古田会計事務所

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今週の考える言葉「働きがい」

考える言葉

働きがい

   人間の成長にとって、“働きがい”はいつも課題の中心となる。
 
   「人間は、仕事を通して成長する」という言葉があるが、もっと厳密にいうと、「人間は、“働きがい”のある仕事に出逢ったときに飛躍的に成長する」と考えた方がいい。
 
   だから、仕事を選ぶとき、「“働きがい”のある仕事なのか、どうか?」は大切な判断基準とすべきだと思う。
では、“働きがい”を見出し、高めるためにはどうしたらいいのだろうか?これに関しては、ドラッカーの次の言葉が響く。
 
   「“働きがい”を与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、➁フィードバック情報、③継続学習が不可欠である」
 
   仕事に対する責任こそが、“働きがい”の源泉だという。つまり、自らの責任を果たすことが“働きがい”を生み、動機づけの要因になるのだという。
 
   「“働きがい”の源泉は他に求めるものではなく、自覚だ」という・・・。このドラッカーの考え方は、主体性を確立したいという成長欲求を持っている者にとって肝に銘じておくべきことだと思う。
 
   さて、仕事を遂行するレベルには次の4段階(成長のプロセス)があると思う。
 
   (1) 指示に従って正確かつ迅速に処理できるか
            (素直さ、感謝、基礎力)
   (2) 自らの段取りで仕事ができるか
            (責任観、職域拡大、目標管理)
   (3) 仕事に対しての問題発見能力があるか
            (問題意識、指導力、自己革新)
   (4) 仕事に対しての問題解決能力があるか
            (使命観、マネジメント力、リーダーシップ)
 
   仕事の各段階において、どのような責任を期待されるのか?その責任を全うするために何をなすべきかをしっかりと考え、目標設定する。その目標へのチャレンジこそが、“働きがい”の向上へとつながるのである。(「責任」~「働きがい」~「成長」)
 
   以上、“働きがい”とは本人の自覚以外の何ものでもないことが明確になったと思う。
 
   また、次の3 点を心掛けて仕事をすることによって、“働きがい”は確実に高まると確信する。
 
   ① 甘い現状認識を捨てる
   ② 手段ではなく、目的から考える
   ③ 主体的なキャリア形成プランを立てる
 
   マネジメントにおける人材育成の基本は、育てるのではなく、育つ環境を整えることにある。“働きがい”が育まれる環境をつくりたいと思う。
 

今週の考える言葉「スモールサン」

考える言葉

スモールサン

   IG会計グループ主催の『IG新春セミナー』が、開催された(2月15日、ホテルニュー長崎にて)。おかげさまで200名を超える参加者があり、セミナー会場は勿論、懇親会も大盛況であった。
  
   第一部は、小生が昨年出版した書籍の内容をベースに『“未来からの逆算”が会社を変える!~勝敗の行方は戦う前に決している』というテーマで、「目標を定め、行動することの重要性」について、話をさせて頂いた。
 
   第二部は、みなさんご存知の山口義行氏(立教大経済学部教授、スモールサン主宰)をゲストとしてお招きし、『中小企業における知的戦略経営』というテーマで、素晴らしい講演を頂いた。
 
   同教授は、時代環境の激変の中でいろいろな経営課題を抱えている中小企業を支援する目的で、“スモールサン”という「知的サポートネットワーク」を主宰されておられ、知行合一を実践されている。“スモールサン”とは、中小企業(small business)のSmallとサポートネットワーク(support network)のSUNをとっての略称。中小企業一つひとつが「小さな太陽」になってほしいという意味をこめての命名だという。
 
   山口先生の講演内容で、印象に残った点を少し紹介したい。
 
   日本における人口減少の問題は社会システム上も大きな課題となっているが、中小企業経営者にとっても、それが要因で3つの大きな壁(①市場の壁、②地域の壁、③人手の壁)となって立ちはだかっているという。
 
   そして、これらの壁(課題)と向き合い、乗り越えるためには何が必要とされるのか?そのために今、次の3つの力が経営者に求められているという。
 
   ① 読む力(時代の潮流を見極める)
   ② 問う力(自らの存在の意義と価値を常に問う)
   ③ つなぐ力(連携、衆知を集めることによって、個の限界を
                        全体の限界にしない)
 
   この3つの力に関しては、自己革新にとって必要不可欠な力であり、全く同感である。つねに心がけて磨きをかけ、高めていきたいと思う。
 
   また、スマホやコンビニを例にとり、「発展とは、一部にすることである」(ヘーゲルの弁証法)という言葉を紹介して頂いたが、これも得心!低次元においては対立あるいは別物であるものが、次元を高める(発展)ことによって統合されるという・・・。さらに、隣接異業種への挑戦も、イノベーション思考として面白いと感じた。
 
   新しい成長戦略が描けず、赤字に苦しんでいる多くの中小企業経営者にとって、たいへん示唆に富んだ講演だったと思う。
 

今週の考える言葉「生産性」

考える言葉

生産性
   最近、“生産性”という言葉をよく耳にする。
 
   昨年9月にスタートした『働き方改革実現会議』(第3次安倍内閣で設置)でも、テーマとして「賃金引上げと労働“生産性”の向上」が取り上げられており、「日本の低い労働“生産性”」が話題となっている。
 
   また、先月に帝国ホテルで開催された『全国経営者大会』でも、多くの有識者が日本の“生産性”の問題を取り上げていたが、概して論調はやはり労働“生産性”の低さを指摘する内容であった。書店でも、売れ筋コーナーに“生産性”に関する書籍が並べてあり、目につく・・・。
 
   言うまでもなく、話題の背景にあるのは、日本において急速に進んでいる構造的な社会問題である少子高齢化である。恐らく、未来に行けば行くほど、地方や中小企業において人手不足がより深刻化するのは想像に難くない。
 
   少子化を解消するためには、育児中の女性が働きやすい環境を整える必要があるし、働き盛りの社員が介護離職を余儀なくされるという事態もよく耳にする身近な問題である。
 
   さて、“生産性”とは「アウトプット(得られた成果)」÷「インプット(投入した資源)」の比率として計算される。「働き方」という視点からいうと、「インプット」を「時間」と考えてもよいだろう。“生産性”の向上とは、短い時間でより大きな成果をあげるための創意工夫だと考えていいだろう。
 
   企業における“生産性”向上の重要性をいち早く唱えたのは、P・F・ドラッカーであろう。氏は、環境の変化に伴い、生産性の課題が機械や道具といった手法の問題(=効率化)だけでなく、働く人間の姿勢の問題(=効果性)へと発展していることを指摘し、生産性向上の視点として、次のような考え方を示唆している。
 
   ① 成果の定義(仕事の目的を問う)
   ② 分析(必要な作業、資源、ツールの洗い出し)
   ③ 体系化(相互関係性や段取りの構築)
 
   この考え方をベースにして「仮説~実践~検証」の経営サイクルを廻し、目標管理を徹底することによって、継続学習の場をつくり“生産性”向上の勝ちパターンをつくり上げていけば、“生産性”を意識した職場環境が生まれるであろう。
 
   生産的な職場環境が生まれると、人間関係が良好となり、様々なライフスタイルにあった仕事のスタイルが受け入れ易くなり、当然ながら多様な人材が集う場が構築されるのでないかと考える。
 

今週の考える言葉「自問自答」

考える言葉

自問自答

   “自問自答”とは、「自分で問いかけ、自分で答えること」である。これは深い思考力あるいは考え抜く力を養うために、極めて有効な手段である。
 
   先週末(2月3~4日)、『NBM(第16期③)』を終えたばかりである。『NBM』とは、NN構想の会主催の『新ビジネスモデル(NewBusinessModel)研究会』の略称。2003年に、会の活動の一環としてスタートしたが、お陰様で好評のうちにロングランを続けている。
 
   『NBM』の特徴は、ぜんぶで6単元のシリーズ物(2か月にいっぺん、一泊二日の合宿形式)であるが、それぞれのテーマごとの教材はすべて質問形式になっており、2時間程度の導入講義はあるが、グループ討議を中心に運営されているところにある。
 
   さらに、質問の内容は、「ハウツー(どうすれば)」ではなく、基本的に「なぜ(=Why)?」を中心に考えてもらうように心掛けて準備してある。つまり、物事の本質を捉えて考える訓練をする場でありたいと思っている。
 
   参加者の心得として一番大事なことは、用意されている質問のすべてを自分の問題として捉え、先ずは“自問自答”してみることである。人間って不思議なもので、質問を投げかけられると、それに対して自然と考えるようになっている。
 
   本田圭佑サッカー選手の名言の一つに、「くどいほどの“自問自答”をするしかない!」というのがあるそうだ。「大丈夫か?」「準備はできているのか?」など、くどいほど何度も自分に言い聞かせるのだそうだ。その理由は、自らの気の弛みを未然に防ぐためだという・・・。やはり、超一流の人間はどこか違う。
 
   また、グループ学習の良いところは、意見交換を通して衆知を集めることができるところに妙味がある。お互いの思考性の違いに気づくことによって、切磋琢磨できれば最高である。
 
   経営においても、“自問自答”するときは二つの視点が大事だと思う。つまり、目的と手段である。先ずは、「Why?」や「What?」を自問することによって目的を明確にし、その上で「How?」を問い、具体的な手段を選択する。
 
   パラダイムシフトの時代は、時代を支配している価値観(物の考え方)が崩壊し、全体力(国家あるいは業界などの秩序)が低下するところに特徴がある。つまり、個々の独創性が問われる時代であるといえよう。自らの地頭をしっかりと鍛えるしかない。
 
   IGグループでは、仕事に関わるとき、「何のために(目的)」を必ず問うように心掛け、習慣化しようとしている。そこらから創意工夫のアイデアが生まれるからである。
 
   “自問自答”を習慣化し、考え抜く力を養いたいと思う。
 

取材ページ

その他お知らせ

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Ja-Big ジャーナル (掲載日:2016年7月)

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株式会社 日本BIGネットワーク様製作の「Ja-Big ジャーナル」に掲載されました。
 
 

月刊実務経営ニュース (掲載日:2016年8月)

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株式会社 ミロク情報サービス様の「月間実務経営ニュース」に掲載されました。
 
 

企業訪問日記 (掲載日:2016年9月)

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わく和~くナビ様の「企業訪問日記」に紹介されました。
 
 

わかやま新報 8月30日発行 (掲載日:2018年8月)


 
わかやま新報様 1月30日(水)発行の記事に掲載されました。

わかやま新報 1月30日発行 (掲載日:2019年1月)


 
わかやま新報様 1月30日(水)発行の記事に掲載されました。
 
 

今週の考える言葉「廟算」

考える言葉

廟算

   孫子の兵法書の一節に、次のような文章がある。
 
   「未だ戦わずして“廟算”して勝つ者は、算を得ること多ければなり」・・・。孫子の有名な「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」(計篇第一)という文章の前に、述べている内容である。
 
   孫子の一文は、いずれも深く考えさせられるものばかりである。その中でも、この行は、小生がもっとも肝に銘じているところであり、まさに経営の本質をついている内容である。
 
   組織のトップは、あらゆる意思決定の最終決断者であり、その責任を負う。私たちは、トップの判断ミスが組織を破滅させた例を新聞等に限らず、多く知っている。トップの深い思考力、考え抜く力の重要性を説いているのである。
 
   ここに、“廟算(びょうさん)”とある。“廟算”とは、祖先の霊廟での算である。古代中国では開戦の前に、戦勝祈願をかねて祖先の霊廟で作戦会議を開き、勝利するための計画を練っていたという。
 
   なぜ、廟での算なのか?これに対して、伊丹敬之教授は次のような解釈をしているが、示唆に富んでいる。「それは、“歴史に恥じない算”をせよ・・・。先祖に対しても、そして後世に対しても、恥じない算を徹底的に突き詰めること・・・」
 
   先ずは、歴史の流れ(時流)をしっかりと掴むことの大切さであろう。さらに、時代を支配している価値観(ものの考え方)とは何か、それがどう変化しようとしているのか、を見極めることの大切さであろう。「歴史に恥じない算」、“廟算”・・・、すばらしい言葉だと思う。
 
   先週(1月25~27日)、『全国経営者大会』(第125回)が帝国ホテルで開催された。各界を代表する著名な講師陣が、「新たな時代を切り拓くために何をなすべきか?」について、様々な切り口で講演するのを聴いていた・・・。
 
   共通して言えるのは、「過去の延長線上に未来は描けない」というパラダイムシフトを意識しての課題への取り組みが多かったと思う・・・。新たな成長戦略をどう描くのか?その解は、「小手先のテクニックは通用しない。自分の頭で、とことん考え抜いた人が勝つ!」
 
   一言でいうと、“廟算”である。未来への選択は、徹底して自ら考え抜くしかない。歴史の流れ、時代を支配する価値観の勢力図を見極めて、大胆かつ繊細に、柔軟に発展の構想を描き続けること。
 
   「歴史に恥じない算」、“廟算”しよう!ぜひ、『将軍の日』へ!
 

今週の考える言葉「数字」

考える言葉

数字

   今年は“数字”をしっかり意識して、仕事をしたいと考えている。
 
   そのために、新年早々であるが、以前から導入している経営分析ソフト「SPLEDID21」の有効活用を促進させるため、開発者である山本純子先生を招き、一日研修を行った。さすがに、この道一筋でやってこられただけあって、“数字”を捉えるセンスが光る・・・。
 
   このソフトは、「営業効率」「資本効率」「生産効率」「資産効率」「流動性」と「安全性」の分析指標を用いて、それらを「企業力総合評価」として一つにまとめ上げ、「経営の見える化」を実現している優れものだ・・・。
 
   弊社が提供したクライアントの分析事例を見ながら、「この会社の社長さんは凄く真面目な方ですね・・・」と一言コメント。「“数字”のどこを見れば、真面目だと分かるのですか?」という質問が飛ぶ。「だって、自己資本比率がこんなに高い会社って、ちゃんと税金を納めようという意識がある会社ですし、無駄遣いをしないですよね・・・」
 
   ある“数字”を捉えて、その会社の経営者の人柄や人間性にまで言及する視点は流石である。
 
   “数字”は、結果を客観的に表現する最良の手段である。その結果をどのように検証し、その後の経営に活かすかが問われるのであるが、“数字”の意味を読み取れない経営者が意外と多いのである。
 
   ここで一つ気を付けておきたいのは、“数字”を深く観る人がみれば、 単に“数字”による客観的な分析結果(「収益性」「安全性」「成長性」「活動性」などの良否)だけでなく、その“数字”ができるプロセスに関わった人たちの人間性(価値観)まで見抜かれてしまうという事実である。
 
   「決算書は、企業の顔である」と、よくいわれる。
 
   全体として“数字”のバランスがいい会社は、やはり独自の経営観がしっかりしており、社会への貢献性をつねに意識した経営を心掛けている。
 
   利益率が高い会社は、顧客との信頼関係が強く、「あなたの会社でないと困る」といわれるように、付加価値の高い事業領域をつねに目指している。また、生産効率がよく、生産性の高い会社は、社内の人間関係が良く、人材の育成も熱心である。
 
   決算書の“数字”を観るとき、その“数字”のテクニカルな分析結果だけに捉われ、判断するのではなく、そこに至る背景に経営者のどのような価値観が存在し、そうなったのかという経営の本質に迫る視点が大事だと考える。
 

今週の考える言葉「一歩、また一歩

考える言葉

一歩、また一歩

 また、“素晴らしい本”に出逢えた・・・。
 
   『一歩、また一歩』、東北のI 会計事務所50周年を記念して、創業者(大正9年生まれ)の歩んできた人生を綴った私本である。この本を通して、“素晴らしい人”に出逢えたという表現のほうが適切であろう。
 
   どんな逆境にあろうと、「人間には意志と行動の自由がある!」ということ、そしてその自由をどう使うか・・・。その一歩の選択は、その人自身の裁量であると、改めて感じさせられる内容であり、感動した。
 
   人生や仕事に限らず、何事もそうであるが、自らの意志で目標を定めたら、その目標に対して、先ず一歩を踏み出すことである。そして、その一歩、一歩の積み重ねが人生を創っていることは、誰もが自分自身の経験から分かると思う。
 
   人間は十人十色というが、それぞれが自分の価値観をもって生きている。読ませて頂いた本の一節に次のように書いてある。
 
   「先生のまじめさと熱意、ひとたび世話になった恩を決して忘れない義理堅さと恩返しの精神、自分の都合より他人の立場を尊重する考え方、おそらくお母さんゆずりの運命や不条理を耐える力、生来の性分とその後の人生で身につけ磨き抜いた人間力が、先生の生き方の基軸を形づくったものである・・・」
 
    “一歩、また一歩”と、目標を設定して前進する。その一歩が様々な経験を生み、その経験を検証し、活かしながら、次の一歩を選択し続ける。人間はそうやって、成長し、人格形成をしていくのであろう。
 
   やはり、基軸のぶれない生き方は、何か大きな成果を成し遂げようとするとき極めて重要であると、この本を読んでいてそう感じる。小生のように、専門的な知識や能力を手段としている専門家の人たちにとっては、とくに人格形成は大切である。
 
   卓越した才能はつねに称賛の的にはなるが、尊敬されるとは限らない。むしろ、別の問題であるといえよう。多くの人々に尊敬の念を抱かせるのは、その人の生き様であり、すぐれた人格であろう。
 
   小生が帰属している会計業界に限らず、どの業界においてもそうだと思うが、“一歩、また一歩”と優れた諸先輩方が積み上げてきた歴史があって、今の社会的な信用の基盤がある。そして、その恩恵に預かって、仕事に従事できていることに改めて気づかされた・・・。まさに、良書である。
 
   その恩に報いようとするならば、歴史をつくってきた諸先輩方の生き方から学び、“一歩、また一歩”と未来につなげるように、行動するしかないと思う。
 

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