今週の考える言葉「幸福税」
考える言葉
幸福税
小生が独立開業したのは、1984年6月・・・。それから4~5年経った頃だったと思う。少し、余裕ができると同時に、もっと事業を大きくしたいと考えていた時期でもあったのだろう。
ある会合で出逢った人に、ナポレオン・ヒルの「成功哲学」にはまっていた人がいて、彼の勧めで高価なカセットテープを購入し、一緒に学習をした記憶がある。もう30数年前の話になる。(今も事務所に保管されたままになっている)
その当時、1~2年ほど、熱心に勉強会を続けていたが、ナポレオン・ヒルの成功哲学を習得し、卒業したというわけではなかったが、お互いに仕事の忙しさに感けて、その勉強会も自然消滅してしまったという思いがある。ただ、大変刺激を受けた一時であったと思う。
つい最近のことであるが、本屋で目に留まったのが『ナポレオン・ヒル自己実現』(ナポレオン・ヒル著、田中孝顕訳)である。
「どんな災難にも、どのような不愉快な状況、失敗、あるいは肉体的な苦痛であっても、そこには、それに見合うだけの利益の種子が含まれている」という文章で始まっているが、懐かしく思い、つい購入してしまった。
昔取った杵柄か、頷きつつ、あっという間に一読してしまった感じだ。全体を要約すれば、「人生は心ひとつの置き所・・・。心構えがすべてを決定する」というだろう。
「心構えこそ自分でコントロールできる唯一のものであるという事実」だ。つまり、人間に許された、完全でゆるぎない唯一の特権を、自らの人生の目的へ向けてコントロールすることがさえできれば、自分の運命を支配できるのである。
また、努力の重要性について、次のような表現をしてある箇所があった。いい得て妙なので、紹介しておきたい。
それは、「努力は“幸福税だ」という表現だ。人間には努力が不可欠であるが、それは人間があらゆる障害を乗り越えて成長、発達し、強靭になるように、自然が人間に強制する巧みな手段・・・。つまり、幸福になるために負担すべき税金のようなものだという。
無知を克服するにも努力が必要、勉学は永遠の努力であり、生涯の仕事である。また、富を蓄積するにも努力が必要とされる。健全な肉体を維持するのにも、たゆむことのない努力は欠かせないのである。
ある仕事を続けていく努力、仕事で認められるための努力、事業を倒産させない努力・・・。まさに、努力は“幸福税”である。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」