古田会計事務所

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今週の考える言葉「戦術的発想」

考える言葉

戦術的発想

   過去の”考える言葉”シリーズを振り返ってみると、「戦略」という概念に関しては何度となく取り上げてきた。だが、「戦術」に関しては一度も取り上げたことがないことに気づかされた。
 
   そこで今回は、“戦術的発想”とはどんな発想なのかを考えてみたい。「戦略」という概念をしっかりと認識するためにも、その対義語である「戦術」を再認識しておこうと思う。
 
   “戦術的発想”をする人には、次のような傾向があるという。
① まじめにきちんと、決められた仕事をこなしていくことが大事である。
② 仕事は、きちんとプロセスを踏んで行うべきである。
③ 地に足が着いていないことは成功しない
④ きちんきちんと仕事を評価していくことが大切である
⑤ 目に見える状態になっているものを善しとする
⑥ 数値化されたものを重要視する傾向がある。
 
   つまり、俗にいう「日常業務」であり、毎日、一生懸命、目の前の仕事を消化するのに追われ、多忙感に陥っているのである。
 
   その仕事をよく観察すると、次のようなことが主として行われている
 
① 仕事には繰返しが多い(反復的)
② ルールに基づいて仕事し、前例がいつも気になる
③ こつこつ積み上げていく
④ できるだけみなと同じことを望み、同じように思考し、行動する
⑤ 失敗しないように、常に心がける
⑥ 少しでも変わったことをすることが気になる
⑦ 結果よりも過程を重視することが多い
⑧ 守備範囲を決め、一度決めた守備範囲を守る
⑨ 組織は縦割りとなる傾向が強く、横断的な見方を回避する
⑩ 人の評価は減点主義であり、弱みをつくことに力点がおかれる
 
   もちろん、“戦術的発想”に基づいた日常業務は大切な仕事であり、なくてはならない仕事であることは言うまでもない。
 
   ただ、日々、日常業務に追われ、多忙であることが充実感につながり、生きがいを感じているとすれば、気をつけたほうがいい。
 
   全体を見る目(戦略的発想)を怠り、目先のことばかり気にしていたら、時代の変化に取り残されて、未来を失うことになるからだ。
 
   戦略と戦術、その意味を理解し、バランスのとれた思考をしよう。