今週の考える言葉「風格」
考える言葉
風格
久々に、安岡正篤の著書に触れていると、「人間の“風格”を養う!」という言葉が目に留まり、再読した。
“風格”とは、「その人の容姿や態度に現れる品格。味わい。趣」のことである。
氏は、「四十五十にして聞こゆること無くば、斯(こ)れまた畏(おそ)るるに足らざるのみ」(論語)という孔子の言葉を引用して、次のように述べている。
「四十、五十歳になってもその人の“風格”が出てこないのは、志を立てて勉学することを怠ってきたからなのだ」と。
そして、安岡正篤は“風格”を養うために「六中観(りくちゅうかん)」を説いている。
「忙中有閑、苦中有楽、死中有活、壺中有天、意中有人、腹中有書」。
つまり、
①どんなに忙しい中にあっても、閑(ひま)をつくって楽しむ教養と知性がなくてはならないし、
②苦しい中にあっても楽しみをつくって心の余裕を持たなくてはならない。
③絶体絶命のピンチに陥ってもあきらめることなく活路を見出す知略を湧き起こさなければならないし、
④壺のような狭いところに押し込められても、希望を持って天を仰ぎ、勇気を奮い起こして戦わなければならない。
⑤そしていつも尊敬できる人に私淑し、
⑥聖賢の書を座右に置いて修養に努めなくては人間として徳を磨くことはできないのである。
人生には確かにいくつかの好機がある。しかし、好機だけを狙って人生がうまくいくとは限らない。
人生に油断は禁物である。寸陰を惜しんで人間学を学び、自分の人格力を高めて、視点を高くする努力をしていかなければならない。
よく言われてきたことだが、日本の戦後の教育は知識偏重型で、頭でっかちな人が多く、実践できていなかったり行動が伴わなわなかったりする人が多いと指摘されてきた。つまり、言行不一致では、“風格”を養うことはできない。
やはり、“風格”を養うには志を立てて、自らの価値観を高める努力を怠っては成らないのだと思う。
① 雰囲気に余裕があり、振る舞いが謙虚。
② 信があって、何があっても動じない。
③ 強い信念を持って、大きな夢を追いかけている。
④ リーダー的な存在で、包容力がある。
“風格”が漂う人って、そんな感じだろうか。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」