古田会計事務所

〒640-8392 和歌山市中之島303-14 OK.OFFICE

お気軽にお電話ください

TEL.073-474-2212

今週の考える言葉「時短」

考える言葉

時短

   最近、“時短”という言葉をよく耳にする。働き方改革や生産性向上という観点から、いかに仕事にかける時間を短くするかが問われている。確かに、限られた時間を有効に使うことは大切である。しかし、“時短”とは、単純に仕事を早く終わらせることなのであろうか。
 
   小生は、“時短”の本質は「時間を短くすること」ではなく、「時間の使い方を変えること」にあると思う。仕事の成果を落とさずに時間だけを削ろうとすれば、どこかに無理が生じる。大切なのは、そもそも「何のために、その仕事をしているのか」を考えることである。
 
   ドラッカーは、成果をあげるためには“集中”が重要だと説いている。IGグループでも、これまで“選択と集中”について考えてきたが、集中とは、限られた経営資源を本当に重要なものへ振り向けることである。つまり、“時短”とは、仕事を速く処理する技術だけではなく、「やらないことを決める勇気」でもある。
 
   考えてみれば、仕事には三つの段階があるのではないだろうか。
 
 ➀ “なくす”……そもそも必要のない仕事をやめる。
 ② “任せる”……自分でなくてもできる仕事を人に任せる。
 ③ “効率化する”……必要な仕事について、仕組みやITを活用する。
 
   この順番が大切なのである。最初から効率化だけを考えると、「無駄な仕事を、より速く行う」という皮肉な結果になりかねないIGグループが取り組んできた“未来会計”やMAS監査も、本質的には同じ発想であろう。目先の作業に追われるのではなく、未来のあるべき姿を描き、何をすべきかを明確にする。そこから行動計画を立て、「仮説~実践~検証」のサイクルを回していくのである。
 
   “良い計画”があれば、優先すべきことが明確になる。逆に、目的や目標が曖昧であれば、目の前に現れる仕事を次々と処理するだけになり、いつまでたっても時間に追われることになる。
 
   結局、“時短”とは、時間を削ることではなく、“大切なことに時間を使う”ための知恵なのである。忙しさを減らすことだけを目指すのではなく、限られた時間を何に使うべきかを問い直したい。
 
   「忙」とは「心を亡くす」と書く。目先の仕事に追われて、本来の目的を見失ってはいないだろうか。時短を考える前に、「自分にとって本当に大切な仕事とは何か」を問い直すことから始めたいと思う。
 

今週の考える言葉「哲学」

考える言葉

哲学

   “哲学”とは何だろうか。いま思うに、学生の頃、酒を飲みながら、夜明けまで語り合ったテーマの一つでもあった。
 
   辞書的には「人生や世界について、根本的な原理を追究する学問」といわれているる。しかし、経営の現場に立っていると、“哲学”は決して学問だけのものではないと感じる。むしろ、「自分は何を大切にして生きるのか」「何のために、この仕事をするのか」という問いに向き合うこと、そのものではないだろうか。
 
   P・F・ドラッカーは、経営において「何をもって貢献とするか」を問い続けた。企業経営も人生も、目先の成果だけを追い求めていると、いつの間にか本来の目的を見失ってしまう。だからこそ、判断に迷ったときに立ち返る“考え方の軸”が必要になる。それが、その人や組織にとっての“哲学”なのだと思う。
 
   稲盛和夫氏が経営において繰り返し説いたのも、「人間として何が正しいのか」という判断基準である。これは、損得や効率だけでは答えの出ない問題である。目先の利益になるからやるのか、それとも、人として正しいからやるのか。この問いを日々の経営判断に持ち込むところに、“哲学”の実践的な意味がある。
 
   IGグループが大切にしている「社会的インフラ」という使命も、単なる事業上のキャッチフレーズではない。未来会計やMAS監査を通して、経営者の意思決定を支援し、中小企業の未来を一緒につくっていく。その根底には、「社会にとって必要な存在でありたい」という“哲学”があると考える。
 
   では、“哲学”を持つとは、具体的にどういうことだろうか。
 
 ① 「何のために」を問い続けること。
 ② 自分なりの判断基準を持つこと。
 ③ その判断基準を、日々の行動で実践すること。
 ④ 経験を振り返り、考え方を磨き続けること。
 
   大切なのは、立派な言葉を掲げることではない。実際の行動に、その人の“哲学”が表れるのである。理念を語ることと、理念に沿って生きることの間には、大きな違いがある。
 
   以前からIGグループで取り組んできた「経営人間学講座」や「後継者育成塾」も、単なる知識の習得を目的としているのではない。経営技術を学ぶだけでなく、「人間として、どう生きるのか」「経営者として、何を実現したいのか」を考え抜く機会である。その意味で、経営とは“哲学”を実践する場なのかもしれない。
 
   久々の5連休……。一人でゆっくりする時間ができたせいか、久し振りにじっくりと“哲学”をした気分である。
 

今週の考える言葉「NN構想の会」

考える言葉

NN構想の会

   先週(10~11日)、“NN構想の会”(第26回全国大会)を東京・椿山荘で開催することができ、多くの参加者のもと、無事に終了することができた。その内容について、少し紹介したい。
 
   今回の大会テーマは、『価値共創の未来を築く~チャンスは無限にある』。このテーマのもと、社会的インフラとしての自覚のもと、職業会計人としての使命を全うするために何をなすべきか、みんなで真剣に考える大会にしたいと思い、企画した。
 
   第一日目は、小生の開会のあいさつの後、すぐに基調講演が始まる。
 
   今回は、『ピンチをチャンスに変える企業~時代の波に乗る経営者になるために』とテーマで、行列の並ぶ人気店『佰食屋』の創業者である中村朱美氏に登壇してもらった。
 
   社会問題となっている働き方改革と利益をどうしたら両立できるかを考えるなかで、「フードロスも残業もゼロにする」という視点から、一日100食限定というコンセプトで美味しいものを手軽な値段で食べられるお店『佰食屋』という発想が生まれたという。
 
   流暢で分かりやすい話し方で、聞き取りやすい内容だったと思う。
 
   そのあとすぐに、『パネルディスカッション』(第一部、二部)。
 
   今回は、若手・中堅の会計人がパネリストとして登壇し、「未来会計を支えるキーパーソンの役割」と「会計事務所の事業承継」をテーマに、会計業界の未来をどう創造していくのか、その課題は何か等について、熱い思いを語っ合ってくれた。
 
   そして一日目の最後は、『情報交流パーティー』。支持団体の企画・進行で、あっという間に、楽しい懇親会の時間を過ごして頂けたと思う。
 
   第二日目は、5会場に分かれての分科会。これは、14の支持団体が自らの活動の内容やどんなサポートができるのかを、企画・イベントを交えて、公開してくれる場である。
 
   いずれも面白く、内容の濃いテーマだったので、どれを選択するか、苦労したのではないかと思う。時代の流れもあるのか、「AI」に関する取り組み方について内容が多かったようだ。
 
   NN構想の会のモットーは、「個人の限界を組織の限界にしない。組織の限界を業界の限界にしない」である。
 
   この原点に立ち返って、「協働の精神」を培う二日間になったと、確信している。
 
   参加された多くの方々から、「来年も当然、やるんですよね!」と声をかけて頂き、たいへん励みになると同時に、嬉しくなった。誰もが、“NN構想の会”のような、衆知を集める場を期待しているのだと改めで確信した次第である。
 

今週の考える言葉「守破離」

考える言葉

守破離

   もう十数年前に購読していたもので、『躍進のバトンタッチ 後継者の鉄則』(井上和弘 著)という、分厚い本がある。
 
   『IG後継者育成塾』の題材になればと思ったのだろう、けっこう読み込んだ形跡がある。中でも、「第1章 守破離の大原則」という内容に惹かれたのだと思う。
 
   “守破離”は、室町時代の世阿弥の「風姿花伝」に出てくる、能を極める極意「序破急」によるものではないか、と言われている。また、茶道の千利休の言葉に由来するのではないかという説もあるようだ。
 
   小生は、“守破離”という言葉を聞くと、何となく「学びや成長には段階がある」というイメージが浮かんでくる。
 
   では、なぜ「守」から始まり、「破」を経て、「離」に至るのであろうか。考えてみると、これは単なる技術習得の順序ではなく、人が一人前になっていく“成長の原理”そのものではないだろうか。
 
 
➀ 先ず、“守”とは、まず教えられた型を忠実に守ることである。
 
   自分の経験や価値観だけを頼りにするのではなく、先人が積み重ねてきた知恵や基本を素直に学ぶ。基礎を疎かにして、いきなり独自性を求めても、本当の意味での力は身につかない。
 
 
② 次の“破”は、身につけた型を深く理解したうえで、それを自分なりに工夫し、発展させていく段階である。
 
   いつまでも教えられた通りにやるだけでは、環境の変化に対応できない。P・F・ドラッカーも、成果をあげるためには「強みに集中する」ことを説いている。学んだものをそのまま使うだけではなく、自分の強みと結びつけて、新しい価値を生み出すことが重要なのである。
 
 
③ そして“離”とは、型から離れ、自らの型を創り出すことである。
 
   ここまで来ると、単に「教えられたことができる人」ではなく、「自分で考え、判断し、周囲にも影響を与えられる人」になっている。
 
   以前、“仕事力”について考えた際にも、自己処理能力から協働する能力、さらに任せる能力へと、仕事への関わり方が進化していくことを整理した。 “守破離”もまた、自己完結から組織への貢献、そして新たな価値の創造へと成長していく道筋だといえよう。
 
 
   IG目標管理システムも、先ずは素直に学ぶ“守”から始まり、未来会計を通して
 
   主体性を発揮することで“破”とし、その積み重ねの先に、IG会計グループならではの価値を創造し、社会的インフラとしての使命を果たしていく“離”があると思う。
 

今週の考える言葉「リーダーマインド」

考える言葉

リーダーマインド

   最近、「リーダーシップ」について考える機会が増えている。
 
   組織を取り巻く環境が大きく変化し、これまでの常識や成功体験だけでは、切り拓くことが難しくなっているからである。
 
   では、優れたリーダーに共通するものは何だろうか?能力や経験だけではない。
 
   “リーダーマインド”こそが、リーダーとしての行動の原点なのではないだろうか。 
 
   “リーダーマインド”とは、役職や肩書きのことではない。自分が置かれている立場に関係なく、「自分がこの組織や未来をつくる」という当事者意識を持つことである。誰かに指示されてから動くのではなく、自ら考え、自ら決め、自ら行動する。そこにリーダーとしての第一歩がある。
 
   P・F・ドラッカーは、マネジャーを「組織の成果に責任を持つ人物」と捉えている。つまり、リーダーとは、自分自身の成果だけを考える人ではなく、周囲の人たちの力を引き出し、組織として成果を生み出すことに責任を持つ人だといえよう。
 
   そのためには、まず“大局観”が必要である。目先の問題に振り回されるのではなく、「何のために、この仕事をするのか」「どんな未来を実現したいのか」という根本に立ち返ることである。安岡正篤氏のいう「長い目」「多面的・全面的」「根本的」という三つの視点は、リーダーにとって重要な思考の基本である。
 
   そして、次に必要なのが“覚悟”である。未来は、誰かが用意してくれるものではない。自らがあるべき姿を描き、そこへ向かう道筋を考え、行動し続ける必要がある。IGグループが実践してきた未来会計も、まさに「未来を描き、現在との差を認識し、行動する」という考え方を基本としている。
 
   では、“リーダーマインド”を育てるには、何を意識すればよいのだろうか。
 
➀ “目的”を明確にする
  (何のためにやるのかを自らに問い続ける)
② “当事者意識”を持つ
  (他人事にせず、自分ならどうするかを考える)
③ “決断”する
  (正解を待つのではなく、仮説を持って一歩を踏み出す)
④ “人を活かす”
  (自分一人で成果を出すのではなく、仲間の強みを引き出す)
⑤ “やり抜く”
  (結果が出るまで、仮説~実践~検証を繰り返す)
 
   IGグループでは、後継者育成塾や行動計画発表会などを通じて、「自ら考え、未来を描き、行動する」人材づくりを大切にしてきた。目標を自ら掲げ、その達成に主体的に取り組むことは、“リーダーマインド”を養う格好の実践の場である。
 
   結局、“リーダー”とは、肩書きによって生まれるものではない。
 
   自分の人生や仕事に責任を持ち、周囲に貢献し、未来をより良くしようとする“心の姿勢”から生まれるのである。常に“リーダーマインド”を心掛けたいと思う。

今週の考える言葉「セルフマネジメント」

考える言葉

セルフマネジメント

   過去にも何度か取り上げたテーマであるが、“セルフマネジメント”(Self‐Management)について再考してみたい。
 
   コロナ後、在宅勤務やフレックスなど、自分で時間や仕事量を調整する場面が増えてきたせいだろうか、最近改めて、“セルフマネジメント”の重要性が盛んに言われ始めている。
 
   “セルフマネジメント”とは、「自己の目標達成のために、感情・行動・時間などを総合的に管理する力」を指す。今回は、「時間の自己管理」について考えてみたい。
 
   「時は金なり」という諺がある。ピーター・ドラッカーも、次の視点から、マネジメントにおける「時間管理」の重要性を指摘している。
 
① 時間は、貸し借りができない
② 時間は、蓄積や保存ができない
③ 時間は、代替できるものがない
 
   そして、ドラッカーは「時間管理」の真髄を「汝の時間を知れ!」という言葉で表現し、「記録」「管理」「まとめる」の3つの段階を「時間管理」の基本だと述べている。
 
   先ず、時間の「記録」とは、自分が時間をどのように使っているのを把握するために有効である。想定通りの時間の使い方ができている人は意外と少ないことに気づかされる。
 
   「管理」とは、成果を上げるために必要な仕事をすべて上げて、「どの仕事にどのくらいの時間を割くのか」をスケジュール化することである。優先順位を明確にして、ムダな時間の使い方をしていないか、期限は守られているかなど、チェックをする。
 
   「まとめる」とは、時間をまとめてムダをなくすことである。何らかの成果を上げるためには、ある程度まとまった時間が必要である。細切れの時間で物事を進めても大きな成果にはつながりにくいものだ。
 
   「時間のまとめ方」としては、次のような方法があるという。
 
① 週に一度、自宅で仕事をする。
② 打合せや会議などの日常的な仕事を特定の日にまとめる。
③ 毎朝、自宅で仕事をする。
 
   「時間管理」は、“セルフマネジメント”の基本である。何らかの成果を上げるには、ある程度、時間を「まとめる」努力が必要である。
 
   時間をまとめて、ムダをなくす努力を心がけたいと思う。
 

1 2 3 … 71