古田会計事務所

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今週の考える言葉「浩然の気」

考える言葉

浩然の気

   読書をしていると、いつも心惹かれる言葉に出逢う。毎年そうであるが、年の瀬が迫ってくると、今年一年を検証する日々が続く。一年間を総括しているつもりでも、過ぎ去った栄光は過去のものとなってしまい、気がつくと今抱えている問題にばかり意識がいってしまうことが多い。つねに問題と向き合っている経営者の性だろうか・・・。
 
   そんなとき、書棚にある本を手に取り、気分転換をはかる。何気に手にした書物、『心が雄大になる中国の名言』(リベラル社)の中で、次のような一文と出逢った。
 
   「吾が”浩然の気”を養う」(孟子『孟子』)。
 
   “浩然の気”とは、「天地にみなぎるような大きく広い気のこと。何事にも動じず、寛容であり、ゆったりとした心持ち」をいう。「広く豊かで、のびのびとした心持ち」、どうしたらそんな心持ちになれるのだろうか?「それはまっすぐな気持ちで、正直に生きること。そうすれば、やましい気持ちや後ろめたさがなくなり、穏やかでのびのびとした心境でいられる」という。 ”浩然の気”を持つためには、まっすぐな気持ちで、正直、素直であること。「成程と合点がいく示唆」である。
 
   一年間を顧みる手順はこうだ・・・。
 
 ① まず、一年間で、具体的にどんな事実があったのかを確認する
 ② その中で、最大の成果・問題は何であったか。
 ③ それらの事実が生じた因果関係は明白になっているか。
 ④ その中で、最大の原因は何であったか。
 ⑤ 検証の結果は、きちんとフードバックできているのだろうか。
 
   これら検証の手順は、「IG式目標管理システム」の中で常套的な手段として行っているものである。
 
   今回、”浩然の気”という言葉に心が惹かれたのは、最良の検証手順は分かっていても心構えができていなければ、枝葉末節的なことに気が奪われ、思ったほどの成果が生まれないということに気づかせてもらったからだ。
 
   この本は、5年ほど前に購入し、読んでいたものである。その当時、いろんな個所に線を引き、メモをしていたのであるが、”浩然の気”の個所はスルーな状態であった。
 
   “浩然の気”、過去を検証し、未来へつなぐ絶好のタイミングでの出逢いである。
 

今週の考える言葉「歳月」

考える言葉

歳月

   師走に入り、年の瀬が迫ってくるといつも思い出す名言がある。
 
   「”歳月”は人を待たず」(陶淵明『古詩源』)。「月日は、人の気持ちなどお構いなしに過ぎ去っていく」という意味である。
 
   過ぎ去った日々の出来事を思い浮かべ、あのときこうしておけばよかったと悔やんでみても、どうすることもできない。誰もが、「人生はやり直しがきかないものだ」と実感していることであろう。小生もほんとうにそうだと思う。
 
   では、どうすれば悔いのない人生を送ることができるのだろうか?
 
   「備あれば、あれば憂いなし」という名言があるが、一日一日を充実したものにしようと思うのであれば、チャンスが来たときに逃さず、生かせるようにしておくことだろう。「ゲーテの言葉」から、ゲーテの生き方に学びたいと思う。ゲーテは、次の二つの事を日々実行していたという・・・・・。
 
   一つに、「一日の終わりに、その日の出来事を整理する」ということ。一日を振り返り、良かったことや悪かったことなど、一つ一つの意味や価値について、自分なりに考えるそうだ。そうすればけじめができて、次の日には新鮮な心持ちで新たな一日を始めることができるという。
 
   もう一つは、「朝、考えることが一日を決める」ということ。朝、その日に起こる出来事をすっかり予想できたら、その日一日は、自分の思いどおりになったも同然だという。
 
   そしてまた、ドラッカーも時間の大切さを次のように表現している。「時間こそ真に普遍的な制約条件である」と述べている。生きるということは時間を刻むことであると考えると、至極当然の指摘であると思うと同時に、さすがだと頷かざるを得ない。そのうえで、ドラッカーは「汝の時間を知れ」と語り、成果を上げるための時間管理の基本は「時間を記録し、管理し、まとめる」ことだと指摘し、自らをマネジメントする「目標管理」の重要性を提案している。
 
   IG会計グループでは、主体的な人材を育成するために欠くことができない条件として、「IG式目標管理」を徹底してやり続けている。その本質は、人生や仕事において、なすべき優先順位を明確にし、時間の有効活用を徹底することが習慣化されると、きっと有意義な時間を過ごすことができるものという確信から生まれている。
 
   まさに、「”歳月”は人を待たず」である。
 

今週の考える言葉「言霊」

考える言葉

言霊

   『100歳まで読書』(轡田隆史 著)というタイトルに惹かれ、思わず買ってしまったのだが、なかなか面白かった。
 
   著者は、冒頭にいう。『なぜ「100歳まで本を読む」のか?カンタンにいうなら、ちゃんと死にたいからだ』と・・・。「ちゃんと死ぬ」ということは、「死ぬ間際まで、自分で納得できる生き様でありたい」ということであろう。
 
   「最後まで、考えて生き抜く・・・」、 そのためには知的センスを磨き続ける必要があるのだが、『本は最期まで、人生のよき相談相手になってくれる』のだという。つまり、『「死ぬまで本を読む」ということは、「死ぬまで質問し続ける」ということに等しい』のだと述べている。
 
   この行は、全く同感である。小生も、読書の効用の一つは知的センスが磨かれ、思考力が高まることだと実感している。「なぜ?」の解を求めて本を読み、本を読んでいると必ずといってよいほど、「なぜ?」を問われる場面に出くわすこととなる。まさに、読書は「思考の訓練」に最適な手段だといえよう。
 
   さて、今回の読書でもっとも関心をもったのは、“言霊”についての行である。著者である轡田隆史氏は、「書店は“言霊”の宝庫である」と述べ、「書店に入った瞬間、人は文字、特に漢字の発する“霊気”に打たれるのだ」という。
 
   “言霊”とは、言葉に宿る神秘的な力(霊力)のことで、その言葉の内容を実現する力があると古来、信じられてきたのだという。
 
   小生も小さい頃に、母親から「言葉は、大事にしなさい。言葉はぜんぶ自分に戻ってくるからね・・・」と教わったことがある。のちに、「“言霊”のことを言っていたのか」と気づかされた思い出がある。そして、読書の大切さをいろんな人から教えて頂いたことが走馬灯のように蘇ってくる・・・。
 
   セミナーの講演なども含め、人前で話す機会が多いこの頃であるが、聞いている人の顔の表情などをみていると、確かに心に響く言葉があると感じる。きっと、“言霊”が機能しているときなのだろうと思う。
 
   著者は続けていう・・・。親は命名するとき、子供に縁起のいい、ハッピーな名前をつけようと努力する。それなのに、悲劇が生じるのはなぜか?
 “言霊”は、その言葉(名前)にふさわしい努力を注がなければ、機能してくれないらしい。努力目標を授けてもらったと感謝し、それらしく生きる決意をする必要がある。いわゆる「名前負け、するな!」ということだろう。
 
   “言霊”(言葉の持つ霊力)を信じ、使う言葉に負けない努力をしたいと思う。
 

今週の考える言葉「グループ討議」

考える言葉

グループ討議

   「人類は有史以来、集団的創造歴史をつくってきた生き物である・・・」 確か、大前研一さんの書物で出逢った言葉だったと思う。
 
   今回のIG全体会議(10月29~30日)は、趣向を変えて、『変化の時代をリードする』というテーマに関して十項目ほどの質問を準備して、丸一日“グループ討議”をおこない、まとめてもらった。その質問の内容は、各人に事前に配布し、考えておくように指示をしていたのだが、一人で考えるには、かなり骨の折れる内容であったと思う。
 
   自分なりの解答をもって臨めたかどうか疑問だったが、“グループ討議”はけっこう盛り上がっていた。お互いの 討議終了後に、どんな状況だったかを、何人かの者に質問したら概ね次のような返事が戻ってきた。
 
   「実は、一人で考えていた時は、内容が難しくて頭の整理が出来ないままだったのに、他の人のいろんな考えを聞くうちに、頭の整理が出来てきて、自分なりの考えをまとめることができました。本当に不思議ですね・・・」 思惑通りの反応が返ってきて、一人でほくそ笑む。
 
   “グループ討議”をおこなう意義がここにある。一人で考えているとき、いろんなことが思う浮かぶが、堂々巡りをして、「これだ!」という結論にまで至らないことが多い。しかし、“グループ討議”だと不思議とお互いに刺激し合いながら、一つの結論へと導かれることが多い。
 
   “グループ討議”のときのマナーとしては、次のようなことが考えられる。
 
   ① 他のメンバーの発言は最後までちゃんと聞く
   ② 共感的に話を聞き、不明な点ついては率直に質問をする
   ③ 自分の意見は結論から簡潔に述べる
   ④ 討議の意図を正確に理解し、的外れな長話を慎む
   ⑤ リーダーは時間までに一定の結論が出るように進行する
 
   IGグループでは、“グループ討議”は5~6名で一グループを編成し、それぞれのグループごとに討議をおこない、グループとしてまとめた内容を各リーダーが発表し、全体討議をおこなうようにしている。
 
   各リーダーの発表を聞いていると、そのグループの討議が充実した内容であったかどうかは、概ね察しがつくものだ。
 
   IG(Intelligent Group)とは、「衆知を集め、世のため人のために貢献すること」をモットーとして概念化した言葉である。もっと“グループ討議”の質を高めていきたい。
 

今週の考える言葉「標準化」

考える言葉

標準化

   自分が今、抱えて込んでいる仕事のなかで、どうしても自分じゃないとダメな仕事って、どれくらいあるのだろうか?
 
   ある本の中に、「手離れが悪く、いつも仕事を抱え込んでバタバタしている人ほど、生産性が低い」と書いてあった・・・。一言でいうと、始末が悪く、賞味期限切れ的な仕事が多く、クレームになりやすいそうだ。
 
   仕事の経験が浅く、不慣れだから時間がかかってしまうのかというと、必ずしもそうではない。むしろ、本人に問うと「自分しかできない仕事だ」と思い込んでいて、部下や同僚に任せるとか、上司に相談することもしていないようだ。「自分でやればできる・・・」と考えており、若い人や部下に頼むと教えたりする手間などがかかり、面倒だと感じている節もある。
 
   つまり、仕事を慣れでこなしており、自分の知識や経験の「見える化」が出来ていないのである。だから、問題意識も持たないまま、日々の業務に取り組んでいる典型的なパターンであろう。一方、仕事の裁ける人間は、つねに自分の抱えている仕事の手離れを考えている人だ。つねに段取りを考えて仕事をおこない、仕事の”標準化”が実に上手い。
 
   さて、”標準化”について、少し考えてみたい。
 
   ここで言う、”標準化”とは「自分だけでなく誰がやっても同じ成果が出るように業務の段取りをおこなうこと」をいう。”標準化”をおこなう具体的な方法としては、手順やコツなどを明記したマニュアルを作成したり、チェックリストをつくったり、効率的な処理ができるようにツールを整えたりすることになる。
 
   次に、”標準化”することの効用について考えてみよう。
 
   まず、属人的に陥りがちなノウハウを共有化できるようになり、組織全体の業務効率が高まり、組織力が強化されるようになること。それから、個人においては仕事の手離れが容易になり、時間に余裕ができるようになること。(働き方改革にもつながる)さらに、”標準化”の仕組みが確立されると、組織も個人も時間的にもその他経営資源においても、余裕が生まれ、新しいことへのチャレンジする意欲が生まれてくるものと確信できる。
 
   つまり、仕事の”標準化”ができていない人は、心の余裕を持てずに、被害者意識に陥り、ネガティブになりやすい。即座に、改めたいと思う!
 

今週の考える言葉「ブランディング戦略」

考える言葉

ブランディング戦略

   先週末(15~16日)、IG後継者育成塾(第6期⑧)を終えたばかりである。
 
   今回のテーマは、「ブランディング戦略」である。講師は、地域・中小企業の”ブランディング戦略”の仕掛け人として有名な安藤竜二氏(サムライ日本プロジェクト主宰、DDR代表取締役)。
 
   8年ほど前、某新春セミナーで彼の講演を聴いて以来のお付き合いである。”ブランディング戦略”について、「ブランドとは、消費者との約束の証である」「値段で売ったら、自分がデフレの元凶になる」等、彼の想いを伝える言葉に惹かれ、長崎での講演を依頼したのがきっかけである。「IG後継者育成塾」にも、第3期から講師をお願いしており、今回は4度目の登壇となった。
 
   21世紀はパラダイムシフトの時代である。それに伴い、中小企業の多くが様々な経営課題を抱えている。人材難、激変によるリスクの増大、グローバル化など・・・。企業間の格差が生じ、二極分化していく時代でもある。そのような状況下において、差別化戦略としても自社のブランド力を高めることは重要な課題だといえよう。
 
   さて、ブランド(brand)とは何だろう・・・?
 
   「独自性?伝統?信頼?究極の宗教?」様々なイメージが浮かんでくる。
 
   また、どうすればブランド力を高めることができるのであろうか?
 
   孫子の兵法書のなかに、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉がある。
 
   これは、究極のブランド力を高める手法を示唆してくれていると考える。「彼(顧客)の弱み(困り事)を十分に理解し、自らの強みを活かして支えることができたら、絶対的な信頼(100%の受注)を得ることができる」と解釈すると、面白い。自らの強みを認識し、磨き続ける。そして、その強みで顧客に寄り添い続けることができたら信頼が高まる・・・。要は、この考え方をやり続けることができたら、それが究極のブランドとなるだと確信する。
 
   それから、”ブランディング戦略において重要なことは、ブランド力の強化が利益創出にどんな影響を与えているのか、をチェックすることであろう。
 
   「利益=売上高×利益率-固定費」
 
   ① 売上高(単価×数量)の増加にどう結びついているか?
 
   ② 利益率向上(原価の削減)のどう結びついているか?
 
   ③ 固定費の削減にどう結びついているか?
 
   ブランド力の強化が、利益創出につながり、その利益を顧客満足のために再投資をする。さらに信頼が高まる・・・。まさに、ブランディング戦略の良循環である。
 

今週の考える言葉「SDGs」

考える言葉

SDGs

   数年前から、気になっていた動向の一つに“SDGs”がある。そこで、3連休の間にそれに関する本を読んでみた。
 
   “SDGs”(エスディージーズ)とは、「Sustainable Development Goals」という英語の頭文字を取った略称のことで、「持続可能な開発目標」と訳されている。
 
   “SDGs”は、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた目標である。「2030アジェンダ」という文書のなかで、「17のゴールと169のターゲット」が掲げられている。(外務省のホームページ参照)
 
   “SDGs”の主たる目的は何か・・・?
 
   「人間、地球及び繁栄のために、みんなで共有すべき持続可能な成長戦略を描き、その達成のための行動目標を明確にして、チャレンジしよう」ということであろう。
 
   行動目標としては「17のゴール」を掲げてあるが、大きく三つの世界的な課題(困り事、ニーズ)に分けて、とらえることができよう。
 
 ① 開発途上国としての課題
 (貧困や飢餓、健康や教育や安全な水など・・・)
 
 ② 先進国としての課題
 (エネルギー、働きがいや経済成長、住環境としてのまちづくりなど・・・)
 
 ③ 将来の地球環境としての課題
 (気候変動、海や陸の豊かさ、平和と公正など)
 
   以上の問題は、日頃から新聞やニュース等でも見聞きしていることであるが、聞き流してしまっているのが実情だ。
 
   日本政府は、「SDGs推進本部」(首相官邸)を設置し、➀ People(人間)、➁ Prosperity(繁栄)、➂ Planet(地球)、④ Peace(平和)、⑤ Partnership(パートナーシップ)という視点から、8つの優先課題に絞り込んで、取り組んでいるという。
 
   さて、私たち個人や企業は、“SDGs”の問題に対してどのような関わり方をしていけばよいのだろうか?
 
   私たちを支えてくれている環境の問題なので、無関心ではおれないと思う。先ずは関心を持つことからはじめたい。そして、ワクワクするようなテーマを見つけてそこからはじめてみるのが現実的で、持続的な行動に結びつくと思う。
 
   小生には、夢がある。それは農業城下町構想を実現すること・・・。都会への一点集中主義がはじまり、地方の過疎化、若者の農業離れ、食糧自給率低下等々。
 
   田舎に行くと、自然がたくさんある。自給自足の生活も可能だ・・・。いっそのこと、農業を中心に町づくりをしよう!まさに、ワクワクするテーマで、サステナビリティだ!
 

今週の考える言葉「100%」

考える言葉

100%

   過去に何度か、読み直している本のなかの一冊であるが、『100% すべての夢を叶えてくれる・・・たったひとつの原則』(ジェームス・スキナー著)というのがある。
 
   何気にパラパラとめくっていると、次の一節に目が止まり、ハッとさせられる。
 
   「ほとんどの人は自分自身をセーブしている。人生はこんなに短いものなのに・・・・・人生は準備ではない、本番だ!でもセーブしている。意味がわからないと言いたい」
 
   何故、ハッとさせられたかというと、「自分の人生の目的、何をなすべきか」をずっと考えてきたし、それなりの解を得て生きているつもりだが・・・・・。
 
   しかし、「今の状態で、“100%”と言えるのか?」と改めて問われると、いろいろな言い訳をしながら、“100%”でない一日、セーブしている一日があるような気がしてきたからだ。
 
   「人生は一日一日が真剣勝負、本番だ!」と言いつつも、「明日の本番に備えて、今日はゆっくりしよう」など、はやりセーブしている自分に気づかされる。
 
   この本の巻頭に紹介してある、次の言葉も印象深くて、セミナーなどでもよく引用させてもらっている。
 
   「普通の人は、自分の仕事に対して持っているエネルギーや能力の25%程度しか注いでいない。 自分の能力の50%以上投入する人に対して、世界は脱帽する。そして、100%を注ぎ込むそのまれにない人物に対して、世界は逆立ちして拝めるのである」(アンドリュー・カーネギー)
 
   「自分なりに精一杯やった!」と思えるとき、「待てよ?」と、この言葉を思い出して、自らに問いかけると、慢心に陥らなくて済む・・・。自分では、“100%”のエネルギーを出し切ったと思っていたが、「世界は逆立ちして拝んでいないではないか!それどころか、世界は脱帽すらしていない。やはり、並みの仕事しかしていないのか・・・・・」と、自制心が働き、もっと努力をしようと・・・。
 
   また、著者は「100%の哲学は、完璧主義とは違う」という。
 
   完璧主義は、失敗を恐れて、結局のところ、何もしない失敗恐怖症の別名だと・・・。それに対して、“100%”の哲学は、改善は永遠であり、より良い明日を目指して、チャレンジする意識である。
 
   人生は、選択。何よりも成功の原因となるのは、“100%”の行動である。
 

今週の考える言葉「実験」

考える言葉

実験

   機中で瞑想していると、ふと浮かんできた言葉がある・・・。「経営とは、“実験”の連続である!」
 
   いろんなことを「試してみて」、上手くいったらやり続けて、さらに改善や改良を重ね、勝ちパターンの必然性を高めていく。失敗したらしたで、原因を突き止めて、やり方を変えて、再びチャレンジし続ける。
 
   表現の違いはあったとしても、「経営とは、“実験”の連続である」ということは、多くの経営者にとって共通の認識ではないだろうか。
 
   類語大辞典で、“実験”を引いてみると、次のように書いてあった。
 
   「未知のことについて知るため、現実に似せた場面を設定し、条件を変えていろいろ試してみること」とある。
 
   経営とは、「真理(経)と一体となった営み」をいう。つまり、世の中の求めているものを想定し、新たな価値を創造することへのチャレンジをし続けることによって、世に中の進化向上へ貢献する活動である。
 
   そして、その経営の“実験”には、「仮説(Plan)~実践(Do)~検証(See)」の経営サイクルが最も有効的な手段だと考える。
 
   理想(あるべき姿)を掲げて、計画を練る。そして、その計画を実行に移し、結果の検証をしっかりと行う。その結果から得た事実をフィードバックして、さらに仮説を立てて、“実験”をし続ける。その結果、仮説が真説に変わり、再現性の高い経営の仕組みが出来上がってくる。
 
   さて、IG会計グループは今年も、明日から三日間(10月28~30日)、自然に囲まれた宿泊施設に全員で泊まり込んで、恒例の「次年度行動計画書」作成合宿を行う。
 
   次年度の基本方針は、次の通り・・・。『再現性こそが真の実力!~未来会計で勝利の方程式を確立しよう』
 
   冒頭にある「経営とは“実験”の連続である」という言葉が浮かんだのは、基本方針の中にある「再現性」という言葉を考えていたからであろう。
 
   再現性を高めるためには、“実験”を繰り返す、すなわち「仮説~実践~検証」の経営サイクルを回し続けることである。それしか方法はないと・・・・。
 
   未来会計の実践的な効用は、経営者の意思決定の必然性が高まるところにあると考えている。つまり、「再現性」である。
 
   「再現性」は、まさに未来会計の求める本質であると思う。そのベースに、「経営とは実験の連続である」という真理を大切にしたいと考える。
 

今週の考える言葉「自尊心」

考える言葉

自尊心

   先週の”考える言葉”シリーズ“謙虚”に関して、いろいろな感想を頂戴したので、それに関連して“自尊心”について考えてみたい。
 
   通常、私たちは“自尊心”というと、「自尊心が高い」とか「自尊心が低い」とかの言い方をすることが多い。そして、“自尊心”が低いというと、自分に自信がなくて、あまり自分の価値を認められないといった消極的なイメージがある。一方、“自尊心”が高いというと、自分に自信があって、行き過ぎると自己顕示欲につながり、ナルシスト的なイメージ・・・。それが、大抵の人たちの感じ方であろう。
 
   今回、“自尊心”について考え直す機会を得たのは、ある本に次のようなことが書いてあったからだ。「謙虚な人たちには、ある一つの際立った特徴がある。それはみな“高い自尊心”を持っていることである・・・」と。
 
   ハッとさせられ、辞書で“自尊心”という言葉を引いてみると、「自分の人格を大切に思う気持ち」とある。つまり、自分の人格、「人間性」を大切にする気持ちだということである。
 
   なるほど、それだったら分かる。謙虚な人は、高い“自尊心”を持っている。つまり、自分がどんな存在であるかを知っており、そのことに満足をしているのだ。それゆえに、他人を敬う気持ち、謙虚さも自然と生まれてくるのだという。
 
   小生も以前はそうであったが、日本人はどちらかというと、“自尊心”が高いというと「あの人は、プライドが高そうで・・・」といって、傲慢として受け止めて、敬遠しがちなところがある。そして、謙虚な人というと「あの人は、人格者だ」といって尊敬する。
 
   つまり、“自尊心”と謙虚は対極にあるような受け止め方をしていることが多い。
 
   しかし、英語では、Self‐esteem(自尊心)とPride(プライド、傲慢)は、全く違うものであると認識している。そして、Self‐esteem(自尊心)は自信に由来するものであり、Pride(傲慢)は劣等感に由来するものとしている。
 
   自尊心(Self‐esteem)は自信に由来するものであるがゆえに、他人と比較することなく自分自身を素直に受入れることができる。だからこそ、他人にも謙虚に振る舞うことができるのである。
 
   そういえば、昔から「唯我独尊」(釈迦)、「汝自身を敬え」(ピタゴラス)、「独立自尊」(福沢諭吉)などと、自分自身を尊い存在として認識して、生きることの大切さが語り継がれてきたような気がする。
 
   誰にでも謙虚で、優しく振る舞うためにも、“自尊心”を高めていきたいと思う。
 

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