古田会計事務所

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今週の考える言葉「値上げ」

考える言葉

値上げ

   20年以上続いているデフレ不況下で予期せぬコロナ騒動・・・。コロナ後の経済環境はどうなるのであろうか、と懸念している経営者が多いと思う。
 
   一番の懸念材料は、景気の停滞・低迷状態の加速化で、さらにマーケットの二極化が進むのではないだろうか、ということである。つまり、上流層(高所得者や資産保有者層)と、下流層(低所得者層)にである。これは、国内の消費の大部分を占めていた中間層の下層化も意味することでもある。
 
   この社会構造の変化は、経営者にとって如何ともし難いことだ。問題は、この構造変化に対してどう対処するかである。
 
   一番やってはならないことは、社会のデフレ化現象に惑わされて、安易に低価格戦略(値下げ)に舵取りをすることだ。値下げというのは、利益を犠牲して売上をつくる行為である。目先に追われ、未来を損なう行為ともいえよう。
 
   では、どうしたらいいのだろうか? まずは、腹を決める!
 
   「正しい企業努力を行うためにも、“値上げ”をしよう」と・・・。値段を上げることこそ正しい企業努力だと考える。つまり、“値上げ”によって会社全体が儲かる体質に変わるのである。
①“値上げ”によって、高収益体質の変わり、社内に余裕が生まれる。
②客層が良くなる。(値段より信頼や安心での顧客)
③余裕が生まれ、さらに付加価値な情報を加えることができる。
④経営者に時間的余裕が生まれ、未来を創るための時間ができる。
 
   さらに知っておきたいことは、消費には次の「4つのタイプ」(動機づけ、判断基準)があるということを認識しておこう。
①「安いから買う」消費
②「高いから安心、信頼が置ける」消費
③「モノではなく、コトを買う」消費
④「自分らしさを買う」消費
 
   これらの「4つのタイプ」からも分かるように、今や消費者行動は「値段の安さ」だけで消費を決めていないということである。
値下げをするということは、自社の取り扱う商品・サービスに自信持っていない証拠だと思われても仕方がないと思う。
デフレ不況下の今こそ、“値上げ”に挑戦しよう。正しい企業努力をし、企業価値を高めるためにも、“値上げ”することを考えよう。