古田会計事務所

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今週の考える言葉「間」

考える言葉


   私たちには、“間(ま)”という微妙な意識感覚がある。剣道では“間”の取り方が勝敗を決めるといわれているし、話の上手な人は“間”の取り方が実に上手い・・・。
 
   “間”とは、間取りとか隙間(すきま)といった「空間意識の“間”」と、太鼓の“間”とか、“間”を外すといった「時間意識の“間”」とがある。そして、「“間”が抜ける」、「“間”に合わず」「“間”が延びる」、「間がいい」、「“間”が悪い」など、普段でもよく使っている。
 
   高校生の頃、地学の先生で面白い授業をする方がいた。黒板に向かってひたすら数字を書きながら、ブツブツとしゃべっているかと思えば、突然こちらを振り返って、笑えないダジャレをいう、誰も笑わないでいると、急に自分で笑い出す。それが面白くてみんなが大笑いすると、真顔になって「何が可笑しい!」と怒り出す。その先生には、コペルニクス転換というあだ名がついた。今思うと、先生なりの“間”を取っていたのかも知れない。確かに、その瞬間から内職をやめて、その先生の話を聞き出していた。
 
   日常的なコミュニケーションにおいても、“間”はたいへん重要だと思う。“間”を取ることは、話にメリハリをもたせ、相手との呼吸を合わせる効果がある。また、相手の理解を促すために、「そうだろう?あなたはどう思う?」と問いかけるのも重要な“間”の取り方だと思う。
 
   では、“間”を取るタイミングについて考えてみたい。講演をしているとき、自然と“間”を取っている場面がある。
 
   一つは、「重要なポイントを話そうとする前」。「この点は、非常に大切なことですが・・・」といって、少し“間”を置く。
 
   それから、二つ目は「疑問を投げかけたとき」。「どう思われます・・・?」といって、“間”をつくることが多い。会場の誰かに目線を合わせて、少し長い“間”を置いて、みんなに考えてもらうと、その後の聞く姿勢の変化を感じるときもある。
 
   最近は、「パワポ(PowerPoint)」を使う講演が多いので、“間”が取れやすくなったと思う。活用のコツは、一枚のレジュメを、数秒で読める程度の文字に留めておくこと。または、写真などを導入して、視覚に訴えるような形で、上手く“間”を取っている人もいる。
 
   “間”の効用は、一つに相手の注意を引き寄せ、こちらの話に関心を持ってもらうこと。さらに、相手の理解度を図ることができるので、話の展開がしやすくなるなどが挙げられる。
 
   ある政治家曰く、「人生はすべて“間”だ。一本調子で前に進もうとしても、何も前に進まない。“間”が取れない人間はどうしようもない。大成しないぞ」と。
 

【お知らせ】ものづくり補助金2次公募が始まりました

その他お知らせ

ものづくり補助金の2次公募が始まりました。
 
ものづくり補助金は、「生産性向上」が目的です。
補助金を受け、革新的サービス・生産プロセス改善のため設備投資やシステム構築が可能になります。
 
■ 公募期間
   公募開始: 2019年2月18日(月)
   第一次締切:2019年2月23日(土)〔消印有効〕
   第二次締切:2019年5月 8日(水)〔消印有効〕
 
■ 補助額
  最大 1,000万円 ( 小規模型は 500万円 )
  一般型 ( 条件により補助率2/3以内 )
  小規模型 ( 条件により補助率2/3以内 )
 
■ 対象事業
  革新的なサービスの創出などを行う事業
  革新的な生産プロセスの改善を行う事業

 
詳しいことは和歌山県中小企業団体中央会さまのサイトをご覧ください。

今週の考える言葉「教養」

考える言葉

教養

 
   学生の頃の話・・・。行きつけだったスナックのカウンターで飲みながら、読書談義をしていた時のことを、今でも懐かしく思い出す。
 
   常連さんの一人だった社会人の中に大変な読書家がいた。その人が曰く、「20 代のときの読書は、読んだ分だけ自分の血肉なる。だから、自身のために、読書は大いにした方がいい」と・・・。
 
   その人はもう30 半ばだったと思うが・・・、「じゃ、先輩は何のために読書をしているのですか?」と尋ねると、「“教養”のためかな・・・。自分の血肉にはならないけど、立場の違う相手の気持ちを理解するためには、読書は必要だよね・・・」と・・・。
 
   その人の妻や子供、職場の上司や部下、その他いろいろな形で関りを持った人たちの立場や価値観を理解し、受け入れるためにも、いろんな本を読むべきだという。
 
   そんな視点で、本を読んだことがなかった小生にとって、大変衝撃的な動機であった・・・。相手を理解するためにも、読書は必要だ・・・。まさに、“教養”なのだ。
 
   小生の父も大変な読書家だった。これは父の友人だった方から聞いた話である。
 
   「あんたは、暇さえあれば、本を読んでいるね。しかも裁判官が、法律の本だったら分かるけど、文芸春秋は関係なかろうに・・・」と。
 
   父は、こう答えたという。「時代の背景(価値観)が分からないと、他人を裁くことはできない」と。つまり、犯罪の動機には、必ず時代の背景が影響しているという。小説家は最も時代の流れに敏感な人たちだから学ぶことが多い、と・・・。
 
   その人は、そんな話をしてくれながら、小生に助言してくれた。「専門バカではダメだ。
 
   あんたのお父さんのような“教養”のある税理士になりなさい」と。つまり、人の気持ちが分かる税理士になれということであろう。
 
   ある本を読んでいたとき、「知識と“教養”は違う」というくだりがあった。「相手に合わせて、状況に合わせて、答えが変わってくるのが“教養”である」と・・・。つまり、人間関係においては、ある質問に対して「正しい答えが一つあれば、それでいい」ということはない。
 
   “教養”の書といえば、昔から、「仁」をテーマに説く『論語』であろう。孔子は、教養に詩と音楽、そして礼を挙げている。詩とは文学であり、物事を観察する訓練になる。文学を通して、様々な人物の経験や感情を追体験できるという。音楽は感性を豊かにしてくれる。そして、礼とは人との関係性であり、心がけの美しさ、相手への敬意を教えてくれるという。
 
   古稀を過ぎても、“教養”を高め、磨き続けるためにも、読書に励みたいと思う。
 

今週の考える言葉「節目」

考える言葉

節目

   今年は、IG会計グループにとって創業35周年という一つ”節目”の年を迎える。
 
   不思議な心地だ・・・。一年365日、いままでもずっと同じ時間の流れの中で生きてきたはずなのに、”節目”を意識するだけで、昨年とは違う何かを成し遂げたいという意識が動いている。
 
   例年のことであるが、10月に入ると次年度の「基本方針」を考え始めて、幹部会で発表するようにしている。”節目”の年を意識しながら、色々考えた挙句、選んだのが『「限りなき”創造・変化”への挑戦」~楽しく、豊かで、エキサイティングな一年にしよう!』であった。
 
   創業したのが1984年(S59年)6月1日。もちろん、ゼロからのスタートである。幸い、仲間には恵まれ、ヤル気だけは十分だった。毎日夕方になると、缶ビール等を買ってきて酒盛りが始まる。
 
   「一年くらいは無報酬でもいい」といって、駆けつけてくれた3人の仲間。何もなかったけれど、夢・志だけは溢れんばかりであった・・・。
 
   「よその会計事務所がやらない、できないようなことをしましょう」
   「業界を変える、先駆的な役割を担おう」
   「がむしゃらに働いて、遊ぶときは遊ぶ・・・。家族も連れて、皆で海外旅行にいこう」
   「プロ集団をつくり、中小企業のシンクタンクになろう」
    「パートナーシップ制を確立し、みんなに社長をやってもらおう」等々。
 
   何か、いつも胸騒ぎがしていた創業当初の頃の思いが蘇ってきて、気付いてみると前述のような「基本方針」を、みんなに発表していた。
 
   IGグループ創業の年(1984年)は、時代の大きな”節目”の年でもあったようだ。暦学の180年周期説によると、時代が治世(上元と中元)から乱世(下元)へ変わった年だという。
 
   この事実を知ったとき、妙に心ときめいたのを、今でも覚えている。激動、激変の時代、何かが動いていくような予感がして、ワクワクドキドキした気分である。そのときから、何かにつけて、「変化・革新・創造」という言葉がつねにキーワードとなってしまったようだ。創造的破壊、イノベーションなど。また、「治世の能臣、乱世の奸雄」という言葉も意味深いものだ・・・。
 
   話が少し飛んだが、”節目”とは物事の区切りとなる大事なところである。”節目”を意識するだけで、気が引き締まる思いである。また、その時々の”節目”に、様々な出逢いがある。なぜか、自然と感謝の気持ちがあふれ出してくる。
 

わかやま新報様に創業者セミナーについて取り上げて頂きました!

その他お知らせ


 
1月30日発行の「わかやま新報」様和歌山商工会議所様主催の「創業者セミナー」について取り上げて頂きました!
 
第2回目が2月9日(土)を予定しております!「人財育成」と「販路開拓」になっておりますので、是非ご参加ください!
詳しくはコチラの記事をご確認ください。

今週の考える言葉「やりがい感」

考える言葉

やりがい感

   Ja‐BIG主催の『未来会計実践塾』の定例会(第9回)が、今年もクロス・ウエーブ船橋でスタートした。
 
   月初めの週末という日程(2月1~2日)のせいか、普段より少し参加者が少なかったようだが、万障繰り合わせの上、足を運んでくれた人たちだ、士気が高くて会場の雰囲気も上々だった。
 
   “やりがい感”というか、やりがいを持って仕事をするということは、何事においてもいろんな意味で大切な心構えである。それ故に、社内における日常的な仕事ぶりは勿論、定例会などの研修会を開催したときも、参加者がどんな気持ちで臨んでいるのか、気になることでもある。
 
   “やりがい感”の反対語に、”やらされ感”という言葉がある。主体性が欠如している人間は往々にして、そうなりがちである。仕事へ取り組む姿勢が義務的で、下手すると被害者意識に陥っている者さえいる。これでは、生産性が向上するはずもない。だから、評価されない。ゆえに、モチベーションがさらに低下する・・・。そんな悪循環だけは避けたいものだ。
 
   今、「働き方改革」ということが盛んにいわれているが、”やりがい感”というのはその根本にあるべき課題ではないかと思う。その意味においても、トップリーダーはどうすれば”やりがい感”をもって働いてもらえるかを真剣に考える必要があると思う。
 
   では、人はどんなときに”やりがい感”を持つのであろうか?自分の経験から次の三つのことが思い浮かぶ。
 
   ① 人から必要とされているとき。
   ② 自分の成長・成果を感じられるとき。
   ③ 未来に希望を感じるとき。
 
   だとすれば、これら三つのことを感じてもらえるような状態をつくる必要がある。
 
   例えば、経営計画や事業計画を策定するときに、上記3つのことをテーマにして話し合うとか、IG式目標管理などを活用し、主体性のある人材育成を行い、セルフモチベーションを高めるのも効果であると思える。
 
   IG会計グループの今年度・基本方針である『限りなき「創造・変化」への挑戦~楽しく、豊かで、エキサイティングな1年にしよう!』は、まさに”やりがい感” のある仕事をつくり出していく戦いだとも言えよう。
 
   そのためにも、「偶然ではなく選択基づいた生き方、怠慢ではなく計画に基づいた生き方」を習い性にしたいと考える。
 

今週の考える言葉「総力戦」

考える言葉

総力戦

   寒さが底をつく、この時期になると「今年も確定申告が始まるぞ!”総力戦”だ」と心が躍る。やはり、長年の職業柄であろう・・・。
 
   会計事務所の仕事も多様化し、一昔ほどではないが、少なくとも、税務の仕事を担う税理士法人あるいは部署・部門においては、”総力戦”の様相を呈せざるをえないであろう。
 
   少し気になり、インターネットで調べてみると、「”総力戦”(Total War)=国家や組織の全分野にわたる力を一つに集めて行う戦い」とあり、第一次世界大戦以降使われるようになったらしい。まさに、力づくでも敵を撃退するという戦争用語なのである。
 
   そして、”総力戦”(Total War)といえば、日本が国家総動員法に基づいて全国民を巻き込み、「欲しがりません、勝つまでは!」というスローガンのもと、戦って敗北した第二次世界大戦の悲劇を思い出す。
 
   確定申告の仕事は、短期決戦型・・・。つい、「戦力を集中し、一気呵成に!」という思いに駆り立てられてしまう。税務の関係部署が一丸となって、全力を尽くし期限との戦いをやると、一定の成果は期待できると思う。だが、しょせん消耗戦だ、疲れ果ててしまうだろう。
 
   イギリスの有名な戦略思想家に、故サー・リデル・ハート(1895~1970)という人がいて、次のようなことを述べている。
 
 「従来の”総力戦”(Total War)は、直接アプローチ戦略(戦力の集中と機動的な運用)であり、それだけでは限界がある。先ずは、間接アプローチ戦略(外交、心理、経済などで外堀を埋めて優位に立つこと)が大切だ・・・」
 
   そして、「間接アプローチ戦略と直接アプローチ戦略を効果的に組み合わせる”総力戦”(Grand Strategy)が大切である」と述べている。
 
   氏のいう”総力戦”(Grand Strategy)は、私たちが普段いうところの関係性思考の徹底ではないだろうか。自分が関わっている仕事(部分)は、組織(全体)におけるどのような役割であり、価値に関わっているのだろうかを、先ず考える。
 
   ① 確定申告は、何のためにあるのか?(目的)
   ② それによって、どんな価値が生じるのか?(社会、顧客、組織、個人)
   ③ 責任を全うするだけの準備は万全か?
   ④ 協力者への根回しは済んでいるか?
   ⑤ 不測の事態は想定できているか、その具体的な対策は?
 
   “総力戦”には、リーダーは勿論、一人ひとりの主体性が問われることなる。
 

今週の考える言葉「折れない心」

考える言葉

折れない心

   先週の”考える言葉”シリーズ(19‐02)でも紹介をしたが、新年合宿(12~13日)を行い、今年度におけるIG会計グループが目指すべき方向性は明確になり、全員で共有できたと確信している。 
 
   あとは、掲げた未来への理想を信じて、戦い抜くだけである。そのためにも、「楽しく、豊かで、エキサイティングな一年にしよう」というサブ・テーマを掲げた。長くもあり、短くもある一年はすでに始まった・・・。
 
   昨年の暮れに、近くの本屋さんに立ち寄ったとき、『中村天風 折れないこころをつくる言葉』(イースト・プレス)が山積みしてあり、その表紙カバーに次のように書かれてあり、手に取った。
 
   「打たれ強く人生を生きよ!」
   「生まれながらこうだと思えば、何でもねえじゃねえか。およそ人生の一切の事件は、ほとんどそのすべてが自己の心の力で解決される」
 
   最近、読み直している渋沢栄一に関する本の中でも、同じ意味合いの言葉に出逢ったので紹介したい。
   「一時の成敗は、長い人生、価値の多い生涯に於ける泡沫(うたかた)のごときものである」
   「不自由を世の常と思わば、別に苦情も起らなければ、下らぬ心配も起るはずがない」と・・・。
 
   人間は自分自身の尊さを信じ切れなくなると、心の中に迷いが生じる・・・。そうすると、雑念・妄念の虜になり、消極的な考え方に陥ってしまうものだ。つまり、心の鏡に曇りが生じて、真実が見えなくなるのだという。仏教でいうところの煩悩のなせる業である。
 
   人生や仕事を楽しく、豊かで、エキサイティングに生きたければ、天風先生曰く「心を磨き、”折れない心”をつくれ」と・・・。
 
   ① 「迷わない、恐れない!」・・・先ずは、やり抜き通す意志を持とう。
   ② 「あきらめない、ふりむかない!」~正直、親切、愉快をモットーに。
   ③ 「くすぶらない、おちこまない!」~つねにステージアップを意識しよう。
   ④ 「ふりまわされない、くるしまない!」~雑念や妄念の虜になるな。
 
   「人生のなかでつくりあげるべき自分とは何かを自覚し、それを信念に変える生き方をしなさい」と示唆してくれる。
 
   「美事は自然に進歩する」(渋沢栄一)という言葉も有り難い言葉である。
 

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