今週の考える言葉「マクロ環境」
考える言葉
マクロ環境
「企業とは環境適応業である」という言葉がある。今まさに、その真価が問われているのではないか・・・。
私たちが中長期の経営計画をつくるとき、必ず行うのが経営環境の分析である。その環境は、「マクロ的な経済・社会環境」と「ミクロ的な顧客・競争業者・業界」とに大きく分けることができる。
今回は、“マクロ環境”に絞り込んで考えてみたい。
“マクロ環境”とは、分かりやすくいうと“世の中”のことである。組織にとっての機会を生み出したり、組織に脅威を与えたりする大きな力となる環境を指す。具体的には、政治環境、経済環境、社会・文化環境、技術環境、自然環境などがあり、それらの動向が折り重なって“マクロ環境”を創り出しているといえよう。
そして、21世紀という時代環境の中で、次のようなことが、“マクロ環境”の変化に伴う課題として取り沙汰されている。
① グローバル化
② 少子高齢化(人口動態の変化)
③ 価値観の多様化
④ 技術革新に伴う情報化
⑤ エネルギー・資源問題の深刻化(リサイクル、地球温暖化、公害など)
このような“マクロ環境”の変化、それに伴う社会的な課題への対応は、企業にとって社会的責任であると同時に、成長機会でもある。
そして、このような戦略的な課題に取り組む手法の一つとして、「SWOT分析」がある。強みのS、弱みにW、機会のO、脅威のTの頭文字をとって名付けられた分析手法である。
自社の経営力(強みと弱み)と経営環境(機会と脅威)、以上4つの要素を組合わせることによってエリア分けをして、企業戦略の方向性を見定めるやり方である。
① 強み・機会エリア、② 弱み・機会エリア、③ 強み・脅威エリア、④ 弱み・脅威エリア。もちろん、①のエリアが最も活用すべき領域だといえよう。
企業は環境適応業である。
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」(チャールズ・ダーウィン)。
コロナ騒動で、思うような活動ができないこの時だからこそ、戦略的な思考で“マクロ環境”を捉えて、経営革新の機会としたいと考える。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」