古田会計事務所

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今週の考える言葉「自己の強み」

考える言葉

自己の強み

   P・F・ドラッカーによると、「歴史上の偉人は、自己をマネジメントしたからこそ、偉業を成し遂げた」のだと言う。
 
   「自己をマネジメントする」ということは、「“自己の強み”、仕事の仕方、価値観を知ること」であるが、今回は“自己の強み”について、少し考えてみたい。
 
   日本の歴史において、江戸時代は「士農工商」という制度があって、生まれながらにして、地位も仕事も決まっていた時代であった。ところが今日では、誰でも選択の自由
がある。したがって、自己の適所がどこであるかを知るために、“自己の強み”を知っておく必要がある。
 
   では、“自己の強み”を知るには、どうすればいいだろうか。
 
   ドラッカーの教えを体系化した『IG式目標管理システム』を活用し、「仮設~実践~検証」のサイクルを徹底実践することに尽きると、私は考える。
 
   その中でも、フィードバック分析とその機能をしっかりと活用することが大切だろう。そして、フィードバック分析をやり続けることによって、次の通りやるべきことが明らかになってくる。
 
 ① 明らかになった強みに集中すること。(成果への集中)
 ② その強みをさらに伸ばすこと。(スキルや知識の研鑽)
 ③ 知的傲慢を知り、正すこと。(無知の元凶)
 ④ 自己の欠陥、成果の妨げになっていることを改めること。(自己反省)
 ⑤ 人への接し方を改めること。(潤滑油としての意識)
 ⑥ できないことはしないこと。(己自身を知ること)
 ⑦ 強みに集中すること。(無駄な努力をしないこと)
 
   アメリカの心理学者ターシャ・ユーリック氏は、次のように述べている。
 
   「95%の人は自己認識ができていると思っているが、実際には10~15%の人しか正しい自己認識をしていない」という驚きの統計を明らかにしている。つまり、約9割の人が、自分自身に対して客観的な視点を持てていないということである。
 
   特に気を付けるべきは、「年齢と自己認識は正比例する」という迷信だという。実は、
年齢を重ね、経験豊富な人ほど、自己の能力に対する評価が甘いという研究結果があるそうだ。
 
   「敵を知り己を知れば百戦危うからず」(孫氏)という諺がある。他人の言葉に謙虚に耳を傾け、“自己の強み”を正しく知ること。そして、その強みで相手の弱みをかばってあげるような仕事の仕方、価値観を身につけていきたいと思う。