古田会計事務所

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今週の考える言葉「魅力」

考える言葉

魅力

   ある経営コンサルタントが、「自己満足ではダメ!顧客にとっての“魅力”ある商品やサービスでなければ・・・。そのためには、あなたの会社の商品を買ってくれている顧客に直接聞くことが大事です」と述べていた。
 
   確かに、その通りだと思う。自分に好意を寄せてくれている異性に、「私の何が“魅力”なの?」と聞くと、意外な答えが返ってくることが多いのではなかろうか。
 
   “魅力”という言葉を辞書で引くと、「人の心をひきつけて夢中にさせる力」とある。人はもちろん、“魅力”の対象となるものはすべて、その人(対象)の中に人の心をひきつける何かを持っているのである。
 
   だが、自分自身の“魅力”を自分で正しく認識できている人は、意外と少ないのではないだろうか?なぜなら、“魅力”とは、その人(対象)に対して、相手が感じるものだからであろう。
 
   お店で買い物をしたりすると、アンケートの記入を頼まれることがある。「なぜ当店を利用されているのですか?その“魅力”をお聞かせください」などは、非常にいい試みだと思う。(その結果をフィードバックできれば、の話であるが・・・)
 
   IGグループも上半期の合宿を終えたところである。後半戦を戦い抜くためにも、自社あるいは自らの“魅力”(=強み)を再確認してもらうためにも、各自に次の内容でレポートを提出してもらうように指示を出した。
 
   (自分の“魅力”を知るための質問)
 
   ① 今までに最も高い評価を受けた仕事は何か?
   ② それはこれからも高い評価を受けられそうか?
   ③ なぜ、そう思うのか?
   ④ 評価をさらに高めるために、どのような要素を追加すべきか?
   ⑤ それを習得す方法は?実際に習得するには何が必要か?
 
   自らの仕事を通して、顧客満足をつくりだしている真の“魅力”とは何か?自分だけに止まらず、自分を支えてくれている組織やネットワークまでに広げて、顧客に喜んでもらえる“魅力”を自覚し、多くの人々に知って頂き、そして“魅せる化”する働きかけも大切なことだ。
 
   “魅力”を強みとして活かし、選択と集中を行えば、生産性の向上につながり、“魅力”をさらに強化する未来投資も可能になってくるであろう。二極分化が進む時代環境である。自己満足に陥らず、つねに顧客とのコミュニケーションを心がけて、魅力づくりに励みたいと考える。
 

今週の考える言葉「連携」

考える言葉

連携

   かつて、「自前主義を貫く!」いう考え方が流行った時期があったが、最近はあまり耳にしなくなった・・・。
 
   自社の資源と技術だけで何でもやろうとする考え方だ。自前主義には、その組織や人なりのこだわりがあって、いい面もたくさんあったのだろうと思われるが、環境への適応力(変化のスピード、競争の高度化や多様性など)を考えると、自前で何でも対応する時代は終わったのだろう。
 
   最近、よく言われるのは”連携”である。小生は、ネットワークと呼び、より幅広い関係性を模索している。
 
   “連携”とは、同じ目的を持つ者同士が協力し合って行動することである。外部の力も活用して、より効果的に、大きな成果を得ようとする考え方だ。資源のムダも省けるだろうし、大賛成だ。
 
   IG会計グループの行動指針の一つに、「個人の限界を組織の限界にしない。さらに、組織の限界を業界の限界にしない」というものがある。まさに、‟連携”して衆知を集めることの重要性を唱っているものだ。
 
   “連携”のいくつかの形態を考えてみよう。
 
   ① 一つは、同一地域における同業者や他業者との”連携”がある。互いの受注不足やバラツキ、人手不足を補い合うことができて、人材等の資源の効果的な活用ができるメリットが生じる。
 
   ② 次に、同一規模の同業者が、全国的な”連携”(ネットワーク)を構築し、統一イメージでネットワークのブランド化を図り、圧倒的な競争優位性をつくりだす考え方だ。一社では到底できない知名度を確立できる仕組みだと考える。
 
   ③ さらに、特殊技術など特別な強みを持った中小企業が、大企業と‟連携”するのも面白い。自社にないブランドや販売網などの強みを持っている大企業と”連携”すれば、全国的な展開が可能となり、事業規模の拡大や収益構造のレベルがあがる。
 
   いずれも、すでに効果が上がっている事例がたくさんあるので調べてみよう。
 
   “連携”の基本は、対等関係が保たれるかどうかであろう。そのためには、自らの強みをしっかりと認識し、常に磨き続ける努力が必要だ。それから、”連携”の成果は、関係性の良否で決まるといっても過言ではない。お互いがお互いの存在価値を認め合う考え方、価値観を共有できているかどうかである。
 
   つまり、企業の本質(目的や存在価値)を思考し、なぜ”連携”をするのかなどを確認合い、信頼の絆を構築することが肝要である。
 

今週の考える言葉「尊敬心」

考える言葉

尊敬心

   いつの頃からだろう・・・、結婚式でスピーチを頼まれたときに、触れるようにしている言葉が”尊敬心”である。
 
   つまり、好いた、惚れたという感情はそう長く続くものではない。それに、好いた、惚れたという感情には、「自分が好きな相手だから、一緒にいたい。だから尽くしたい!」という、どこかエゴ(?)に匂いがする。その意味で、夫婦の絆としては今一つ危なっかしい感じがする。
 
   単に、好きや嫌いの感情だったら犬や猫でもある。だが、犬や猫に‟尊敬心”があるという話は聞いたことがない・・・。人が他人を尊敬するという行為は、次元が違う心の状態だと思う。
 
   人はどんなときに‟尊敬心”持つのだろうか?
 
   「人は、能力が優れている人を見ると、驚嘆し、称賛もするだろう・・・。だが、その人に‟尊敬心”を抱くのかといと、そうとは限らない」という。
 
   では、人はどんな人に出逢うと共感・共鳴し、その人のようになりたいと憧れ、‟尊敬心”を抱くのであろうか?私だったら、人としての器が大きい人、人格が崇高な人と出逢ったときである。それは、ものの考え方や価値観のレベルが全然違うという驚嘆であり、その人のようになりたいという‟尊敬心”であろう。
 
   小さい頃、偉人伝を読んで感動した。今でも自叙伝的な本を読むのは好きだ。何故ならば、その人の生き方を知り、多くのことを学ぶことができるからだ。それは、偉大な人物が描く人生の目的や志の凄さであったり、逆風に立ち向かう勇気が生まれる背景であったり、やり抜く力を支える動機など・・・。
 
   今改めて思うに、‟尊敬心”は人間の成長にとって極めて大切な要素である。確かに我が人生においても、多くの尊敬できる人との出逢いは、自らの価値観の成長に大きな影響を与えてくれたと実感している。
 
   面接等でも、「尊敬できる人は誰ですか?」という問いがあるが、これは大切なことである。尊敬心には、次のような効果があると思う。
 
   ① 謙虚な気持ちでいられる
   ② 人から多くのことを学べる
   ③ 感謝の気持ちを持てる
   ④ 信頼心が生まれる
   ⑤ 人間関係がうまくいく
 
   立場が高くなればなるほど、‟尊敬心”を失わないようにしたいと考える。
 

今週の考える言葉「創造性」

考える言葉

創造性

   「21 世紀は“創造性”の時代である」と言われて久しい。
 
   だいぶ以前だが、「中小企業を保護すべき“平均的な弱者”と決めつけるより、多様な可能性と“創造性”を持った事業主体」と捉え、その潜在性に期待するような記事を見た記憶がある・・・。迅速な行動ができる中小企業にとって、環境の激変は“創造性”を発揮できるチャンスだという趣旨で、大いに共感したことを思い出している。
 
   「日本企業の99.7%は中小企業、その7 割が新たな成長戦略を描けず、赤字で苦しんでいる」(国税庁調べ)という話を聞くと、“創造性”を発揮できる環境にあるにも関わらず、「なぜ?」という疑問が残る。
 
   「改めて問う、“創造性”とは?」 その本質は何だろう?また、なぜ、“創造性”は必要なのか?
 
   “創造性”について考えていると、次のような言葉が浮かんできた。
 
   純真無垢な好奇心・探求心・チャレンジ・勇気・ひらめき・空想・イメージ・多面性・関係性・伝播性・・・等々。
 
   それぞれの仕事の領域において、専門知識や熟練技能や経験等を積んでおく必要はあると思うが、どうもそれだけでは、“創造性”を発揮するには不十分のような気がする。“創造性”に適したマインドや価値観が必要なのではないか・・・。
 
   ① 目指すところが高く、現状に満足しない人
   ② 失敗を恐れず、打たれ強い人
   ③ 大胆な発想で、勇気ある行動をとる人
   ④ 決して、途中であきらめないという信念の人
   ⑤ 多様性に価値を置き、共感的な関係性をつくれる人
 
   では、なぜ、“創造性”は必要なのか?やはり、世の中の進化・向上への貢献ではないだろうか。だとすれば、「世の中が根本的に欲していることは何か?」そして、「それを満たすために何をなすべきか?」を、つねに自問自答する必要があるだろう。
 
   これからの時代では、“創造性”を発揮できない企業は生き残れないという。それでは、どうすればそのような風土が生まれるのか?
 
   ① 独自な経営観を共有し、目的思考である(システム思考的)
   ② 失敗に寛容で、建設的な意見ができる組織(切磋琢磨)
   ③ 主体的な人材が育まれる風土のある組織
 
   その前提には、統合的な思想や価値観を共有し、互いに高め合えるような学習組織が必要とされるであろう。
 

今週の考える言葉「統合」

考える言葉

統合

   先週末(6 月16~17 日)、『NBM16 期⑤~組織体制モデル』(「NN構想の会」主催)の研修が無事に終了した。
 
   全国の有望な若手会計人が集う研究会であり、毎回、積極的な意見交換が飛び交う、素晴らしい出逢いの場である。2003 年からスタートし、これまでに1000 名近くの卒業生を輩出しており、いつも楽しみにしている勉強会の一つである。
 
   今回のテーマは、組織論。NBMが提唱する『循環モデル』(=経営者の意思決定をサポートするための会計の体系)を事業として展開していくために必要な組織体制をどう構築するか・・・。
 
   Chandlerの「組織は戦略に従う」(“Strategy and Structure”1962)という著名な言葉があるが、戦略のパラダイムシフトが起きている21 世紀の経営環境において、新たな戦略の決定と同時に、組織体制をどのように再構築していくのかは、重要な経
営課題の一つとなる時代のパラダイムが激変する21 世紀の社会・経済環境において、業界再編は重要な経営課題となっている。今まで多くの中小企業は、「一国一城の主」として自社の利益と成長を考えて、経営すれば良かった。再編で統廃合が進むと、そういう訳には行かなくなるだろう。
 
   M&Aなどで、風土や文化の違う組織が一つになる。どのように“統合”し、組織体制を整えていくのか。それだけではない、再編が進む業界全体をどのようにリードし、業界全体の輝く未来を形成していくのか・・・。
 
   多様化した時代環境の中、上に立つ人ほどまたは業界をリードする企業ほど、多様
化した価値を“統合”できるようなモノの考え方、すなわち価値観(=思考の物差し)が
非常に重要となるであろう。
 
   人間の思考には、分離的思考と“統合”的思考があるという。分離とは、他人と自分を分ける考え方で、「相手と自分とは違う」という二項対立的な考えに陥り、良好な関係性をつくれなくなる。
 
   一方、“統合”とは、自他非分離の考え方で、「相手と自分は一つである」という二項共存的な考えができるので、共感・共鳴的に相手を受入れ、良好な関係性を構築することができて、生産的な場が生まれる。
 
   組織とは、元来、協働行為の体系である。業界再編が進む中、M&Aなどで組織の統廃合が生じる。
 
   そんな状況下、組織の盛衰を決めるキーワードは、“統合”という概念であろう!
 

今週の考える言葉「熟練」

考える言葉

熟練

   商品の一般化(大衆化)が進み、他との差別化ができなくなる状態をコモディティ化という。情報化やグローバル化がさらに深化していく中で、その傾向はいっそう強くなるであろう。
 
   長く続くと、低価格競争に陥って利益の確保が難しく、消耗戦の上共倒れとなる・・・。対策として、商品の差別化(ブランディングなど)が叫ばれているが、そう現実は甘くない。それは知的サービスの専門家においても同様で、専門知識の一般教養化が進み、より高度に専門特化しないと生き残りが難しい時代である。
 
   最近、“熟練”したマインドが求められているという。どんなに、たくさんの知識を習得したとしても、それ自体が価値にはならない時代なのである。“熟練”とは、それらの知識の活かし方を身につけていることをいう。つまり、仕事の目的をしっかりと捉え、その目的遂行のために必要な知識を関連付け、体系化できる思考法である。
 
   “熟練”したマインドを育むためには、次の4つの段階が重要となる。
 
   第一に、その仕事の目的をつねに問い、本当に重要な課題を見分けること。
   第二に、課題に対する研究をつねに怠らず、やり続けること。
   第三に、手段は無限、多岐にわたる方法を試してみること。
   第四に、学後の実践を旨とすること。
 
   孫正義氏が、次のようなことを述べている。
 
   「日常業務を社員ができる範囲でこなしているだけの時は単なる『作業』でしかない。全く異なる環境に飛び込み、もう一段の飛躍のために絶対に成功させねばならない使命を背負った時に、初めて人は大脳が活性化し始める。組織も同じだ」
 
   “熟練”したマインドを高め続けるために最も重要なことは、チャレンジである。パラダイムシフトが起きている今日的な環境においては、一度身につけた“熟練”がずっと安泰であり続けるなんてことはあり得ない。また、そういう職業などない。
 
   今盛んに、「生涯学習」の重要性が叫ばれている。重要な仕事に就き、地位が高くなればなるほど、広い意味での教育を受け続ける重要性が増してくるといえよう。大切なことは、強要されるのではなく、主体性をもって“熟練”を自覚し、やり続けるマインドである。
 
   悟りを究めた伝教大師最澄が自らを大愚といったように、“熟練”したマインドを備えた人ほど、生涯にわたる学習の必要性を自覚し、学ぶことに情熱を傾けている。学んでは実践し、さらに実践から学ぶ。
 
   “熟練”に過ぎるということはないと考える。
 

今週の考える言葉「睡眠」

考える言葉

睡眠

   若い頃によく経験した、マージャンなどもそうであったが、徹夜したあとの爆睡(もう何日も寝ていたような気分になる・・・)、そんな深い眠りに陥ってしまうような“睡眠”を、もう何十年も経験していない。
 
   歳のせいもあるだろうが、小生は極めて短眠である。概ね3~4時間ぐらいで、目が覚めてしまうのである。それが習慣になってしまったようで、何時に寝てもその時間が過ぎると目が覚めてしまうのである。困ったことに、夜早く寝ようものなら、その日のうちに目が覚めてしまうことだってある・・・。
 
   家にいるときなど、夜の10時から11時ごろには床に就くので、夜中の2時過ぎから3時ごろには目が覚めてしまう。少なくとも明け方までは寝ようと努力をしたが寝付けず、悶々としていたが、ある時期から目が覚めたら「起きる!」と決めたら、意外と調子が良くて、本が読めるのである。
 
   今では習慣となって、“睡眠”時間が平均4時間である。読書もはかどり、体調も悪くはないのだが、お陰で夜の付き合いが苦手になってしまった・・・。アルコールが入るとてきめんで、睡魔に勝てないのだ。
 
   最近もの忘れが激しい(歳のせいもあるのだろうが・・・)ので、“睡眠”不足のせいではないかと気になり、“睡眠”に関する本を読み漁ると、けっこういろんな研究がなされているようだ。それによると、日本は不眠に悩む人が多く、「不眠大国」だという。
 
   最近は、“睡眠”のメカニズムに関する科学的な研究が進んでいるそうだ。また、不眠による国民の健康への弊害を心配してか、厚労省も「健康づくりのための睡眠指針~睡眠12箇条~」をまとめて、公表している。関心のある人は、のぞいて欲しい。
 
   現代人の5人に1人は“睡眠”に関する悩みを抱えているそうで、“睡眠”不足から生じる作業効率の低下や事故などによる経済的損失は、年間で約3・5兆円にのぼるという試算もされているそうだ。日中のパフォーマンスが“睡眠”の質で決まるということであれば、私たちは自らの睡眠法について、もっと真剣に考える必要があると思う。
 
   ショートスリーパーという言葉があるが、ナポレオンのように短い睡眠でも健康を保ち、偉業を成し遂げた人もいるようだが例外だそうで、なろうと思ってなれるものではないという。確かに、睡眠不足は堪えるし、知らず知らずにロス・タイムをつくり出しているような気がする。「もっと、起きている時間のパフォーマンスを高めよう!」という戦略的な視点から、自らに合った“睡眠”方法を一度真剣に考えるのは、人生を豊かにするためにも大切だと思う。
 
   そのとき、朝型のリズムを習慣化する考え方は絶対にお勧めしたい!
 

今週の考える言葉「観想」

考える言葉

観想

   前回の『IG後継者育成塾』(第5期⑤)で、「仕事の価値化」について研修をし、討議してもらっていたとき、ふっと思い浮かんだのが“観想”という言葉である。その語源は、ギリシャ語のテオーリア(theōria)に起因する概念だという。
 
   “観想”とは、表面的な理解を突き抜けて、より深い意味を探り、物事の本質を洞察することである。アリストテレスは、理性(=考える力)こそが人間の本質であるから、観想的な生活を送ることこそが最大の幸福であるとした。
 
   情報化社会に生きている現代人は、何か分からない事が出てきてもインターネットで調べれば、すぐに分かる。そう、深く考えることをしなくても、いっぱしの議論もできるし、すっかり知り尽くしているかのごとく思い込んでしまう傾向がある。
 
   情報過多の気忙しい環境で生きていると、浅く広くの知識の詰め込みが習慣化され、薄っぺらな思考しかできなくなり、目の前で起きている現象的な事実に対応することばかりに気が奪われて、その奥にある本質を見失ってしまう危険性をつねに潜んでいる。まさに、モグラ叩きの状態である。
 
   今の経営者にとって、“観想”の習慣を持つことは極めて重要な事だと考える。なぜなら、変化に翻弄されず、その奥にある真実を洞察するには、自らの頭で深く考え抜くしか方法がないからである。
 
   “観想”とは、一つの特定された問題に焦点を当てて、それを深く考え抜くことである。心をそこへ集中する必要がある。例えば、今回のテーマである「仕事の価値化」について次のように自問自答し、考えを集中してみよう。
 
 ① これはどういう意味なのだろうか?
 ② その提案の意味していること、目的とは何だろうか?
 ③ 自分にとって、どんな意味があるのだろうか?
 ④ この考えを経営に活かせるだろうか?
 ⑤ 我が社の幹部や社員に問うたら、どう答えるだろうか?
 
   どうだろう?どれぐらいの時間を、そのテーマに集中できただろうか・・・。また、どのような考えが浮かび、整理できたであろうか。思ったほど、集中力が持続しないことに驚かされる人もいるだろう。
 
   以前に、ある先生が言っていた事を思い出す。『心とは、「ころころ」するから「こころ」って、言うのだ・・・』と。あらゆる雑念を取り除き、一点に心を集中させるためには、やはり、それなりの訓練が必要だ。
 
   そのためにも、“観想”の習慣を身につけるように努力をしたいと考える。
 

今週の考える言葉「改めて、問う」

考える言葉

改めて、問う

   先週末、『IG後継者育成塾(第5期⑤)』を終えたばかりである。お陰様で、2008年9月に第1期をスタートしてから9年目に入る。今回もそうであったが、卒業生がときどき顔を出してくれるのが有難い・・・。
  
   今回のテーマは、「仕事を価値化する~仕事の報酬は仕事!」である。「仕事の価値化」とは、何を意味するのだろうか?“改めて、問う”と、いろいろな答えが出てきそうで面白い。グループ討議も、様々な意見が飛び交い、弾んでいたようだ。
 
   「仕事の価値化」を考えるとき、「自分は今、何のために働いているのか?」という仕事の目的やその仕事を選んだ自らの動機を問うことから始める必要があるだろう。“改めて、問う”と、それこそ十人十色だ。
 
   「生活のため。趣味や生きがいは他にある」「能力を高め、スキルアップしたい」「楽しいから、好きだから」「報酬をガンガン稼ぎたい」「自己実現したい(夢や志)」「社会貢献したい」等など・・・。
 
   このように仕事に対する目的や動機を“改めて、問う”と、ものの考え方(価値観)に次元の違いを感じることができる。「生活のため」というのと、「自己実現あるいは社会貢献のため」というのでは、明らかに次元の違いがあると思う。
 
   実は、「仕事の価値化」とは、その目的や動機の次元を高次化することにあると考える。つまり、マズローの欲求5段階説でいうところの、欠乏欲求(生理・安全・帰属・自尊)から成長欲求(自己実現・自己超越)へと次元を高めていくことから始めるべきではないだろうか。
 
   仕事の本質は、奉仕である。仕事の「仕」も「事」も「つかえる」という意味だ。世のため人のために貢献できてこそ、仕事の価値は高まるものだ。まさに、仕事の報酬は仕事なのだ。
 
   仕事は必ず場を形成する・・・。場とは社会システムを構成する部分であるが、様々な出逢いがあり、関係性を構築して、システム化していく。そのような状況下で、私たちは支えられ、生かされている。つまり、職場とは働く者にとって協働の場であると同時に、成長機会を提供してくれる場であり、自己実現のステージである。
 
   企業は、社会への貢献性を高めることにより、存在価値が認められ、より大きな場へと成長していく。その場に、優秀な人材が集い、切磋琢磨しあい、互いに成長する機会を共有しているのである。
 
   このように考えると、仕事の価値化とは社会システムの抱えている問題(ニーズ)に応えることによって、社会の進化に貢献することではないだろうか・・・。
 

今週の考える言葉「生涯未婚率」

考える言葉

生涯未婚率

   “生涯未婚率”という言葉がある。日本政府が人口の統計において用いている用語であり、50歳になった時点で一度も結婚をしたことがない人間の割合を意味する言葉だそうだ。
 
   従来、日本における“生涯未婚率”は極めて少ない数字だったようで、1970年代迄は安定して2%程度、2000年頃でも10%未満という数字だったようだ。その後、年々上昇傾向にあり、2010年には男性の生涯未婚率は20%を超える迄になっているという。
 
   最近の国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、50歳までに一度も結婚したことがない人が2015年に男性で4人に1人、女性で7人に1人いたことが分かったという。こうした人の割合を示す“生涯未婚率”は、10年前の前回調査から男女とも3ポイント以上増えて過去最高を更新。
 
   “生涯未婚率”高まった要因が、いくつか指摘されている。
  
   ① 一つに、女性の社会進出が挙げられる。
   1986年4月から施行された「男女雇用機会均等法」が、女性の社会進出に拍車をかけた。結婚せず、独立したライフスタイルを選ぶ人が増えた。その結果、結婚という形でのパートナーを持つ必要がないという考え方が徐々に広まったという。できる女性ほど、相手を選ぶ条件が高くなり、なかなか良い相手がなく、そのうち結婚の適齢期を逃してしまう・・・。
 
   ② 次に、収入格差の増大が挙げられる。
   1990年バブル崩壊以降、フリーターなど非正規雇用者の増加に伴い、収入が不安定で将来設計が立てられないという。経済的な余裕がないことが原因だという。
 
   ③ さらに、独身主義者が増加していることも理由として挙げられる。
   「自分の稼いだお金を自分の好きことに使いたい」「家族をもつことに価値を見出せない」という。
  
   「国(家庭も個人も同じ)というものは、平らな底をもつ皿を、政治、経済、宗教という3本の柱で支えているようなものだ。柱の一本でも長かったり、短かったりすれば、水はこぼれてしまう。周りが見えず、経済が長ければ日本、宗教が長ければイラクのようになる・・・」(「大愚のすすめ」山田恵諦 著)。
 
   3本柱のバランスがとれていると、皿の中の人たちは穏やかに過ごせるという。日本の少子高齢化、人口減少の問題は、社会的システムとして深刻な課題である。
 
   「なんのために?」とか「なぜ?」という、物事の本質を自らに問うことを行い、自己革新をしていくことが、全体(国)も部分(企業や家庭、個人)も求められている。
 

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