9月の税務カレンダー
2024年
期 限 | 税務内容 |
---|---|
9・10 | 8月分源泉所得税の納付 |
9・30 | 7月決算法人の確定申告 |
9・30 | 1月決算法人の中間申告 |
9・30 | 1月・4月・10月決算法人の消費税の中間申告 |
※ 毎週土曜日はお休みとなっております。
2024年
期 限 | 税務内容 |
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9・10 | 8月分源泉所得税の納付 |
9・30 | 7月決算法人の確定申告 |
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9・30 | 1月・4月・10月決算法人の消費税の中間申告 |
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細口巨耳
もう30年程前に出版された書物であるが、『リーダーの生き方』(飯塚昭男 著)という本がある。90年代で、バブル経済が崩壊し、トップのリーダーシップが強く問われる時代の始まりだった。
先行き不透明な難しい時代の中で舵取りをしなければならない経営者にとって、情報収集力は必要不可欠な要因だったといえよう。
情報の基本動作は不変で、それは「深く読み、深く聞き、深く叩く」ということだ。
この三つの基本動作の中でも組織リーダーには「聞くということ」が重大な要素になるという。組織を動かし、人心をつかみ、時代の変化に対応するには「体全体を耳にする」必要がある。
「良きリーダーシップは、まず聞くことから始まる」と言う。
“細口巨耳(さいこうきょじ)”とは、「余計な口を挟まず、相手から話を聞き出せ」ということである。
古くから中国に伝わる言葉で「巨口細耳」という言葉がある。人の言うこと聞かぬ王侯の頑なな態度を嗤ったものである。つまり、口ばかり大きく、わめき立てるが、耳はことのほか小さく、他人の意見に全然耳をかさない状態を指したものだ。
それを上手く、使い変えて、「経営者は“細口巨耳”であらねばならぬ」といった経営者がいたという。
経営の神様と言われた松下幸之助氏の成功の秘訣の一つとして、「幸之助さんは人の話を聞く名人だった」とよく言われる。しかも、素直な心でしっかりと聞き、一方で深く考え、そして考えながら聞いたという。まさに、“細口巨耳”…。聞き上手だったのである。
聞き上手のポイントとして、次の4点が考えられる。
① とにかく黙って聞くこと
② 本音で聞くこと
③ 問題意識を持って聞くこと(自分の座標軸の問題)
④ そして最後は、「深く考える」こと
バブル崩壊後、失われた10年が、いつの間にか失われた30年と言われるようになった。時代環境はさらに多様化し、混沌とした時代が深まっている。
経営はさらに、リーダーシップが問われる環境にある。そのためにも、リーダーは傾聴力を高め、先見力を磨き、信念を持って意思決定をすることが求められるいる。
全身を耳にして情報を集めるためにも、“細口巨耳”でありたいとも思う。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
ドメイン
“ドメイン(domain)”とは、組織体の活動の領域・フィールドことで、事業“ドメイン”ともいう。
小生が独立開業したのが1984年で、40年ほど前になるが、その頃の日本経済は戦後の高度成長期を終え、市場が成熟化し、安定成長・低成長期にあったと言われていた。
そんな経済環境であったからだろう、「企業は新たな成長戦略を描くには、“ドメイン”の見直し、再構築が必要だ」ということをよく見聞きしたものだ。
企業は“ドメイン”の設定により、戦う領域を設定し、組織活動の指針とする。ゆえに、
“ドメイン”は、企業の方向性を示す上で、非常に重要な意味を持つ。そして、“ドメイン”設定のミスが、企業の凋落の原因となった事例として、アメリカ鉄道会社のことがよく挙げられていたものだ。
アメリカ鉄道会社の凋落の原因は何か。それは、市場が衰退したからではなかったと…。人の移動の面でも物の移送の面でも、事実、輸送に対する社会のニーズは急成長を続けるなかで鉄道の凋落が起こったのである。自動車やトラックなどの代替輸送手段に需要を奪われたというよりも、伸び続けていた需要に鉄道会社自身が上手く対応できなかったために起こったのである。
この例は、鉄道会社が自らの事業を「輸送事業」と考えるのではなく「鉄道事業」と考えたために自分の顧客を他に追いやってしまったというのだ。
アメリカの鉄道業界が衰退したのは自分たちの事業を“鉄道”というサービスでだけしか考えていなかったのが、その理由であった。つまり、輸送を目的と考えずに鉄道を目的としてしまったからだ。
鉄道という物理的定義の“ドメイン”ではなく、輸送という機能的定義の“ドメイン”を思考すべきだったのだ。
自分の商品やサービスを中心にして事業を考えていると、技術革新など環境に変化が起こったとき、他の業界に顧客をすべて持っていかれる恐れがあるのだ。
成功と継続を両立させるためには、➀ 顧客は誰か、② 顧客の抱える問題は何か、③ どうやって顧客の問題を解決するか、常に顧客の視点から“ドメイン”を見直すことを怠ってはならないと思う。
1990年代初頭にバブルが崩壊して30年が過ぎる。「失われた10年」がいつの間にか「失われた30年」と言われるようになった。各人が、自らの手で、新たな成長戦略を描くためにも、自社の“ドメイン”を再構築してみたいと思う。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
2024年1月から新NISA制度はさらに使いやすいものになり、口座開設数・買い付け額ともに大幅に増加していますが、NISAには職場つみたてNISAという制度もあります。
職場つみたてNISAは、2017年10月からスタートし、職場という身近な場を通じて、NISAを利用した資産形成が出来るように事業主などが利用者(役職員など)を支援する福利厚生制度です。
従業員は毎月、口座引き落とし・給与天引きにより、金融商品を買い付け資産形成していくことになりますが、事業主等は職場つみたてNISAを利用する従業員に対し、その買い付け金額に上乗せする形で、福利厚生の一環として奨励金を給付することが出来ます(奨励金の給付は自由で、従業員ごとに金額の差を設けることも可能です)。
奨励金のメリットは、賃上げ促進税制の対象となる点にあります。これは企業・個人事業主が前年より従業員への給与の総額を一定以上増加させた場合、法人税・所得税から税額控除できる制度ですが、その給与の総額につみたてNISAの奨励金も含めることが出来ます。
※この場合の奨励金は給与等に該当するため、経理上、福利厚生費等で処理していたとしても、本来の給与と同様に所得税の源泉徴収をする必要があります。
<職場つみたてNISAのメリット>
・企業側は福利厚生として利用できる
・従業員はいつでも引き出し可能である
・1,000円から始められる
・売却益・配当金は非課税である。
<職場つみたてNISAのデメリット>
・NISA口座の開設は一人一口座のため、つみたてNISAの口座を開設し投資を行っている従業員は、職場つみたてNISAの口座を開設できません(自身で開設している口座を廃止し、新たに職場つみたてNISA口座を開設することは可能です。ただし既に今年、NISA口座で金融商品の取引を行っている場合は年内の変更できず、来年以降の変更になります)。
職場つみたてNISAは投資による資産形成制度です。元本保証はありませんので、元本割れのリスクはあります。無理のない金額で、時間を味方につけて長期投資をすることで、資産を形成していくべきものということは理解しておく必要があります。
6月支給の給与から、定額減税が実施されています。普段、給与から減徴収されている給与所得者の方は6月の給与で減税を受けたと思います。
ところで、今回の定額減税の実施で、ふるさと納税の上限額や、住宅ローン控除の減税額に影響があるのかを気にされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
令和6年度税制改正大綱には次のような文章があります(都道府県民税・市町村民税の部分を抜粋)
<ふるさと納税・住宅ローン控除への影響>
(5)特別控除の額は、他の税額控除の額を控除した後の所得割の額から控除することとする。
※特別控除とは6月スタートの定額減税のことです。
他の税額控除とは寄付金控除や住宅ローン控除などのことです。定額減税は、これらの控除を受けた後の額から行うことになります。よって、ふるさと納税や住宅ローンに関する減税額に影響はありません。
<令和6年のふるさと納税の上限額>
(6)以下の額の算定の基礎となる令和6年度分の所得割の額は、特別控除の額を控除する前の所得割の額とする。
① 都道府県又は市区町村に対する寄附金税額控除(ふるさと納税)の特例控除額の控除上限額
令和6年のふるさと納税の上限額については、特別控除の額を控除する前の額で算定すると書かれていますので、ふるさと納税の上限額の計算方法も、例年通りになります。
和歌山県のHPにも以下のように記載されています。
(1)定額減税は、他の税額控除をすべて控除した後の所得割額から適用します。
(2)ふるさと納税の特例控除額の控除限度額は定額減税前の所得割額で計算を行うため、ふるさと納税の控除上限額に影響はありません。
ふるさと納税や住宅ローン控除については、今回の定額減税による影響はありません。特に令和6年中にふるさと納税を検討されている方は、ふるさと納税の上限額を計算する場合、定額減税を考慮せずに、例年通りの対応で行っていただいて問題ありません。
迷い
誰もが自らの人生において、「何かに迷う」ということを幾度となく経験しているのではないだろうか。現に今、“迷い”の最中にいる人もいるだろう…。
しかし、「何かに迷う」ということは、不快なことではあるが、人間として生きている証拠だとも言える。人間はもともと迷う生き物なのだ。それは人間が複雑な社会を生きているからに他ならない。ある意味、進化している証拠だともいえよう。
中西輝政(政治学者、歴史学者、京大名誉教授)は、その著書の中で「“迷い”は将来への投資である」と延べて、「人間は、つねに相反する二つのものを持ち、自分に問いかけていくべき存在だ。その中で悩み、惑い、試行錯誤することこそ、考えを広げ、深める訓練の場となる」と。
「社長は誰も孤独で“迷い”続けている」という言葉をよく耳にするが、確かに日々難題に向き合い、孤独な意思決定をせざるを得ない経営者にとっては、“迷い”(悩み)は一種の職業病だともいえるだろう。
① 業績の低迷、伸び悩み
② コスト削減の悩み
③ それに伴う資金繰り悪化
④ 優秀な人材確保ができない
⑤ 人材が定着しない
⑥ 取引先との関係性に悪化
⑦ 将来への見通しが不透明 等々…。
経営者というは、ホントに“迷い”(悩み)の尽きない役職である。
松下幸之助も、松下政経塾で“迷い”について次のように語っていたという。
「今はまだ、“迷い”に迷って、骨と皮になるというくらいに迷ってもいいわけや。迷えば迷うほど偉大なものが生まれる。苦労のしがいがあるものや。そやけど迷わんでもいいことで迷ったらあかん。それと、自分の感情にとらわれたらあかん。素直な心がなかったらそうなってしまう」と…。
現状に甘んじることなく、新たなことにチャレンジしようという気持ちで日々仕事に取り組んでいると、“迷い”はあって然るべきだろう。そんなとき、「“迷い”は将来への投資である」という言葉を思い出し、焦らず、じっくりと迷いと向き合う姿勢であるべきだろう。
「満足した豚よりも不満足なソクラテス」でありたいと思う。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
2024年
期 限 | 税務内容 |
---|---|
8・13 | 7月分源泉所得税の納付 |
9・ 2 | 6月決算法人の確定申告 |
9・ 2 | 12月決算法人の中間申告 |
9・ 2 | 3月・9月・12月決算法人の消費税の中間申告 |
※ 毎週土曜日はお休みとなっております。
お盆休みは8月10日(土)~8月15日(木)です。
16日(金)から通常営業になります。
未来への投資
P・F・ドラッカーの提言に、次のような言葉がある。
「チェンジ・リーダーたるためには二つの予算が必要である。一つが現在の事業のための予算、もう一つが未来のための予算である」。
今を生きるのが精いっぱいという人や企業が多いが、望む未来を築き上げるためには、未来のために少しでも時間やお金を使うことが必要だということだ。経営には、「未来会計が必要だ」と説いている小生にとって、まさに同感できる言葉である。
「いつかこうなりたいなあ…!」と願ったことがあると思う。人は誰でも夢を思い描くものだが、その夢は殆ど、待っているだけでは実現しないものだ。夢は、それを具体的にあるべき姿として描き、その実現にチャレンジしてはじめて具現化する。
その手順を明確にして実践する方法を具体化してフォローするのが、弊社の提供している未来会計サービスである。
我々は、いろいろな状況において、学ぶ機会を持つことが多いが、まさに「学び」は“未来への投資”だと考える。
「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」(アラン・ケイ)という言葉があるドラッカーは、「未来は望むだけでは起こらない」という。では、望む未来を手にするためには何が必要なのか。
それは、『今、意思決定を行い、今、行動し、リスクを冒すことである。未来は「ただ待つ」のではなく、自ら「行動しながらつくり上げていく」ものだ』という。
最近、改めてドラッカーに凝り、手元にあるドラッカー本を一冊一冊ていねいに読み直しているのだが、毎回、フレッシュな気分で向き合えるのは不思議だ。きっと、マネジメントを通して、世の中の真理と向き合えているからだろう。
また、経営者として、21世紀という大変革の時代にチャレンジするために必要な知恵をふんだんに授かることができるからだろう。
ドラッカーの言葉には、一つひとつに哲学がある。それゆえに、深く考える機会を与えてくれているのだ。
目先の仕事に追われ、今を生きるのが精一杯というのが実情だと思うが、望む未来を築き上げるためには、未来のために少しでも時間やお金を使うことが必要だと思う。自らの未来について、じっくりと「考える一日」。それが、弊社が毎月二回開催している『将軍の日』である。ぜひ、将軍になる時間をつくってもらいたい。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
セルフイメージ
“セルフイメージ”とは、「自分が自分に抱いているイメージ(自己認識)」のことである。
「三つ子の魂百まで」という言葉があるが、私たちは生まれてから、日々様々な経験をするのだが、過去に自分が経験したすべての出来事が“セルフイメージ”をつくり上げる要素となっているという。
新しい仕事を任せようとしたとき、その対応にも二つのタイプがある。
➀ 一つは、「それ、やったことがないので、私には無理です」という“自己否定的”なタイプと、② もう一つは、「ぜひ、私にチャンレンジさせてください!」という”自己肯定的“なタイプがある。
このように、その人の抱いている“セルフイメージ”の在り様で、仕事の良否あるいは仕事を通しての成長の度合いが変わっていくるという。
その自分の“セルフイメージ”について深く考えてみたことがあるだろうか。また、“セルフイメージ”を高めるためにどんな努力をしてきただろうか。『なぜかうまくいく45の習慣』(井上裕之著)という本に中に、“セルフイメージ”の高め方として、次の8つの項目を掲げてあったので紹介したい。
① 自己否定はしない
② うまくいく言葉だけを使う
③ 自分の「よいところ」に目を向ける
④ 周囲の評価にとらわれない
⑤ 自信を持てない人の共通点に気づく
⑥ 歪んだ“セルフイメージ”を直す
⑦ 「コンプレックス=思い込み」と考える
⑧ 自分の希少価値に気づく
普段、あまり自らの“セルフイメージ”を意識したことはなかったが、上記の➀と⑧については無意識にやっているような気がした。
心理学では、「役割効果」といわれるものが存在しており、人は役割を与えられると、与えられた役割(“セルフイメージ”)通りの行動を取ってしまう傾向があるという。
言われてみると、確かに「自分の役割とは何か?」を自己認識することによって、その役割に合った“セルフイメージ”を無意識に描いて、自分をつくり出している可能性があると思う。もっと自覚的にセルフイメージを描くことによって、新しい自己の発見ができるかも知れない。そんな感じがした。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」
継続心
先週の考える言葉シリーズ(24‐24)で紹介した、新渡戸稲造の著である『逆境を越えてゆく者へ』の中で、“継続心”の大切さについて述べている個所があったので紹介したい。
「発心はたやすいが“継続”は難しい」という。
志を立て、何かを決意することは、誰でも幾度となく経験することであろう。しかし、この決心を“継続”させることはなかなか容易なことではない。最初は勢いに乗って熱心にやっても、たいてい途中で厭になることが多い。
例えば、今日から日記をつけよう、家計簿をつけようと決意しても、これを一年間やり続けることは容易なことではない。最初は勢いに乗って熱心に取り組んでいても、習い性になるまでには気が緩むことがある。
大概の仕事においてもそうだ。もう一息という大切なところで厭になり、諦めがちなものである。やめてしまえばそれまで…。すべてを無駄にしてしまうことになる。
徳川家康の遺訓に「人の一生は重荷を負うて遠き道をゆくがごとし」というのがある。家康ほどの人物であっても、継続することの困難と必要を認めてこれを説いたのだという。
ゲーテも「急がず、休まず」という言葉を残しているという。何事も“継続心”をもってやり続ければ、いつか必ず目的に到達するものだ。最後まで辛抱してやり遂げようとする決意が乏しいのだと思う。
では、“継続心”を培うには何が必要なのだろうか。
先ずは、毎日幾度となく志(なすべき事)に注意を向け、それを習い性にすること。つまり、常に志を忘れないように心にかけて記憶することだろう。そして習慣づけば、一回でもしないと物足りなくなるものだ。
また、“継続心”を妨害する外部要因が3つあるので注意しよう。
① 外因一:そんなことはやめろという反対
② 外因二:生活環境の変化による中断
③ 外因三:他人の嘲笑(皮肉や嫌味など)
「習うより慣れろ」という諺があるが、その通りだと思う。小生もセミナーなどで、「未来会計、事業化の秘訣は何か?」と問われると、必ず次ように応えている。「成果が出るまでやり続けること!」、その決意があれば必ずうまくいくと…。
まさに、先人が指摘するように、「継続は力」である。改めて、“継続心”の大切さを痛感している。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」