古田会計事務所

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考える言葉「平常心」

考える言葉

平常心

   東京~福岡と出張続きの一週間であった。東京や福岡での常宿に泊まったが、ほぼ満室状態で海外からの観光客もいっぱいであった。特に、韓国からの団体客が目立っていた。
 
   少しずつ、平常時に戻りつつあるようだ。しかし、どこでもマスク着用者は多く、機内で咳払いすると、じろっと睨まれたりもする。どこまで我々の“平常心”は戻ってきたのだろうか・・・。
 
   “平常心”といえば、幼いころ、近所で起きた火事の出来事を思い出す。
 
   小学生4~5年の頃だったと思うが、近所の幼友達の家が火事になったときのことだ。「カズオ、あんたもボッとしてないで手伝いなさい!」といわれ、一目散に火事場の庭に走っていった。そして、庭先にあった物干し竿をもって走り出した。「何やってんの!もっと大切なものがあるでしょ!」と、叱られた…。
 
   火事のような異常事態になれば、誰でも慌てる。気が動転してしまう…。妙にあのときのことを思い出しては、そんなとき自分だったら何を持ち出していたのか反芻することがある。
 
   今となれば、何を持ち出すべきかではなく、大切なことはどんな状況においても“平常心”を保てる自分であるかどうかである。
  
 2019年12月に、中国の武漢で変な病気が流行しているというニュースを耳にしてから4年目に入る。中国も大変だなと思っていたら、あっという間に世界中に広まり、日本でも翌1月に感染者が見つかり、ダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が見つかり、大騒ぎになったことを思い出す。
 
   観光地長崎では、観光関連の事業や飲食店を筆頭に売上が激減したが、助成金や補助金で何とか資金がまわっていたため、「異常時だから、ジタバタしてもしょうがない…」と観念していた人が多かった。
 
   しかし、今年に入って将来のことが気になり始めた経営者が増えてきたのだろう。弊社が毎月2回開催している『将軍の日』(中期5か年計画策定セミナー)への参加者が増えてきている。
 
   “平常心”あるいは“正常心”に戻り始めた経営者が増えてきたのだと思う。平常に戻れば、“平常の心”が求められるのは当然のことである。
 
   やはり、「自らの未来は自らの手で描くしかない」のである。誰にも依存し、頼ることができないのがマネジメントの宿命である。
 
   “平常心”をつねに忘れず、勇気をもって未来を見据えていきたいと考える。