考える言葉
成果
今までも何度となく取り上げてきたテーマであるが、改めて“成果”について考えてみたい「マネジメントの父」と称されるP・F・ドラッカー(1909~2005年)は、その著書の中で「マネジメント」と「マネージャー」を次のように定義している。
「マネジメント」=組織に“成果”を上げさせるための道具・機能・機関。
「マネージャー」=組織の“成果”に責任を持つ人物。
そして、「マネジメント」で「“成果”をあげる原則」として、次の7つを指摘している。
① 強みに集中する
② 強みをさらに伸ばす
③ 知的傲慢を正す
④ 悪い癖をなおす
⑤ 人への接し方や対処の仕方を改善する
⑥ “成果”が上がらないことには手をつけない
⑦ 努力しても並みにしか慣れない分野にムダな時間を使わない
さらに、これらの「成果を上げる原則」を身につけるためには、次のようなことを習慣化する必要があるという。
習慣➀:ビジョンと目標をもって行動する
習慣②:1つのことに集中する
習慣③:定期的に検証と反省を行う
習慣④:新しい仕事が要求するものを考える
習慣⑤:あらかじめ期待値やそのための行動を書き留めておく
習慣⑥:自分の強みを知り、それを活かす
IGグループでは、ドラッカーが提唱した『目標管理』を『IG式目標管理』としてシステム化し、自己管理ができる人材育成を目指している。自らが掲げた目標の達成に主体的に取り組んでもらう。
そのとき、自らが選び、掲げた目標に組織全体で共通すべき課題があることを認識できたとき、その成果に対して責任の共有を自覚できるようになる。このような成果に対する組織としての習慣化は、良好な人間関係の形成にも寄与することになるだろう。
考える言葉
仕事ぶり
組織の目的は、メンバーの強みを生かし合い全員の協働(コラボレーション)によって成果を上げることにある。
そこで問題となるのが、メンバーの強みをどうしたら発見し、引き出すことができるのか、である。人間は、他人の短所(弱み)にはよく気づくが、長所(強み)を見逃すというか、認めたがらないところがあると、言われる。
しかし、主観や個人的な感情に流されてしまっていたとしたら、互いに大切な経営資源を無駄にしてしまっていることに気づくべきであろう。
協働の精神を培い、より大きな成果を出したいなら、もっとメンバーの強みに目を向ける努力を大切にしたいと思う。では、そのためには、どうしたらいいのだろうか。
ドラッカーによると、お互いに、次のような心構えや“仕事ぶり”を確認し合うことが大切だという。
① 目標や成果の基準を自ら高くして挑戦することを習慣にしているか
② 問題ではなく機会に焦点を合わせて、意思決定や行動をしているか
③ 経営理念など組織の価値観に沿って行動しているか
④ 自分の成長だけでなく、他者の成長を手助けしているか
⑤ 肩書に左右されずに、何が正しいかを考えて判断・行動しているか
⑥ 自分や他人の強みを生かすマネジメントをしているか
⑦ 経験をうまく生かしているか
⑧ 誠実であるか
IG会計グループでは、創業間もないことから、「IG式目標管理システム」を導入し、自己分析の機会をつくっているが、偏りをなくし、衆知を集める機会として月末・月初の二日間を「考える一日」と称して、みんなで話し合い、気づき合う場をつくっている。
“仕事ぶり”とは、仕事に取り組む心の姿勢の問題だと考える。そのためには、私たちの価値観(=考え方)のベースとなる「IG経営理念」を反芻し、日々、自らを見つめ直すことが大切であろう。
仕事に対して共通の価値観を持ったもの同士が、お互いの“仕事ぶり”に対して率直に感じたことを言い合う場があれば、「自分自身を正しく知る」いい機会が存在していると言える。
「強みと弱みは表裏一体!」だという考えがある。どんな感想であろうと、それをどう受け止めるかは自分自身の問題である。自らの“仕事ぶり”を見直すいい機会を得たと考え、前向きに精進していきたいものだ。
税務カレンダー
2023年
12月の税務カレンダー