古田会計事務所

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今週の考える言葉「会計」

考える言葉

会計

   東芝の不正会計が社会的な話題となっている。
 
   いわゆる粉飾決算である。過去にもカネボウや山一證券の巨額粉飾、そしてライブドアでは堀江貴文氏は逮捕され、上場廃止に追い込まれた・・・。そうそう、アメリカではエンロンの粉飾が発覚し、その後、倒産。ざっと思い浮かべても、意外と不正会計に手を染める経営者が多いのに驚かされる。
 
   粉飾の手口は、複雑そうに見えても、大きくいうと「売上の先取り」「費用の先送り」そして「全くのでっちあげ」と3つのパターンに分けることができよう。でも、組織ぐるみでやられると、その道のプロである監査法人といえども、見抜けないのだろうか・・・。
 
   さて、なぜ、経営者は粉飾の罠に嵌ってしまうのだろうか?粉飾とは、見栄えがいいように装うということであるから、見栄と責任逃れからであろう。きっかけは業績の悪化から資金難に陥ることを恐れてのことだろう。
しかし、“会計”処理において、他人の目をだませたとしても、自分をだまし続けるわけにはいかない。だましても、業績は良くならないのである。
“会計”には、企業の利害関係者へ報告をすることを目的とした制度会計(=報告会計)とは別に、経営者の意思決定をサポートすることを目的とした管理会計(=意思決定会計)という領域がある。これは、経営のための“会計”である。
 
   IGグループでは、後者の“会計”領域を未来会計と呼び、その領域を事業化するためのビジネスモデルをMAS監査と名付け、20年前から税務と並ぶもう一つの事業の柱として展開している。
 
   私たちは、「未来会計とは、経営者の意思決定をサポートし、持続可能な未来を構築するための“会計”の体系(Accunting Manegement System)」と定義している。“会計”の本質をリスク計算と捉え、それをベースに目標管理を徹底して実行できる組織風土を培っていくお手伝いである。
 
   “会計”の目的をそのように考えると、“会計”は経営に役立つようにシステム化し、日常における“会計”処理は、「正確かつ迅速」であることがモットーとなる。そして、そのようにして作成された“会計”データをベースに経営判断をし、決定されたことを実行に移せるように計画を立てる。そして、結果の検証を行い、次の計画へとフィードバックしていくのである。その徹底で、80%以上の会社が黒字化できている。
 
   京セラの稲盛和夫会長がいう、「“会計”が分からんで経営ができるのか」という“会計”とは、まさに未来会計のことである。
 
   他人の目を気にする前に、自らの経営改革のため、正直な“会計”を考えよう!
 

今週の考える言葉「角度」

考える言葉

角度

  アルバムを眺めていると、その人の魅力的な表情を瞬間にとらえているような一枚の写真に出逢うときがある。実に絶妙なシャッターチャンスだと思うと同時に、アングルというか、捉える“角度”がいい・・・。
 
   プロのカメラマンの特徴は“角度”の捉え方にあるというが、私たちの人生や経営においても、“角度”の捉え方によって思考や行動が大きく変わる。
 
   例えば、会計学を実務に活かすときもそうである。どのような“角度”で会計学を見るかによって活かし方が変わってくる。つまり、税務署への申告を目的とした会計と、経営者の意思決定のサポートを目的とした会計では、会計システムの構築や処理の仕方が変わってきても当然である。
 
   「会計がわからんで経営ができるのか」というフレーズで有名でもある『稲盛和夫の実学~経営と会計』という本の中で、氏が次のようなエピソードを述べている。
 
   自分が経営の立場から予想したものと実際の決算の数字とが食い違うので、「それは、なぜか?」と問うが、「会計的にはこうなる」という教科書的な返事しか戻ってこない。「6年でダメになる機械を法定耐用年数の12年で償却費計上するのか?」「儲かっているのに、税金や配当を支払うのに借金をするという。儲かったお金はどこにあるのか?」 経営の基本にしっかりと寄り添ってこそ会計の本質ではないかと・・・。
 
   さすがである。「売上を最大に、経費を最小に」「値決めは経営である」「土俵の真ん中で勝負をする」「勘定合って銭足らず」などの考え方をベース、“角度”にして、経営に役立つ京セラの管理会計システムを構築していったのである。
 
   人生も同じだと思う・・・。「人生は出逢いである」といわれるが、どのような“角度”で出逢うのかによって、その後の関係性のありようが大きく変わってしまうという経験を多かれ少なかれ、持っているのではなかろうか?
 
   社内でも起こる人間関係の軋轢・・・。どんなに嫌な相手、その人にも愛し合う家族があり、友人の輪がある。ちょっと“角度”を変えてみると、その人のいい所が見えてきそうな気がする。
 
   職場という組織(全体)は、それを構成しているメンバー(部分)の集合体である。部分と部分との関わりという“角度”だけに執着してしまうと、食い違いばかりが目に付いてしまう。だが、全体という“角度”からお互いの関係性を見直してみると、何かもっと大きな計らいがあっての出逢いを感じることができるのではないだろうか。
 
   「人間は一本の葦にすぎない。・・・だが、それは考える葦である」 有名なパスカルの言葉である。捉われず、いろいろな“角度”から考えていきたい。
 

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