古田会計事務所

〒640-8392 和歌山市中之島303-14 OK.OFFICE

お気軽にお電話ください

TEL.073-474-2212

今週の考える言葉「成しとげる力」

考える言葉

成しとげる力

   これも、書棚の整理をしているときに目に止まったものだが、『成しとげる力』(永守重信 著)という本がある。
 
   「分不相応でもかまわない。大言壮語でもいいから、気宇壮大な夢を抱き、その夢をあきらめずもち続けること。そうすれば、必ずや幸運の女神は微笑み、努力が報われるときがくる」(永守重信)。
 
   これからの人生100年時代、「どのように生きるのか・・・・・」、誰もが直面するであろうと大きな課題であるが、いずれにしても、“成しとげる力”を身につけておく必要があると説き、上記のように述べている。
 
   そして、“成しとげる力”をつける人の法則として、3つの要因を示唆している。
 
① まず、常日頃より準備と努力を怠らず続けていること。
② さらに、「先憂後楽」の生き方をしていること。
③ そして何よりも大切なこととして、どんなときも前向きに、未来を見据えて夢を語ること。 
 
   これら3つの要因について、少し掘り下げて考えて見たい。
 
   先ず、➀について。「幸運の女神には前髪しかない」という古代ギリシャの諺があるように、チャンスがきたときに即断即決、自信もって踏み込めるよう、普段からの努力を怠らないことだ。
 
   さらに、②について。「先憂後楽」の生き方だが、先に苦労をしておけば、その苦労が報われたぶん楽しみも大きくなるという意味だろう。そうした心掛けで人生を歩んでいる人にこそ、幸運の女神は微笑むのである。
 
   そして③について。例え「大ボラ」と思われてもいい、熱く語れる夢・志を持ち続けることは、必ず“成しとげる力”を培い、本当に生きる喜びを感じることができるようになるだろう。
 
   IG会計グループが、ずっと提供し続けている「未来会計サービス」は、人や組織の“成しとげる力”をサポートし、強化するための仕組みを体系化したものである。
 
   「仮説~実践~検証」という経営サイクルを繰り返し、繰り返し、徹底してやり続けることによって培われる“成しとげる力”を大事にしている。
 
   小生は、創業の当初から、経営計画を策定することの重要性を説き、その策定のサポートをし続けたきた。そして、実感していることは、やり続けることによって、誰もが確実に“成しとげる力”を強めていったという事実である。
 
   やり続けている以上は、失敗はない。やり続けることこそ、“成しとげる力”であると強く確信している。
 

今週の考える言葉「6つの視点」

考える言葉

6つの視点

   某セミナーで、「企業間の“格差”は、マネジメント力の差である。そしてマネジメント力の差は、“目標設定”の良否によって決まる」という話をしたが、その目標設定に関して、もう少し踏み込んで考えて見たい。
 
   事業のあるべき姿を実現するために、「何を、どのように、どの程度行えばいいのか」を示すのが事業の目標である。
 
   ピーター・F・ドラッカーは、目標設定する際の基本的な視点として、次の6つを挙げているので、紹介したい。
 
(事業の目標にかかわる6つの分野)
① マーケティング
② イノベーション
③ 経営資源(ヒト・モノ・カネ)
④ 生産性
⑤ 社会的責任
⑥ 利益
 
   ドラッカーは、①マーケティングと②イノベーションを事業の両輪としている。つまり、両輪がうまく機能するかどうかで、企業の成長は決まるのだという。
 
   ➀と②の目標を実現するには、経営資源の確保と有効活用が必要となる。これが③から⑥までの目標である。
 
   ここでいう「マーケティング」とは、顧客のニーズを知り、事業を通して満足を提供することをいう。その狙いは、顧客をよく理解し、商品が顧客にぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすることである。
 
   そして、「イノベーション」とは、新しい見方・考え方で資源を活用して、より大きな価値を生むようにすることである。その狙いは、新しい価値を創造することによって、社会をより豊かにすることである。
 
   さらに、“6つの視点”から目標を設定する際には、「バランス感覚」を忘れてはならないという。
 
 ❶ 今までの利益を投資すれば実現できそうか、
 ❷ 近い将来の目標と遠い将来の目標の整合性に無理がないか、
 ❸ 優先的に取り組むべき目標はどれか、というバランスを考えながら目標を考える必要がある。
 
   こうして目標を立てたら、あとは行動あるのみ。達成までの期限を決めることだ。目標を考え抜くのは、知るためではない。動くためである。
 

今週の考える言葉「成功の5条件」

考える言葉

成功の5条件

   私たちはよく、“成功”という言葉を口にするが、“成功”と一言でいっても、何をもって“成功”とするかは、人それぞれ違うことに気づかされる。そこで、“成功”について少し、頭の整理をしておきたいと思う。
 
   “成功”に関しては、多くの書物の中で触れられ、語られているが、今回は、『目標達成の技術』(青木仁志 著)の中で、著者が語っている内容について考えて見たい。
 
   氏は、成功について、その定義と“成功の5条件”について、次のように述べている。
 
   まず、成功の定義・・・・。
 
   「成功とは、社会正義に反することなく、他の人々の基本的欲求充足の手助けをしながら、自己の定めた目的・目標を自らの意思で達成していく道程のことである」としている。
 
   次に真の目標達成をするために、“成功5つの条件”を掲げている。
 
 ① 恐れ、怒り、罪悪感から解放された心をもっている
 ② 健康と活力にみなぎっている
 ③ 人間関係の悩みから解放され、素晴らしい人的ネットワークを構築している
 ④ 人生のライフデザインの元に経済的基盤を作り上げている
 ⑤ 人生理念に基づき一貫性を持って生きている
 
   いずれも欠くことができない諸条件である。「心の状態」、「身体の状態」、「人間関係」などバランスを保ちながら、自己チェックを怠らないようにしたいと思う。
 
   中でも、⑤に関して、少し深掘りしてみたいと思う。
 
   人生理念とは、その人の価値観、信条のことである。つまり、「何のために生きているのか」という価値ある目的を考えるべきです。価値ある目的とは、自分のためではなく、世のため人のために役立つものであること。
 
   自分の理念・目的が、人々や社会への奉仕となっているか、折に触れて、再確認する必要があると考える。
 
   このように、人生への考え方のベースがしっかりしているかどうか、その確信を持ち得た上で、①~④について、折に触れて反省を重ねることが、生きがいとハリのある人生へとつながっているのだと思う。
 
   「選択理論心理学」では、行動の判断基準として次の「3つのR」を提唱しているという。
 
   1 正しさ(=Right)、2 責任(=Responsibility)、3 現実(=Reality)
 
   つねに、社会正義に目を向け、すべて自分の責任のもとで行動し、現実を直視する生き方は、成功の礎とすべきである。
 

今週の考える言葉「徂徠訓」

考える言葉

徂徠訓

   荻生徂徠(1666~1728)は、江戸中期の儒学者で、名君の誉れ高い徳川吉宗の知恵袋として活躍した人物である。
 
   『ドラッカーに学ぶ人間学』(佐藤等 著)を再読していると、徂徠の手によると伝えられている“徂徠訓”の記載があったので、その内容を紹介したい。
(現代に生きる徂徠の知恵)
 
 一 人の長所を始めより知らんと求むべからず。人を用いて始めて長所の現るるものなり。
(まずは現場でどんな働きをしてくれるのかを試すのが先決)
 
 二 人はその長所のみを取らば即ち可なり。短所を知るを要せず。
(「強み」を伸ばすことが大切だ」
 
 三 己が好みに合う者のみを用うる勿れ。
(自分の好みに合う者だけをひいきにするな)
 
 四 小過を咎める要なし。ただ事を大切になさば可なり。
(小さな失敗を責める必要はない。真面目に取り組む姿勢があればよい)
 
五 用うる上は、その事を十分に委(ゆだ)ぬべし。
(何かをさせるなら、十分に権限移譲をせよ)
 
六 上にある者、下の者と才知を争うべからず。
(部下と同じ土俵で勝ち負けを争うな)
 
七 人材は必ず一癖あるものなり。器材なるが故なり。癖を捨てるべからず。
(クセを捨てると、「器」そのものが成り立たなくなる)
 
八 かくして、良く用うれば事に適し、時に応ずるほどの人物は必ずこれあり。
(以上のことを踏まえて人を用いれば、才能を開花させる人物が、必ずや現れる)
 
   以上であるが、著者がなぜ“徂徠訓”を引用したのか、が良く分かった。ドラッカーの説くところと、驚くほど共通点が多いのである。
 
   “徂徠訓”のこれらの教えから、人材育成とは「人を見つけることではなく、人を育てることである」ということが学ぶことができる。
 
   最近はずっと、書棚にある書物を整理しつつ、ふと気になった本を再読する機会が多いのだが、その時々の関心の視点が違うことに気づかされる。
 
   一通り目を通して読んでいるはずなのに、最初読んだ時にはあまり印象に残っていなかった個所が改めて読み直すと、関心の的になっていることが多いような気がする。
 
   現代に生きる徂徠の知恵である“徂徠訓”、メモに書き留めて再読できるようにしておきたいと思う。
 

今週の考える言葉「談義」

考える言葉

談義

   ある本をめくって読んでいると、「“談義”に花が咲く」という言葉と出会う。
 
   この“談義”とは、「話が盛り上がって、賑やかになること」であるが、そういえば、最近は日常的にそんなに盛り上がって“談義”をしている状況って、あまり見かけないような気がする。
 
   以前は、昼飯時やちょっとした休憩時間の間でも、何人かが集まると「×ד談義”」なるものが始まり、あっという間に時間が過ぎてしまっていたという経験を誰もが身に覚えがあるだろう。
 
   最近は、パソコンと向き合って、SNS(social networking service)などで時間をつぶしている人が多いように思える。
 
   元来、“談義”とは仏教用語として使われていたらしく、「仏法の因果の道理を説くこと。法談」という意味だったらしい。
 
   その意味から言うと、学生の頃や若かりし頃に酒を飲み交わしながら、「×ד談義”」に花を咲かせていたのは、“談義”というより雑談だったのだろうか…。
 
   「今日の新聞の一面のニュース読んだ?」から始まる時事“談義”、最近読んだ本の感想から始まる読書“談義”、仕事やスポーツや趣味など・・・、いろいろな“談義”に花を咲かせることは大いに結構なことではないだろうか。
 
   “談義”でも雑談でも構わないと思うが、職場でそういう機会を持てるとすれば、職場の環境や風土にとっても、良いことではないかと思う。
 
   例えば、次のようなメリットを感じることができるだろう。
 
① 仲間と楽しい、有意義な時間を共有できる
② 相手の価値観が分かる
③ 相手の状態が分かる
④ 人間関係が良好になる
⑤ お互いの情報を共有ができる
⑥ アイデアやヒントが生まれる
⑦ 賢くなる
⑧ 相談できる
⑨ ストレスが減る
⑩ 仲間意識が生まれる
 
   IG会計グループでは、月末・月初の二日間を“談義”の場として捉え、上記のようなメリットを意識できるような時間をつくりたいと思う。また、喫煙所にたむろしている光景をよく見かけるが、意義ある“談義”の場にできるのではないだろうか。
 

今週の考える言葉「迷い」

考える言葉

迷い

   中西輝政氏は、“迷い”について次のようなことを述べている。
 
   「人間は、つねに相反する二つのものを持ち、自分に問いかけていくべき存在だ。その中で悩み、惑い、試行錯誤することこそ、考えを広げ、深める訓練の場になる」(『本質を見抜く考え方』)
 
   自分の中に二つの「相反するもの」を持ち、つねに自分に問いかける部分を持っておくべきだという。つまり、行動に移るまでに、絶えず自分に「そうじゃないのでは?」と問いかけるもう一人の自分がいないと、大切なものを全部失ってしまう危険があるのだと言う。
 
   さらに、氏の一言!
 
   「迷っている状態というのは“将来への投資”である!」と。
 
   つまり、「“迷い”は、本当の学びであり、自分を豊かにするものだ。迷ったときこそ大事なとき。迷ったときこそ収穫のとき。迷えば迷うほど、思考は深まる」のだと。この本と出逢ったのは、還暦を迎えたころ…。人生、節目の年で、今後の人生を考えていた頃だったので、すごく勇気をもらったことを今でも覚えている。その後も何度も読み直した書物の一つである。
 
   もう一つ、“迷い”と言えば、松下幸之助氏の次の言葉にも勇気づけてもらったことを思い出す。
 
   「今はまだ迷ったらいい。“迷い”に迷って、骨と皮になるというくらいに迷っていてもいいわけや。次々にサラサラとうまくいくと、苦労のしがいがないものや。迷えば迷うほどに偉大なものが生まれる」と。
 
   さらに、次の一言をつけ加えるところが幸之助氏らしい。
 
   「迷わないでいいことも、迷っていないか。素直な心で、自分に、問いただしてみること」だと。
 
   以上が、二賢人の“迷い”に関する見識である。
 
   「迷っている状態というのは“将来への投資”である!」(中西氏)、「迷えば迷うほど偉大なものが生まれる」(松下氏)…。この“迷い”に対する、お二人の肯定的な捉え方に共感し、感服する。
 
   座右の書とも言うべきだろう。考えて見ると、両氏の書物、そしてピーター・ドラッカーの書物はいつも目につき、手が届くところに並べている。そして何度ともなく、読み直した形跡がはっきりと残っている。
 
   いずれの書物も、読めば読むほど考えさせられる、つまり、価値ある“迷い”に導いてくれる機会を与えてくれる書物である。
 
   そう考えると、“迷い”一つにしても、本当に「人生は心一つの置きどころ」である。
 

今週の考える言葉「企業生命力」

考える言葉

企業生命力

   朝から書棚の整理をしていると、『企業生命力(The Living Company)』(アリー・デ・グース著)という本に目が止まった。もう20数年前に購入した本である。
 
   パラパラとめくってみると、至るところに赤線や書き込みがあり、当時に熟読した形跡がある。
 
   著者・アーリーがロイヤル・ダッチ・シェルに勤務していたときに、長寿企業について調査した成果をもとに書かれた書物である。
 
   本書の核心は、起業を生き物と考えてみたらどうなるのかという視点から、長寿企業の“企業生命力”ついて研究し、熟慮されたものである。
 
   数百年永続する企業とは、どんな企業だろうか。綿密な研究の結果、当該企業の成功原因に、次の4つの主要な共通要素が発見できたという。
 
(1) 長寿企業は、環境に敏感である
経営環境との調和を維持する。常に触覚を鋭敏に働かせ、周辺の動きに合わせて行動を起こす。変化と適応に対して強烈な意欲を持ち、その意志を強力に貫く姿勢がある。
 
(2) 長寿企業は、強い結束力があり、また強力な独自性が見られる。
いかに多角化が進んでも、従業員は会社と一心同体。強固な団結。組織全体の健康状態を最優先する。
 
(3) 長寿企業は、寛大である
「権力の分散化」を図り、できるだけ干渉をせず、活動面で大幅な自由度が認められていた。
 
(4) 資金調達で保守的である
慎ましく倹約し、むやみに資本をリスクに晒さない。余分なカネはタンスにしまっておく習慣があった。手元に現金があれば行動に制約されることなく、柔軟性と独立性が維持できると考えていた。無駄を省き、内部留保を高める。
 
   絶えざる変化の波にもまれながらも長期間にわたって存続する企業とは、変化に対するマネジメントの達人をトップに据える企業に他ならない。組織は、機械ではなく、学習して成長し続ける生命体のようなものだと捉えて、「学習する組織」という言葉を生み出しだのは、アーリーである。
 
   私たちは今、変化の激しい時代環境の中に生きている。その変化にどう適応し、存続発展していくか。そのためには、上記の長寿企業としての“企業生命力”に関して、明確な意識を持って経営に取り組む必要がある、と改めて思う。
 

1 2 3 63