古田会計事務所

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今週の考える言葉「選択」

考える言葉

選択

   コロナで延び延びになっていた『IG後継者育成塾(第6期⑩)』を、ズーム開催ではあるが、9月25~26日の二日間で行うことができた。さすが若手経営者、ズーム対応も慣れたものである。
   今回のテーマは、「なぜ経営計画を立てるのか」であったが、コロナ対策が必要なこの時期において、実にタイミングのいい内容だったと思う。
 
   経営計画とは、企業における「未来設計図」といわれている。つまり、「自社の未来をどう形づくるか」という、未来に対する自らの“選択”だといえよう。
 
   最近はだいぶ少なくなったが、「経営計画をつくったら、うちの会社は変わるのか?良くなるのか?」という、その効果・効用を聞かれることが多かった。勿論、小生の答えは「イエス!」である。
 
   なぜなら、経営の目的と目標を明確に描き、自らの意思で会社の未来を“選択”したのだから、前向きなエネルギーが力強い行動を生み、思い通りの成果につながるのは当然の帰結だといえる。
   経営者によって、抱えている問題や課題は様々であるが、経営計画をつくることによって得られる利点・効果に対して、次のような感想を頂くことが多い。
 
 ①自社の進路・方向性が明確になった(信念)
 ②ムダな行動がなくなり、効率的になった(生産性)
 ③自社の強み・弱みが明確になった(ドメインの選択)
 ④自社の外部環境を把握できるようになった(変化への対応力)
 ⑤社員のモチベーションが上がった(一体感)
 ⑥金融機関をはじめ外部からの評価が向上した(信用力)
 
   抱えていた、様々な悩みや不安が解消されて、前向きな気持ちで経営が出来るようになることに違いはないようだ。
 
   「人生は“選択”の連続である」とよく言われる。“選択”とは、何かを選ぶと同時にそれ以外のものを捨てるという行為でもある。ゆえに、常にリスクが伴う。しかし、勇気を奮って“選択”することによって、頭の中のモヤモヤが解消され、スッキリする。
 
   日本経済は、バブル崩壊後、「失われた10年」「失われた20年」などと言われながらも、明確な未来を描けないで、もう30年近くが過ぎようとしている。今回のコロナ・パンデミックは、そんな我々の背中を押してくれているのかも知れない。
 
   100年に一度あるかないかの出来事・・・。千載一遇のチャンスと捉え、自らの意思で会社の未来を“選択”しようと思う。(ぜひ、「将軍の日」へ!)
 

今週の考える言葉「ファイナンス思考」

考える言葉

ファイナンス思考

   「今のご時世、PLよりもBSを重視した思考が大切だ」と、ずっと前から折に触れて語ってきたことである。
 
   なぜなら、PL(損益計算書)重視だと、過去の結果にとらわれて、目先の売上や利益を稼ぎ出すことを目的として、短絡的な思考に陥ってしまう・・・。
 
   その点、BS(貸借対照表)重視だと、現時点における会社の財政状態(保有する経営資源)が把握でき、どこをどのように改善・改革すれば、安全性がより高まり、企業価値を高めていけるかと、未来志向的な発想が生まれてくるからだ。
 
   友人からの送呈だが、『ファイナンス思考』(朝倉祐介 著)は、上記のことを、実に論理的に体系化された良書である。少し、紹介をしたい。
 
   ◉ まず、“ファイナンス思考”とは何か?
「会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方」と定義している。
つまり、その目的は企業価値を高めることであり、そのためには長期的な視点に立った逆算的、戦略的な思考であるべきだとしている。
 
   ◉ 要するに、“ファイナンス思考”の特徴は、次の三点にある。
①価値志向(将来にわたって生み出すキャッシュフローの総量)
②長期思考(長期、未来志向、自発的)
③戦略志向(経営のアプローチが戦略的、逆算型)
 
   ◉ そして、“ファイナンス思考”は、企業価値を最大化するために、次の4つの活動を行う。(ファイナンスの4つの側面)
①外部からの資金調達
②資金の創出
③資産の最適配分
④ステークホルダー・コミュニケーション
 
   このように考えると、経営のプロセスはまさにお金の流れ(調達~運用~配分)であることが良くわかる。
 
   “ファイナンス思考”は、『稲盛和夫の実学(会計と経営)』(稲盛和夫 著)の中に、「会計がわからんで経営ができるのか」という名言があるが、その言葉を思い出させる内容であった。
   会計は決して後追いの仕事ではない。経営者とともに、未来を創造していくための羅針盤、“未来会計の普及”を使命としたいと改めて意を強くした次第である。
 

今週の考える言葉「積小為大」

考える言葉

積小為大

 
   “積小為大”(せきしょういだい)とは、江戸時代の農政家・思想家である「二宮尊徳」の言葉である。
 
   その原文は、「小を積めば、則ち大と為る」(『報徳記』)。
 
   「小さい事が積み重なって大きな事になる。だから、大きな事を成し遂げようと思うなら、小さい事をおろそかにしてはいけない」という意味である。
 
   よくセミナーなどで他社の成功事例を学んで、手っ取り早く儲けてやろうと意気込んで真似してみるが、上手くいかない・・・。そのうまくいかない理由の一つに、“積小為大”の教えがあるのではないだろうか。
 
   思い出してみると、小さい頃から、“積小為大”的なアドバイスをいろんな先輩諸氏から頂き、励ましてもらってきたような気がする。「焦らんでもいいぞ・・・。いまの自分にできること、やれることがあるだろう。どんな小さいことでもいいから、それをやり続けろ。そのうち、何を為すべきか見えてくるから・・・」「くよくよ悩んでいてもしょうがないな・・・」と、素直に先輩の言うことを聴いてやり続けていると、いろんなアイデアも自然と出てきたり、周りからの助言があったりして大きな成果につながっていったことが思い出される。
 
   思うに、税理士になるきっかけもそうだった・・・。大学3年の冬頃、将来のことを決めかねてブラブラしてたら、下宿の先輩から「どうせ、暇なんだろうから簿記検定でも受けてみたら・・・」といわれて、テキストをもらい、勉強をやり始めたのが税理士試験を受けるきっかけとなって、今がある。
 
   そんなこんなで、今や“積小為大”という言葉は、小生の座右の銘の一つでもある。
 
   “積小為大”とは、以上のような意味合いの言葉であるが、“積小為大”から次の3つの事を肝に銘じるように心掛けている。
 
   ①小さいことをおろそかにしないこと
   ②継続は力であること
   ③何ごとも焦りは禁物であること
 
   コロナ・ショックのインパクトが、今までの世の中の常識を変えようとしている。そんな中、「コロナ後の経営はどうあるべきか?」と問われることが多い。
 
   基本的に、「経営は環境適応業」である。どんな状況になろうと日々の出来事、それに適応していくしかない・・・。老荘思想にも「千里の道も一歩から」とある。こんなときこそ、“積小為大”という二宮尊徳の思想を心掛けたいと思う。
 

今週の考える言葉「財務諸表」

考える言葉

財務諸表

   「まさか・・・」の時代である。
 
   「VUCA(ブーカ)」という言葉をよく目にするようになったが、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」、「Complexity(複雑性)」、「Ambiguity(曖昧性)」という4つの単語の頭文字からとった略語であり、「先が全く読めない不安定、不透明な環境」を言い表しているという。
 
   そのような状況下において、経営者が先ず為すべきことは「自社の実態を明確に把握すること」であろう。
 
   そこで、企業の経営状況を、客観的に数値で把握するために必要なのが”財務諸表”である。”財務諸表”のうち、特に重要なのが「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」「キャッシュフロー計算書(CF)」で、これらを「財務三表」という。
 
   私たち職業会計人は、「決算書は情報の宝庫である」と呼んでいるが、数年分の”財務諸表”をお預かりして、財務分析させてもらうと、そこの会社の経営状況を概ね捉えることができる。なぜなら、プロとして、その勘どころたるや、承知しているからだ。
 
   企業の実態を把握するためには、”財務諸表”のどんな点から優先的にチェックして分析していくべきか、その心得がはっきりしているからだ。
 
   小生は、次の3つの優先順位を意識している。
 
① 安全性
まずは「貸借対照表」から「安全性」をチェックする。つまり、「当面は倒産する心配がないかどうか」である。「流動比率=流動資産÷流動負債」や「自己資本比率=純資産÷総資産」などを用いて、確認する。
 
② 収益性
それから「損益計算書」から「収益性」をチェックする。「十分な利益を稼ぎ出しているか」である。「売上高営業利益率」「自己資本利益率(ROE)」「総資産利益率(ROA)」などを用いて、確認する。
 
③ 将来性
そして、「キャッシュフロー計算書」を見て、「将来性」をチェックする。「将来性」を探るポイントは二つある。一つは「十分な営業キャッシュフローを稼いでいるか」、もう一つは「未来への投資を十分にしているか」を確認することだ。
 
   以上、3つの視点から経営状況を把握し、財務的なバランスのとれた経営を心掛けたいと思う。また、定量分析だけに偏らず、定性分析のチェックも怠らないように留意したいと思う。
 

今週の考える言葉「在宅勤務」

考える言葉

在宅勤務

   テレワーク(telework)とは、「tele=離れた場所とwork=働く」を合わせた造語で、職場から離れた場所で働く勤務形態をいう。その一つとして、”在宅勤務”が何かと話題になっている。
 
   “在宅勤務”という雇用のあり方は以前からあったが、コロナの影響で急に注目を浴び、かなり広がりつつある。そして、IT化の環境の中で”在宅勤務”が定着し、働き方の常識になるのではないという声さえある。そんな中、賛否両論の意見が飛び交っているようだ。
 
   賛成者は、次のようなメリットを指摘している。
 
   まずは、通勤時間がなくなること。これは最も大きなメリットで、その時間を有効活用できれば、仕事の効率化やモチベーションを高めることとなる。
 
邪魔がなく、業務へ集中でき、生産性が高まる。
 
育児や介護と両立しやすくなる。
 
勤務地に制限がなくなる。
 
仕事の時間を自由に決められる、人間関係の煩わしさがなくなるなど・・・。
 
   反対者は、次のようなデメリットを指摘している。
 
仕事とプライベートの切り替えができない
 
孤独を感じやすくコミュニケーションが難しい
 
正当な評価が受けにくい
 
自己管理ができない人は難しい
 
   ざっと、”在宅勤務”には、以上のようなメリット・デメリットが挙げられる。
 
   そこで”在宅勤務”のメリットを生かしつつ、生産性をあげるためには、次のような創意工夫が必要となる。
 
家の労働環境を整えておく
 
タスク管理ツールを用意しておく
 
細かく勤怠や進捗状況を報告する
 
スケジュールを決める
 
   小生は、テレワーク(telework)の賛成派である。但し、自己管理が徹底してできる人(主体性があり、かつモラリストであること)が前提である。
 
   将来、”在宅勤務”を普通に選択できような組織文化をつくるために、IG式目標管理を徹底して行い、相互に信頼し合えるような人間関係を構築していきたいと考えている。真のプロフェッショナル集団であるならば、当然のことだと思うのだが・・・。
 

今週の考える言葉「糖化」

考える言葉

糖化

   『”糖化”で体が焦げる!』(「週刊朝日」8・7号)という気になる記事が記載されていたので紹介したい。
 
   “糖化”とは、たんぱく質(アミノ酸)がブドウ糖(グルコース)と結びつく現象。「たんぱく質である卵や牛乳に、糖質である小麦や砂糖を混ぜて焼くと、こんがりとした焼き色になるが、あれが”糖化”という現象だ」そうだ。
 
   よく似た言葉に「酸化」があるが、これは物質が酸素と結合する現象であり、クギなどが茶色くさびるのがそうで、「体がさびる」と表現される。それ対し、「体が焦げる」と表現したのだと思う。
 
   さて、『”糖化”で体が焦げる』と、私たちの体に次のような問題が生じてくるので要注意である。
 
   一つは、免疫力の低下である。
 
   “糖化”によって、食後に血糖値が急激に上がる状態(血糖値スパイク)が生じ、これが繰り返されると、免疫細胞の活性が低下し、免疫力が下がってしまうという。コロナが猛威をふるっている今、免疫力の低下は避けたいものだ。
 
   もう一つは、細胞の劣化である。
 
   “糖化”の影響で起こる最たるものが、糖尿病の合併症である。糖尿病は万病の元といわれるように、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞、骨粗鬆症、白内障、認知症など全身に及ぶという。
 
   では、”糖化”はなぜ、様々な病気を引き起こすのであろうか?
 
   その原因は、”糖化”によって生じる「AGE(終末糖化産物)」という老化を促進させる物質のせいだという。これが、様々な細胞に悪さをして、活性酸素をしのぐほどの健康問題を引き起こしているのだという。
 
   「AGE」に悪さをさせないためには、その原因の元である”糖化”を予防するしかないのである。”糖化”を予防する生活習慣として、次の5点を挙げている。
 
① 朝食は必ずとる
 
② 食事は野菜から。よくかんで食べる。
 
③ お酒を控える(特に飲むと顔が赤くなる人)
 
④ 睡眠をしっかりとる
 
⑤ 軽い運動を続ける
 
   コロナ禍の外出控えで運動不足、ストレスから甘い菓子ばかりを食べてばかりいる・・・。そんな生活をしている人は要注意。予防に気をつけよう!
 

今週の考える言葉「潜勢力」

考える言葉

潜勢力

   コロナのおかげ(?)で、出張がなくなり、読書量がずいぶんと増えた・・・。せっかくの機会だから、ハウツー本ではなく、心を磨くのに役立つような本をできるだけ読もうと心掛けてみた。
 
   そこで書棚を探していると、目に付いたのが哲人・中村天風に関する数冊の本だった。”考える言葉”シリーズ(20‐27)で紹介した”雲烟過眼”もそうであったが、今回は”潜勢力”について考えてみたい。”潜勢力”とは、「潜在勢力」と同じ意味で、人の生命の奥深くに実在している力のことである。
 
天風曰く、
「人の心の奥には、”潜在勢力”という驚くべき絶大なる力が、常に人の一切を建設せんと、その潜在意識の待ち構えて居る」(『天風誦句集』)と。
 
   そして、人の心が無限大だというのは、その”潜勢力”が宇宙エネルギーに通じているからだという。
 
   ではなぜ、人の心に、このような偉大な力が与えられたかというと、天風は「人間は進化向上という尊い使命を果たすべくこの世にきたのだ」と言い切っている。この言葉も、生きる目的に大きな勇気を与えてくれる・・・。
 
   さらに、天風は、”潜勢力”がこの膨大なエネルギーを解放する鍵は次の二つであると、示唆している。
 
① 一つは、積極的な心構え(正しい心、勇気ある心、明るい心、朗らかな心)で思考し、行動すること。
 
② もう一つは、使命観(世の中の進化向上に貢献する)を持つこと。
 
   そして、積極的な心構えを培うのに大切なことは、日常的に使っている「言葉」だという。「言葉」は、直接的には自分の心の態度を、そして結果において自分の人生や生命に大きな影響を与えているという。
 
   そして、セルフモチベーションを引き出すベースとなるのが「使命観」である。世の中の進化向上に貢献するために、「何をなすべきか」をつねに自問自答しよう。
 
   誰だって”潜勢力”を顕在化できるはずなのに、多くの人は潜勢力を眠らせたままでいるという。もったいない話だ・・・。自助とは、”潜勢力”を発揮して、自己救済し、自己実現することをいう。自立とは、”潜勢力”を発揮して、価値高い人生を建設することをいう。
 
   “潜勢力”を引き出し、「自助自立」の生き方をしたいと考える。
 

今週の考える言葉「オープン」

考える言葉

オープン

   創業当初から大事にしていたことの一つに、”オープン”がある。つまり、所内における情報開示の徹底である。
 
   何故かというと、パートナーシップ制に基づいた組織づくりをしたいと考えていたからである。メンバーの一人ひとりが、自らの頭で考え、行動し、責任を持つ主体性のある人材こそが、これからの時代環境において必要とされると感じたからである。
 
   まだ、駆け出しの頃の話で、担当している某顧問先に行った時の事である。そこの社長がカリカリしながら、「専務はじめうちの連中には、全く持って危機感がない」と言葉を投げ捨てた。
 
   「どうしたんですか」と尋ねると、月末の資金繰りに追われ、朝から数社の銀行廻りをして、頭を下げて戻ってきたら、専務が自分の机に座ってユタっと煙草を吸っていたという・・・。
 
   そのあと、専務にそれとなく聞いたら、「先生、何かあったんですか?朝からバタバタ出かけたと思ったら、戻ってきたらいきなり不機嫌・・・」と怪訝そうな顔をした。
 
   その専務は、社長が月末の手形を落とす資金がなく、資金調達で悪戦苦闘しているということを全く知らなかったのである。つまり、会社の財務状況は、専務はじめ社員たちには全く”オープン”にされてなかったのである。
 
   そのことを社長に話すと、「会社の経営状況を”オープン”にすると、みんな辞めていくだろう」という反応だった・・・。「なるほど、そんな懸念があったのか」とショックだったこと、今でも覚えている。
 
   どうしようもない過去の結果だけを”オープン”にすると、ネガティブ思考に陥るしかない。じゃぁ、今何を考え、行動するかで、どうにでもなる未来を”オープン”にしたらいいではないか・・・。
 
   その唯一の手段・方法が、経営計画の策定である。夢と志、未来を”オープン”にし、皆で共有できるシナリオづくりこそが、経営計画をつくる真の目的である。「明日のための行動」を明確に描き、”オープン”にする。まさに、ポジティブ思考がどんどん湧いて出てきそうな気分である。
 
   経営において”オープン”にすることの最大の効果は、問題意識の共有であろう。そして、そこから生まれる相互の責任観念が連帯意識を高めることになり、組織としての大きな成果に繋がるのである。
 
   “オープン”思考で、最も気をつけるべきことは、相手のプライベートな心の中に土足で踏み込むような行為であろう。真の”オープン”思考を磨き上げたいと思う。
 

8月の税務カレンダー

税務カレンダー


お盆休みは8月13日(水)~16日(日)までとなっております。

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