古田会計事務所

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今週の考える言葉「経営センス」

考える言葉

経営センス

   VUCAの時代(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)と表現される現在では、状況に適したアプローチが求められるのだという。
 
   そんな背景もあってか、企業経営者は会社を良くするためには、スキルも大事だが“経営センス”を磨くことのほうがもっと大事だという考え方をよく耳にする。
 
   “経営センス”とは、「複雑な状況で筋のよい判断をして結果につなげる力」だと考えるといいだろう。
 
   ある本によると、“経営センス”の良さとは、次のような能力がバランスよく集約されたうえで、鋭い感覚(感性)を発揮することだという。
 
① 総合力・・・経営上必要とするすべての状況のポイントを把握できている
② 先見力・・・先々の状況を読み取る力をもっている
③ 判断力・・・様々な状況を加味しながら、的確に判断する力を持っている
④ 対応力・・・状況の変化に柔軟に対応する力を持っている
⑤ 掌握力・・・顧客や社員や外注先を理解して、それに対応する手をすぐに打つ力を持っている
⑥ 実行力・・・やるべきことは必ず実行して、成果が見えるまでマネジメントする能力を持っている
⑦ 情報力・・・知識、経営手法、その他事業について、ストックしているし、必要に応じて迅速に収集する力を持っている
⑧ 行動力・・・行動すべき事柄については迅速に行動を起こす力を持っている
 
   確かに、どれ一つとっても“経営センス”に欠くことができない大事な要素だと思う。
 
   しかし、人間誰もが得手・不得手がある。上記の➀~⑧までの能力で、自分の得手・不得手とする能力は何か、自己チェックしてみるのも良いだろう。
 
   “経営センス”がある人には、次のような傾向があるという。
 
① 目先よりも全体を見る
② 原因と結果をつなげて考える
③ 不確実でも決められる
④ 顧客価値を外さない
⑤ 失敗から判断基準を増やす
 
   “経営センス”とは、何をやるか、何をやらないかを決める感覚だとも言えよう。また、“経営センス”とは、実践を通して、鍛えることが可能である。
 
   毎日ひとつ、仕事の判断を日報に書き残し、何を見て決めたか、他の案は何か、結果はどうだったかを自己チェックして、“経営センス”を磨く努力をしたいと思う。
 

今週の考える言葉「集中経営」

考える言葉

集中経営

   最近、“集中経営”という言葉について考える機会があった。経営とは、限られた経営資源をどのように配分し、どこに力を注ぐのかを決めることである。そう考えると、“集中経営”とは、単に一つの事業に絞り込むという意味ではなく、「何に集中すべきか」を明確にし、そこへ経営資源を徹底して投入する経営だといえよう。
 
   P・F・ドラッカーは、成果をあげるための秘訣として“集中”を挙げている。以前、「選択と集中」について考えた際にも、「集中」とは、多くの可能性を捨てることであり、同時に、自分にしかできないことへ力を注ぐことだと整理した。
 
   ところが、現実の経営では、あれもこれもと手を広げてしまいがちである。新しい商品、新しい顧客、新しい市場、新しい取り組み……。どれも必要に思えるからである。しかし、経営資源には限界がある。人も、時間も、資金も、経営者のエネルギーも無限ではない。だからこそ、「何をやるか」以上に「何をやらないか」を決めることが重要になる。では、何に集中すべきなのだろうか。小生は、次の三つの視点が大切だと思う。
 
  1 “強み”に集中する。
  2 “顧客価値”に集中する。
  3 “未来”につながる領域に集中する。
 
   ドラッカーも、成果をあげる原則として「強みに集中する」ことを挙げている。弱みを平均的な水準まで引き上げることに多くの時間を費やすよりも、自らの強みをさらに伸ばし、卓越性を生み出すほうが成果につながるのである。
 
   IGグループが取り組んでいる未来会計やMAS監査も、「何でもできます」という発想ではない。経営者とともに未来を描き、その実現のために「仮説~実践~検証」の経営サイクルを回していく。まさに、自らの強みを明確にして、そこへ経営資源を集中させていく考え方だと思う。
 
   また、“集中経営”には、人材の集中も欠かせない。すべてを経営者一人で抱え込むのではなく、「任せる」ことによって、自分にしかできない仕事へ集中する。これは以前考えた“選択と集中”のもう一つの重要な側面である。
 
   IGグループでも、後継者育成塾や行動計画発表会などを通して、自ら考え、自ら目標を掲げ、自ら行動できる人財の育成を目指している。組織として一人ひとりが主体的に動くことができれば、経営者だけに負荷を集中させるのではなく、組織全体の力を一つの方向へ集中させることができる。結局、“集中経営”とは「捨てる経営」であり、「選ぶ経営」であり、そして「一点に力を集める経営」なのではないだろうか。
 
   これからますます変化が激しくなる時代である。限られた経営資源を分散させてしまえば、どの分野でも中途半端になってしまう。一方で、自社の存在目的と強みを見極め、未来に向けて集中すれば、小さな力でも大きな成果を生み出すことができるであろう。
 
   「我々は、何に集中すべきなのか。そして、そのために何を捨てるのか」。経営者として、この問いを常に自らに投げかけながら、“集中経営”を実践していきたいと思う。
 

今週の考える言葉「時短」

考える言葉

時短

   最近、“時短”という言葉をよく耳にする。働き方改革や生産性向上という観点から、いかに仕事にかける時間を短くするかが問われている。確かに、限られた時間を有効に使うことは大切である。しかし、“時短”とは、単純に仕事を早く終わらせることなのであろうか。
 
   小生は、“時短”の本質は「時間を短くすること」ではなく、「時間の使い方を変えること」にあると思う。仕事の成果を落とさずに時間だけを削ろうとすれば、どこかに無理が生じる。大切なのは、そもそも「何のために、その仕事をしているのか」を考えることである。
 
   ドラッカーは、成果をあげるためには“集中”が重要だと説いている。IGグループでも、これまで“選択と集中”について考えてきたが、集中とは、限られた経営資源を本当に重要なものへ振り向けることである。つまり、“時短”とは、仕事を速く処理する技術だけではなく、「やらないことを決める勇気」でもある。
 
   考えてみれば、仕事には三つの段階があるのではないだろうか。
 
 ➀ “なくす”……そもそも必要のない仕事をやめる。
 ② “任せる”……自分でなくてもできる仕事を人に任せる。
 ③ “効率化する”……必要な仕事について、仕組みやITを活用する。
 
   この順番が大切なのである。最初から効率化だけを考えると、「無駄な仕事を、より速く行う」という皮肉な結果になりかねないIGグループが取り組んできた“未来会計”やMAS監査も、本質的には同じ発想であろう。目先の作業に追われるのではなく、未来のあるべき姿を描き、何をすべきかを明確にする。そこから行動計画を立て、「仮説~実践~検証」のサイクルを回していくのである。
 
   “良い計画”があれば、優先すべきことが明確になる。逆に、目的や目標が曖昧であれば、目の前に現れる仕事を次々と処理するだけになり、いつまでたっても時間に追われることになる。
 
   結局、“時短”とは、時間を削ることではなく、“大切なことに時間を使う”ための知恵なのである。忙しさを減らすことだけを目指すのではなく、限られた時間を何に使うべきかを問い直したい。
 
   「忙」とは「心を亡くす」と書く。目先の仕事に追われて、本来の目的を見失ってはいないだろうか。時短を考える前に、「自分にとって本当に大切な仕事とは何か」を問い直すことから始めたいと思う。
 

今週の考える言葉「哲学」

考える言葉

哲学

   “哲学”とは何だろうか。いま思うに、学生の頃、酒を飲みながら、夜明けまで語り合ったテーマの一つでもあった。
 
   辞書的には「人生や世界について、根本的な原理を追究する学問」といわれているる。しかし、経営の現場に立っていると、“哲学”は決して学問だけのものではないと感じる。むしろ、「自分は何を大切にして生きるのか」「何のために、この仕事をするのか」という問いに向き合うこと、そのものではないだろうか。
 
   P・F・ドラッカーは、経営において「何をもって貢献とするか」を問い続けた。企業経営も人生も、目先の成果だけを追い求めていると、いつの間にか本来の目的を見失ってしまう。だからこそ、判断に迷ったときに立ち返る“考え方の軸”が必要になる。それが、その人や組織にとっての“哲学”なのだと思う。
 
   稲盛和夫氏が経営において繰り返し説いたのも、「人間として何が正しいのか」という判断基準である。これは、損得や効率だけでは答えの出ない問題である。目先の利益になるからやるのか、それとも、人として正しいからやるのか。この問いを日々の経営判断に持ち込むところに、“哲学”の実践的な意味がある。
 
   IGグループが大切にしている「社会的インフラ」という使命も、単なる事業上のキャッチフレーズではない。未来会計やMAS監査を通して、経営者の意思決定を支援し、中小企業の未来を一緒につくっていく。その根底には、「社会にとって必要な存在でありたい」という“哲学”があると考える。
 
   では、“哲学”を持つとは、具体的にどういうことだろうか。
 
 ① 「何のために」を問い続けること。
 ② 自分なりの判断基準を持つこと。
 ③ その判断基準を、日々の行動で実践すること。
 ④ 経験を振り返り、考え方を磨き続けること。
 
   大切なのは、立派な言葉を掲げることではない。実際の行動に、その人の“哲学”が表れるのである。理念を語ることと、理念に沿って生きることの間には、大きな違いがある。
 
   以前からIGグループで取り組んできた「経営人間学講座」や「後継者育成塾」も、単なる知識の習得を目的としているのではない。経営技術を学ぶだけでなく、「人間として、どう生きるのか」「経営者として、何を実現したいのか」を考え抜く機会である。その意味で、経営とは“哲学”を実践する場なのかもしれない。
 
   久々の5連休……。一人でゆっくりする時間ができたせいか、久し振りにじっくりと“哲学”をした気分である。
 

今週の考える言葉「NN構想の会」

考える言葉

NN構想の会

   先週(10~11日)、“NN構想の会”(第26回全国大会)を東京・椿山荘で開催することができ、多くの参加者のもと、無事に終了することができた。その内容について、少し紹介したい。
 
   今回の大会テーマは、『価値共創の未来を築く~チャンスは無限にある』。このテーマのもと、社会的インフラとしての自覚のもと、職業会計人としての使命を全うするために何をなすべきか、みんなで真剣に考える大会にしたいと思い、企画した。
 
   第一日目は、小生の開会のあいさつの後、すぐに基調講演が始まる。
 
   今回は、『ピンチをチャンスに変える企業~時代の波に乗る経営者になるために』とテーマで、行列の並ぶ人気店『佰食屋』の創業者である中村朱美氏に登壇してもらった。
 
   社会問題となっている働き方改革と利益をどうしたら両立できるかを考えるなかで、「フードロスも残業もゼロにする」という視点から、一日100食限定というコンセプトで美味しいものを手軽な値段で食べられるお店『佰食屋』という発想が生まれたという。
 
   流暢で分かりやすい話し方で、聞き取りやすい内容だったと思う。
 
   そのあとすぐに、『パネルディスカッション』(第一部、二部)。
 
   今回は、若手・中堅の会計人がパネリストとして登壇し、「未来会計を支えるキーパーソンの役割」と「会計事務所の事業承継」をテーマに、会計業界の未来をどう創造していくのか、その課題は何か等について、熱い思いを語っ合ってくれた。
 
   そして一日目の最後は、『情報交流パーティー』。支持団体の企画・進行で、あっという間に、楽しい懇親会の時間を過ごして頂けたと思う。
 
   第二日目は、5会場に分かれての分科会。これは、14の支持団体が自らの活動の内容やどんなサポートができるのかを、企画・イベントを交えて、公開してくれる場である。
 
   いずれも面白く、内容の濃いテーマだったので、どれを選択するか、苦労したのではないかと思う。時代の流れもあるのか、「AI」に関する取り組み方について内容が多かったようだ。
 
   NN構想の会のモットーは、「個人の限界を組織の限界にしない。組織の限界を業界の限界にしない」である。
 
   この原点に立ち返って、「協働の精神」を培う二日間になったと、確信している。
 
   参加された多くの方々から、「来年も当然、やるんですよね!」と声をかけて頂き、たいへん励みになると同時に、嬉しくなった。誰もが、“NN構想の会”のような、衆知を集める場を期待しているのだと改めで確信した次第である。
 

今週の考える言葉「守破離」

考える言葉

守破離

   もう十数年前に購読していたもので、『躍進のバトンタッチ 後継者の鉄則』(井上和弘 著)という、分厚い本がある。
 
   『IG後継者育成塾』の題材になればと思ったのだろう、けっこう読み込んだ形跡がある。中でも、「第1章 守破離の大原則」という内容に惹かれたのだと思う。
 
   “守破離”は、室町時代の世阿弥の「風姿花伝」に出てくる、能を極める極意「序破急」によるものではないか、と言われている。また、茶道の千利休の言葉に由来するのではないかという説もあるようだ。
 
   小生は、“守破離”という言葉を聞くと、何となく「学びや成長には段階がある」というイメージが浮かんでくる。
 
   では、なぜ「守」から始まり、「破」を経て、「離」に至るのであろうか。考えてみると、これは単なる技術習得の順序ではなく、人が一人前になっていく“成長の原理”そのものではないだろうか。
 
 
➀ 先ず、“守”とは、まず教えられた型を忠実に守ることである。
 
   自分の経験や価値観だけを頼りにするのではなく、先人が積み重ねてきた知恵や基本を素直に学ぶ。基礎を疎かにして、いきなり独自性を求めても、本当の意味での力は身につかない。
 
 
② 次の“破”は、身につけた型を深く理解したうえで、それを自分なりに工夫し、発展させていく段階である。
 
   いつまでも教えられた通りにやるだけでは、環境の変化に対応できない。P・F・ドラッカーも、成果をあげるためには「強みに集中する」ことを説いている。学んだものをそのまま使うだけではなく、自分の強みと結びつけて、新しい価値を生み出すことが重要なのである。
 
 
③ そして“離”とは、型から離れ、自らの型を創り出すことである。
 
   ここまで来ると、単に「教えられたことができる人」ではなく、「自分で考え、判断し、周囲にも影響を与えられる人」になっている。
 
   以前、“仕事力”について考えた際にも、自己処理能力から協働する能力、さらに任せる能力へと、仕事への関わり方が進化していくことを整理した。 “守破離”もまた、自己完結から組織への貢献、そして新たな価値の創造へと成長していく道筋だといえよう。
 
 
   IG目標管理システムも、先ずは素直に学ぶ“守”から始まり、未来会計を通して
 
   主体性を発揮することで“破”とし、その積み重ねの先に、IG会計グループならではの価値を創造し、社会的インフラとしての使命を果たしていく“離”があると思う。
 

今週の考える言葉「リーダーマインド」

考える言葉

リーダーマインド

   最近、「リーダーシップ」について考える機会が増えている。
 
   組織を取り巻く環境が大きく変化し、これまでの常識や成功体験だけでは、切り拓くことが難しくなっているからである。
 
   では、優れたリーダーに共通するものは何だろうか?能力や経験だけではない。
 
   “リーダーマインド”こそが、リーダーとしての行動の原点なのではないだろうか。 
 
   “リーダーマインド”とは、役職や肩書きのことではない。自分が置かれている立場に関係なく、「自分がこの組織や未来をつくる」という当事者意識を持つことである。誰かに指示されてから動くのではなく、自ら考え、自ら決め、自ら行動する。そこにリーダーとしての第一歩がある。
 
   P・F・ドラッカーは、マネジャーを「組織の成果に責任を持つ人物」と捉えている。つまり、リーダーとは、自分自身の成果だけを考える人ではなく、周囲の人たちの力を引き出し、組織として成果を生み出すことに責任を持つ人だといえよう。
 
   そのためには、まず“大局観”が必要である。目先の問題に振り回されるのではなく、「何のために、この仕事をするのか」「どんな未来を実現したいのか」という根本に立ち返ることである。安岡正篤氏のいう「長い目」「多面的・全面的」「根本的」という三つの視点は、リーダーにとって重要な思考の基本である。
 
   そして、次に必要なのが“覚悟”である。未来は、誰かが用意してくれるものではない。自らがあるべき姿を描き、そこへ向かう道筋を考え、行動し続ける必要がある。IGグループが実践してきた未来会計も、まさに「未来を描き、現在との差を認識し、行動する」という考え方を基本としている。
 
   では、“リーダーマインド”を育てるには、何を意識すればよいのだろうか。
 
➀ “目的”を明確にする
  (何のためにやるのかを自らに問い続ける)
② “当事者意識”を持つ
  (他人事にせず、自分ならどうするかを考える)
③ “決断”する
  (正解を待つのではなく、仮説を持って一歩を踏み出す)
④ “人を活かす”
  (自分一人で成果を出すのではなく、仲間の強みを引き出す)
⑤ “やり抜く”
  (結果が出るまで、仮説~実践~検証を繰り返す)
 
   IGグループでは、後継者育成塾や行動計画発表会などを通じて、「自ら考え、未来を描き、行動する」人材づくりを大切にしてきた。目標を自ら掲げ、その達成に主体的に取り組むことは、“リーダーマインド”を養う格好の実践の場である。
 
   結局、“リーダー”とは、肩書きによって生まれるものではない。
 
   自分の人生や仕事に責任を持ち、周囲に貢献し、未来をより良くしようとする“心の姿勢”から生まれるのである。常に“リーダーマインド”を心掛けたいと思う。

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