古田会計事務所

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今週の考える言葉「マーケティング」

考える言葉

マーケティング

   「企業の目的は顧客を創造することである。したがって企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。マーケティングと革新(イノベーション)である。マーケティングと革新だけが成果を生む。その他の職能はすべて、費用であるにすぎない」
 
   『抄訳マネジメント』
 
   ドラッカーのマネジメント論に出てくる有名な言葉である。今回は、その中に出てくる“マーケティング”について考えてみたい。
 
   “マーケティング”について考えるとき、先ず、セールス(販売活動)とマーケティングとの違いを明確にしておく必要がある。ドラッカーはこの点について次のように言っている。
 
   つくったモノを売るのがセールスだが、お客が商品を知らなかったり、価格が高かったり、お客にお金がなければ、いくら良いモノでも売れない。
 
   そこで販売する前にお客に買ってもらう仕組みを作る必要がある。その「買ってもらう仕組みをつくる活動を“マーケッティング”という」と、ドラッカーは述べている。つまり、販売活動は“マーケッティング”が終わってから始まるのである。
 
   マーケティングの第一人者として知られるノース・ウエスト大学のフィリップ・コトラーは、「利益を上げることがマーケティングの目標だ」と言い、マーケティングの手順を次のように挙げている。
 
① 狙うお客、つまり市場を決める
② 何を売り物にするか、高級品を売り物にするのか、安全性を売 り物にするか決める
③ 売り物に見合った価格をつける
④ お客が買わなければならない理由と意味を考える
⑤ どこで買えるか、品切れを起こさないようにするか、流通戦略を決める
⑥ 最も安いコストでお客に届ける方法を決める
 
   そして、マーケティング戦略を立案する際に必ず活用されるのに「4P分析」というフレームワークがある。
 
   「成果=Product(商品)×Price(価格)×Place(流通)×Promotion(販促)」
 
   以上、4つの要素から自社の商品・サービスを分析し、具体的戦略の立案するために用いる。
 
   ドラッカーは、マーケティングは単なる販売活動ではなく、顧客の価値を生み出していくための組織的取り組みであって、「販売を不要にする」という考え方をマーケティング観の中核となしている。
 

今週の考える言葉「組織の病状」

考える言葉

組織の病状

   前回の”考える言葉”シリーズでは、「健全経営」について考えてみた。今回は、逆に健全でない状態、つまり“組織の病状”について考えてみよう。
 
   『図解で学ぶ ドラッカー入門』(藤屋伸二著)という著書がある。その中で、「健全の定義は、人によって多種多様だが、健全でない状態はすぐにわかる」と述べ、企業の10の病症について触れているので紹介したい。
 
① 管理階層の肥大化
② 目標の貧困や混乱
③ 権限の過度の集中
④ 無能な者の放置
⑤ 部門間問題の頻発
⑥ 多すぎる会議
⑦ 他人への気の遣いすぎ
⑧ 職責を持たない人への依存
⑨ 度重なる組織変更
⑩ 経営層や管理層の年齢の偏り
 
   以上、書き出しながら、気になる点がいくつかあったが、これらについてグループ討議してみると、もっと気づきが得られるだろう。
 
   これらは、「経済性と明快さ」「ビジョンの方向性」「意思決定の迅速さ」「安定性と適応性」「永続性と新陳代謝」などを阻害する病状なのだという。
 
   私たちは日常的に、さまざまな課題を抱えながら仕事をしている。その都度、きちんと向き合い、対処すれば、大事に至らずに済ませることもできるだろう。だが、多忙が窮まると、気になりながら先送りしてしまうこともある。
 
   では、どうすれば、歯止めがかかるのだろうか?やはり、ドラッカーが提唱する「目標管理」を徹底することだと考える。
 
   目標設定が明確であれば、その時々において、目標と実績の差異がハッキリとするので、フィードバック機能が働き、自己管理(Self‐Management)が徹底されるので、“組織の病状”が悪化する前に自覚症状ができて、早め早めの対処ができるのではないだろうか。
 
   人間の病状もそうだが、“組織の病状”にも、必ず原因があること。その原因を作らないように心がけるが、前回でも述べた目標管理の徹底である。
 
   最も大切なことは、病気ならない体質づくりを行うこと。仮に、病状が生じたとしても早めに自覚出来、対処できる仕組みを構築しておくようにしたいと思う。
 

今週の考える言葉「健全経営」

考える言葉

健全経営

   昨今、組織力の強化、すなわち“健全経営”の強化が叫ばれている。その背景には、大きく、次の二つの要素がある、といわれている。
 
(1) 事業環境の変化・多様化
   つまり、不確実性時代(VUCA)への突入である。
 
   VUCA(ブーカ)とは、先行きが不透明で、将来の予測が困難になっている状態の要素を示す造語である。
 
➀ Volatility(ボラティリティ):変動性
② Uncertainty(アンサートゥンティ):不確実性
③ Complexity(コムプレクシティ):複雑性
④ Ambiguity(アムビギュイティ):曖昧性
 
(2) 働き方や人材の多様化
   「働き方改革」の推進による労働時間の見直しや削減、コロナ感染の拡大によるテレワークの増加、DXも急激に発展している。また、グローバル化に伴い、制度変更が進み外国人労働者の増加などで、人材も多様化している。
 
   組織論で有名なチェスター・バーナード(1886~1961、米)は、組織の成立条件として、次の3つの条件を掲げている。
 
① コミュニケーション(組織内で情報を共有し、意思疎通を図ること)
② 貢献意欲(組織メンバーが互いに一緒に働いて相手の役に立ちたいと思うこと)
③ 共通目的(共通の目的を持つことで、組織の協調性が生まれること)
 
   では、“健全経営”を推進し、組織力を強化するためには、ドラッカーがいう「目標管理の徹底」であろう。
① 企業理念やビジョンの浸透(共通目的)
② 経営計画の共有(共通目標)
③ 業績の公開
④ 計数の強い人材の育成
⑤ 強いリーダーシップ
⑥ 機能する人事評価制度の構築と浸透
⑦ エンゲージメントの向上
⑧ やりきる風土(MAS監査・未来会計の徹底)
 
   “健全経営”について、いろいろ述べてきたが、先ずは病気にならない企業体質、つまり健康管理を怠らないことである。
 
   そのためにも一度、自社の未来をじっくり考える一日、『将軍の日』に参加して欲しい。
 

今週の考える言葉「美点凝視」

考える言葉

美点凝視

   すでに触れたことであるが、IG会計グループ本年度基本方針は『“価値共創の未来を築く”~チャンスは無限にある』だ。
 
   今年一年、このテーマにどう向き合っていくべきか、達成感を享受するには、どんな課題を乗り越えなければならないのか、いつも考えるこの頃である。
 
   そんな思いで、『ドラッカーに学ぶ人間学』という本を再読していると、“美点凝視”という言葉に目が止まった。赤線が引かれていたので、以前に読んだ時も気になっていたのだろう。
 
   「仕事を通して人間力を磨く」
 
   ドラッカーは「自己開発とは、スキルを習得することではなく、人間として大きくなることである」(『非営利組織の経営』)という言葉を引用し、真の成長とは自らの心を練り、器を鍛え、人格を高めることにある。そしてその手段を自己開発と呼んでいるという。
 
   さらに、ドラッカーは、「チームの目的は、メンバーの強みをフルに生かして弱みを意味のないものにすることである」という。
 
   筆者は、以上のようなドラッカーの考えを紹介しながら、まさにそれは“美点凝視”という姿勢を身につけることだという。成程と、得心した。
 
   “美点凝視”とは、「相手の短所や欠点ではなく、長所や特性に意識的に目を向けること」を指す。
 
   これは、良好な人間関係を築き、相手の成長を促す上で重要な考え方である。
 
   そして、“美点凝視”の実践方法として、次のようなことが考えられるという。
 
① 具体的な例を探す
② 自分自身を美点凝視する
③ ポジティブな視点を持つ
④ 信頼の眼差しを向ける
⑤ 事実に基づいて具体的に伝える
 
   そして、それらを実践することで以下のような効果が期待できるという。
 
① ポジティブなコミュニケーション促進
② 信頼関係の構築
③ 主体性の向上
 
   それから、江戸時代(元禄時代)の幕府御用学者である荻生徂徠の次の言葉を紹介しておこう。 「人はその長所のみとらば可なり、その短所を知るを要せず」
 
   “美点凝視”で他者を認め、他者から学び、自らを成長させ続けられる習慣を培っていきたいと思う。
 

今週の考える言葉「IG後継者育成塾」

考える言葉

IG後継者育成塾

   先週22~23日から、IG後継者育成塾・第9期がスタートした。
 
   第1期を開催したのが、2008年だから、もうかれこれ18年間やり続けてきたことになる。何でもやり続けること、これはIGの強みだと思う。
 
   そのきっかけは、顧問先企業のある社長から「うちの息子に、後継者して、経営の心得を身につけさせてくれるところがないかな?」という相談を受けたところから始まる。
 
   その当時、それらしきセミナーがいくつかあったが、いずれも知識のつめ込み的な内容だった。経営の知識を身につけたからといって正しい経営ができるのだったら誰も苦労しないだろう。そんな甘いものではない……。
 
   では、身につけた知識を知恵に換え、成果につなげるためにはどうしたらいいのだろうか。一言で言うと、人間力を磨き上げるしかない。
 
   そこで、『経営人間学講座』で学んだ価値観学習をベースに、手元に合ったピーター・F・ドラッカーの本を読み直し、マネジメントの神髄を得ようと再チャレンジした。
 
   そこから得た気づき…。
 
   後継者塾の目的は、「創業の志を継いで、その志を未来へつないでいける人材」を育てること」にある。そして、学ぶべき最大のテーマは、『自己革新力』と周囲を巻き込む『リーダーシップ力』である、と。
 
   そのために、学ぶべきテーマは、次の3つ。
 
① 思考力(=物事の本質を見抜く力)
② 数字力(=現状を把握する力)
③ モチベーション力(=周囲を巻き込む持続的な実行力)
 
   これらのテーマをベースにカリキュラム化し、その道のプロである外部講師を招いて、しっかり勉強してもらう環境をつくっている。
 
   2年間のカリキュラムについては、IGグループのホームページを参考にして頂くとして、第1回目は『オリエンテーション』と、ドラッカーが遺した『五つの質問』を題材に経営の本質について一人ひとりにじっくり考えてもらうところから始まった。
 
   もちろん、参加している人たちは皆、いずれは事業承継する立場にある人ばかりである。故に、その組織の経営に関わる体験はそれなりにしてきていると思う。
 
   問題は、自分が現場で感じ、学んだことをどう言語概念化して、相手に伝えることができるかどうかである。上に立てば立つほど、立場上「任せる」つまり、他人を通して成果を出せるようにならなければならない。
 
   リーダーシップ力やモチベーション力なども問われる。つまり、人間力が問われるのである。じっくり腰を据えて、学びの場を共有してきたいと思う。
 

今週の考える言葉「自律性」

考える言葉

自律性

   今、働き方の多様化や、IT技術の発展などで世の中がどんどん変化している。
 
   企業がこれからの時代を生き抜いていくためには、自らの考えで判断して行動できる“自律性”の高い人材をどう育てていくかが重要なポイントとなるだろう。
 
   “自律”とは、自らの価値観、信条、理念などに対して支配や制約を受けることなく、自らの判断に従って行動することをいう。
 
   職場における“自律性”とは、上司からの指示を待ったり、細かい指示を受けたりする事なく、自らの意思で考えて判断し業務を行えることをいう。
 
   経営の神様、ピーター・ドラッカーの提唱するところの「セルフ・マネジメント」の徹底こそが、自律性を磨くための唯一手段だといってもいいだろう。
 
   そのドラッカーは、「マネジメントの本質は、富でも地位でもなく、責任である」と述べているが、その気づきは渋沢栄一の『論語と算盤』から得たものだという。
 
   その渋沢翁は、マネジメントの責任を次のように述べている。
 
   「富を造るという一面には、常に社会的恩誼(おんぎ)あるを思い、徳義上の義務として社会に尽くすことを忘れてはならぬ」(『論語と算盤』)と。
 
   これらかの知識労働者として「自ら継続して学び、人に教える」こと、つまり“自律性”の根本を支えるものは「責任」だということだろう。
 
   では、“自律性”を高めるための心掛けとして、次のようなことが挙げられる。
 
① 自主的に仕事に取り組むこと(習慣化)
② 率先して行動すること(自らの規範を持つ)
③ 情報収集力を高めること(情報収集力と分析力)
④ 自己決定力を鍛えること(自分の意思や価値観)
 
   また、自律性の高い人材が育つための環境づくりも大切である。
 
① 責任のある仕事を任せること
② 育成環境を整備すること
③ 心理的な安全性を確保すること
④ 企業の理念やビジョンを理解すること
 
   前述したように、企業がこれからの時代を生き抜いていくためには、自らの考えで判断して行動できる“自律性”の高い人材をどう増やしていくかが重要なポイントとなる。
 
   そのためには、単に「知識」や「技術」の習得だけではなく、「道徳」や「習慣」を身につけるべき「人間学」を学ぶべきであろう。
 
   以前に学んだ『経営人間学講座』をベースに、IG会計グループが『考える言葉分科会』を定期的に開催しているのはそのためである。ぜひ一度、のぞいて欲しい!
 

今週の考える言葉「ポジティブ思考」

考える言葉

ポジティブ思考

   “ポジティブ思考”とは、「前向きに、楽観的に、肯定的に」考えるという意味である。対義語といえば、ネガティブ思考……。
 
   今月10日(土)は、IG会計グループでは、新年度計画発表会(2026年度)の日であった。
 
   IG会計グループの本年度の基本方針である『“価値共創の未来を築く”~チャンスは無限にある』という考え方をベースに、各部門部署・個人として、今年一年どんな戦い方をして、どんな成果を上げようとしているのかを発表してもらう一日である。
 
   ほぼ一日かけての発表会であるが、一人ひとりの発表に聞き入っていると、あっという間の一日だったと思う。
 
   年の初めに、みんなで集まり、新年の抱負を語り、聞くことは、大切で、有意義なことだと改めて感じた次第である。やはり、人は夢・志など未来への抱負を語るときには、自然と“ポジティブ思考”になるからだろうと思う。
 
   そして、“ポジティブ思考”をしている人には次のような特徴が見受けられる。
 
① 行動力がある。
② 視野が広い。
③ 明るい。(物怖じしない)
④ 根拠のない自信がある。(チャレンジ精神)
⑤ 切り替えが早い
⑥ 人から好感を持たれる。
⑦ 変化はチャンスであるという発想をする。
 
   21世紀も四半世紀が過ぎたが、社会的にも、政治的にも、経済的にも一層激動の様相を呈してきている。
 
   そして、いろいろな経営本を読んでいて、「戦略的な発想」をする重要性を説いているものが多いのに気づかされる、その時に求められる要素の一つは“ポジティブ思考”ではないだろうか。
 
   では、“ポジティブ思考”であるために気をつけるべきことは何だろうか。
 
① 自分は「運がいい」と思い込むこと。(根拠がある無し、関係なく、そう思う)
② 人と比べないこと。(自分は自分だと認めること)
③ 最後にポジティブな言葉をつかうこと。(愚痴や文句を言いたくなるときでも)
 
   “ポジティブ思考”ということは、一言でいうと、良い点、強みを重視するということである。チャンスに対して尻込みせず、前向きに対処するように心がけて、日々過ごしていきたいと思う。
 

今週の考える言葉「リーダーシップ」

考える言葉

リーダーシップ

   2026年の干支は丙午(ひのえうま)!丙午は60年に一度巡ってくる特別な年で、「丙」は火の陽を表し、情熱やエネルギーを象徴する。「午」はスピード感や行動力を意味し、丙午の年は新しい挑戦や積極的な行動がカギになる年だといわれている。
 
   そこで、リーダーとしての心得、“リーダーシップ”について考えてみたい。
 
   “リーダーシップ”は、過去に何度となく取り上げたテーマの一つであるが、これも最近読み直した書物『(リーダー・パワー~21世紀型組織の主導者のために』(ジョセフ・S・ナイ著)の中に、よい“リーダーシップ”について考えるための「12のヒント」を提案しているので、紹介したい。
 
① よい“リーダーシップ”が重要だ。よい=有能で、倫理的。
 
② 誰もがリーダーになれる。リーダーシップは学習可能である。
 
③ リーダーシップは、集団の目標を創設し、達成する手助けをする。
 
④ 優秀なリーダーは、ソフト・パワー(取引型)とハード・パワー(変革型)の両方のスキルを必要とする。
 
⑤ リーダーはフォロワーに依存すると同時に部分的にはフォロワーによって形成される。
 
⑥ どのスタイルが適切かは状況次第である。
 
⑦ 協議的なスタイルはコストがかかるが、より多くの情報を提供し、協力を取りつけ、フォロワーに権限を委譲する。
 
⑧ 有能なリーダーはマネジメントや組織についてのスキルを必要とする。
 
⑨ 危機の状況に対処するリーダーシップには、十分な準備、感情的な成熟、作業、分析、政治的な仕事などについて、それぞれの役割を見分ける能力が必要となる。
 
⑩ ネットワーク組織には、協議的なスタイルが一層必要となる。権限を委譲されたフォロワーたちは、リーダーに力を与える。
 
⑪ 判断する際に重要なことは、伝統的なIQよりも、EQや経験豊かな知識である。
 
⑫ 倫理的リーダーは良心、道徳律、専門的基準を使うが、複数の競合する価値観は「汚い手」を創り出す可能性がある。三次元的な倫理判断には、目的、手段、結果へ注意を払うことが必要である。
 
   と、以上であるが、リーダーシップの素地をつくるのは、一言でいうと、その人の価値観、ものの考え方であると思う。
 
   人それぞれ異なる価値観をどう統合するのか、その人の価値観のレベルが問われる時代である。人間学をしっかりと学ぶ一年にしたいと思う。
 

今週の考える言葉「独創性」

考える言葉

独創性

   いつも年末近くになると、次年度以降に向けて戦略的な発想・思考する機会が自ずと増えてくる……。
 
   そこで、「戦略的発想」を磨き、深めるためにはどうしたらいいだろうか、と考えていたら、書棚にある『「戦略的発想」を磨く本』(千尾将 著)という以前に購入していた書物が目に入った。
 
   そこには、「戦略的発想の重要な源泉は、新しいことを手がける、人に先んじて新しいことをする、ユニークなことをやることだ」と述べてある。一言で表現するなら、それは“独創性”だという。
 
   さらに、「創業型企業家に見られる一大特質は、この“独創性”だ」と断じている。
 
   “独創性”とは、独自の発想でものごとをつくりだすこと。要は、他の人の真似をせずに、自分独自の考えで新しい物事を創り出す能力のことをいう。
 
   そして、“独創性”のある人には、次のような特徴が見られる。
 
① 好奇心旺盛
② リスクを恐れない
③ 思考に柔軟性がある
④ 芯をもっている
⑤ 継続的な学び
⑥ 失敗から学ぶ
⑦ 広い視野を持つ
 
   では、その“独創性”を鍛えるにはどんな方法が考えられるだろうか。
 
① 多様な情報に触れること
② 批判的思考を養うこと
③ 「問題提起」を重視すること
④ 「自分は特別」と考えること
⑤ 「ゾーン」に入ること
 
   以上、“独創性”のある人の特徴やその鍛え方について触れてきたが、なぜ、われわれ経営者は“独創性”に関心を持つのだろうか。
 
   それは、つねに競争を意識しているからだろう。競争で優位に立つ方法を考えることが、戦略的発想である。それにはどうするか。それは競争相手に“差”をつけること。
 
   つまり、① 差別化すること、② 集中すること、③ コストダウンをすること、である。
 
   それらのベースとなるのが、“独創性”の発揮である。
 
  これを機会に、今一度、自らの“独創性”について深く考えてみたいと思う。
 

今週の考える言葉「戦術的発想」

考える言葉

戦術的発想

   過去の”考える言葉”シリーズを振り返ってみると、「戦略」という概念に関しては何度となく取り上げてきた。だが、「戦術」に関しては一度も取り上げたことがないことに気づかされた。
 
   そこで今回は、“戦術的発想”とはどんな発想なのかを考えてみたい。「戦略」という概念をしっかりと認識するためにも、その対義語である「戦術」を再認識しておこうと思う。
 
   “戦術的発想”をする人には、次のような傾向があるという。
① まじめにきちんと、決められた仕事をこなしていくことが大事である。
② 仕事は、きちんとプロセスを踏んで行うべきである。
③ 地に足が着いていないことは成功しない
④ きちんきちんと仕事を評価していくことが大切である
⑤ 目に見える状態になっているものを善しとする
⑥ 数値化されたものを重要視する傾向がある。
 
   つまり、俗にいう「日常業務」であり、毎日、一生懸命、目の前の仕事を消化するのに追われ、多忙感に陥っているのである。
 
   その仕事をよく観察すると、次のようなことが主として行われている
 
① 仕事には繰返しが多い(反復的)
② ルールに基づいて仕事し、前例がいつも気になる
③ こつこつ積み上げていく
④ できるだけみなと同じことを望み、同じように思考し、行動する
⑤ 失敗しないように、常に心がける
⑥ 少しでも変わったことをすることが気になる
⑦ 結果よりも過程を重視することが多い
⑧ 守備範囲を決め、一度決めた守備範囲を守る
⑨ 組織は縦割りとなる傾向が強く、横断的な見方を回避する
⑩ 人の評価は減点主義であり、弱みをつくことに力点がおかれる
 
   もちろん、“戦術的発想”に基づいた日常業務は大切な仕事であり、なくてはならない仕事であることは言うまでもない。
 
   ただ、日々、日常業務に追われ、多忙であることが充実感につながり、生きがいを感じているとすれば、気をつけたほうがいい。
 
   全体を見る目(戦略的発想)を怠り、目先のことばかり気にしていたら、時代の変化に取り残されて、未来を失うことになるからだ。
 
   戦略と戦術、その意味を理解し、バランスのとれた思考をしよう。
 

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