古田会計事務所

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今週の考える言葉「糖化」

考える言葉

糖化

   『”糖化”で体が焦げる!』(「週刊朝日」8・7号)という気になる記事が記載されていたので紹介したい。
 
   “糖化”とは、たんぱく質(アミノ酸)がブドウ糖(グルコース)と結びつく現象。「たんぱく質である卵や牛乳に、糖質である小麦や砂糖を混ぜて焼くと、こんがりとした焼き色になるが、あれが”糖化”という現象だ」そうだ。
 
   よく似た言葉に「酸化」があるが、これは物質が酸素と結合する現象であり、クギなどが茶色くさびるのがそうで、「体がさびる」と表現される。それ対し、「体が焦げる」と表現したのだと思う。
 
   さて、『”糖化”で体が焦げる』と、私たちの体に次のような問題が生じてくるので要注意である。
 
   一つは、免疫力の低下である。
 
   “糖化”によって、食後に血糖値が急激に上がる状態(血糖値スパイク)が生じ、これが繰り返されると、免疫細胞の活性が低下し、免疫力が下がってしまうという。コロナが猛威をふるっている今、免疫力の低下は避けたいものだ。
 
   もう一つは、細胞の劣化である。
 
   “糖化”の影響で起こる最たるものが、糖尿病の合併症である。糖尿病は万病の元といわれるように、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞、骨粗鬆症、白内障、認知症など全身に及ぶという。
 
   では、”糖化”はなぜ、様々な病気を引き起こすのであろうか?
 
   その原因は、”糖化”によって生じる「AGE(終末糖化産物)」という老化を促進させる物質のせいだという。これが、様々な細胞に悪さをして、活性酸素をしのぐほどの健康問題を引き起こしているのだという。
 
   「AGE」に悪さをさせないためには、その原因の元である”糖化”を予防するしかないのである。”糖化”を予防する生活習慣として、次の5点を挙げている。
 
① 朝食は必ずとる
 
② 食事は野菜から。よくかんで食べる。
 
③ お酒を控える(特に飲むと顔が赤くなる人)
 
④ 睡眠をしっかりとる
 
⑤ 軽い運動を続ける
 
   コロナ禍の外出控えで運動不足、ストレスから甘い菓子ばかりを食べてばかりいる・・・。そんな生活をしている人は要注意。予防に気をつけよう!
 

今週の考える言葉「潜勢力」

考える言葉

潜勢力

   コロナのおかげ(?)で、出張がなくなり、読書量がずいぶんと増えた・・・。せっかくの機会だから、ハウツー本ではなく、心を磨くのに役立つような本をできるだけ読もうと心掛けてみた。
 
   そこで書棚を探していると、目に付いたのが哲人・中村天風に関する数冊の本だった。”考える言葉”シリーズ(20‐27)で紹介した”雲烟過眼”もそうであったが、今回は”潜勢力”について考えてみたい。”潜勢力”とは、「潜在勢力」と同じ意味で、人の生命の奥深くに実在している力のことである。
 
天風曰く、
「人の心の奥には、”潜在勢力”という驚くべき絶大なる力が、常に人の一切を建設せんと、その潜在意識の待ち構えて居る」(『天風誦句集』)と。
 
   そして、人の心が無限大だというのは、その”潜勢力”が宇宙エネルギーに通じているからだという。
 
   ではなぜ、人の心に、このような偉大な力が与えられたかというと、天風は「人間は進化向上という尊い使命を果たすべくこの世にきたのだ」と言い切っている。この言葉も、生きる目的に大きな勇気を与えてくれる・・・。
 
   さらに、天風は、”潜勢力”がこの膨大なエネルギーを解放する鍵は次の二つであると、示唆している。
 
① 一つは、積極的な心構え(正しい心、勇気ある心、明るい心、朗らかな心)で思考し、行動すること。
 
② もう一つは、使命観(世の中の進化向上に貢献する)を持つこと。
 
   そして、積極的な心構えを培うのに大切なことは、日常的に使っている「言葉」だという。「言葉」は、直接的には自分の心の態度を、そして結果において自分の人生や生命に大きな影響を与えているという。
 
   そして、セルフモチベーションを引き出すベースとなるのが「使命観」である。世の中の進化向上に貢献するために、「何をなすべきか」をつねに自問自答しよう。
 
   誰だって”潜勢力”を顕在化できるはずなのに、多くの人は潜勢力を眠らせたままでいるという。もったいない話だ・・・。自助とは、”潜勢力”を発揮して、自己救済し、自己実現することをいう。自立とは、”潜勢力”を発揮して、価値高い人生を建設することをいう。
 
   “潜勢力”を引き出し、「自助自立」の生き方をしたいと考える。
 

今週の考える言葉「オープン」

考える言葉

オープン

   創業当初から大事にしていたことの一つに、”オープン”がある。つまり、所内における情報開示の徹底である。
 
   何故かというと、パートナーシップ制に基づいた組織づくりをしたいと考えていたからである。メンバーの一人ひとりが、自らの頭で考え、行動し、責任を持つ主体性のある人材こそが、これからの時代環境において必要とされると感じたからである。
 
   まだ、駆け出しの頃の話で、担当している某顧問先に行った時の事である。そこの社長がカリカリしながら、「専務はじめうちの連中には、全く持って危機感がない」と言葉を投げ捨てた。
 
   「どうしたんですか」と尋ねると、月末の資金繰りに追われ、朝から数社の銀行廻りをして、頭を下げて戻ってきたら、専務が自分の机に座ってユタっと煙草を吸っていたという・・・。
 
   そのあと、専務にそれとなく聞いたら、「先生、何かあったんですか?朝からバタバタ出かけたと思ったら、戻ってきたらいきなり不機嫌・・・」と怪訝そうな顔をした。
 
   その専務は、社長が月末の手形を落とす資金がなく、資金調達で悪戦苦闘しているということを全く知らなかったのである。つまり、会社の財務状況は、専務はじめ社員たちには全く”オープン”にされてなかったのである。
 
   そのことを社長に話すと、「会社の経営状況を”オープン”にすると、みんな辞めていくだろう」という反応だった・・・。「なるほど、そんな懸念があったのか」とショックだったこと、今でも覚えている。
 
   どうしようもない過去の結果だけを”オープン”にすると、ネガティブ思考に陥るしかない。じゃぁ、今何を考え、行動するかで、どうにでもなる未来を”オープン”にしたらいいではないか・・・。
 
   その唯一の手段・方法が、経営計画の策定である。夢と志、未来を”オープン”にし、皆で共有できるシナリオづくりこそが、経営計画をつくる真の目的である。「明日のための行動」を明確に描き、”オープン”にする。まさに、ポジティブ思考がどんどん湧いて出てきそうな気分である。
 
   経営において”オープン”にすることの最大の効果は、問題意識の共有であろう。そして、そこから生まれる相互の責任観念が連帯意識を高めることになり、組織としての大きな成果に繋がるのである。
 
   “オープン”思考で、最も気をつけるべきことは、相手のプライベートな心の中に土足で踏み込むような行為であろう。真の”オープン”思考を磨き上げたいと思う。
 

今週の考える言葉「会計期間」

考える言葉

会計期間

   “会計期間”とは、決算書の作成対象となる期間をいう。その“会計期間”に対して、ドラッカーは次のような指摘をしている。
 
   「今日の税制は、産業社会に時間単位として365日を強制することによって、不景気の年には設備投資をできないようにしている。業績が年を超えられないようになっており、決算期ごとに事業は再スタートする形になっている」と・・・。さすが、鋭い指摘である。
 
   なるほど確かに、節税対策と称してムダな経費を計上したり、不要不急な設備投資を計上したり、また、資金対策と称して粉飾をしたりして、一年という“会計期間”に振り回されている嫌いがある。
 
   “会計期間”は制度である。企業は、あらゆるステークホルダー(利害関係者)に対して情報開示する責任があるので、“会計期間”を定めて決算を行ない、営業成績や財務内容を報告しなければならないのである。
 
   これに対して経営は、ゴーイングコンサーン(継続企業の概念)という考え方を前提として、利潤を上げて社会的な役割を果たすために行うのである。そのためには、“会計期間”という制度に捉われて、目先の業績だけに振り回されないように心掛ける必要がある。
 
   そこでお勧めなのが、IG会計グループが長年取り組んできている「未来会計」という考え方である。これは、「意思決定会計」とも称し、経営者の意思決定をサポートするための会計である。故に、制度としての“会計期間”に捉われることなく、存続・発展と社会的役割という観点から、利潤を長期的に考えることができる。
 
   制度としての“会計期間”では、一年という期間で成果を考え、計算する必要がある。だが、経営としての“会計期間”はもっと中長期的な観点から3~5年、さらに10年というスパンで考える必要があるだろう。
 
   IGグループの『将軍の日』では、経営者が思い描く「理念(想い)、ミッション(行動)、ビジョン(結果)」を一日しっかりと考えるための時間を用意しており、スタッフがその想いに寄り添って一緒に考えさせて頂くようにしている。
 
   「あるべき姿-現状」のギャップ(=課題)を捉え、目標設定する。そして、中期経営計画をつくって、単年度の行動計画へと落とし込む。「仮説~実践~検証」の目標管理は、各年度の“会計期間”に基づいて実施するが、未来からの逆算思考が根本の考え方としてある。
 
   制度としての“会計期間”に振り回されない戦略的な思考が求められる時代である。
 

今週の考える言葉「雲烟過眼」

考える言葉

雲烟過眼

   “雲烟過眼(うんえんかがん)”・・・。1~2年ほど前に買って、読んだ本であるが、「中村天風 折れないこころをつくる本」(池田光 解説)を再読していると、マーカーで印しをつけていた言葉だ。
 
   “雲烟過眼”とは、かすみや雲が目の前を過ぎ去り、去ればそれっきり思わないことをいう。つまり、物事に深く執着しない例えのことだそうだ。以前にマーカーで印しをつけておいたはずの言葉なのに、記憶から飛んでいた・・・。
 
   まさに、“雲烟過眼”の記憶力だ・・・(苦笑)。「急行列車の中で、窓に写るいろんな景色を、フーッ、フーッと雲烟過眼する気持ちが、とらわれない、執着解脱の心境なのである」(『運命を拓く』)と述べている。
 
   つまり、“雲烟過眼”の気持ちとは、とらわれのない、執着から解き放された心境だと説明している。
 
   コロナの影響もあり、一人でいる時間が多くなったので、自分自身の過去の出来事を振り返ってみたが、すべてが“雲烟過眼”とはいかず、執着心(雑念や妄念)に振り回されている自分も多々あるようだ・・・。
 
   天風曰く、“雲烟過眼”の心境であれば、心が強くなり、持てる力を発揮することができて、いい仕事ができるのだという。では、どうすればわれわれは、とらわれから脱することができるのであろうか・・・?「人生は心一つの置きどころ」(天風)、その心をどうコントロールすればいいのだろうか・・・。
 
   先ず、最も重要な視点は、「心を絶対的に積極化すること」だという。そのためには、次のような考え方が大切になる。
 
 ①  喜びの感情(楽しさ、朗らかさ、おもしろさ)で常に生きること
   ②強く、長く、広く、深く生きること
   ③尊く、強く、正しく、清くあれ
   ④理想を描き自分を磨く
   ⑤人の世のためになることをする
   ⑥日々新しいことをやる
   ⑦雑念・妄念を消すこと
 
   コロナ騒動の中でも、時間は確実に刻まれて過ぎていく・・・。過ぎ去った出来事にいつまでも怒ったり、悲しんだり、こだわったりして、自分の心の状態に振り回されている暇などない。“雲烟過眼”という言葉との再会に感謝である!
 

今週の考える言葉「内部保留」

考える言葉

内部留保

   
 コロナショックの経済的影響は、かなり深刻な事態になりつつある・・・。
 
   観光関連(宿泊・ホテルなど)や飲食業など、例年と比べると売上が半減以上、ひどいところは9割減というところある。そんな状況下、企業における“内部留保”の重要性に関する話題をよく耳にする。“内部留保”とは、企業が稼ぎ出した利益から、税金、配当金、役員賞与などの社外流出分を差し引いたの残りで、利益剰余金ともいう。
 
   ひらたく言えば、「企業の儲けの蓄え」のことである。決算書では、バランスシートの純資産の部に計上される。そして、その良否の判断指標として、よく用いられるのが「自己資本比率」である。
 
   今日的な状況下において、なぜ、“内部留保”に関心が寄せられるのかというと、環境の変化(リスク)に適応できる財務体質が期待されるからであろう。
 
   では、“内部留保”はどんな役割を担っているのであろうか?一言でいうと、利害関係者に対する信頼性であろう。
 
① まず、それが顕著に現れるのは、企業間(BtoB)取引であろう。多くの日本企業は長期的な信用取引を前提として行動している。企業の信頼性(健全性)を高める最も有効な手段一つは“内部留保”である。
 
② つぎに、金融機関からの信頼が厚くなることであろう。倒産リスクが低いため、必要なときに有利な条件で融資を受けることが可能となる。
 
③ それから、株主からの信頼を得ることができるので、株式価値が上がり、企業価値の向上が期待できる。
 
   もちろん、外部との信頼関係においての役割もそうであるが、社内の意思決定においても重要な役割を担ってくれる。企業を拡大しようとするとき、先行投資や設備投資を“内部留保”で賄うことができれば、成長のためのリスクを担いやすくなる。
 
   現状において、日本の中小企業には“内部留保”が厚いところがあまりなく、経営環境の激変・変化への対応が難しい会社も多く、借入れ依存や財産の切り売りなどで『バランスシート劣化型』の倒産が増えるのではないと危惧されている。
 
   そこで、IG会計グループは、収益性の改善・改革はもちろんであるが、自己資本の充実を中心に、つまり“内部留保”を厚くするための改善・改革をテーマに、『バランスシートの見直し』を中心に、徹底した経営計画づくりを提案し始めている。
 
   『コロナ撃破の“将軍の日”セミナー』などを準備し、自らの手で未来を切り拓いていける企業体質づくりのお手伝いをしたいと思う。
 

考える言葉「未来を創る」

考える言葉

未来を創る

   東京都では、コロナ感染者数が3 日連続で100 人を上回ったという。いずれも大半が20代、30代の若年層で、ホストクラブなど夜の繁華街関連の陽性者も目立っているという。小池都知事(女帝)も少しやつれ気味で可哀そう・・・。
 
   コロナ禍で、多くの経営者が様々な意思決定を迫られている。思うに、意思決定は思惑通りいかない現実への挑戦であり、覚悟の決め方である。
 
   ドラッカーは、「経営者の仕事は今日と違う未来をつくることだ」と考え、次のように述べている。
 
   「未来に何かを起こすには勇気を必要とする。努力を必要とする。信念を必要とする。その場しのぎの仕事に身をまかせていたのでは未来はつくれない」(『創造する経営者』)。勇気と努力と信念・・・。
 
   先日のIG会計グループ「全体会議」においても、こんなご時勢だからこそ「われわれの存在意義」そのものを問い直してみる価値があるのではないかと思い、「われわれの事業とは何か」をテーマにディスカッションを試みた。
 
   すなわち、“目的”と手段を確認し合う・・・。
 
「われわれが社会で実現したい価値は何か?」(目的)
「そのために、為すべきことは何か?」(手段)
 
   IG理念の確認からはじまり、ミッション(使命)、ビジョン(あるべき姿)へと議論の内容は進んでいく。
 
「職業会計人は社会的インフラである」
「目標管理の伝道師を目指す」「M70Planの実現」
「未来会計の実践を通して、世の中から倒産という悲劇をなくす」
「倒産は博物館へ!」
「企業価値を高める手伝いをする」
 
   イメージし、突いて出てくる言葉はいつも同じだが、繰り返し、繰り返しディスカッションをし、問い続けることによって、みんなの共通意識は高まっていく。今や流動的で、不安定な時代である。だから今こそ、自らの手で“未来を創る”時である。
 
   「われわれの事業は何か」に対する解を得るため、ドラッカーが用意してくれた「5 つの質問」は、組織のもつエネルギーと資源を正しい領域に集中させてくれる。小生は常に、「ドラッカーの五つの質問」を自らに問いただし、目的と手段を再確認し、“未来を創る”ための意思決定をしている。
 

今週の考える言葉「自粛」

考える言葉

自粛

   “自粛”・・・・・。最近、よく耳にする言葉である。
 
   コロナ禍での3密(密閉、密集、密接)回避が、人々の新たな習慣になりつつあるのだろうか?いろいろなところで、”自粛”の声が聞こえてくる。小生も、2月初旬に東京へ行って以来、行けずじまい。すでに4ヶ月以上も”自粛”が続いている状態である。
 
   “自粛”とは、「みずからの意思で、あることをするのを控えること」(類語大辞典)をいう。要するに、自らの行いや態度を慎むことである。
まだまだコロナ感染自体も予断を許さない状況であるが、コロナによる”自粛”で最も影響を強く受けるのは、第一に経済活動である。多くの新聞・雑誌等で「大型倒産・失業時代」の到来という見出しが目につく。
 
   地元長崎でも、外出の”自粛”はもちろんだが、訪日外国人客(インバウンド)も激減し、観光事業や飲食関係での売り上げの落込みが厳しい。コロナ対策資金の調達による補助金の申請や制度融資などの手続きでバタバタしているが、財務的な体力がない企業においては、どこまで持ち堪えられるか、予断が許せない状況である。
 
   今回のように、外部環境要因で売上激減の事態に陥ったとき、財務的に頼りになるのは「バランスシート(B/S)」の状態であろう。企業の安全性が一目で分かる決算書類である。
 
   しかしながら、中小企業では安全性に余裕があるところが少ない。つまり、「内部留保」が薄く、しかも「手元流動性」の平均は1・9ヶ月(手元のお金が年商に対して約2ヶ月分しかないという意味)。つまり、何の問題もない会社でも、2か月間売上がない状態が続くと資金ショートしてしまうのである。
 
   一方、経済活動の”自粛”で改めて気づかされたのは「働き方」である。一般企業においても、在宅勤務や時間差出勤そしてリモートワークなどで、今までの仕事のスタイルを積極的に見直し始めている会社が出てきているという。
 
   不思議なものだ・・・。当然と思っていた日常通勤が必ずしもベストのワーク・スタイルではないのではないかと、思えるようになってきた。職場環境を共有するという従来のやり方もそれなりの意味があると思うが、一方に毎日そうであるべきかという気もしてきた人も多くいるのではないだろうか・・・。
 
   某政治家の言葉ではないが、「民度の高い日本人」であれば、各人の”自粛”を前提とした多様な仕事のスタイルがあっていいのではないだろうか・・・。
 

今週の考える言葉「機会」

考える言葉

機会

   「”機会”は、変化と共に現れる」という。
 
   コロナウイルスが世界中を席巻し、今までの生活様式や価値観まで変えようとしている。その意味において、今はまさに”機会”到来の時といえよう。私たち企業人は、その変化をいち早く認識し、事業”機会”を発見することの重要性を常に問われている。
 
   ピーター・F・ドラッカーは、氏の著書である『創造する経営者』の中で次のように述べている。「”機会”をもたない企業は生き残ることができない。そして潜在的な”機会”の発見に努めない企業はその存続を運に任せることになる」と・・・。
 
   そして、事業の”機会”を発見するためのヒントとして、次の7つの根源となる領域を示唆している。
 
① 予期せぬもの(予期せぬ成功あるいは失敗)
② ギャップの存在(理想と現実のギャップ)
③ ニーズの発見(プロセス・労働・知識などのニーズ)
④ 産業構造の変化(産業や市場の構造)
⑤ 人口構造の変化
⑥ 認識の変化(価値観や文化の変化)
⑦ 新しい知識の出現(研究開発等の成果)
 
   確かに、変化の激しい今日的な環境においては、あらゆるところに”機会”が存在しているといっても過言ではないだろう。
 
   「変化=機会」だと考え、身の周りに起こっている「変化あるいは”機会”」を意識的に捉えるためにも、それらを検討するミーティングを定期的に開くなどして、仕組化するのも面白いかも知れない・・・。きっと、多くの気づきを共有できるに違いない。さらに、”機会”を事業として成功させるには、チャレンジするしかない。だが、成功確率は3割いけば上々だという。そこで、ドラッカーは次の2点を指摘している。
 
① まず、廃棄せよ
非生産的なものや陳腐化したものを廃棄し、経営資源を”機会”に集中することが大事であること。
 
② 小規模に、何度も、素早くテストする
「仮説~実践~検証」をまめに繰り返し、フィードバック機能を働かせること。
 
   「ピンチはチャンス!」という。不透明な時代だからこそ、あらゆる”機会”を捉え、自らの手で未来を創造する気概を培いたいと思う。
 

今週の考える言葉「成果」

考える言葉

成果

   コロナ抑制対策といえども、仕事に従事・専念することができず、かなり経済的な支障が出ているという。
 
   観光関連や飲食店においては、売上が半減あるいはゼロに等しいという。ミクロ的な状況においての打撃はもちろんのこと、国内外を問わず市場のシュリンクが激しく、マクロ経済の立て直しは、人類の大きな共有すべき今後の課題となるだろう・・・。
 
   そこで、経済の基盤をなす勤労(働くこと)、仕事の本質である“成果”について考えてみたい。
 
   さて、ドラッカーの出番である。
 
   ドラッカーの説くマネジメントとは、“成果”をあげるために思考し、行動することを体系化したものだと考えてよいだろう。
 
   私たちの仕事は、“成果”をあげるための手段である。つまり、仕事とは“成果”をあげるための行動であり、自分の仕事の“成果”を意識するところからマネジメントが始
まるのである。
 
   ドラッカーは、“成果”の源泉を大きく三つ示唆している。
 
① 外部(環境)・・・外の世界に目を向ける。社会へ価値を提供し、貢献することにおいてしか“成果”は生まれない。
 
② 機会(変化)・・・資源を問題ではなく、機会に投じるようにする。マーケティングとイノベーションのバランスが必要となる。
 
③ リーダーシップ(強み)・・・強みを知って、生かす。自らの価値観を明確にし、顧客からの信頼を高めるようにする。
 
   要するに大切なことは、自らの目標管理を行うときに、「自分の仕事の“成果”を意識すること」を徹底しているかどうか、である。
 
   ドラッカーの示唆してくれた三つの「“成果”の源泉」及び以前にも話したと思うが成果をあげるための「行動習慣」(時間管理の徹底、貢献に焦点、強みを生かす、集中するなど)等々について、常にチェックを怠らないことであろう・・・。
 
   つい最近であるが、ある人からこんな話があった。「コロナのおかげで、ここ数ヶ月まったく違う時間の使い方を経験させてもらった。しかし、本来やるべき仕事の“成果”はどこに消えたのだろうか、またその影響はどうなるのだろうか・・・」と。
 
   消えた時間の“成果”をいまさら考えてもしょうがないが、起こった現実が未来に及ぼす影響は見逃すわけにはいかないだろう。
 
   しっかりと穴埋めをして、仕事の“成果”をマネジメントしたいと考える。
 

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