今週の考える言葉「ブランド力(brand)」
考える言葉
ブランド力(brand)
先週(3月19~23日)は、日本M&A協会の国際会議で、タイのバンコクへ行ってきた。主催は㈱日本M&Aセンターである。1994年の第一回会議(上海)以来、30年にわたり毎年開催されており、おかげで世界の多くの有名都市に訪れる機会を得、見聞を広げることができている。
最近、海外に行って感ずることがある。日本という国の“ブランド力”(brand)は、強まっているのだろうか。それとも……。
一昔前だったら、海外に行ってお店に入ると、「あなた日本人?」と聞かれ、「はい」と答えると……、離れない!
数年前だが、シドニーに行って感じたことだが、お店入っても、寄ってこない。日本語でしゃべりかけて来た店員がいたので、振り返ると、東京から来たワーキングホリデーの若い女性。話を聞くと、「時給3000円」で働いているという。東京で働いてもせいぜい1500円なので、シドニーで働いたほうが、割がいいという。
思うに、今、日本はいつ潰れてもおかしくない中小企業がたくさんあるという。
① 自己資本比率が20%未満の会社
② 借入金の償還に10年以上かかる会社
上記に当てはまるとしたら、真剣に自社の収益力を高めるためにどうしたらいいのかを、早急に考える必要があると思う。
利益創出の構造は、「利益=売上×利益率-固定費」と明確である。つまり、収益力を高めるためのパターンは、次の5つである。
① 高く売れる(単価が高い)~高製品力
② たくさん売れる~高生産性
③ 安く仕入・外注する~外部購入費安
④ 人件費が少ない~低人件費
⑤ 固定経費が少ない~固定経費安
自社の“ブランド力”を高めるためには、やはり、他社との差別化ができる状態であるかどうかだろう。そのためには、先ずは自社の収益力を高める努力を怠らないことであろう。
“ブランド力”を高めることによって、企業には同業他社との差別化、付加価値の向上、値決め決定権が得られる。また、自社内の意思統一と社員モチベーションの向上につながるし、ビジネスパートナーの協力、採用活動の効率化などが期待できる。
消費者・顧客にとっては、探索コストの低減やリスク回避というメリットを享受できることになるだろう。ブランド力を高める意識を持ちたいと考える。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」