数が9,053件(前年度比31.6%増)負債総額は2兆4,630億円(同6.0%増)となっている。
 
   倒産の理由としては、「人手不足(求人難)」、「人件費高騰」、「退職」、「後継者難」などが挙げられているが、コロナ禍での「ゼロゼロ融資」の返済期限が到来して、資金繰りが悪化したため倒産に追い込まれたという話もある。
 
   そうならないための対策として、いろいろ打つ手はあると思うが、業績低下の“危険信号”は、かなり早くから出ているはずだ。それにいち早く気づき対策を立てる必要がある。
 
   “危険信号”として、次のような状況が考えられる。
 
① 売上や利益の減少傾向
② 不良債権の増加傾向
③ 取引先件数の減少傾向
④ 退職者数の増加傾向
⑤ 経費の増加傾向
⑥ 一人当たりの生産性の減少傾向
⑦ 遊休不動産の増加傾向
⑧ 不良在庫の増加傾向
⑨ 在庫量の増加傾向
⑩ クレーム返品の増加傾向
 
   そして、危険信号をキャッチしたら、次の打つ手を実行しなければならない。
 
① 市場の洗い直し
② 顧客の洗い直し
③ 製品・サービスの洗い直し
④ 社内組織の洗い直し
⑤ 営業のやり方の洗い直し
⑥ 伸びているライバルの分析
⑦ 業績アップを阻害している問題点の洗い出し
 
   倒産には必ず兆候がある。その兆候に気づいたら、即座に手を打つべきである。
 
   兆候の早期発見・早期解決は不可欠である。
 

今週の考える言葉「変化意思」

考える言葉

変化意思

   昨年、購入した書籍に『パーフェクトな意思決定~「決める瞬間」の思考法』(識学 安藤広大 著)というのがある。
 
   この本が目に止まったのは、本の帯に『「検討します」は、全裸より恥ずかしい』という言葉に目が奪われたからだ。
 
   著者のよると、「検討」という言葉は、相手が勝手に諦めるのを待つときに使われてしまっており、実際には何もしていない。つまり、遠回しに断るときに、「検討しますね」と、便利に使われてしまっているのだという。
 
   本当はノーなのに、「検討します」と言って期待させることは、全裸より恥かしいことなのだという。
 
   さて、今回は、著者が提唱している「“変化意思”を持とう」と言うことについて考えてみたい。
 
   著者がいう“変化意思”とは、「変わりたいと思うこと」であり、「このままではダメだ」と気づくことだという。同感である。
 
   実は、小生がいつも目標設定の重要性を説くのも、「現状のままではダメだ」という危機意識であり、「あるべき姿と現状との差」を明確にし、その差を埋める覚悟を決めた時から、自分の人生が始まるのだと思うからだ。
 
   “変化意思”を持ち、目標設定したからといって、すべてがその通りに行くわけではない。しかし、自分で決めたことだから、「反省」や「修正」をすることができる。つまり、「仮説~実践~検証」という「PDCAサイクル」を繰り返し、実践することだ。
 
    “変化意思”を持つということは、自らの人生に「責任」と「権限」を持つことだと言えよう。
 
   ここで、一つ勘違いしてはいけないことがある。それは、「自分で決めないからといって、すべての責任から逃れられるわけではない」ということだ。そこには、権限を持たずに、誰かの指示に従い続けるという責任があるのだ。つまり、「安全地帯」はないということだ。
 
   「後悔」という言葉があるが、「やった後悔」と「やらなかった後悔」があるという。死ぬ前にする後悔は、後者の「やらなかった後悔」である。
 
   “変化意思”を持たずに生きていると、「何となく選択する」という受動的な人生を送ってしまうことになるだろう。
 
   その結果、「やらなかった後悔」が残る。これが人生最大の後悔になってしまうのだという。そんな人生を送らないためにも、“変化意思”が大切だ。そのためにも、IGグループが30年近くやり続けている『将軍の日』に、ぜひ参加してみましょう!
 

今週の考える言葉「五方よし経営」

考える言葉

五方よし経営

   先週(9月19~20日)は、『IG後継者育成塾』(第8期第11講)でした。
 
   今回は、価値観研修の一環として、「日本でいちばん大切にしたい会社~経営者の心得」というテーマで、坂本光司先生に導入講義をして頂いた。
 
   坂本先生の講話は、何度となく傾聴させて頂いているが、いつも心の底から洗われる思いで聴き入ってしまう。
 
   今回も再考させられることがたくさんあったが、坂本先生が提唱される“五方良し経営”について考えてみたい。
 
   “五方よし経営”とは、「会社に関する5人(者)の幸せを追求し、実現させる経営」をいう。
 
   近江商人が大切にしていた「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」という考え方があるが、坂本先生は「五方よし」だという。
 
   「五方よし」の五方とは、
① 社員、その家族
② 社外社員(仕入先や協力企業)とその家族
③ 現在顧客と未来顧客
④ 地域住民、社会的弱者(障がい者や高齢者等)
⑤ 株主・出資者ならびに支援機関
 
   注目すべきは順番であり、第1は「社員第一主義」である。さらに社員だけなく社員の家族を社員と同列、つまり第1に大切にすべき存在として明確に位置付けている点である。
 
   第2は、これまで総じてコストと見てきた仕入先や協力企業を、パートナーではなく、「社外社員」として位置付けている点である。
 
   第3は、現在顧客と合わせて、未来顧客をも明示している点である。
 
   第4には、地域住民、とりわけ障がい者や高齢者等に対し、雇用する責任や、幸せにする責任を明確にして点である。
 
   そして第5は、株主・支援機関を最下位に位置づけた点である。彼らにとって、関心が高いのは企業の業績である。
 
   企業の目的は「その企業に関わる人々を幸せにすること」である。儲かるか儲からないかという損得経営ではなく、何が正しくて何が正しくないかを判断す善悪経営が大前提になる。
 
   ➀から④の人々の幸せを実現する善悪経営を行えば、業績はおのずと高まると考えている。“五方よし経営”、心して実行していきたいと思う。
 

今週の考える言葉「NN全国大会」

考える言葉

NN全国大会

   先週(9月11~12日)は、『NN構想の会・第25回全国大会』(ホテル椿山荘東京)でした。
 
   2000年(H12)誕生以来、第25回目という節目の年を迎え、全国各地から多くの会計人の方々に参加して頂き、大盛況のうちに二日間を無事に終えることができて、感謝の気持ちでいっぱいである……感謝!
 
   ある人からも、「よく25年も続けられましたね!」と声をかけて頂いたが、参加頂いた方々から、「今年も、参加した甲斐がありました!」の一言が励みとなり、やり続けてこられたのだと、正直、そう思う。「みなさんのお陰、感謝!」と……。
 
   さて、今大会のテーマは、「自助努力~強みの上に己を築け」であった。
 
   “自助努力(selfhelp)”とは、「他を頼らず、自力を尽くして物事を成し遂げようとすること」である。 
 
   パラダイムシフトが起こり、過去と未来がつながっていない時代環境の中、自らの意思で未来を創造していく覚悟が求められている……、そんな思いから掲げたテーマである。
 
   大会第一日目は、第一部の『基調講演』から始まる。今年は、ドムドムフードサービスの藤崎忍氏をお招きして、「絶滅寸前から脅威の復活!!“ドムドム”の逆襲戦略TV、雑誌で話題沸騰!カリスマ社長の奮戦記」というテーマで、39歳まで専業主婦だった社長が“思いやり”経営戦略をと通して業績回復させた経緯を熱く語って頂いた。
 
   それから、第二部の『パネルディスカッション』。業界の中堅・若手の会計人が、未来会計の事業化(年商1億円以上)について、自らの強みをどう生かして築いていったか、忌憚なく、特にAIやBIを活用した提供サービスの高度化、業務の効率化など、さらにAI時代における会計業界の展望について語ってくれた。
 
   そして、一日目の最後、情報交流パーティー。抽選会を開催しながら、お酒を飲み交わしながら、一年ぶりの再会を喜び、楽しく情報交流している姿がみて、今年も開催できて良かったと感じ入った次第である。
 
   大会二日目は、15の支持団体が主催、共催して分科会(5会場)を開催する。
 
   それぞれの分科会ともに、業界が抱えている課題や将来展望について、どう取り組んでいくべきか、AIやBIを駆使して取り組む未来会計の事業化などについて、パネルディスカッションで盛り上がっていた。
 
   毎年のことながら、二日間があっという間に過ぎてしまった感じだ……。
 
   NN構想の会の支持団体はもちろん、協賛して頂いた企業、そして参加して頂いた会計人の人たちの熱い思いがあっての二日間だったと、改めて感謝したい!
 

今週の考える言葉「七つの信念」

考える言葉

七つの信念

   過去の「”考える言葉”シリーズ」でも何度となく取り上げたものに、“信念(belief)”いう言葉がある。
 
   “信念”とは、「揺らぐことのない考え、確信を持つこと」。自分自身が信じる価値観や目標に対する根強い確信を指す。これには、人生の目的や理想に対する信じる力が含まれているといえよう。
 
   孔子は、論語の中で、「信念を貫き通す力」の重要性について次のように述べている。
 
   「歳寒くして、然る後、松柏の彫(しぼ)むに後(おく)るるを知る」(『論語』子罕編)
 
   寒い季節になってはじめて、松とヒノキの葉が他に木々に遅れて枯れ落ちてゆくことに気づく、という意味である。
 
   つまり、困難な状況に置かれた際に、自分の信念を貫き通すことの難しさを表しているのである。
 
   “信念”とは自分で選びとるものだ。
 
   一番大切なことは、どういう“信念”を持つか、どのように“信念”を育てるか、である。
 
   要は、成功や期待どおりの結果に直結する信念を選択し、行く手を阻みかねない“信念”は捨てる覚悟が必要だ。
 
   先週も紹介した『一瞬で自分を変える法』(アンソニー・ロビンス 著)の中に、「効果は実証ずみの奇跡を起こす七つの“信念”」という記事があったので、参考までに紹介したい。(著者が手本にしてきた成功者たちの“信念”だという)
 
1 いつも「可能性」に気持ちをフォーカスする
2 「失敗」はない、あるのは「結果」のみ
3 どんな結果にも潔く「責任」をとる
4 細かいことより「本質」をつかむ
5 「人材」こそが最大の資源
6 仕事は「楽しんで」やる
7 「努力の差」こそが「結果の差」である。
 
   改めて、成功者たちには誰もが自分なりの“信念”を大事にして生きているのだと確信できた次第だ。
 
   小生も、「やればできる!」、「すべては自己責任である」、「枝葉末節に捉われず、本質をつかむ」、「誰にも負けない努力をする」などは、“信念”といえるかどうかは別として、心がけていることだと思う。
 
   これからは、“信念”といえるように心がけて、楽しんで生きたいと思う。
 

今週の考える言葉「五つのカギ」

考える言葉

五つのカギ

   今回も、先週、紹介した『一瞬で自分を変える法』(アンソニー・ロビンス 著)の中からの気づきを紹介したい。
 
   著者は言う。人生は紆余曲折……。「人は何度も人生に足をすくわれる。可能性を開花させ、夢の実現をはばむようなことが絶えず起きている」「しかし、危険がどこに潜んでいるのか、そして危険を克服するにはどうすればいいかを示す地図はある」と。
 
   その地図を「富と成功を呼び込む“五つのカギ”」と呼んで、紹介している。順次検討してみよう。
 
① 富と成功の第一のカギは、「挫折にどう対処するか」である。
 成功する人は、「挫折の連続こそが成功なのである」という。つまり、「挫折の裏返しが成功である」ことを、知っているのだ。
 
② 第二のカギは、「拒絶にどう対処するか」である。
成功する人は、どんな拒絶「ノー」も次の「イエス」のための足がかりにしているのだ。
さて、何回の「ノー」に耐えられるだろうか。
 
③ 第三のカギは、「金銭問題にどう対処するか」である。
 まず、自分で稼いだお金を資本として活用する方法を学ぶことだ。お金を生かすも殺すも自分次第なのだ。「お金を稼ぎ、貯蓄し、与える」、それができるかどうかだ。
 
④ 第四のカギは、「自己満足にどう対処するか」である。
安心すると人間はどうなるか。成長をやめ、働くのをやめ、付加価値を創造するのをやめてしまう。
 「生きるのに忙しくない奴は、死ぬのに忙しい奴だ」(ボブ・ディラン)
 「自分を評価する時は、周囲の人を基準のするのではなく、自分の目標までの距離を評価せよ」ということである。
 
⑤ 最後、第五のカギは、「手に入れられそうだと思った分より、さらに多くのものを与えよ」である。
 「生きることの極意は与えることだ」という。意義ある人生を生きるためには、まず与えることだ。多くの人は、まず自分が受け取ることを考える。しかし、人生はまず与えることからスタートするべきだという。
 
   成功とは山の頂上を征服することだと勘違いをしている人が多い。本当にそうだろうか。「もし成功を望むなら、もしすべての目標を達成したいなら、成功とはプロセスであり、生き方であり、心の持ちようであり、人生の戦略なのだと心得なければならない」と、著者は言う。全く、同感である!
 

今週の考える言葉「七つの特性」

考える言葉

七つの特性

   「どんなに勉強して、知識を深めても、それだけでは成功者にはなり得ない。成功を手にするためには行動が不可欠である」と、昔からよく耳にした言葉だ。
 
   確かに、私の知る限りにおいても、成功した人たちが、普通の人にないものを持っているとするなら、それは行動する能力だろう。では、卓越した行動力はどこから生じるのであろうか……。
 
   これも書棚を整理しているときに、目に止まった本で、『一瞬で自分を変える法』(アンソニー・ロビンス 著)というのがあった。もう10年前に購入した本である。
 
   その中に、「情熱を持って成功に向かって驀進する人たちには“七つの特性”が備わっている」という下りがあったので、どんな特性か、一つひとつ考えてみたい。
 
 ➀ 「情熱」・・・寝食を忘れ、とりつかれたように打ち込む。情熱は元気の源で、あらゆるものに意味を与えてくれる。
 ② 「信念」・・・魔法の力である。「自分にはできる」と信じていることは、やがて実現する。
 ③ 「戦略」・・・持てるもの(情熱や能力など)を体系的にまとめ上げるのに必要なものである。
 ④ 「明確な価値観」・・・生きていく上で、何が正しく、何が間違っているかを判断するための明確な信念体系である。
 ⑤ 「高エネルギー」・・・エネルギーに満ちた人は、じっとしていられない。チャンスを逃さないどころか、自らチャンスを生み出していく。
 ⑥ 「対人関係力」・・・自分の味方を増やす、人と絆を築く類まれな能力を持っている。心を通い合わせることができるのだ。
 ⑦ 「コミュニケーション力」・・・他人、そして自分と、どうコミュニケーションをとるかが、最終的には私たちの人生の質を決めるのだ。
 以上である。
 
   私たちの経済環境は、バブル崩壊後、「失われた10年」があっという間に「失われた30年」となった。デフレ経済が続く日本……。先だって、海外に行った時でも、ショッピングに出かけたが、買う気にならなかった。なぜ?日本で買ったほうが安く買えるからだ。
 
   今や日本の経済は、放っておけない状況にある。「失われた40年」ではなく、「崩壊する10年」になる可能性があるとも言われている。
 
   「仮説~実践~検証」のサイクルをまわし、自らの手で未来を創造する覚悟が問われている。行動のための“七つの特性”を自問自答してみたいと考える。
 

今週の考える言葉「黄金のワンパターン」

考える言葉

黄金のワンパターン

   一年半ほど前に、購入した本に『君はなぜ働くのか』(永松茂久 著)がある。これも書棚の整理をしているときに目に止まり、再読し、改めて気づかされたことについて考えてみたい。
 
   この本の内容は、著者である永松茂久さんが師匠として尊敬している斎藤一人さんに、仕事に関するいろんな質問を投げかけ、講義を受けるという形式で展開している内容である。
 
   その中で、“黄金のワンパターン”というくだりがあったので紹介し、考えてみたい。
 
   「商いは飽きない」という言葉がある。
 
   「この言葉で言うと、主語は売る側。自分が飽きないことが商売だって言っていると思う」が、それは違うのだという。
 
   「商いの主語はあくまでもお客さんなんだよ。お客さんが飽きないことが本当の商いなんだよ。自分が飽きるかどうかは関係ないの。いくら自分が飽きていたって、お客さんが飽きてなかったらそれを売り続けることが大切だし、いくら自分が飽きていなくても、お客さんが飽きていたらそれはもう商いにはならない」と。
 
   このくだりで出てくるのが、“黄金のワンパターン”……。
 
   「人から喜ばれること」を一つ見つけて、それを徹底的にやる。そして、何度もやっているうちにパターンが確立する。
 
   「人って、変化がないと飽きる一面を持っているけど、その反面で『ここは変えられたら嫌だ』っていう側面がある」という。
 
   例えば、水戸黄門のドラマ。問題が起きて、戦って、最後には印籠を出して解決するっていう“黄金のパターン”がある。
 
   悪役の言動にイライラしつつも、最後には、悪役を懲らしめるために、助さんと格さんが印籠を出すラストシーンがあるからこそ、スカッとした気分になり、ついついハマってしまうのだ。
 
   さて、我々の日常業務の殆どがパターン化されているものが多い。頭を使わなくても、手足を動かしていれば一日の業務は片づいてしまう…。マンネリ化して、退屈な日々を送っていないだろうか。
 
   そこで、どうだろう。パターン化された日常業務を“黄金のワンパターン”という視点から見直してみるって、のはどうだろうか。
 
   今自分が抱えている仕事の中に“黄金のワンパターン”といえる業務は何だろうか。
 
   “黄金のワンパターン”になるまで徹底してやり続け、そしてつくったあと、それを人に分け与える。そんな意識を持って、現状を見直してみると生産的で、面白そうだ。
 

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