今週の考える言葉「管理会計」
考える言葉
管理会計
先週末(1月17~18日)、福岡で「IG後継者育成塾(第8期第7講)」であった。
以前にも紹介しているが、「IG後継者育成塾」の目的は、創業者の志を継承する「後継者の人材」を育成するところにある。
そのために、習得すべき最大のテーマは、「自己革新力」である。そのために必要な課題として3つのテーマ(① 思考力、② 数字力、③ モチベーション力)を身につけるために、全12講でカリキュラム化して行っている。
2ヵ月に一回の開催なので、終了するのに2年間を要することになる。それだけの時間かけて行う理由に一つは、ただ知識の習得だけでなく、経営者にとって大切な人脈づくりの機会にして欲しいからだ。現に、卒業したあとも、定期的に会ったり、情報交換したりをしているようだ。
さて、今回は『管理会計~会計を経営に活かす』というテーマで、その大家である澤邉紀生教授(京大)お招きして、「経営者の意思決定をサポートするための会計」である“管理会計”について、大変分かりやすく、噛み砕いて、じっくりと講義して頂いた。
経営者としての仕事を行うための出発点として、まずドラッカーの「五つの質問」がある。「これらの質問に答えることは、経営者にしかできない仕事!」であり、「これらの質問に答え続ける者こそが経営者!であるという。
その意味で、「五つの質問」は経営者にとって必要な「道具箱」だという。ただ、道具を「所有する」のと「使いこなす」とは違う。「使いこなす」ためには、経営者目的の“管理会計”をしっかり学び、身につける必要があるという。
「5つの質問」を使いこなすことによって、「経営者としての夢(将来のあるべき姿)が明確になってくる。その夢、あるべき姿を実現するためにはどうしたら良いか考え、計画し、実行し、実現する経営」、まさに「逆算の経営」を具現化するために必要な会計の領域が“管理会計”だといえよう。
その意味において、“管理会計”は「未来会計」であり、「意思決定のための会計」だと言える。
多くの経営者は、会計といえば、過去の結果をまとめて、税務署に申告するために、あるいは利害関係者に報告するに義務付けられているように思っている人が多い。小生は、それを過去会計であり、報告会計と呼んでいる。過去は変えられないので、自分に不都合な結果であれば、ごまかしてしまう。いわゆる粉飾決算である。
その点、“管理会計”とは、経営のレベルアップのために有用な、真に経営者のための会計だといえよう。IG会計グループでは、ずっと以前から、MAS監査というビジネスモデルを構築し、提供している。導入した企業の黒字率は90%を超えている。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」