今週の考える言葉「孫子の五事」
考える言葉
孫子の五事
「一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法」(孫子)。
「人生計画」を考えるときは、五つの視点で自分が有利に戦える方法を設定する必要があるという。
これを孫子は「五事」とし、「道・天・地・将・法」を挙げている。
それぞれが何を意味するのか。「人生計画」の視点から考えてみよう。(『超訳 孫氏の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール』(田口佳史 著)を参照)
① 一つ目の「道」。
これは、自分の将来をリアルにイメージすることを意味する。これができると、どんな行動をとっても、すべて一つの道を歩むが如しで、憂いや迷いがなくなる。困難なことも喜んで受け入れられて、気分爽快である。
② 二つ目は「天」、時代性をいう。
時代の要請に応えるための計画を練ること。よく「時代の追い風が吹いた」という表現をするが、あれは「たまたま」ではない。時代が自分のやっていることの追い風になるように計画をしたからである。うまく利用できたのだ。
③ 三つ目は「地」、自分が活躍するフィールドである。
どの分野で一流を目指すか。具体的には、自分の天性に合った分野、競争のないオンリーワンの分野、世界的な広がりが展望できる分野、自分の資質・能力を生かせる分野であることが望ましい。
④ 四つ目は「将」、必須能力をいう。
上に立つ人とは、智謀があって、信頼され、部下思いで、勇気があって、部下にも自分にも厳しい、「智・信・仁・勇・厳」を備えている人をいう。つまり、目標を達成するために必要不可欠能力を備えていることだ。
⑤ 五つ目の「法」、己に克つことである。
人生計画における「法」は自分自身を厳しく律することをいう。世の中には、目標達成を拒む甘い誘惑が満ちている。どんな誘惑であろうとも気を許さないことだ。
目標達成を邪魔するものは、何が何でも排除する強い意思を持つ。それもまた「人生計画」の重要なポイントとなる。
以上が、孫氏がいう、「人生計画」を立てるときに必要な五つの視点、「五事」の内容である。
未来会計(経営者の意思決定をサポートするためのサービス業務)を事業化するベースとして経営計画の策定はそのベースとなる。孫子の兵法は、有難いことで、いつ読んでも大変有用な気づきを与えてくれる。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」