今週の考える言葉「シニア移住」
考える言葉
シニア移住
今春開業した北陸新幹線の恩恵で賑わう古都・金沢で、日本M&A理事総会(10月30日)が開催された。
新幹線かがやき 507号(東京~上野~大宮~長野~富山~金沢)で、約 2時間半の旅だ。車窓から見える北アルプスの雄大な眺め、そして日本海に達して、富山に近づくと立山連峰が続く山並み…、途中トンネルが多いのが少し気になったが、心が和む素晴らしい景色である。
自宅に戻り、週刊朝日を手に取ると「“シニア移住”にやさしい街」特集の一つとして、金沢の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」を運営している「シェア金沢」が全国の福祉関係者から注目されているという記事があった。
小生が思考している「農業城下町構想」と重なるところがあり、“シニア移住”に関しては大変関心がある。だいぶ以前に、大企業に長く勤務し海外を飛び回っていた人が、定年後、田舎の町に住み移り、晴耕雨読の生活を楽しんでいるという話を聞いて思いついたのが「農業城下町構想」だ。
アメリカでは、CCRC(Continuing Care Retirement Community)という高齢者を継続的にケアするシステムが広がっているそうだ。
まだ福祉の支援を受けていない自立した高齢者が移り住み、自然と親しみつつ、それぞれが定年前のキャリアを街づくりに活かし合いながら、コミュニティつくりに貢献して過ごす空間である。
小生の「農業城下町構想」は、地域農業の事業化(地域の活性化と人材の多様化)と中小企業で働く人たちの老後プラン(老後保障をすることによる人材の確保)のマッチングモデルである。お互いに人手不足を解消し、新たな成長戦略を描ける機会をつくりたい。それに、 2025年問題を抱えている医療や介護のモデルも加われば、大変豊かな地方創生の一つのあり方が見えてきそうな気がしている。
自然や人とのふれあいの中で、老後の生きがいをどのように確立させていくかが大きな課題となるであろう。つまり、第一に生きがいの確立、そして自然環境の豊かさがあって、人を中心とした地域とのふれあい…。
日本の田舎は、何処にいっても緑と水が豊富で、心の和む自然環境がある。問題は地域に根ざした人間関係を大切にできるかどうかであろう。良くも悪くも、お互いの顔がよく見えるのが田舎である。
ただ、町で仕事をしていても田舎暮らしでも、人間関系の本質は一緒…。他者への貢献を第一義に考え、行動する人は、つねに生きがいを感じる人である。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」