古田会計事務所

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今週の考える言葉「傾聴力」

考える言葉

傾聴力

   IG会計グループ恒例である、月末・月初の全体会議のオープニング(7月31日)で「人を動かす “傾聴力”を磨こう!」というテーマで講話をしたので、その内容について再考し、まとめておきたい。
 
   古代中国の帝王学の要諦は、知恵袋ともいうべき賢者をそばに置くことに尽きるという。しかし、どんなに素晴らしい助言者がいたとしても、聴く側に“傾聴力”がなければ、すべては水泡に帰してしまう。
 
   人の話を聴かないタイプには2通りあるという。
 
① 一人は自分を過信している人
② もう一人はメンツにこだわる人
 
   だが、変化が激しく、多様化した今日的な環境において、衆知を集めるためにも、他の人々の意見に耳を傾けられるかどうか、すなわち、“傾聴力”はリーダーに限らず、誰にでも大切な要素ではないかと考える。
 
   某書物によると、“傾聴力”をを高めるスキルとして、次の8つの技術があるという。紹介したい。
 
① 相手の言うことは自分にとって大切な情報であると、先ず、思うこと
② 話し手の目を見て話を聴くこと
③ うなずくこと
④ あいづちを打つこと
⑤ リピートすること
⑥ 質問すること
⑦ メモを取ること
⑧ フィードバックすること
 
   税理士という職業柄、人前で話す機会も多いということで、ずいぶん前だが、その当時に流行っていた「話し方教室」に通ったことがあった。
 
   そのことをある人に言ったら、「それもいい勉強になったと思うけど、それよりも“聴き方教室”に行ったほうが、もっと役に立つのではないかなぁ……」と言ってくれた人がいて、妙に納得させられたことを思い出す。
 
   確かに、話し始める前に、相手の思い・言い分をしっかり聴いて、理解する方が適切なアドバイスができるし、その成果も大きい……。
 
   その時、決めたこと。「まずはじっくり人の話を聴こう」という覚悟だ。
 
   相談される人の解答(結論)は、その人の話の中のすでにあるということに気づかされた。「どうすればいいか」は分からないのではなく、決めかねているだけなのだ。
 

今週の考える言葉「経営計画」

考える言葉

経営計画

   先週(25~26日)は、IG後継者育成塾(第8期 第10講)だった。
 
   今回は、『なぜ経営計画を立てるのか』というテーマで、“経営計画”を策定することの意義とその重要性について、じっくり考え、検討してもらった。
 
   IG会計グループは創業の当初からずっと、“経営計画”策定業務をメインサービスの一つとして取り組んできたので、このテーマの時は思い入れも強く、つい力が入ってしまう嫌いがある……。
 
   先ずは、“経営計画”とは何か?その定義を明確にしておきたい。
 
   “経営計画”とは、「企業が将来のあるべき姿(目標や方針)を明確にし、それを達成するための具体的な戦略・戦術を策定すること」であり、会社の未来はこうすると宣言する、会社の「未来設計図」だと言えよう。
 
   具体的には、次のような内容を織り込んで作成される。
 
① 意義(なぜ、経営計画を作成するのか)
② 経営理念(会社の存在意義、価値観)
③ 経営ビジョン(会社の将来のあるべき姿、社員の夢)
④ 外部・内部の環境(SWOT分析)
⑤ 経営目標(経営ビジョンの実現のための具体的目標)
⑥ 経営方針(経営目標を達成するために経営資源をどう活用するか)
⑦ 目標利益計画(経営目標をもとに、5ヵ年の目標利益を作成)
⑧ 月別目標利益計画(初年度の月別目標利益計画の作成)
 
   そして、経営計画を策定するメリットとしては、次のようなことが考えられる。
 
➀ 組織全体の成長
② 道筋の明確化
③ 課題や現状の把握
④ 信頼性の向上
⑤ 資金調達の有利
 
   正しい経営を行うためには、なぜ“経営計画”が必要なのかということをしっかりと認識してもらうためにも、上記のような内容について、二日間、検討して頂いた。
 
   さらに、“経営計画”の価値を高めるため唯一の手段は、「絵に描いた餅」にしないことだ。
 
   つまり、「仮説~実践~検証」というPDCAサイクルをしっかりと回すことである。
 
   “経営計画”とは、自らの意思で未来を創造するためのシナリオである。過去の延長線上に未来を描けない、今の時代環境だからこそ、トップ経営者は自社の経営計画をつくる意思を明確に持ってもらいたいと思う。ぜひ一度、『将軍の日』へ参加を!
 

今週の考える言葉「心のスケール」

考える言葉

心のスケール

   今週の”考える言葉”シリーズも、『中村天風「勝ちぐせ」のセオリー』(鈴村進 著)の中で紹介されている内容をベースに考えてみたい。
 
   天風哲学の真髄を一言で語るとすれば、やはり、「人生は心一つの置きどころ」となるだろう。小生も、この言葉と出会って以来ずっと、座右の銘とさせてもらい、折に触れて肝に銘じている。
 
   その“心のスケール”について考えてみたい。
 
   天風は、「カニは甲羅に似せて穴を掘る」という諺を引用して、「人は自分の“心のスケール”以上の人生はつくらない」と指摘している。
 
   つまり、自分の甲羅だけの穴を掘ってそこに潜んでいれば、気持ちがいいし安全である。なまじ穴に余裕があると、予期しない外敵の侵入される危険がる。だが、その穴は永遠に狭い穴でしかない。
 
   自分がこれまで最高だと信じてきたものを否定しなければ新しいものに目を開くことはできないのだ。今風にいうと、「自己革新力」だといえよう。つまり、進化・向上を願うのであれば、常に自分の穴を大きくすることを考えていなければならないのである。
 
   天風は、栄西禅師の『興禅護国論』を読んで、「広大無辺の大宇宙よりもさらに心は大きいじゃないか」と悟ったという。
 
   そして、日本の哲学者・安岡正篤(1898~1983)は、「人間の心というものは、天地・自然が人間を通じて立てたもので、われわれの心は天地の心である」と述べている。
 
   京セラ・第二電電の創業者である稲盛和夫(1932~2022)氏も、心のあり方をたいへん大事にされた経営者であった。
 
   彼の書である『心~人生を意のままにする力』中で、次のように述べている。
 
   『人の心の最も深いところにある「真我」にまで到達すると、万物の根源ともいえる宇宙の心と同じところに行き着く。したがって、そこから発した「利他の心」は現実を変える力を有し、おのずとラッキーな出来事を呼び込み、成功へと導かれるのです』
 
   『すべては“心”に始まり、“心”に終わる』と言う。つまり、『人生は心のありようで、すべてが決まってしまう。それは実に明確で厳然とした宇宙の法則である』とも述べている。
 
   以上のように、心というものはこれほど偉大なものである。人間は宇宙からこんな貴重な贈り物を授けられているのである。つまり、人間の心はすべての源になっているのである。われわれは先ず、その自覚を持ち、折に触れて、自らの“心のスケール”をチェックし、そのスケールを大きく膨らませるように心がけたいと考える。
 

今週の感がる言葉「置き去り」

考える言葉

置き去り

   先週の”考える言葉”シリーズで、『中村天風「勝ちぐせ」のセオリー』を紹介したが、その書の中で、「いつも自分をどこかに“置き去り”にしていないか」という問いかけをしている個所があったので紹介し、“置き去り”について考えてみたい。
 
   “置き去り”といえば、「放置」「置きっぱなし」「置き捨て」「ほったらかし」など、人や物をある場所に残したまま、その場を離れることを意味する。
 
   だが、天風がここで問いかけているのは、自分で自分自身を“置き去り”にするような生き方をしていないかどうか、という問いかけである。
 
   天風は諭す。
 
   「おまえはもう一度自分の人生を考え直さなければいけない。自分にとって本当に大切なものは何か。自分は今、何をなすべきか、そして何ができるのか」。
 
   つまり、自分が今までやってきたことは、ほとんどすべてが目先の仕事のことばかり……。休日はと言えば、ほとんどゴロ寝とわずかな家庭サービス。
 
   鳥や獣でもなく、せっかく人間として生まれてきたのだから、「それにふさわしい生き方、人間らしい中身の濃い生き方を考えろ」という。
 
   社会人になると誰もが、一定の仕事に就く。その時の姿勢の問題である。日々の仕事が追われるだけの道具になってしまうのか。それとも、会社は自分が向上し、進歩するための格好の場と捉え、仕事を自己成長のための手段として生きていくのか。
 
   天風の教えは、こういうことだ。
 
   「自分で理想を掲げ、目的を持ち、計画を立てて、自分自身が仕事を通して成長できる生き方をする。それは同時に人を喜ばせ、世の中の役に立つことでなければならない。それが天から自分に与えられた尊い使命なのだ。それを果たすために自分は生まれてきたのだ!」と。
 
   天風の教えは、まさに正論である。反論の余地もない…。だが、なかなか思うようにはいかない。どうすればいいのか。
 
   天風は言う。
 
   「どこまでもまず人間をつくれ。それから後が仕事だ」と。
 
   そのためには、心の態度をいかなる場合にも積極的であらしめること。これは換言すれば、「尊く、強く、正しく、清く生きる」ということである。
 
   仕事は生活のための手段であることは事実である。だが、そこにとどまっている限り、人間は向上も進歩もない。仕事は自己実現の手段としての役割も担っている。
 
   つい、目先の手段に捉われて、自己実現の手段としての役割があることを疎かにしてしまう。つまり、“置き去り”にしてしまいがちではないだろうか……。
 

今週の考える言葉「勝ちぐせ」

考える言葉

勝ちぐせ

   書棚を整理していると、『中村天風「勝ちぐせ」のセオリー』(鈴村進 著)という書物が目についた。
 
   著者が冒頭に述べている言葉を紹介したい。
 
   「人間が死にものぐるいになったとき、常識を超えたすさまじい力を発揮できることは、日常よく耳にしたり、実際に経験するものである。極限の状態における人間の力は想像以上に強烈である。いや、むしろ無限だと言うべきであろう」
 
   そしてさらに、「現実に大勢のひとたちが、“稀有な哲人”の教えに導かれてこの力をものにして自分に“勝ちぐせ”をつけ、希望と歓喜に満ちた人生をわがものにしているのだ」と述べている。
 
   少し引用が長くなったが、ここに言う、「稀有な哲人」こそが中村天風である。
 
   彼は言う。「人間は本来そういう力を持っているのだ。それに気がついていないだけなんだよ」と。
 
   「人間が本来もっている力」(生命の力)には、次の6つの種類があるという。順を追って考えて見よう。
 
 ① 第一は「体力」・・・まっすぐに生きることを心がけていれば、自然に強力な体力を身につけることはできる。
 
 ② 第二は「胆力」・・・未来は誰も予測できない。一喜一憂せず、度胸を決めて為べき使命を果たす。
 
 ③ 第三は「判断力」・・・身勝手な願望や私利私欲に流されず、つねに冷静な判断を下す。
 
 ④ 第四は「断行力」・・・心の積極性を堅持し、物事をバランスよく見て、判断し、断行する。
 
 ⑤ 第五は「精力」・・・何事にも、好奇心を持つこと。精力すなわち好奇心を保ち、みずみずしい若さを保つこと。
 
 ⑥ 第六は「能力」・・・自分で実行する力。心身を統一し、積極的な心を持つ人には、無条件に与えられるものだ。
 
 以上の6つの力は人間の生命要素だという。
 
   「継続は力なり」という言葉がある。そのためにも必要なのが、これらの要素を習い性にしてしまう。つまり、“勝ちぐせ”にすることだという。
 
   IG会計の提案する『未来会計サービス』とは、経営計画をベースに、目標管理システムを構築し、個人や組織が本来持っている力を引き出し、目標達成をサポートする、すなわち、“勝ちぐせ”を身につけることを目的としたサービスである。
 

今週の考える言葉「リーダー・マインド」

考える言葉

リーダー・マインド

   あらゆる業界には、その仕事の成果を出すための研究・活動団体がいくつも存在する。非常に活発な活動を続けている団体もあれば、いつの間にか先細りして消滅してしまう団体もあるようだ。
 
   その違いは何か?明確に言えることに一つに、その団体を率いるリーダーの資質、“リーダー・マインド”にあるのではないだろうか。
 
   リーダーとプレーヤーとでは、役割の違いがある。
 
   簡潔にいうと、リーダーの役割は、組織目標達成のためにチームワークをつくり出すことである。一方、プレーヤーの役割はチームワークを大切にしながらも、基本は自分個人の目標達成のために仕事をすることである。
 
   リーダーシップの本質は、人々の能力や知恵を引き出し、組織目標達成のためにベストを尽くしてもらえるように働きかけることである。
 
   そのリーダーとして持つべき“リーダー・マインド”とはどのようなものか、少し考えて見たい。
 
① 経営理念はリーダーシップの原点である
② 使命感をもつ
③ ヴィジョン・目標を明示する
④ 失敗を糧にする
⑤ ポジティブ思考をする
⑥ リーダーとして生きる喜びを知る
⑦ 責任観念が明確である
 
   先ず、➀の経営理念は経営の目的、指針であり、リーダーシップ発揮の根本を支える思想(哲学)である。稲盛さんも、人生や仕事に対するしっかりとした考え方の重要性を説いている。
 
 ②の使命感は、リーダーを動かす代表的なマインドの一つである。心の奥底にしっかりと刻まれていることが必要だ。
 
 ③のヴィジョン・目標は、夢・志・理想など人々の心を躍動させる希望感というべき“リーダー・マインド”で常にあるべきものである。
 
 ④と⑤と⑥については、常に新しいことにチャレンジすべき立場にあるリーダーにとって、欠くことのできない“リーダー・マインド”であることはいうまでもないだろう。
 
   そして、⑦の責任観念、責任の取り方は、リーダーへの信頼を培うために最も大切なマインドであるといえよう。
 
   IGが提供している未来会計は、リーダー・マインドを培うためのベースだと確信した。
 

今週の考える言葉「成しとげる力」

考える言葉

成しとげる力

   これも、書棚の整理をしているときに目に止まったものだが、『成しとげる力』(永守重信 著)という本がある。
 
   「分不相応でもかまわない。大言壮語でもいいから、気宇壮大な夢を抱き、その夢をあきらめずもち続けること。そうすれば、必ずや幸運の女神は微笑み、努力が報われるときがくる」(永守重信)。
 
   これからの人生100年時代、「どのように生きるのか・・・・・」、誰もが直面するであろうと大きな課題であるが、いずれにしても、“成しとげる力”を身につけておく必要があると説き、上記のように述べている。
 
   そして、“成しとげる力”をつける人の法則として、3つの要因を示唆している。
 
① まず、常日頃より準備と努力を怠らず続けていること。
② さらに、「先憂後楽」の生き方をしていること。
③ そして何よりも大切なこととして、どんなときも前向きに、未来を見据えて夢を語ること。 
 
   これら3つの要因について、少し掘り下げて考えて見たい。
 
   先ず、➀について。「幸運の女神には前髪しかない」という古代ギリシャの諺があるように、チャンスがきたときに即断即決、自信もって踏み込めるよう、普段からの努力を怠らないことだ。
 
   さらに、②について。「先憂後楽」の生き方だが、先に苦労をしておけば、その苦労が報われたぶん楽しみも大きくなるという意味だろう。そうした心掛けで人生を歩んでいる人にこそ、幸運の女神は微笑むのである。
 
   そして③について。例え「大ボラ」と思われてもいい、熱く語れる夢・志を持ち続けることは、必ず“成しとげる力”を培い、本当に生きる喜びを感じることができるようになるだろう。
 
   IG会計グループが、ずっと提供し続けている「未来会計サービス」は、人や組織の“成しとげる力”をサポートし、強化するための仕組みを体系化したものである。
 
   「仮説~実践~検証」という経営サイクルを繰り返し、繰り返し、徹底してやり続けることによって培われる“成しとげる力”を大事にしている。
 
   小生は、創業の当初から、経営計画を策定することの重要性を説き、その策定のサポートをし続けたきた。そして、実感していることは、やり続けることによって、誰もが確実に“成しとげる力”を強めていったという事実である。
 
   やり続けている以上は、失敗はない。やり続けることこそ、“成しとげる力”であると強く確信している。
 

今週の考える言葉「6つの視点」

考える言葉

6つの視点

   某セミナーで、「企業間の“格差”は、マネジメント力の差である。そしてマネジメント力の差は、“目標設定”の良否によって決まる」という話をしたが、その目標設定に関して、もう少し踏み込んで考えて見たい。
 
   事業のあるべき姿を実現するために、「何を、どのように、どの程度行えばいいのか」を示すのが事業の目標である。
 
   ピーター・F・ドラッカーは、目標設定する際の基本的な視点として、次の6つを挙げているので、紹介したい。
 
(事業の目標にかかわる6つの分野)
① マーケティング
② イノベーション
③ 経営資源(ヒト・モノ・カネ)
④ 生産性
⑤ 社会的責任
⑥ 利益
 
   ドラッカーは、①マーケティングと②イノベーションを事業の両輪としている。つまり、両輪がうまく機能するかどうかで、企業の成長は決まるのだという。
 
   ➀と②の目標を実現するには、経営資源の確保と有効活用が必要となる。これが③から⑥までの目標である。
 
   ここでいう「マーケティング」とは、顧客のニーズを知り、事業を通して満足を提供することをいう。その狙いは、顧客をよく理解し、商品が顧客にぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすることである。
 
   そして、「イノベーション」とは、新しい見方・考え方で資源を活用して、より大きな価値を生むようにすることである。その狙いは、新しい価値を創造することによって、社会をより豊かにすることである。
 
   さらに、“6つの視点”から目標を設定する際には、「バランス感覚」を忘れてはならないという。
 
 ❶ 今までの利益を投資すれば実現できそうか、
 ❷ 近い将来の目標と遠い将来の目標の整合性に無理がないか、
 ❸ 優先的に取り組むべき目標はどれか、というバランスを考えながら目標を考える必要がある。
 
   こうして目標を立てたら、あとは行動あるのみ。達成までの期限を決めることだ。目標を考え抜くのは、知るためではない。動くためである。
 

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