古田会計事務所

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今週の考える言葉「わしづかみ」

考える言葉

わしづかみ

   最近、書棚の整理をしながら、以前に読んだ本と再会し、再読することが多い。『歴史をつかむ技法』(山本博文 著)も、そうだ。表紙の帯にあるキャッチコピーが目を引く・・・。
 
   『この一冊で「日本史の流れ」を“わしづかみ!”単なる「知識」を超えた「歴史的思考力」を鍛える』と、ある。
 
   最近の歴史本ブームの背景には、「自分には歴史の素養がない」という欠損感があり、「学び直したい」という気持ちの表れが強いのだという。それは、私たちが学んできた歴史教科書が「最初に歴史を大きく俯瞰する部分がほとんどなく、いきなり原始時代の記述から始まっている」ということが、その原因だという。
 
   要するに、知識偏重が過ぎて、その知識を活かすための思考法(「考え方」や「ものの見方」)が置き去りにされているのだろう。断片的な知識にとらわれ過ぎて、歴史の大きな流れを理解できていない・・・。流れを“わしづかみ”するという表現は、適切であるかどうかは別として、面白い!
 
   先日、IGグループにおいて全体合宿(2 泊3 日)を行った。中期ヴィジョンの見直しがテーマだった。組織としての中期ヴィジョンは明確であり、『Next Innovation~次なる革新!』であり、もっと端的にいうと世代交代である。
 
   今回、合宿に参加するメンバー一人ひとりに、『自らが理想とする事務所像』について事前アンケートを実施した目的は、まさに、組織全体を覆う、大きな意識の流れを“わしづかみ”したかったからだ。
 
   つまり、全体の構成要員である一人ひとりが、どんな意識をもって仕事をしているのか、それは全体の大きな流れのなかに収まっているのかどうか、この時期に確認をしておきたかったからである。つまり、全体を“わしづかみ”し、意識の統合を図っておきたいと思ったからである。
 
   経営とは、「組織としての戦い」であると同時に、「変化・環境との戦い」であるという。
 
   歴史が時代の大きな流れのなかで動いているのであれば、その時代をつくる特有の価値観を“わしづかみ”しておくことも大切である。(著者は、「時代の観念」「時代の正義」と表現している)
 
   全体をざっくりと捉えてから、部分との関係性を考える。これは、いつ何時においても大切な思考法であるが、とくに、今日のように環境の変化が激しい、自己変革の時代においては、重要な心得であるといえよう。
 
   全体を俯瞰し、“わしづかみ”する。そんな一日を、心掛けてもちたいと思う。
 

今週の考える言葉「人間力」

考える言葉

人間力

   「IG中期ヴィジョン」を描くための合宿(2 泊3 日)を行うにあたり、事前アンケートを実施した。アンケートの内容は下記の通り。
 
   「どういう事務所であって欲しいか?」つまり、「私たちは何を目指し、何のために頑張るのか?」についての問いである。アンケート結果をまとめると、表現に違いはあるが要約すると、次に対する要望が圧倒的に多かった。
 
「働きやすい職場」
「働きがいのある職場」
「成長できる職場」
 
   中でも、「成長できる職場」環境を望む声が一番多かったと思う。じゃ、具体的にどんな環境であれば、人間は成長できるのであろうか?
 
   ① 独自な経営観が確立されており、目的が共有できている職場
   ② 多士済々な人材がいて切磋琢磨し合える職場
   ③ つねに新しいことへチャレンジし、革新的である職場
   ④ 成長し続けている職場
   ⑤ 目標管理が徹底しており、主体性が育つ職場
   ⑥ 価値観教育ができている職場
   ⑦ 人間関係が良好で、生産的な職場
   ⑧ 人材の定着率が高く、知識や経験の伝承ができる職場
 
   他にも、成長を促す環境要因はたくさんあるだろう・・・。
 
   問題は、その職場環境を活かすことができる“人間力”が個々人に備わっているかどうかが問われると思う。同じ環境にありながら、やはり個人間の格差がつねに生じるのである。
 
   自己成長するためには、次のような“人間力”を培う必要がある。
 
   ① 飽くなき探求心(好奇心旺盛)
   ② 未来志向(あるべき姿からの逆算、価値ある目標設定)
   ③ 相手本位(貢献意欲)
   ④ 素直さ(上司や同僚から好かれるタイプ)
   ⑤ 主体性(つねに自分の影響力を考え、自己責任が強い)
   ⑥ 自他非分離の価値観(出逢った相手は自分)
 
   あるべき姿を描き、つねに“人間力”を鍛え続けたいと思う。
 

今週の考える言葉「あるべき姿」

考える言葉

あるべき姿

   自社の“あるべき姿”を明確に描くことの重要性が一段と高まってきているような気がする。
 
   “あるべき姿”とは、ヴィジョン(将来像)と置き換えてもよいが、社長の思いであり、夢や志を具体的に描くことである。もちろん、その思いの根本に経営に対する理念や目的、人生の哲学があることはいうまでもない。
  
   毎年この時期、IG会計グループは次年度の行動計画書を作成する合宿(2泊3日)を行うようにしているが、今年は各分社・部門ごとの“あるべき姿”を徹底して描く3日間にしようと思っている。
 
   その理由は、IGグループの事業承継を前提に、昨年から中期ヴィジョンに『Next Innovation~次なる革新』を掲げて、新たな成長戦略のスタートを切っているのであるが、それを達成した暁の具体的なイメージが、今一つ具体的なものとして、みんなで共有できていないような気がするからだ。
 
   創業以来30数年、小生も含め主たる幹部たちが存在しなくなった後の経営体制をイメージすることは、口でいうほどに容易ではないと思う・・・。だが、それを鮮明に描かない限り、『Next Innovation』は画餅となってしまう。
 
   そこで、少し趣向を変えようと思った。今まで、中期ヴィジョンや年度基本方針については、トップである小生が決めて発表し、その趣旨の説明をして、各分社・部門の行動指針や個人目標へ落し込んでもらっていたが、今回からは一人ひとりに“あるべき姿”を描いてもらおうと思っている。
 
    つまり、「どういう事務所であって欲しいのか?」「自分たちは何を目指し、何のために頑張るのか?」という問いを自らに投げかけ、先ずは考え抜いてもらう・・・。そして、「それは他の人たちと何が違うのか、または同じなのか?」「また、分社・部門の“あるべき姿”と比べて、どうなのだろうか?」と問うてみよう。
 
   全体(組織)と部分(個人)との間にトレードオフが生じていないだろうか?もし、生じているとすれば、何が原因なのだろうか?
 
   組織は個人の集合体である以上、様々な個性があって当然である。またそれが、多様性の妙を創り出し、シナジーが生まれる。多様な個性があるからこそ、衆知を集めることの価値が生まれるのだ。
 
   各人の“あるべき姿”を明確にして、それらを統合する重力の存在を改めて、確認できる合宿にしたいと考えている。
 

今週の考える言葉「画塀」

考える言葉

画塀

   “画塀”とは、絵に描いた餅のこと。要するに、絵に描いた餅は食えないので、役に立たないという意味である。
 
   もう30年以上も前の話であるが・・・。ある社長に経営計画をつくることの重要性について力説していたら、「熱心に進めてくれるのは有り難いが、所詮、絵に描いた餅・・・。以前にも高いお金を払って、あるコンサルタントにつくってもらったことがあるが、その通りいかず、無駄だった・・・」と一言。
 
   過去の延長線上に未来が描けないという時代(パラダイムシフト)のせいもあると思うが、格差社会という厳しい経営環境のもと、マネジメントの質が問われることへの不安、自覚もあるのだろう。業界丸ごと儲かるという時代でないことは確かである。
 
   「マネジメントの質は、目標設定の良否で決まる!」というのが小生の持論。経営の成果を出したければ、「自らの手で未来を創る!」という社長の覚悟が必要である。その覚悟に基づいて、そのために何をなすべきかを明確にして、実行のプロセスをシナリオ化したのが経営計画である。
 
   その経営計画が、“画塀”にならないようにするために心掛けるべきことが3つある。
 
   ① 計画の作成を他人任せにしないこと
         トップの思いや意思、主体性が、周囲の人を動かす力になる
         のである。丸投げしたら、“画餅”になるのは当然である。
 
   ② 数字の遊びにしないこと
         金融機関などの支援を当て込んだ帳尻合わせや過去のデータ
         を分析して予測するような数字では意味がない。自社の思い
         を実現するために必要な利益、資金、自己資本の観点から、
         きちんと数字を固めることである。
 
   ③ 現場に落とし込んだ行動計画であること
         「誰が?」「何を?」「いつまでに?」「どのように?」に
         行うか、具体的なアクション・プランを立て、組織一丸と
         なって取り組む体制づくりが大切である。
 
   元来、経営計画を作成するということは、自らの手で未来を創ることであり、運命を共にする人々と未来を共有することなのである。ゆえに、“画餅”にしてしまうこと自体が可笑しいと考えたほうがよい。
 
   経営計画作成のお手伝いを通して、多くの社長と出逢い、それを実感している。
 

今週の考える言葉「実行」

考える言葉

実行

   前回の“考える言葉”シリーズで、「結果目標は外部環境からの制約に左右されやすいので、自らの意思で自由にコントロールできる行動目標(=やるべきこと)をはっきりさせておく必要がある」という風に述べた。
 
   そこで、さらなる問題が生じる・・・。「行動目標を明確に掲げたにも関わらず、それを“実行”しない、できない者が出てきたら、どう対処すればいいのか?」という問題である。(成程、とうぜん起こり得ることだ・・・)
 
   先ずは、人材の育成が大きな鍵になると考える。弊社では、「IG式目標管理システム」を用いて、一人ひとりが自らの業務目標を設定し、その進捗や“実行”を自ら主体的に管理できるようにしている。つまり、自らの仕事に責任をもって行動できるよう、主体性を養うことができる環境を整えている。
 
   それでも、自ら責任をもって“実行”できる人が育つには時間を要するものだ。目標管理の考え方や手法を身につけ、習慣化できるまでの間、どうしたらいいのだろうか?
 
   そこで次に求められるのは、やはり、トップあるいは幹部の強烈なリーダーシップであろう。
 
   では、リーダーシップが発揮される基本条件を考えてみよう。少なくとも、次の3つの要件を満たす必要がある。
 
   ① 自社の理念・目的に対して信念をもって、熱く語り続けること
       ができているか経営計画を作成するプロセスを共有し、理念・
       目的やビジョンならびに戦略を描き、ベクトルを合わせる。
 
   ② 目標管理を通して、メンバーに正しい動機づけと啓発ができて
       いるかメンバーの価値観に訴えながら、仕事へのロイヤリティ
       を高めていくようにする。目標管理の本質を理解してもらう。
 
   ③ コミュニケーションの機会を密にする人心の統合を図り、組織
       の結束力を高める。「仮説~実践~検証」のサイクルを確立さ
       せるなかで、不断のコミュニケーションを培う。
 
   また、リーダーが傍観者でいるかぎり、“実行”はおざなりにされてしまうことが多い。
 
   リーダーが先頭に立ち、率先垂範してこそ、メンバーは奮い立つ。また、リーダーは、メンバーに自信が芽生えるまで伴走を怠ってはならない。
 
   達成感の共有こそが、“実行”のモチベーションを高める唯一の要因だと考える。みんなで、“実行”から生まれる価値を共有しよう!
 

「わく和~くナビ」様に取材して頂きました!

その他お知らせ

和歌山市の就職情報サイト「わく和~くナビ」様に取材して頂きました。
わく和~くナビ様のホームページ、右側の検索ホームに「大西会計」と入力して頂ければ、ご覧頂けます!
 
また、わく和~くナビ様の「企業訪問日記」の「2016年5月18日 きらり輝く元気な企業1」というタイトルで所員のインタビュー等を、ご紹介して頂いております!
 
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「Ja-Big ジャーナル」様に取材をして頂きました!

その他お知らせ

以前、事務所の取り組みについて取材して頂きました、日本BIGネットワーク様の「Ja-Bigジャーナル」が、この度PDFでご覧頂けるようになりました。
 
コチラよりご覧いただけます!
 
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また、大好評につきまして、冊子を追加発注いたしました!
是非事務所にお越しの際は、手に取りご覧ください!

今週の考える言葉「目標設定」

考える言葉

目標設定

   “格差”が、あらゆる局面で社会問題となっている。かつて、一億総中流社会といわれていた頃からすると、隔世の感がする。
 
   企業経営においても、“格差”は常態であり、さらに広がり続けている。業界丸ごと儲かるような仕組みは、すでに壊れてしまい、一人勝ちする企業が出てくると同時に、淘汰を余儀なくされる企業も出てきている。
 
   同じような環境に身を置きながら、なぜ“格差”が生じるのだろうか?企業間においては一言でいうと、マネジメントの質の差だといえる。では、その質の差は、どこから生じるのであろうか?小生は、目標設定の良し悪しだと考えている。
 
   正しく経営をしようと思うならば、自らの目的や目標を明確に定めることは必要条件である。つまり、目標設定ができていないということは論外だと考える。問題は、設定した目標の良し悪しである。
 
   例えば、全社目標を定め、それを各部門や個人へと役割分担化していく。そのときに、各部門や個人の自ら達成すべき目標は誰もがちゃんとつくっている。問題は、各部門や個人間相互の関係性に対する目標が欠落していることが多い。
 
   つまり、①他部門等の目標達成にどのような貢献ができるかという目標や、②自部門の目標達成に対して他から貢献してもらいたいという目標が、言及されていないことが多い。相互の関係性が重要視される今日的環境においては致命的な問題である。
 
   また、こんな問題もある。「今期中に、×××を達成したい!」という目標を立てたとしよう。これは結果目標である。そのために「毎日、×××を必ず実行する」という行動目標が必要となる。意外と、この行動目標が具体化されていないことが多いのである。結果目標は外部環境から制約を必ず受けることになる。自らの意思で自由にコントロールできるのは行動目標のみである。
 
   これら2 点は、“目標設定”のときに十分に考慮すべきことである。さらに、経営の現場では必ずトレードオフが生じることも念頭において“目標設定”しておくべきである。
 
   ① 利益とのバランス(「売上を最大に、経費を最小に!」という
       考え方)
   ② 現在と未来のバランス(設備投資と回収期間など)
   ③ ほかの目標とのバランス(二項共存関係の考え方)
 
   ざっと考えてみても、“目標設定”対しての意識レベルの差が認識できよう。その差が、そのままマネジメント力の差につながり、格差の原因となっているのである。
 
   ぜひ、“目標設定”に衆智を集めて頂きたいと思う。
 

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