古田会計事務所

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今週の考える言葉「ムードメーカー」

考える言葉

ムードメーカー

   自分の職場に、あるいは自分の身近なところに“ムードメーカー”的な存在の人はいるだろうか。
 
   小さい頃、草野球にハマっていた時期があるが、チームがピンチに陥ったとき、必ず「ドンマイ!ドンマイ!」と大声を出す“ムードメーカー”がいた。その一声で、不安が消え去り、「よっしゃ!」という気持ちになったものだ。
 
   “ムードメーカー”は、職場にとって非常に大切な存在である。特に、チャレンジ性に満ちた成長期の組織には、大切な存在だと思う…。
 
   今ふと思ったのだが、忘却の彼方にあった“ムードメーカー”なる言葉が頭をよぎったのは何故だろう?いつまでも、「コロナ、コロナ」と言ってはいられない状況にきているという危機感からだ。何とか、この倦怠感から脱却したいという思いが、“ムードメーカー”の出現を期待したからだと思う。
 
   “ムードメーカー”とは、「その場の雰囲気を盛り上げる人」のことを言うのだが、ムードメーカーになる“7つの心得”があるという。
 
 ① 平等に明るく接する
 ② ポジティブになる
 ③ ユーモア
 ④ 話題が豊富
 ⑤ 空気を読む
 ⑥ 声は大きく
 ⑦ めげない
 
   どうだろう…?これらの心得の中には、経験や努力によって身につける専門的な技術や知識などは入っていない。それこそ、心一つの置きようで、誰でもできるのではないだろうか。
 
   しかも、“ムードメーカー”になるには「ネアカ人間」である必要はない。「気がきく人間」でありさえすればいいのだ。つまり、多少意識して、「ムードメーカーになる“7つの心得”」を演じられる人であればいいのだ。
 
   それから、ちょっと気になって「ドンマイ」を調べてみたら、和製英語の「ドンマイ」とは意味が異なり、「Don’t mind」は「私は気にしませんよ」という意味らしい。
 
   相手を励ます意味で使っている「ドンマイ」は、英語では、「Shake it off!(気にしないで!)」「Forget about it(そんな事忘れなよ)」「It‘s ok(大丈夫)」「Never mind(気にしないで)」らしい……。
 

今週の考える言葉「学ぶ心」

考える言葉

学ぶ心

   『NN構想の会・第23回全国大会』(9月7~8日)を無事に終えることができた。2019年以来、4年ぶりに、本来の姿での開催である。
 
   その間、2020年は中止、21年と22年はオンラインでの開催だったが、もうすっかりNN大会の馴染みと会場となった『ホテル椿山荘東京』で、みんなが集まっての大会はやはり一味違う趣を感じることができた。
 
   今大会のテーマは、『セルフマネジメントの徹底~健全な判断力を磨こう』である。アフターコロナという経済環境下で、今後の経営の舵取りや仕事への取り組み方を考えたとき、『セルフマネジメント』という考え方が一つのキーワードになると確信し、テーマとして掲げた。
 
   第一日目の最初は、基調講演。
 
   『「ソニー再生」変革のモチベーショナル・リーダーシップ』と題して、平井一夫氏が「リーダーシップの要諦は、IQよりもEQを高めることだ」という持論をベースに、経営者としてのモノの考え方、価値観の重要性を説き、MVV(Misstion、Vision、Value)の共有ができているか、そのためには現場に足を運び、コミュニケーションを大事にしたいと語ってくれた。
 
   そのあと、パネルディスカッション第1部「未来会計の実践とJa‐BIGインフラの使命とは」、第2部「セルフマネジメントの要諦」と続いた。
 
   それぞれ、パネリストは会員や支持団体の方々から選出され、職業会計人の社会的な使命や業界のあるべき姿について大変有意義な議論が展開され、聴き応えがあったと思う。
 
   そして、大会一日目の最後は「情報交流パーティー」。4年ぶりの企画であったが、お酒を飲み交わし、談笑する姿には空白の期間を感じさせることなく、盛り上がっていたと思う。
 
   大会二日目は、分科会。
 
   NNの支持団体が協力し合い、それぞれのテーマを掲げ、4会場で7つのテーマで分科会が開かれた。同時開催なので、すべてを聴くことができなかったが、支持団体の思いが伝わったのか、いずれも大変好評だったようだ。
 
   教える側も学ぶ側も、会計業界を良くして、より社会貢献したいと思いは一つ。共創のためのNN(ネットワークのネットワーク)、そのステージをより充実したものに進化させていき、未来への礎を創っていける会計業界にしたいと思う。
 
   そのためにも、“学ぶ心”を大事にし、持ち続けたいと改めで感じた2日間であった。
 

今週の考える言葉「見切り」

考える言葉

見切り

   ビジネスの要諦は“見切り”にある…」 以前に、ある書物で読んだことを思い出した。
 
   “見切り”とは、これまで注ぎ込んできた資金や時間、あるいはこれから手にするだろう利益の一切を捨て去ることである。
 
   仕事ができる人とは、そのあたりの見極め方が実にうまく、どんなに儲かっていた仕事であっても、継続することに危惧を感じたなら迷わず“見切る”こと、そのあたりの結論を出すのが実に早く、うまい人である。
 
   相場の格言の一つで、「見切り千両、損切り万両」という言葉がある。含み損を抱えた株式などに対して、損失の少ないうちに“見切り”をつけることは千両の価値があり、損失を拡大させないために、ある程度の損を覚悟で売買することには万両の価値があるという例えである。
 
   そんなことは、分かっているはずなのに、なかなか“見切り”をつけることができず、ズルズルと引きずってしまう…、人間の性である。そんな経験は誰もが一度や二度はしているのではないだろうか。
 
   優れた人材ほど、“見切り”が早いというが、その理由として3つ挙げられる。
 
 ① 変化を恐れていないこと(革新性)
 ② 先を見て行動していること(先見性)
 ③ 危機感を持って過していること(健全性)
 
   先日のIG全体会議でも話したことであるが、日本という国はバブル崩壊後、「失われた30年」という歳月を無為に過ごしてきたと言われている。
 
   日本経済は、なぜ停滞をし続けてきたのか?
 
   一言でいうと、「豊かさの弊害:チャレンジできない環境」になってしまっていたと指摘する評論家が多い。
 
   日本の21世紀は、20世紀の遺産を食い潰している時代だと指摘する人が多い。バブルが崩壊して30年。以前ほどの2桁成長は望めないとして、日本のGDPは中国に抜かれはしたものの世界第3位…。
 
   だが、日本の経済力に昔ほど魅力を感じないのは私だけでないと思う。
 
   少子高齢化、低成長に伴う賃金水準の低調、エネルギー価格の不安定、経常収支の悪化など気になることが多い。
 
   「変わるしかない!」のに変わり切れない日本。そんな日本にとって、コロナは救いのための劇薬。過去に“見切り”をつけることこそが、大きなチャンスである、と考える。
 

考える言葉「潤滑油」

考える言葉

潤滑油

   新入社員が入社し半年近くが経つ。また、学生は夏休み期間でもあり、インターン制度による数名のインターン学生を受け入れており、職場環境にもいつもと違う雰囲気がある。教える人と教えてもらう人…。
 
   仕事の経験あるなしにかかわらず、誰でも必ずできることが一つある。それが挨拶である。
 
   昔から「すべての仕事は挨拶に始まり、挨拶に終る」という言葉があり、社会人になってからだけではなく、学生の頃から部活などでも先輩諸氏からよく言われたものである。
 
   そして、挨拶には次のような効果があると思う。
 
 ① 大きな声で挨拶すると気持ちが良くなる
 ② 挨拶すると笑顔の機会が増える 
 ③ 相手への印象が良くなり、人間関係も良くなる
 ④ 挨拶によってコミュニケーションが始まる
 
   以上のような効果を考えるとき、挨拶の仕方についてもしっかりとした心得を持っておくべきだろう。
 
   以前に、ある本で読んだことであるが、「挨拶の基本ルール5原則」として次のようなことが書いてあったので、心がけている。
 
 ① 相手に聞こえる声で、はっきり、大きく
 ② 相手の目を見て
 ③ 心を込めて 
 ④ 笑顔と会釈をプラスして
 ⑤ 相手によって、態度を変えない
 
   以上のことは、誰にでも少し意識すればできることであろう。
 
   コロナが発症して5年目になるが、今年に入って少しずつ会合の機会が増えてきたが、「挨拶の基本ルール5原則」を心得ている人は気持ちがいいし、場を和ませてくれる。
 
   IG会計グループでは、創業当初に、挨拶訓練を得意とする経営コンサルタントとの出逢いもあり、朝礼時にみんなで大きな声で唱和をしている。やり続けているうちに、本来の目的を忘れてしまい、形骸化が生じることがよくある。
 
   挨拶には、上記に掲げるような効果があることを念頭に置き、心を込めてやり続けたいと思う。挨拶は、人間関係の“潤滑油”でもある。
 

今週の考える言葉「自得」

考える言葉

自得

   書棚の整理をしているうちに、以前に購入した本を再読することが習慣化してしまったようだ。
 
   毎月、数冊は買っていたのに今年に入って一冊も買っていないことに気がついた。コロナのおかげもあり、読書量が増えたにもかかわらずだ…。また、再読するといろいろと気づかされることも多い。
 
   最近、『道をひらく』(松下幸之助 著)を読み直した時のことであるが、“自得”という言葉に注意がひかれた。
 
   「自主独立の信念を持つため」には、「“自得”する」ことの重要性を説いている節がある。「獅子はわが子をわざと谷底につきおとす。きびしい仕打ちである。だがその厳しさの中で、はじめて自立を会得する。他に依存せず、みずの力で歩むことの大事さを、みずからの身体でさとる。つまり“自得”するのである」と。
 
   “自得”といえば、「自業自得」という熟語を思い出し、あまり印象が良くない感じがしたので、辞書を引いてみた。
 
 ① 自分の力で悟ること
 ② 自分自身で満足し、安んじること。うぬぼれること。
 ③ 自分の身に報いを受けること。「自業自得」
 
   つまり、「他に依存せず、みずからの力で歩むことの大事さを、みずからの身体でさとる、つまり“自得”する」ことである。
 
   そこで気になり、「自業自得」も調べてみると、「自分がしたおこないの報いを受ける」という意味である。
 
   「自業自得」といえば、「身から出た錆」と同じで、「自分のした悪いおこないによって、自分自身が苦しむ」という意味で使うことが多いが、本来は、悪い場面だけでなく良い意味でも使える、柔軟性のある言葉だという。
 
   仏教では、良いも悪いも関係なく、すべての運命が「自業自得」だと教えられているという。つまり、「自分のおこないが自分の運命を生む」という意味だ。これだと、とても合点がいく話だ。
 
   幸之助氏は、「“自得”するには、きびしさと勇気がいる」と述べている。
 
   激動する世の中である。経営の舵取りも、決して容易ではない環境である。それゆえに、「“自得”へのきびしい日々を覚悟しよう!」と助言してくれている。
 
   “自得”…。言葉一つひとつの意味をしっかりと捉えるようにしたいと思う。
 

今週の考える言葉「黄金ルール」

考える言葉

黄金ルール

   “黄金ルール”(The Golden Rule)とは、金科玉条つまり、もっとも大切で守らなければならない重要な規則のことをいう。
 
   若いころ、流行ってよく使った言葉の一つである。その時は知らなかったが、“黄金ルール”とは、キリスト教で説かれている「あなた達は自分にしてもらいたいと思うとおり、人にしなさい」という教えだったという。
 
   およそ500の会社設立に関与したといわれる渋沢栄一は、『渋沢栄一 人生を創る言葉50』(渋澤健 著)の中で、起業における“黄金ルール”として、次の4つの条件を挙げているという紹介があった。
 
① 第一に、どのような壮大なビジョンを描いているとしても、その事業のソロバン勘定が合うかどうかを見極める。
 
② 第二に、社会が必要としている付加価値を提供している事業であるかどうかを見極める。
 
③ 第三に、いかに素晴らしいビジネスモデルの事業であっても、その会社を起こすタイミングが合っているかどうかを見極める。
 
④ 第四に、最も重要なことは、その事業を立ち上げる際に相応しい経営者であるかどうかを見極める。
 
   以上4点であるが、さすがに「近代資本主義の父」、実に的を射た条件である。
 
   P・F・ドラッカーは「会社の目的は顧客の創造にある」と述べているが、氏のマネジメント論は渋沢栄一が教える人生とビジネスの成功法則と読めば読むほど合致するところが多い。
 
①のソロバン勘定とは、「自社の望む価格で販売する」ことであるし、値決めはまさに経営である。
 
②の社会が必要としている付加価値の提供とは、「マーケティング&イノベーション」という基本的な機能である。
 
③の起業のタイミングについても、成果の出ない商品や事業の体系的な廃棄を提案している。「事業のライフサイクル(導入期~成長期~成熟期~衰退期)」を見極めることことが大切だ。
 
④のついては、言わずもがなであるが、相応しい経営者になってもらうためのマネジメント論である。
 
   ドラッカーを学んでいたので、渋沢栄一の言葉をよく理解できたし、逆も然りである。渋沢栄一の言葉をかみしめながら、ドラッカーを学び直してみたいと思った。
 

今週の考える言葉「共創」

考える言葉

共創

   5年ほど前に購入した本、『渋沢栄一人生を創る言葉50』(渋澤健 著)をバリ旅行中に再読した。「明治150年」(2019年)を迎えるにあたって、執筆された本らしい。
 
   渋沢栄一(1840~1931年)と言えば、一昨年の大河ドラマ『青天を衝け』の主人公であり、「日本の資本主義の父」といわれた人で、明治・大正時代に活躍した数多くの実業家の中でも、群を抜いた人であった。
 
   栄一は、百姓の生まれだったが、周囲の影響から尊王攘夷の思想に目覚め、倒幕活動に走った。ところが、あるご縁で一橋慶喜に仕えることになり、彼の人生は一変する…。幕府の使節団員として欧州に行き、様々な刺激を受けて、近代化の種を持ち帰って先覚者として活躍する。
 
   日本初の銀行である第一国立銀行をはじめ、約500社の設立に関与した実業家となる。また、およそ600の大学、病院、社会福祉施設など非営利の組織や活動の設立に関与した社会起業家でもあった。
 
   栄一の著書である『論語と算盤』でも分かるように、彼の経済思想は先見性に富んだ考えであり、道徳経済合一説を説いて、彼にとって事業の繁栄は目的ではなく手段であった。事業が繫栄すれば、人々は富み、国力も高まる。この国家論こそが、栄一の行動指針であった。
 
   人間は社会の中で生きる存在である。だから、「人は社会の恩恵を忘れてはならぬ」という思想こそが、人間の想像力を逞しくし、これは自分が経験していない時空に飛躍できる力を生み出す。
 
   利己は自分の体験しか眼中にない。一方、利他には飛躍の力が必要だ。自分自身ではない他人の考え、気持ち、立場を想像して、自ら行動することが利他だからである。
 
   渋沢は、「想像力をもたらした利他の精神があったから、人間は文明社会を他と“共創”できたのだ」という。「共に創る」こと。渋沢栄一の思想の核心に、この“共創”という精神があったのだという。
 
   小生も、創業以来大事にしている言葉の一つに“共創”がある。そして、それはお互いの言動に責任を持つことでもある。
 
   上記の渋澤の本を再読して、自他非分離という統合の思想・価値観をIG会計グループの原理原則とし、“共創”の精神を広く培っていける環境を大事にしていきたいと改めて確信した次第である。
 
   “共創”の精神をベースに語る渋沢栄一の言葉は、大変、有意義である。
 

今週の考える言葉「戦略の効用」

考える言葉

戦略の効用

   21世紀に入ってすでに20数年がたつ…。21世紀はパラダイムシフトとの時代であるといわれている。
 
   つまり、過去の延長線上に未来は描けない時代だといわれるようになり、同時にマネジメントの世界において盛んに“戦略”という言葉が多用されるようになった。“戦略”に関しては今まで、”考える言葉”シリーズでも何度なく取り組んだテーマでもある。
 
   これも書棚を整理していたときに見つけた本であるが、『なぜ「戦略」で差がつくのか~戦略思考でマーケティングは強くなる』(音部大輔 著)の中に、“戦略の効用”について網羅的にまとめてあったので、ここで紹介したい。
 
   氏は、“戦略”について次のように定義し、その効用として11項目掲げている。
 
   “戦略”とは「思考のツールであり、目的達成のために資源をどう利用するかの指針」であると、定義づけている。
 
   そして、“戦略の効用”、つまり“戦略”を持つことで何が変わるかと問い、次の11項目を掲げている。
 
 ① 成功確率が上がる
 ② 目的のよりよい達成が可能となる
 ③ いい失敗で経験値を獲得しやすくなる
 ④ 再現性の確保
 ⑤ 有意識の力
 ⑥ パニックを防ぐ(混乱状態)
 ⑦ 自損事故を防ぐ(own goal)
 ⑧ 意思決定を助ける(取捨選択)
 ⑨ 目的を共有する
 ⑩ 摩擦を下げる(エネルギーの浪費)
 ⑪ 権限移譲を助ける(主体性、自制心を養う)
 
   著者は、“戦略”の構成要素は「目的」と「資源」であると概念化し、戦略とは「思考の道具」であると定義している。
 
   そして、戦略が必要な理由は、① まず一つに、達成すべき目的があること、② 二つ目に「資源」に限りがあるからだ、と述べている。
 
   小生は、戦略と戦術はいずれも、組織の未来を創造するときに必要欠くべからざる思考の道具だと心得ている。その意味でも、頭の整理ができる良書の一冊だと考え、
 
   今後も折に触れて、手にしたいと思う。
 

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