今週の考える言葉「フロー概念」
考える言葉
フロー概念
“フロー”といっても、経済学や会計学でいうところの「フロー(一定期間の増減額)」や「ストック(一定時点の残高)」の関係における“フロー”ではない。
ハンガリー出身で、アメリカの心理学者であるミハイ・チクセントミハイ(1934~2021年)が提唱した“フロー概念”について考えてみたい。
次の問いへの追求から、氏の研究はスタートする。
「人が、その持てる力を最大限に発揮して、充実感を覚えるときというのは、どのような状況なのだろうか?」
この問いに答えるために、チクセントミハイがとった方法は、様々なジャンルにおいて、仕事を愛し、活躍している人たちにひたすらインタビューをしていったという。そのとき、氏はあることに気づく。
それは、かれらが、最高潮に仕事に「ノッテいる」ときに、その状態を表現する手段として、しばしば“フロー”という言葉を用いていたという。
ここでいう“フロー”とは、「最高に集中していてなおかつリラックスしている状態。没頭」をいう。
チクセントミハイは、“フロー状態”に入ると、次のような状況が発生するという。
① 過程のすべての段階に明確な目的・目標がある
② 行動に対する即座のフィードバックがある
③ 挑戦と能力が釣り合っている
④ 今やっていることに集中する(行為と意識の融合)
⑤ 気を散らすものが意識から締め出される
⑥ 失敗の不安がない
⑦ 自意識が消失する
⑧ 時間間隔が歪む
⑨ 活動が自己目的的になる(手段と目的の一体化)
ここまで、チクセントミハイのいう“フロー概念”について検討してきたが、ひとつ気づいたことがある。
IG会計グループが提唱している未来会計サービスは、循環モデルを徹底することによって生じるフローをつくり出す。まさに“フロー概念”ではないだろうか。
リーダーはメンバーに対し「目標を明確にし」「適切なフィードバックを行い」「スキルを適合させる」仕組みをつくることの提案。まさに、フロー概念である。
一人ひとりの自覚のもと、職場全体を“フロー状態”にしたいと思う。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」