今週の考える言葉「黄金のワンパターン」
考える言葉
黄金のワンパターン
一年半ほど前に、購入した本に『君はなぜ働くのか』(永松茂久 著)がある。これも書棚の整理をしているときに目に止まり、再読し、改めて気づかされたことについて考えてみたい。
この本の内容は、著者である永松茂久さんが師匠として尊敬している斎藤一人さんに、仕事に関するいろんな質問を投げかけ、講義を受けるという形式で展開している内容である。
その中で、“黄金のワンパターン”というくだりがあったので紹介し、考えてみたい。
「商いは飽きない」という言葉がある。
「この言葉で言うと、主語は売る側。自分が飽きないことが商売だって言っていると思う」が、それは違うのだという。
「商いの主語はあくまでもお客さんなんだよ。お客さんが飽きないことが本当の商いなんだよ。自分が飽きるかどうかは関係ないの。いくら自分が飽きていたって、お客さんが飽きてなかったらそれを売り続けることが大切だし、いくら自分が飽きていなくても、お客さんが飽きていたらそれはもう商いにはならない」と。
このくだりで出てくるのが、“黄金のワンパターン”……。
「人から喜ばれること」を一つ見つけて、それを徹底的にやる。そして、何度もやっているうちにパターンが確立する。
「人って、変化がないと飽きる一面を持っているけど、その反面で『ここは変えられたら嫌だ』っていう側面がある」という。
例えば、水戸黄門のドラマ。問題が起きて、戦って、最後には印籠を出して解決するっていう“黄金のパターン”がある。
悪役の言動にイライラしつつも、最後には、悪役を懲らしめるために、助さんと格さんが印籠を出すラストシーンがあるからこそ、スカッとした気分になり、ついついハマってしまうのだ。
さて、我々の日常業務の殆どがパターン化されているものが多い。頭を使わなくても、手足を動かしていれば一日の業務は片づいてしまう…。マンネリ化して、退屈な日々を送っていないだろうか。
そこで、どうだろう。パターン化された日常業務を“黄金のワンパターン”という視点から見直してみるって、のはどうだろうか。
今自分が抱えている仕事の中に“黄金のワンパターン”といえる業務は何だろうか。
“黄金のワンパターン”になるまで徹底してやり続け、そしてつくったあと、それを人に分け与える。そんな意識を持って、現状を見直してみると生産的で、面白そうだ。
転載元:IG会計グループ 「考える言葉」