古田会計事務所

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今週の考える言葉「運命共同体」

考える言葉

運命共同体

   何かをなそうとするとき、その目的に共感し、集まった仲間たちのことを“運命共同体”と呼んだりする。つまり、運命をともにすることを相互に了解し合った複数の個人または団体をいう。
 
   “運命共同体”、ある本を読んでいたときに、ふと浮かんだ言葉である・・・。小生は、明確な目的意識を持って集まっている組織や団体はすべて“運命共同体”であると思っているが、自覚している人がどれほどいるだろうか?
 
   “運命共同体”をネットで調べてみると、「一蓮托生、不即不離、道連れ、腐れ縁、共存共栄」などの言葉が出てきた。本来、運命をともにすることとは、そんな感じなんだろうと思う。
 
   もっともグローバルな視点で捉えると、地球という場を共有している人類はみな“運命共同体”の関係にあるといえよう。
 
   その共有の場である地球に、世界的人口の増加や科学の発達に伴い、私たちの自由で気ままな行動を受容する限界が見えてきているという。前回においても述べたように、「採る、使う、捨てる」という使い捨ての考え方の限界である。
 
   健全な“運命共同体”を持続可能にしていくには、ネットワーク(関係性)とシステム(全体と部分)という考え方をベースに、次の3つの視点を忘れてはならない。
 
①過去~現在~未来(後世のニーズ)という時間の流れ
②組織の重要性(相互依存関係にあること)
③環境と変化への適応(新しい発想)
 
1.IG会計グループの基本理念は、まさに“運命共同体”的思考をベースに掲げたものである。
2.業界において常に先駆的役割を担い、品質の高い知的サービスを通じて、企業の繁栄に貢献する
3.われわれ相互の主体的価値を尊重し、互いに切磋琢磨する
 
   全人類の自己実現のために衆知を集めるキーワードは、“運命共同体”の一員として、常に先駆的役割を担うという勇気と責任を持つこと。メンバー1人ひとりが主体性を発揮し、切磋琢磨する関係性を保ち続けること。そして、世の中の進化・向上のために貢献できる人材として成長し続ける気概を持ちたいと思う。
 
   “運命共同体”意識を培い、出逢いの場を共有できた喜びを実感できるようなネットワークの輪を広げていけたらと思う。
 

今週の考える言葉「競争優位」

考える言葉

競争優位

   最近読み直している本に、『持続可能な未来へ』(ピーター・センゲ)がある。2010年初版なので、もう十数年経つが、何度読み返しても新たな気づきを提供してくれる良書である。
 
   工業化に象徴される20世紀の経済成長は、環境汚染や社会問題(貧富の差など)などの副作用をもたらした。まさに21世紀は、その繁栄の代償を払わざるを得ない状況にあるという。
 
   本書の問題提起は、繁栄の代償にどう対処し、個人と組織は「持続可能な未来を築くために」何をなすべきかを問うているのだ。
 
   そのためにまず、私たちに求められているのは、経済(すなわち、利益)を最優先する従来の考え方、価値観を改めることである。つまり、「採る、使う、捨てる」という使い捨ての考え方からの脱却である。
 
   世の中の価値観の変化は、「持続可能な未来のため」には、地球環境こそが何よりも大きな存在であり、そのなかに人間社会がある。そして、経済や産業などは、さらにずっと小さな存在にすぎず、環境と社会、両方の一部をなしている。
 
   私たちは「経済は自然の100%子会社のようなものであって、決してその逆ではない」という事実に目覚めるべきだという。
 
   確かに、社会が安定して活力がみなぎっていないかぎり、経済の健全性はあり得ないし、ビジネスもうまくいくはずがない。
 
   世の中の変化を踏まえ、そこに機会を見ることができる企業が、いつの時代にもリーダーシップを発揮し、“競争優位”に立ち、イノベーションや成長を左右してきた事実がある。
 
   今や、繁栄の代償である環境問題や社会問題にきちんと向き合うことが、私たちにとって“競争優位”を左右するテーマになっているのではないだろうか。
 
   そして、環境や社会は、「使い捨て」ではなく「循環型経済」の確立を求めているのである。すでに、多くの優良企業は、この考え方を重視し、自社の企業イメージ、ブランド力を高めるような戦略を描き、チャレンジしているという。
 
   「循環型経済」に取り組む真摯な姿勢が、競争優位を左右するというのだが、その仕組みを構築するには次の4つのポイント押さえる必要がある。
 
① 循環視点を持つこと(廃棄を前提にしない)、② 回収網を構築すること、
③ 他者との連携・協業を進めること、④ 社内外へ発信を行うこと。
 
   「持続可能な未来へ」の取り組みが、“競争優位”に働くのであれば一石二鳥である。
 

今週の考える言葉「マーケティング」

考える言葉

マーケティング

   先週末(20~21日)は、IG後継者育成塾(第7期第7講)の開催日(福岡会場)であった。
 
   今回は『マーケティングと企業価値』というテーマで、講師は公認会計士の弓削一幸先生を招いて、“マーケティング”について学んで頂いた。
 
   ご存じのように、日本経済はバブル崩壊後(1990年代)、長期的な低迷期を迎え、「失われた10年」と称されたが、いまや「失われた20年」あるいは「失われた30年」の様相を呈している・・・。
 
   一方、戦後日本の工業発展は目覚ましいもので、「世界の工場」と言われたほどで、モノを造る力が日本の経済発展の源であった。その頃は、まさにプロダクトアウトの時代であって、会社の方針や作りたいもの、作れるものを基準に商品開発を行っていたのである。
 
   つまり、「つくれば、売れる」時代であった。恐らく、“マーケティング”などは、二の次であったのだろう。
 
   80年代の日本経済は、すでに低成長期であった。企業の本業への投資も停滞し、「金あまり現象」が発生し、その金が土地や株への投資に向けられ、「バブル経済」に発展したのは周知の事実である。そして、バブルの崩壊へと続く。
 
   そんな歴史を辿りながら、いつの頃からか、マーケットインという言葉をよく耳にするようになった。
 
   スティーブ・ジョブズの言葉に、次のような言葉ある。
 
   「美しい女性を口説こうと思ったら、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要だ」
 
   さすが、スティーブ・ジョブズだ。まさに、マーケットインの発想そのものである。
 
   マーケットインとは、顧客が現状抱いているニーズを製品開発に反映させる考え方である。市場調査などの“マーケティング”をしっかりやって、顧客のニーズを汲み取り、顧客が欲しがる製品を作るのである。
 
   ここで気をつけるべきは、マーケットインの発想が良くて、プロダクトアウトの発想が悪いというのではない。つまり、二者択一の話ではないということだ。いずれの視点も活かせるようにするのが“マーケティング”のでもある。
 
   弓削先生は、“マーケティング”の目的は、「人を動かすこと」であると明言して、そのためにどう考えて、行動すべきかをわかりやすく語ってくれたと思う。感謝!
 

今週の考える言葉「コアコンピタンス(強み)」

考える言葉

コアコンピタンス(強み)

   先週の“考える言葉”シリーズ(23‐01)「年度方針」の中で、自らをマネジメントするたに最も考慮すべきポイントの一つとして“強み”を掲げた。
 
   その“強み”を、英語でいうと“コアコンピタンス”(Core competence)となる。直訳すると、「核となる能力」「得意分野」を意味するが、競合他社を圧倒的に上回るレベルの能力のことをいう。
 
   その“コアコンピタンス”について考えてみたい。
 
   真の経営計画を策定する前提条件として、しっかりと確認し、明確にしておくべき点が2つある。一つは、ドメイン(事業領域)であり、もう一つはコアコンピタンス(自社の強み)である。
 
   P・F・ドラッカーは明言している。「“強み”のみが成果を生む。弱みをなくすことにエネルギーを注ぐのではなく、その“強み”を生かすことにエネルギーを費やさなければならない」と。
 
   これは疑う余地のない事実である。だとすれば、経営の成果を上げるためには、自らの“強み”を正しく認識しておく必要がある。だが、どれだけの人が、「あなたの会社の強みは何ですか?」という問いに対して、明確に答えることができるだろうか…。
 
   では、自らの“強み”を見極めるにはどうしたらいいのだろうか?
 
① 成果を出している仕事には、必ず“強み”が働いているということ
② 短所から長所を探る(「短所は長所の裏返し」)
③ 家族・友人の聞いてみる
④ 情熱を持って取り組んだ仕事はないか
⑤ 他の人よりも短時間で終わらせている仕事はないか(コスト削減、スピード向上、成功確率が高いなど)
 
   もっと他にも、いろいろあるような気がする。まず大切なことは、自らの“コアコンピタンス”を意識することが大切だと思う。
 
   人はそれぞれ自らの“コアコンピタンス”を持っているものだ。自分の強みはもちろんのこと、他人の強みにも関心を持って観察してみよう。組織で働いている我々は、お互いの持ち味を活かし合うことによって、シナジー効果を創り出す立場にいる。
 
   事実、組織力の差とは、シナジー効果の差ではないかともいわれている。お互いのコアコンピタンスを活かし合う文化が育まれている組織は、シナジー効果が大きい。
 
   また、組織そのものにもコアコンピタンスがあることも認識しておく必要があるだろう。
 

今週の考える言葉「年度方針」

考える言葉

年度方針

   2023年(令和5年)、卯年。新しい年度のスタートである。IG会計グループの新年発表会(1月7日)も開催したばかりである。
 
   今年も一年、元気で、ワクワク、いい仕事ができそうな気分である。
 
   さて、IG会計グループが掲げた“今年度の基本方針”は、『セルフマネジメントの徹底~健全な判断力を磨く』である。
 
   “セルフマネジメント” すなわち、自らをマネジメントするために最も考慮すべきポイントは、次の3点であろう。
 
① 自分の“強み”を知っているかどうか
② 自分に合った“仕事のスタイル”を知っているかどうか
③ 自分の“価値観”を知っているかどうか
 
   そう、自分の強みを正しく認識し、それを活かせる仕事のスタイルを選ぶ。そして、やろうとしている仕事は自分の価値観と合っているのかどうか、を常に考える習慣を身につけることだ。
 
   そして、IG会計グループが“セルフマネジメント”力を高めるために常に心がけているスキルが6つある。
 
① IG式目標管理
② 時間管理
③ セルフモチベーション
④ ストレスマネジメント
⑤ 感情コントロール
⑥ 健康管理
 
   これらのスキルの関しては、今までも”考える言葉”シリーズで何度となく取り上げてきた課題でもある。要するに、考える習慣を養い、思考力を高めることにあるといえる。
 
   そのために最も効果的なことは、やはり読書だと思う。しかし、ただ読むのではなく、しっかりと考えながら読む。できれば、考えたことを文章にしてみるとさらに効果があがると思う。
 
   2023年、今年の干支(えと)は「癸卯(みずのと・う)」である。卯年は、過去の歴史から見ても、「大きな飛躍・向上」が期待される年だという。その意味においても、何か新しいことにチャレンジするいい機会ではないだろうか。
 
   今年は、上記3点を徹底することによって、『セルフマネジメントの徹底~健全な判断力を磨く』一年にしたいと思う。
 

今週の考える言葉「フル充電」

考える言葉

フル充電

   今年もあと一ヵ月と数日を残すだけとなった。
 
   いつもこの時期に気になるのは、今年掲げた目標の仕上がり具合である。もちろん、最後まで諦めずに粘り強くやり続けるしかないのであるが…。中には、すでに目標を達成し、次年度への仕込みに取り組んでいる人も、かなりいるだろう。
 
   そういった意味を込めて小生は、この時期を再“フル充電”する時期だと考えるようにしている。
 
   では、自分を“フル充電”できるのはどんな時だろうか?
 
   ジョン・C・マクスウェルは、その著書『NO LIMITS』の中で、次のような内容の紹介をしている
 
   「人間行動学の専門家トム・ラスは著書『元気は、ためられる』の中で、自分を“フル充電”するために必要な三つのカギとなる条件を挙げている。
 
 ① 意義・・・人のためになることをする
 ② 交流・・・「消極的に過ごす時間」よりも「積極的に過ごす時間」を多く取る。
 ③ エネルギー・・・心と体の健康のために良いことを選択する。……」
 
そして、上記の三つのカギとなる条件に対して自問自答すると、自分を“フル充電”するために次のようなことが必要となると、述べている。 
 
 * 「得意分野」で生きる
 * 家族と友人のために投資をする
 * 人々の価値を高める
 * 健康管理を怠らない
 * 常に「成長」し続ける
 * 神を信じる
 
   もちろん、これらは著者が考えた「自分の“フル充電”のためのリスト」だそうだ。
 
   自分の「強み」を自覚し、それを活かして「身近なパートナーへの貢献」はもちろん、「広く世にため人のために貢献する」には何をなすべきかを考える。そして、成果が出るまでやり続けるには、健康管理は大事だし、現状にとどまらず、成長し続ける意思が必要となる。
 
   トム・ラスの指摘は、目標管理を通して、未来会計を実践している小生にとって、共感できる内容ばかりである。
最終追い込みである、この時期において、最後まで手を抜かずにやり抜いたと言える熱意と信念が、次年度スタート時に必要なエネルギーにもなるである。
 

今週の考える言葉「鼓舞」

考える言葉

鼓舞

   コロナ蔓延状況が続いて3年かれこれになる。いつまでもコロナのせいにして漫然と過ごすのも居た堪れない気がして、何かをやろうと気はせくが、今一つ士気(モチベーション)が上がらず苦慮しているという。
 
   よくあることだが、気にはなっているが一歩踏み出すことができないでいる人と、さっと動き出し人とに分かれる。
 
   今回のテーマだが、“鼓舞”とは、「鼓(つづみ)を打ち、舞(まい)をまう意」から、「大いに励まし気持ちを奮い立たせること」をいう。
 
   一言でいうと、「やる気にさせる」という意味だと思う。
 
   気になってネットで調べてみると、英語では「やる気にさせる」ということを次の3つの言葉で使い分けているという。
 
Encourage =直接のやり取りでやる気を引き起こす。サポートする。
Inspire=強い影響力で気持ちを湧き起こす(刺激によって強い気持ちを引き起こす)、鼓舞する、刺激する。
Motivate=自分自身にやる気が出る。動機を与える。
 
   これらのニュアンスの違いを明確にできるほどの英語力が持ち合わせていないが、“鼓舞”とは、②のInspireに近い言葉ではないだろうか。
 
   かなり強い働きかけをする行為だと思う。つまり、ドンと背中を押して、「さあ、やろう!」というのが、まさに、“鼓舞”だろう。
 
   IGグループで開催している「将軍の日」(=中期五か年計画策定セミナー)は、経営者に自らを“鼓舞”してもらう一日ではないだろうか。 
 
   他人を“鼓舞”することは勿論、自らを“鼓舞”することも、そう簡単な行為ではないような気がする。まずは、自らを“鼓舞”する信念を持つためにどうしたらいいのかを考えてみよう。次のように自分に言い聞かせてみよう。
 
 ① 全てはうまくいく
 ② 人生は素晴らしい
 ③ チャンスはいくらでも転がっている
 ④ 私は自分の人生を積極的に切り開く
 ⑤ 私は幸せを手に入れるにふさわしい
 ⑥ 私は人々に好かれる
 ⑦ 私はできる
 
   「やる気にさせる!」 まずは自らを“鼓舞”してみよう。
 

今週の考える言葉「自分をよく知る」

考える言葉

自分をよく知る

   『習慣を変えれば人生が変わる』(マーク・レクラウ著)では、人生を変えるにはその前提として、“自分をよく知る”必要があると指摘している。そして、そのためには次の23の質問を答えて欲しいという。
 
   確かに、“自分を知る”ために、「自問自答すること」の大切さは、いろんな書物でも示唆している。しかし、これほど多くの質問を投げかけてきた著者は少ない。そこで、それらの質問の全てを紹介してみたい。(自問自答してみよう!)
 
 ① あなたの人生の夢は何か?
 ② 人生の最期が近づいたとき、しなかったことで最も後悔することは何か?
 ③ 時間とお金に余裕があれば、何をし、何になり、何を手に入れたいか?
 ④ 人生で何に興味を抱いているか?
 ⑤ 自分の人生を制限しているのは何か?
 ⑥ この1年間で最大の成果は何か?
 ⑦ この1年間で最大の不満は何か?
 ⑧ 他人を喜ばせるために何をしているか?
 ⑨ 自分を喜ばせるために何をしているか?
 ⑩ これまでで最高の仕事は何か?
 ⑪ それが自分の最高の仕事だと思う理由は何か?
 ⑫ 現在の仕事と5年前の仕事の違いは何か?
 ⑬ 自分の仕事の中でどの部分がいちばん楽しいか?
 ⑭ 自分の仕事の中でどの部分がいちばん嫌いか?
 ⑮ 先延ばしにしがちなことは何か?
 ⑯ 自分が誇りに思っていることは何か?
 ⑰ 自分をどう表現しているか?
 ⑱ 自分の行動のどういう部分を改善する必要があるか?
 ⑲ 人生で成功するための決意は現時点でどのレベルか?
 ⑳ 現時点でどのくらい健康で幸せだと思っているか?
 ㉑ 現時点で人生をどのくらい楽しんでいるか?
 ㉒ 何に対する恐怖を捨てたいか?
 ㉓ 人生のどの分野で突破口を開きたいか?
 
   人生の目的、仕事への関わり方、他への貢献、自己満足、自己改善、心のあり方など…。意外と自分のことについて答えるのは難しいものだと思う。
 

今週の考える言葉「責任感」

考える言葉

責任感

   「“責任逃れ”ばかりしている人間に、有意義な人生を全うできるはずがない」と、ある本に書いてあった。同感である。
 
   確かに、然るべき地位あるいは人の上に立つようになると、まず求められるのが“責任感”であろう。
 
   理不尽な理由をでっち上げて、他人に“責任”をなすりつけるのは簡単だ。だが、自分自身の能力を伸ばし、より一層の成長をし続けるには、こうした考え方の傾向を克服しなければならないと考える。
 
   書棚にあった『NO LIMITS「できる人」は限界をつくらない』(ジョン・C・マクスウェル)の一節に“責任感”について触れている個所があったので紹介したい。
 
   “責任感”とは、「全てを潔く引き受ける覚悟」であると定義し、「この世で最も退屈で、厄介な言葉の一つである」と、冒頭に述べている。
 
   だが、自身の能力を伸ばし、限界知らずの人生を送るには、“責任”の意義についてしっかり考える必要があるという。
 
   そして、“責任感”の強い人間になるべき理由として次の6つを示唆している。
 
 ① 責任は「成功の対価」である
 ② 責任とは「人生をコントロールすること」である
 ③ 責任感は「自尊心」を高める
 ④「責任を取る準備」が整ったとき、行動力が生まれる
 ⑤ 責任感がつくほど「良い習慣」が身につく
 ⑥ 責任感は尊敬と権威をもたらす
 
   以上、6つの理由はいずれも、自らの体験からも共感できるものである。
 
   小さい頃から“責任感”に関しては厳しく躾けられた気がするが、学生の頃にある先輩から「人の上に立ちたいなら、言い訳をするな。自分の不始末は自分でちゃんと“責任”を取れ」とアドバイスをもらったことを今でも思い出す。
 
   そして、“責任”といえばいつも、今は亡き土光敏夫さんの次の言葉が思い出される。というよりは、座右の銘の一つになっている。
 
   「トップとは、“責任”と同じだけの権限が与えられていると思っていたが、権限はすべて部下に渡してしまい、気がついたら“責任”だけがポケットの中に残っていた。トップとは、割が合わない仕事だよ……」
 
   土光さんに限ったことではない。歴史に名を残すような人物はすべて、“責任”に対する確固たる信念がある。
 

今週の考える言葉「never give up」

考える言葉

never give up

   “never give up”とは、「絶対にあきらめない」である。
 
   中学生の頃、習いたての英語でよく使っていたのが“nevr give up”であったと思う。何かにつけて、そういってお互いに励まし合っていたことを思い出す…。
 
   いつものように書棚を整理しているときに、目が止まり、手にした書物の一冊に『自己実現』(ナポレオン・ヒル 著)であった。
 
   懐かしく思い、ページをめくると、最初に飛び込んできたのが“never give up”(絶対にあきらめない)という言葉だった。
 
   「できないこともできるように信念の法則」という章で、“絶対にあきらめない”ことの重要性について語っている。
 
   著者のナポレオン・ヒルは、自分に耳が欠落した男子が生まれ、「これから先、聴覚はまったく機能しない」とドクターから断言されたときのことを例として取り上げている。
 
   彼は、自身が信じるところの「信念の法則」を疑うことをしなかった。息子が生まれてから9年の間、奇跡を信じて、息子の聴覚を獲得させる努力をし続けたのである。そして、その奇跡は起こったのである。
 
   この奇跡はなぜ、起きたのか?
 
   「父親が子どもの潜在意識に与えた心理的指示が自然に影響して、ある種の神経組織をつくり上げたのだろう」と、専門医は説明したそうだ。
 
   多くの人々は、望まないものを人生から拒否し、このどんなことでも可能にしてくれる「奇跡」をどう応用したらよいのかを知らないという。
 
   奇跡とは、一言でいうと、すべての人間の心の中に存在している潜在意識の働きから生まれるのだという。
 
   潜在意識は、次の三つの源から情報を受けて活動しているという。
 
 ① 第一は、五感を通して伝達され、本人に影響を与える。(外界のあらゆる情報)
 ② 第二は、第六感が感じ取る他人の思考で、テレパシーで伝えられる。
 ③ 第三は、本人のあらゆる思考である。(前向きも、後ろ向きも)
 
   そこで、潜在意識を自分に都合よく働かせるためには、自分の望んでいることをはっきりと、潜在意識に命令することが肝要となる。
 
   そのためには、① 明確な目標設定、② 達成イメージを強く持つこと、③ 熱意と信念を持つことなどが大事となる。
 
   中学の頃、「never give up!」と言って、お互いに励まし合っていたのはそれなりの効果があったのだと思う。さぁ、“never give up”の覚悟でいこう!
 

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