古田会計事務所

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今週の考える言葉「心のスケール」

考える言葉

心のスケール

   今週の”考える言葉”シリーズも、『中村天風「勝ちぐせ」のセオリー』(鈴村進 著)の中で紹介されている内容をベースに考えてみたい。
 
   天風哲学の真髄を一言で語るとすれば、やはり、「人生は心一つの置きどころ」となるだろう。小生も、この言葉と出会って以来ずっと、座右の銘とさせてもらい、折に触れて肝に銘じている。
 
   その“心のスケール”について考えてみたい。
 
   天風は、「カニは甲羅に似せて穴を掘る」という諺を引用して、「人は自分の“心のスケール”以上の人生はつくらない」と指摘している。
 
   つまり、自分の甲羅だけの穴を掘ってそこに潜んでいれば、気持ちがいいし安全である。なまじ穴に余裕があると、予期しない外敵の侵入される危険がる。だが、その穴は永遠に狭い穴でしかない。
 
   自分がこれまで最高だと信じてきたものを否定しなければ新しいものに目を開くことはできないのだ。今風にいうと、「自己革新力」だといえよう。つまり、進化・向上を願うのであれば、常に自分の穴を大きくすることを考えていなければならないのである。
 
   天風は、栄西禅師の『興禅護国論』を読んで、「広大無辺の大宇宙よりもさらに心は大きいじゃないか」と悟ったという。
 
   そして、日本の哲学者・安岡正篤(1898~1983)は、「人間の心というものは、天地・自然が人間を通じて立てたもので、われわれの心は天地の心である」と述べている。
 
   京セラ・第二電電の創業者である稲盛和夫(1932~2022)氏も、心のあり方をたいへん大事にされた経営者であった。
 
   彼の書である『心~人生を意のままにする力』中で、次のように述べている。
 
   『人の心の最も深いところにある「真我」にまで到達すると、万物の根源ともいえる宇宙の心と同じところに行き着く。したがって、そこから発した「利他の心」は現実を変える力を有し、おのずとラッキーな出来事を呼び込み、成功へと導かれるのです』
 
   『すべては“心”に始まり、“心”に終わる』と言う。つまり、『人生は心のありようで、すべてが決まってしまう。それは実に明確で厳然とした宇宙の法則である』とも述べている。
 
   以上のように、心というものはこれほど偉大なものである。人間は宇宙からこんな貴重な贈り物を授けられているのである。つまり、人間の心はすべての源になっているのである。われわれは先ず、その自覚を持ち、折に触れて、自らの“心のスケール”をチェックし、そのスケールを大きく膨らませるように心がけたいと考える。