古田会計事務所

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今週の考える言葉「モノサシ」

考える言葉

モノサシ

   数年前に購入した本であるが、『数値化の鬼』(安藤広大 著)という書物の中に、次のような一節がある。
 
   「数字は、客観的な視点を与えてくれる“モノサシ”である」と。
 
   そして、「“仕事ができる人”、“急成長する人”には、ある共通点がある。それは、物事を数字で考えられるということだ」と。
 
   “モノサシ”と言えば、「モノの長さを差しはかる道具」のことである。血気盛んな若い頃だったが、「あなたは自分の人生の“モノサシ”をもっていますか?」と訊かれることがある。
 
   つまり、「自分の人生の良し悪しを何で測って、判断しているのか?」という意味合いの問いだったと思う。すなわち、ここでいう“モノサシ”とは、自分の考え方や判断のベース。いわば価値観(=思考の枠組み)そのものである。
 
   「自分の人生の“モノサシ”(=自分の価値観)」……?その答えを求めて、いろいろな本を読み漁ったことを思い出す。
 
   ある本の一節に、次のような言葉があったことを思い出す。
 
   「人間の“モノサシ”は“ゴム紐”だ」……と。(以前に、“考える言葉”シリーズで取り上げた記憶がある)
 
   「人間はそれぞれ自分独自の、自分勝手な、そのときの気分に左右される“モノサシ”でもって、物事をみている」のだという。
 
   つまり、勝手に伸び縮みする“ゴム紐”のような“モノサシ”で物を測っているのが、私たち人間であると…。
 
   「同じ物が、人が違うと違って見える。同じ人でも、気分が違うと違って見える」 そんなあやふやな“モノサシ”を信じて生きているのが、私たち人間であると…。
 
   「人間の“モノサシ”は“ゴム紐”だ」という言葉には、その当時、妙に説得力があったように思う。
 
   もちろん、ゴム紐のようなあやふやな“モノサシ”、価値観を信じて生きていて、いいはずはない。だが、それが私たち人間だという自覚は持っておくべきだろう。
 
   では、ゴム紐のようなあやふやな“モノサシ”を確かなものにするためにはどうしたらいいのだろうか。
 
   一つは、“モノサシ”のベースとなっている自らの価値観の質を高める努力が必要となるだろう。人生に師匠から学ぶ姿勢、素直さ、謙虚さを忘れないようにしよう。
 
   そしてもう一つは、数値化(客観的な視点)。つまり、物事を曖昧にせず、良否の判断を明確にできる数字を持つことだろう。
 

今週の考える言葉「やりくり」

考える言葉

やりくり

   以前にも紹介した『コア・コンピタンス経営』という本を再読していると、次の一文が目に止まった。
 
   「未来にたどり着くスピードは、経営資源そのものよりも経営資源を“やりくり”する知恵の関数で導き出される」と。
 
   そして、「経営資源を“やりくり”する知恵は精緻な戦略設計図からではなく、強い目的意識と皆の心に宿る夢、そして思わず引きつけられるようなビジネスチャンスの未来図から生まれるのである」と。
 
   そのような考え方を、著者は“ストレッチ戦略”と呼んでいる。
 
   “ストレット戦略”とは、「今の能力では到底届かないくらい高い目標をあえて設定して挑むこと」という。
 
   そのとき、次の3点のポイントを認識しておく必要がある。
 
➀ 高すぎるが「不可能ではない」目標
② ギャップを埋めるシナリオを描くこと
③ 学習と能力構築がセットであること
 
   そして、そのベースには強い目的意識がなければならないと同時に、どう“やりくり”するかという整合性が問われるであろう。
 
   昔から、「やりくり上手は計画上手」という言葉があるが、「うまくやる人=事前に考えている人」だということだ。
 
   つまり、経営資源を「なんとなく」ではなく「意図して」動かせるかが、やりくり上手の分かれ目となる。やりくり計画の三本柱として、次の3つを考慮する。
 
① 目的と期間を決める
② 全体の枠組みを作る
③ 優先順位と削る場所を決める
 
   1990年のバブル崩壊後、20数年続く日本経済の低迷を考えると、“やりくり”上手な人とそうでない人では、相当の格差が生じることが間違いないと思う。
 
   かつては、「当たって砕けろ」的な発想でも通用したのかも知れないが、今ではそうはいっておれないような気がする。
 
   きちんとしたストレッチ戦略、すなわち「経営資源を“やりくり”する知恵」が必要だ。そのために有効な手段、考え方が「未来会計の実践」であるといえよう。
 
   先だっても、『将軍の日』に参加されている経営者の方々の真剣に取り組む姿勢を拝見していると、もっともっと時間をかけて、未来のあるべき姿を具現化するための機会を提供し、お手伝いできればと思う。
 

今週の考える言葉「エンゲージメント」

考える言葉

エンゲージメント

   先週(21~22日)は、IG後継者育成塾(第9期第3講)だった。今回のテーマは、「従業員満足(ES)」だった。
 
   基調講演をしてくれる講師は、前回(第8期)と同様、志田貴史氏(株式会社ヒューマンブレークスルー代表取締役)にお願いした。今回も「従業員満足(ES)」について、「従業員“エンゲージメント”」をテーマに、二日間、熱い想いを込めて講演して頂いたので、その一部を紹介したい。
 
   “エンゲージメント(engagement)”とは、「約束」「契約」「婚約」などを意味する言葉であるが、ビジネスでは「深いつながりをもった関係性」を指す抽象概念として用いられている。
 
   そして、“従業員エンゲージメント”とは、所属している組織への貢献意欲を指し、個人と組織との関係に着目することである。
 
   つまり、組織が目指す方向性を理解し、それが自身の目指す方向性と重なることで組織に貢献しようと思えることは非常に大切なことだと思う。
 
   従業員の会社への「愛着」や「愛社精神」。また「貢献志向」や「働きがい」という意味で一般的に認知されている。
 
   では、“従業員エンゲージメントを高めるためになすべき課題を整理してみよう。
 
① 現状を分析・整理し、自社の課題を抽出すること
② 対策・施策を検討すること
③ 目標を設定し、施策を実行すること
④ 定期的に結果の検証を行うこと
⑤ フィードバックし、改善・実行を繰り返すこと
 
   つまり、“従業員エンゲージメント”向上をテーマに、IGグループが提唱している「仮説~実践~検証」の循環モデル(=MAS監査)を一度しっかりと試してみるといいだろう。
 
   そして、“従業員エンゲージメント”を高める具体的な施策としては、次の点を留意しておきたいと考える。
 
① ミッション・ビジョンへの共感と浸透を高めること
② 仕事へ 「やりがい」というポジティブな姿勢を持つこと
③ 職場環境の改善・改革に努めること
 
   以上、職場の“エンゲージメント”を高めることを、常に意識して働く人たちの「熱意・没頭、活力」を高めていけるように、“従業員エンゲージメント”のあり方について再考してみたいと考える。
 

今週の考える言葉「仕事の単純化」

考える言葉

仕事の単純化

   1日は24時間(1,440分)である。
 
   「この世の中で、誰にでも平等に与えられているものが時間である」というのは、昔からよく耳にした言葉である。もちろん、与えられた時間には限りがる。しかし、その時間をどう使うかは本人の自由である。
 
   ホンダの創業者であった本田宗一郎氏が、かつて次のような事をある本で述べていたのを記憶している。
 
   「時間だけは神様が平等に与えてくださった。これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した人がこの世の中の成功者なのだ」と。
 
   社会人になると、ほとんど多くの人が仕事に追われ1日を過ごしているといっても過言ではないだろう。
 
   そこで大切なのが、この“仕事の単純化”である。毎日の24時間から余暇をひねり出す秘訣の一つである。
  
   『1日24時間をどう使うか』(R・ジョセフ 著)、これも随分前に購入した本であるが、その中に、仕事を単純化する基本について述べてあったので紹介したい。
 
   まずは毎日の仕事の手順(目的、実行、結果)を検討した上で、次の点を問い直してみることだという。
 
① 一体それはなぜ必要なのか?
② 何がこの仕 事の重点なのか?
③ どこでその仕事をするのがよいか?
④ いつそれをやるのがよいか?
⑤ 誰がそれをやるのか?
⑥ それをやる最善の方法は何か?
 
   思うに、我々が日常的に取り組んでいる仕事の多くは、代々先輩から引き継いできたもので、すでに定型化された仕事が多いのではないだろうか。そこに大きな罠がある……。
 
   「習うより慣れろ」という言葉があるが、人に教えられるよりも、自分で経験を重ねたほうが身につくという意味だが、大切なのは慣れるプロセスで、自分なり創意工夫を重ねて、“作業の単純化”を図る工夫が必要だということだ、“作業の単純化”は、組織や個人の生産性を高め、効率を改善する重要なプロセスである。
 
   つまり、組織と個人が成長し、発展するための基盤を築くことである。これには、深い思考と計画、属人かの回避、仕事の適切な引継ぎ、そして新しい挑戦へのオープンな姿勢が必要となる。上記の6つの点を常に問いかけてみよう。
 

今週の考える言葉「レバレッジ戦略」

考える言葉

レバレッジ戦略

   レバレッジ(Leverage)とは、「てこの原理」という意味だ。ビジネスでは、少ない自己資金を元手に借入などを使って、資金の何倍もの取引や投資を行い、成果を大きくする仕組みのことを指す。
 
   ここでいう、“レバレッジ戦略”とは、より少ない経営資源で戦略目標を達成する手段を絶えず模索することをいう。
 
   『コア・コンピタンス経営~大競争時代を勝ち抜く戦略』(G・ハメル&C・K・プラハラード著)の中で、経営資源のレバレッジは、次の五つの基本的な手法によって達成できると述べてある。
 
① 経営資源の集中
 長期間にわたり一つの戦略的な目的だけを追求すると、企業全体がその目的を目指して努力を集中することができる。一人ひとりは凡庸であってもまとまれば英知になる。そのためには、顧客のニーズに的を絞ることである。
 
② 経営資源の蓄積
 企業は経験の貯水池である。大切なのは、蓄積された知識や経験を掘り起こす能力である。積み重ねられていく経験から改善と刷新のためのアイデアを掘り起こしていく能力は、経営資源のレバレッジには不可欠である。また、他企業の経営資源を借りることも考慮したほうがいいだろう。
 
③ 経営資源の補完
 経営資源のレバレッジは、異なる経営資源を合わせて価値を倍増させることができるかどうかにもかかっている(ブレンドする)。ブレンドには、技術統合、職能の統合、それに新製品を生み出す想像力といった、いくつかのスキルを伴う。そして、ブレンドするときには、それらのスキルのバランスをとる必要がある。
 
④ 経営資源の保守・保存
 今あるスキルや能力を再利用(リサイクル)すればするほど、経営資源のレバレッジの効果も大きくなる。リサイクルは技術的な企業力に限らない。ブランドもリサイクルできるのである。
 
⑤ 経営資源の回収
 経営資源のレバレッジでもう一つ重要な決め手は、経営資源を投下してから売上のかたちで回収するまでの経過時間である。迅速に回収できると経営資源は倍増する。
 
   以上、経営資源のレバレッジの5つの大きな領域が、レバレッジの範囲をカバーしていると考える。集中、効率よい蓄積、創造的な補充、注意深い保守、そしてスピーディな資源の回収。これらを考慮して、“レバレッジ戦略”を考えてみたいと思う。
 

今週の考える言葉「傾聴力」

考える言葉

傾聴力

   ある書物に、「中国の帝王学の要諦は、3人の人物をそばにおくことに尽きる」と述べてあった。
 
① 一人目は、原理原則を教えてくれる師。
② 2人目は、智謀の人。
③ 3人目は、諫言(かんげん)してくれる士。
 
   これらはそのまま、組織リーダーにとってもいえることで、大切な要諦である。そこで大切になるのは、リーダーの度量。聴く力、“傾聴力”であろう。
 
   リーダーの本質は、メンバーの衆知を集め、その力をフルに発揮してもらうことにある。そのために必要なのが、人々の意見に耳を傾けられるかどうかである。
 
   “傾聴力”を高めるスキルとして、次のような「傾聴の技術」がある。
 
① 1つ目は、相手の言うことは自分にとって大切な情報であると、まず、思うこと。
② 2つ目は、話し手の目を見て話しを聴くこと。
③ 3つ目は、うなずくこと。
④ 4つ目は、あいづちを打つこと。
⑤ 5つ目は、リピートすること。
⑥ 6つ目は、質問すること。
⑦ 7つ目は、メモをとること。
⑧ 8つ目は、フィードバックすること。
 
   歳を重ね、立場は上になればなるほど、相談されることも多く、ついつい、そのための解答力を磨くことばかりに気をとられてしまう傾向がある。
 
   また、職業が専門職であれば、なおさらである。特に、若い時は意欲満々で、セミナーに出たり、専門書を読んだりして、仕入れに励んだものだ。そして、仕入れをすると当然ながら、売りたくなる……。
 
   しかし、よくよく考えてみると、人は喋っているときは自分の中に蓄えた知識や経験をさらけ出しているようなものだ。在庫をさばいているようなもの……。自慢気にしているとき、人は自分の価値を切り売りしているという事実に気づく必要がある。
 
   “傾聴力”の効果は他にもある。
 
   話し手からすると、自分の話に真剣に耳を傾けて聴いてくれて、自分のことを理解しようとしてくれた相手の話を、今度は自分が聴く番だと思うのが普通である。
 
   “傾聴力”とは、相手の思いを引き出すだけでなく、相手を大事に思っていることを伝える技術にもなる。その意味においても、“傾聴力”は、コミュニケーションスキルとしても大切な要素だと言えよう。
 

今週の考える言葉「試行錯誤」

考える言葉

試行錯誤

   自分の人生を振り返ってみると、何事においても、はじめてやることはすべて“試行錯誤”の連続であったと思う。
 
   そういう過去の経験を踏まえて、講演後の質疑応答のとき、「成功の秘訣は何か?」と訊かれると、必ず次のように応えている。
 
   「成果が出るまでやり続けることだ」と。つまり、「必濃さ」だと……。
 
   「失敗とは、途中で諦めるからだ。成功するまでやり続けたことに失敗の二文字はない」という信念を培う努力を怠らないように意識している。
 
   新しいことにチャレンジするということには、失敗はつきものである。それは私だけではなく、成長したいと思って生きている人は誰でも“試行錯誤”して生きているわけで、これは人間にとっての宿命のようなものであろう思う。
 
   私が好きな言葉というか、肝に銘じている言葉がある。
 
   「Failure teaches success(=失敗は成功のもと)」という言葉だ。
 
   「発明王」と呼ばれたトーマス・エジソンは数えきれないほどの失敗の連続から挑戦を繰り返すことで成功にたどりついたという。
 
   「失敗ではない。うまくいかない一万通りの方法を発見したのだ」と。
 
   そして、シェイクスピアの名言、「Life is a series of choices(=人生とは選択の連続である)」成功の陰にはどれも、不屈の精神がある。つまり、“試行錯誤”の連続であったのだ。
 
   次の二つは、『58の物語で学ぶリーダーの教科書』(川村真二 著)で紹介してあった内容であるが、経営の神様といわれた松下幸之助はあるとき、成功の秘訣は何かと問われて、「体験することが大事だ」と答えたという。そして「体験とは何も特別なことを経験することではなく、一日一日あったことをよく“かみしめてみる”ことだ」といい、「このことを3年も続ければ誰もが立派な体験をしたことになる」といっている。
 
   そして、ホンダの創業者、本田宗一郎の言葉に「成功は反省と努力」という言葉があるという。
 
   ここでいう「努力」とは「PDCAを何回も目標達成するまでくじけずに回し続けることであり、「反省」とは「Check、Action」のことだという。
 
   IG会計グループ主催の『将軍の日(=中期五ヵ年計画策定セミナー)』でも、一度だけでなく、成果が出るまで何度もつくり直すことの大切さを説いている。“試行錯誤”し、失敗から学ぶことこそが、成功の秘訣であり、早道だといえよう。
 

今週の考える言葉「権限委譲」

考える言葉

権限委譲

   優れたリーダーとは、優れたリーダーシップを発揮できる人だという。そこで、考えてみたい。優れたリーダーシップを発揮するために必要な要素とは何だろうか。
 
   「58の物語で学ぶリーダーの教科書」(川村真二 著)に中に、「リーダーシップ発揮の13ステップ」という章があり、リーダーシップは、PDCAサイクルを核として発揮されるが、具体的な手順として、次の「13ステップ」を掲げてある。
 
① 現状を把握する
② 目標を設定し、部下と共有する
③ 部下の目標と役割を明確にする
④ プランを立案する
⑤ “権限委譲”をする
⑥ 教育を実施し、かつ、自己啓発をする
⑦ 部下へ実行の働きかけをする
⑧ 進捗状況を把握する
⑨ 成功と失敗(問題)を分けて把握する
⑩ 問題は原因を分析し、対策を立案し、実行する
⑪ 成功は要因を分析し、標準化し、実行する
⑫ 成果を把握し評価する
⑬ 成功感を共有する
 
   いずれのステップも重要であるが、中でも、「“権限委譲”する」ことは重要かつ難しい課題だと思う。
 
   “権限委譲”とは、部下の自律的行動を促し成長を後押しするマネジメント指標である。そのメリットとしては、次のようなことが考えられる。
 
① 社員の意欲・能力の向上
② 意思決定の迅速化
③ 管理者がマネジメントに専念できる等。
 
   ただ、委譲対象者の経験・能力不足で、業務に支障が生じるケースがよく見られるので、丸投げするのではなく、適切なサポートを行う必要があるだろう。
 
   そのためには、委譲する権限の範囲を明確にしておくと同時に、責任の所在を明確にしておく必要があるだろう。
 
   それから、信じて任せても、「報・連・相」はしっかりとさせることも大事だと思う。
 
   “権限委譲”の目的は、自らの仕事や責任を楽にするためではなくて、リーダーシップを発揮できる人材を育成するためにあることを肝に銘じておこう。
 

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